1998年6月6日号
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台湾で見つけた変なモノ'98
ビックリ仰天!? 光華商場では謎のCPU「黄金戦士」も販売中
●謎のSocket 7対応CPU「黄金戦士」を光華商場で発見!
【「黄金戦士」表】 | 【「黄金戦士」裏】
| 【商品棚に陳列中】 | 【販売ショップ】
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CPUの表面には「200MHz 2.5V」と書かれたシールが貼られており、いちおう簡単な仕様が一目でわかるようになっている。2.5V駆動ということで、これが最新の0.25ミクロンルールによる製造品であることがわかる..。実はこれ、裏返してみるとすぐに真相が判明した。なんと、裏にはノートパソコン用に使われているTCPパッケージのMMX Pentium 200MHzが張りついていたのだった。つまり、TCPパッケージのMMX Pentium 200MHzを無理やりSocket 7化したもので、基本的な構造はただチップの線を延長しているだけ。どうも、もともとは台湾製によくあるSocket 7を搭載したノートパソコンで使うために作られたものらしいのだが。いずれにしても、Socket 7にささる0.25ミクロンルールのMMX Pentiumなど、おそらく世界広しと言えども台湾でしか入手できないものだろう。とにかく、そのアイデアと行動力にはただただ脱帽するばかり。
ショップ店員のオヤジによると、「2.5Vの電圧設定ができるSocket 7マザーボードならなんでも動く、自分も使っている」というので、その言葉を信じて購入。帰国して試してみたところ、なんと本当に動いてしまった。66MHz×3はもちろん、75MHz×3=225MHzでも動作した。環境をきちんとチューニングすれば、83MHzや100MHzのベースクロックでも動くかも知れない..。また、技術的には266MHzのMMX Pentiumを搭載した「黄金戦士」が出てくる可能性も十分ありそうだ。このCPU、どうやら大挙してCOPMUTEX TAIPEIにおしかけた日本人バイヤーたちの注目の的になったようで、すでにショップ関係者の数人が入手して評価中だ。詳しくはA-Master、Happy-Cat(旭川)、高速電脳(西早稲田)のホームページにあがっているレポートを参照してみてほしい。
いずれ、日本で売られる可能性もありそう(というか期待したい)。それにしても、「おそるべし台湾」という以外に言葉が出ない。
□こんぴゅてっく(A-Master)
http://www.a-master.co.jp/computex/computex.html
□高速電脳
http://www.dtinet.or.jp/~hako/
・情報コーナー
http://www.dtinet.or.jp/~hako/PVT.htm
□Happy-Cat
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/index.html
・pun's COMPTEX TAIPEI '98レポート
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/CPT.htm
・pun's 台北探検記
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/taiwan.htm
●音かびる?DoCoMo?台湾で人気の「OZAKIスピーカー」
【声 OZAKI】 | 【箱パッケージ】
| 【音かびる】 | 【謎の日本語】
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牛柄模様に不気味な目玉のイラストがついたパッケージには、意味不明の「声 OZAKI」なるロゴマークがあり、またその隣には「Do Co Mo」のロゴまで入っている。そして、極めつけは、スピーカー本体とパッケージに大きく書かれた謎の日本語メッセージ..
「多媒体の電子頭脳専用 音かびる、まわる、とんてくる 臨場感か凄いタイナミツクサラウント載搭」
(原文のまま)
多媒体はマルチメディア、電子頭脳はパソコンという意味らしいが、音かびるってのは一体なんだ? 実は台湾ではパッケージに日本語が書いてあると「日本製」のイメージがついて売れるらしく、「らしい」日本語をつけて売るのが常套手段になっているのだそうだ(アダルトVideo-CDにもその傾向あり)。実売価格は249~320元(約1,000円~1,300円)。
そういえば、YAMAHAならぬ「山田」のスピーカーを見た人もいるという話も聞いたのだが..。いやはや絶句。
□瞳の倶楽部
http://www.ozaki.com.tw/
●日産のサウンドカードとビデオカード..
