1998年4月25日号


種類が増える440BXマザーボード、早くも「大競争時代」か?
Ultra2SCSIインターフェースがオンボードのタイプも登場

 440BXマザーボードの流通量は増大の一途。ショップの商品棚には次々と新しい440BXマザーボードが並び、販売スペースの小さなショップでは早くも440LXマザーボードのスペースを縮小する動きも出てきている。なにしろ、440BXチップセット発表直後から10種類を超える製品が流通し、発表後2週目にはUltra2SCSIオンボードのASUS P2B-SやIntelの純正マザーボードSE440BXなど、さらに10種類もの新製品がアキバに登場している。このほか第一陣製品群の価格が早くも下がり始め、2万円割れの製品も出てきそうな情勢になるなど、440BXマザーボードはすでに「大競争時代」に突入しているといっても過言ではなさそう。

ASUSからUltra2SCSIと100Base-TXオンボードタイプ2種類登場

P2B-SP2B-S
【P2B-Sパッケージ】【P2B-S】
Ultra2SCSIケーブルP2B-L
【Ultra2SCSIケーブル】【P2B-L】

 ASUSからはP2Bシリーズの新顔として、Ultra2SCSIインターフェースをオンボードにした「P2B-S」と、10Base-T/100Base-TX対応のLANインターフェースがオンボードになった「P2B-L」の2種類が登場している。

 P2B-Sは、AdaptecのAIC-7890ABチップとAIC-3860Qチップを積んだ製品で、つまりAdaptec AHA-2940U2Wがそのままオンボードになったもの。驚いたことに、高価なUltra2SCSI対応のケーブルやターミネーターも同梱され、ほかにもUltraWideSCSIケーブルなど付属品が山のように入っている。WideSCSI、NarrowSCSI、Ultra2SCSIコネクタがそれぞれ独立して用意されているので、SCSIヘビーユーザーにはたまらない製品だろう。P2B-Sの実売価格が4万円後半で、Adaptec AHA2940U2Wの実売価格が6万円程度であることを考えると、コストパフォーマンスは異常なほど高い。スペックはATX/AGP×1/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×1。

 P2B-LはIntelの10Base-T/100Base-TX対応LANチップを搭載したマザーボードで、基本的にボードのデザインなどはP2B-Sと共通。実売価格は3万円中盤あたりが相場。こちらは法人需要などで受けそう。このあとには、Ultra2SCSIとLANチップが両方オンボードのP2B-LSの予定もあり、こちらは「最強の440BXマザーボード」の呼び声も高い。ショップに「P2B-LSはいつ入るのか?」と問い合わせる客も多いそうだ。

□ASUSTeK(ASUS)
http://www.asus.com.tw/
・P2B-L
http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/Pentiumpro/P2b-l/index.html
・P2B-S
http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/Pentiumpro/P2b-s/index.html

Intel純正のサウンドオンボード製品が2種類

SE440BXパッケージSE440BX(PA)
【SE440BXパッケージ】【SE440BX(PA)】
SE440BX(IA)ヒートシンク
【SE440BX(IA)】【ヒートシンク】

 Intel純正の440BXマザーボードも2種類登場している。型番はSE440BX(IA)とSE440BX(PA)。両者の違いは、オンボードのCRYSTAL製サウンドチップがISA接続のタイプ「4236B」なのか(IA)、PCI接続のタイプ「4611」なのか(PA)、という点だけ。価格は(PA)のほうが若干高く設定されている。パッケージのデザインは基本的に共通だが、パッケージ表の右下に貼ってあるシールを見れば「ISA Audio」もしくは「PCI Audio」とあるので、これで簡単に見分けることが出きる。

 このマザーボードで興味深いのは、440BXチップセット上に張りつけられている薄型で幅広のアルミ材質ヒートシンク。形状もさることながら、Intelが自らチップセットにヒートシンクをつけるということ自体が、チップセットの発熱の多さを認めているという意味で興味を引く。実際、他社のマザーボードもほとんどがなにかしらのヒートシンクがつけられているため、440BX上のヒートシンク自体は珍しいものではない。

 この2製品はまだアキバでは流通量が極めて少なく、確認できたところでは扱っていたのは2店のみ。そのうちの1店であるコムサテライト1号店では、販売開始数日前から予告していたこともあり、当日は開店すると同時に待っていた人が買ってしまい、即品切れになってしまったそうだ。実売価格は4万円前後で、スペックはATX/AGP×1/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×1/DIMM×3/Sound。

□Intel
http://www.intel.com/
・SE440BX
http://channel.intel.com/business/ibp/boards/se440bx.htm

UMAXやIwillからも440BXマザーボードが出る、ほか

UDBX-AUDBX-A
【UDBX-Aパッケージ】【UMAX UDBX-A】
Iwill BD100CT-6BTM
【Iwill BD100】【CHAINTECH CT-6BTM】

 このほかにも、UMAX UDBX-AやBIOSTAR M6TBC、CHAINTECH CT-6BTMといったちょっと珍しいブランドの製品や、デュアルCPUでUltraWideSCSIオンボードのSUPERMICRO P6DBS、Iwill BD100、デュアルCPU+2チャンネルUltraWideSCSIインターフェイスがオンボードのIwill DBS100といった製品が新たに出ている。これで440BXマザーボードは合わせて20種類を超えることになった。

 440BXマザーボードの動きでは、ほかに一部製品で価格が大きく下がり始めているのが目に付く。たとえば、SOYO SY-6AB、ZiDA(TOMATO Board) 6ABXでは最安値がともに21,800円となり、もはや1万円台も目前。特にSOYOは在庫ショップも豊富で、全体的に価格が下がっているので、お買い得感が高まっている。スペックの点でもPCIが5本あるというのは魅力で、ほかに隠しジャンパ設定でクロックリミッターがはずれるという話も出てきて、一部マニア層では注目度が急上昇中だ。

 種類と数が発表と同時に大量に出てきたことで、440BXマザーボードはいきなり「大競争時代」に突入したかのよう。これからはスペック重視、安定度重視、価格重視などいろいろな面から製品の住みわけも進みそう。買う側としては、発表直後にして「440BXマザーボードが選べる」というのはうれしい状況ではある。

 もちろん、世界的に見れば、これも完全にアキバの特殊事情といえるのかもしれないが。

□Iwill
http://www.iwill.com.tw/
・BD100
http://www.iwill.com.tw/bd100.htm
・DBS100
http://www.iwill.com.tw/dbs100.htm
□CHAINTECH
http://www.chaintech.com.tw/
・CT-6BTM
http://www.chaintech.com.tw/PRODUCTI/6BTM.htm
□SUPERMICRO
http://www.supermicro.com/
・P6DBS
http://www.supermicro.com/products/motherboards/440BX/p6dbs.htm
□UMAX
http://www.umax.com/
□BIOSTAR
http://www.biostar-usa.com/
・M6TBC
http://www.biostar-usa.com/pd/m6tba/m6tba.htm

[撮影協力:BLESSUSER'S SIDE秋葉原店ぷらっとホームTWO-TOPPCiN秋葉原]


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