【パッケージ】 | 【日産マーチ?】
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これは、日産のビジネスパートナーだという現地企業が発売している製品で、パッケージにはロゴのほかに日産のキャッチコピーである「LIFE TOGETHER」の文字もしっかり印刷されている。そして、製品名も「MARCH」ときたもんだ。
カード自体はS3のサウンドチップ SonicVibesを搭載したごく普通の製品で、「MARCH 白金行進曲」と書かれたシールが張ってある以外は、これといった特徴はない。マニュアルは「日産ロゴ入り」中文マニュアルと、GVCのロゴが入った「PWA32の英文マニュアル」の2つが入っている。PWA32と言えば、アキバでもでよく見かける製品ではあるが..。
購入価格は1,200元(約4,800円)。ちなみに、同時期に台湾に行っていたHappyCat(旭川)のバイヤー担当者は、「日産のビデオカード」を入手したそうだ。しかも、ビデオチップ上にカラーの日産ロゴシールが堂々と張りつけられているという..。
□Happy-Cat
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/index.html
・pun's COMPTEX TAIPEI '98レポート
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/CPT.htm
・pun's 台北探検記
http://plaza18.mbn.or.jp/~happy_cat/taiwan.htm
●リターンキーの差し替えが可能な「三洋電機のキーボード」
【三洋キーボード】 | 【maxellキーボード】 |
変更できるのはリターンキーとその周囲の計4キー。主に「リターンキーの形状が選べる」のがウリのようで、シフトキーのような横長タイプと、手前側が左に長い逆L字型、奥側が左に長い縦長タイプが同梱されている。
購入場所は太平洋T-ZONE和平店で、価格は280元(約1,100円)。ちなみに、光華商場近くのショップではmaxellブランドのキーボードも発見。聞いたところではCanonのマウスやモデムも売られていたとか。
●台湾ではコンビニでNetscapeが買える
【表】 | 【裏】 |
パッケージには、Netscapeオリジナルの灯台イラストと、Me2がうまく組み合わされて印刷され、そのうえタイトルが「Netscape 網路天使」とあるため、「Netscapeのテーマ曲?」とも思えてしまう。が、中身を調べてみたものの、入っている曲は普通の歌謡曲だった。ちょっと残念。
●台湾のCD-Rメディアは怪しさいっぱい
【BIGLOBE】 | 【What's CDR】 |
【品質カヾよい】 | 【店頭にて】 |
そんななかで、怪しげなCD-Rメディアをいくつか発見した。1つは「BIGLOBE」ブランドのCD-Rメディア。「NECTW」とも書いてあり、「http://www.biglobe.net.tw」というURLも書いてある。このほか、「That's CD-R」(太陽誘電製CD-Rメディアのブランド名)ならぬ「What's CDR」や、「品質カヾよい」と書かれている「PONY」(店頭での表記)のメディアもあった。価格は26~40元(約104円~160円)。
ところで、光華商場近辺でのCD-Rメディアの売り方は、日本とはだいぶ違っている。裸のCD-Rメディアとプラスチックケースにそれぞれ価格がついており、購入時にはそれぞれ好みのものを選んで会計する仕組みになっている。「メディアだけ」といった買い方もできるので、常に専用ケースとメディアがセットになっている日本と比べるとかなり合理的だ。ちなみにメディアだけ買うと、簡単な包装をしてくれる。
価格はメディアが1枚24~50元(約96円~200円)、ケースが1枚4~7元(約16円~28円)ほど。
【mP6】 |
1つはmP6の製造を請け負っているとみられる(RISEはファブレス企業)あるSRAM製造メーカーのブース。ここでは実際に動作しているデモも行われ、ノートPC用というBGAパッケージのmP6も展示していた。ただし、ここでは写真撮影などが一切禁止されるなど、半非公開状態。詳しい仕様なども不明。しかし、その向かいのALiのブースでは、大量に展示されたマザーボードの中の1つに、1つだけmP6の載ったものが展示され、こちらは撮影もフリーだった。Socket 7対応のCPUで、外観は6x86MXに似ているといえば似ている。
IDTに続き、意外なところからCPUが出てくることになりそうだが、さて成功するのかどうか。詳細は数ヶ月後に発表されるそうだ。
□RISE Technology
http://www.rise.com/
[写真提供:A-Master]
●ついに真っ赤なマザーボードが登場か?
【UMAX UDBX-AS】 | 【ACHITECH】 |
ちなみに、赤いビデオカードというのは会場のあちこちで展示されていた。なぜか、いずれもRenditionのV2100/V2200を搭載した製品で、赤い基板のポスターを制作してアピールしているメーカーもあった(写真はACHITECのSPIDER 2200)。サウンドカードやイーサネットカードでは既に赤い基板の製品が出まわっているので、そろそろ「全てのパーツが赤いマシン」が作れるようになりそう。
□UMAX
http://www.umax.com.tw/
●合体式ジョイスティック
【合体】 | 【分離】 |
両製品の違いは、PCとの接続パターン。「JSK320」は、ジョイパッド部をゲームポートに接続して使うタイプ。分離時にはジョイパッド部のみが有効になり、ジョイスティック部に合体させると逆にジョイスティック部のみが有効になるしくみ。これに対し「JSK330」では、ジョイスティック部をゲームポートコネクタに接続し、ジョイパッド部はキーボードコネクタに接続してキーボードのエミュレーションを行う構造になっている。こちらの場合、それぞれ個別に使えるので、特に分離・合体する必要性はないのだが、「合体した方が便利」とは担当者の弁。
●MMXキーボード?
【MMX Keyboard】 | 【ロゴ】 |
「MMX」といってもCPUのMMX命令とは無関係で、単に「Multimedia Extention」な機能、つまり音量変更や、ゲーム起動などの機能がついているだけとのこと。しかし、このロゴ、どこかで見たような..。
□FOCUS ELECTRONIC
http://www.focustaipei.com/
□製品情報
http://www.focustaipei.com/6800.htm
●ホイール付き6ボタンマウス
【設定プロパティ】 | 【本体】 |
マウス上面に押下可能なホイールと左右ボタンが、左側面に3つのボタンがついている。左の3ボタンは、主にショートカットなどを割り当てて使用する。デモでは、電卓などがワンタッチで起動できるようになっていた。出荷は7月末の予定という。
□Primax Electronics
http://www.primax-elec.com/
●真っ赤な2000年問題解決カードの真実
【286マシンと一緒に展示】 | 【動作デモ】 |
早速製品内容を確認してみると、「4桁の西暦に対応していない旧式マザーボード向けの製品で、BIOS ROMにパッチを当て、正しい日付情報を返すようにするもの」と説明してくれた。なお、パッチ当ては起動時に毎回行われる必要があるので、2000年以降もずっと使い続ける必要があるそうだ。ちなみに、これをアキバで販売しているT-ZONEミナミによると、いまのところ「全然売れない」そうだ。
□関連記事
【5/9】正体不明の「真っ赤な2000年問題解決8bitカード」
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/980509/etc.html#y2k
□WINIC
http://www.winic.com.tw/
□製品情報
http://www.winic.com.tw/wy2000.htm