1998年8月8日号


期待のPCIサウンドカードSound Blaster Live!とAWE64Dが登場
CreativeのオリジナルPCIサウンド製品がようやく発売に

Sound Blaster Live!パッケージ
【Sound Blaster Live!】【パッケージ】
EMU10K1イベントポスター
【EMU10K1】【イベントポスター】
AWE64D販売中AWE64D
【AWE64D販売中】【AWE64D】

 CreativeのSound Blasterシリーズから、ようやくオリジナルのPCIサウンドカードとして「Sound Blaster Live!」と「Sound Blaster AWE64D」が出た。Creativeからは、すでにSound Blaster PCI64というPCIサウンドカードが出ているものの、こちらはご存知の通り、買収したENSONIQの製品Audio PCIをベースにしたもので、独自開発の製品は今回の2製品が初めてになる。特にLive!は、Sound Blasterシリーズ最高峰モデルという位置付けの製品でもあり、サウンド系マニアには待ち焦がれていたという人も多い。実際、メーカー側の強力プロモーションやショップ側の期待ともあいまって、アキバではちょっとした過熱気味の販売模様となっている。

 Live!は、オリジナルのEMU10K1サウンドチップを搭載し、WaveTableはハード64音+ソフト192音の計256音に対応する。マイクやライン入力といったアナログ端子には金メッキが施され、ゲーム用に3Dサラウンド機能が強化されたほか、スピーカーを4本までドライブすることができる(将来的には8本に対応)。特筆すべきは入力インターフェースの凄さで、標準的なアナログ入出力のほか、カード本体とは別にスロットを1つ占有するデジタルI/Oカードがあり、そこにはDIGITAL OUT DINコネクタ、SPDIF INとOUTのRCAコネクタ、ミニMIDI INとOUTのDINコネクタが装備されている。また、そのうえカード上にもSPDIFやI2Sコネクタなど山のようにインターフェースが用意されている。特にパーソナル用途のサウンドカードでデジタルI/O(SPDIF IN/OUT)をサポートしているのは珍しく、デジタルINについては一部のISAサウンドカードを自ら改造する以外には利用することがほとんどできなかった。それが、高音質をうたったPCIサウンドカードで公式サポートされているというのだから、プロ用に近いサウンド環境が手に入るということで、サウンド系マニアは注目せずにはいられないというわけだ。

 期待度の証明という意味では、日本法人の設定した発売日がまるで守られていないという現象もその一つ。本来なら、正式な発売日は9日(日)で、それに合わせて「Sound Blaster Live! Day in AKIHABARA」と称した記念イベントも展開される予定になっているのだが、一部ショップが7日(金)に早くも販売を開始したことで、その後はなし崩し的に各ショップがフライング販売をスタート。そして、記念イベントとして実施される限定500名のサブウーハー付き4スピーカーシステム「PC Works FourPointSurround」を無償提供するという企画も、ちょっとした混乱を呼んでいる。これは、正式な発売日の9日(日)にLive!をアキバのショップで買った人に引換券を渡し(限定500名)、指定した場所にレシート/Live!製品パッケージ/引換券の3点を持っていけば「PC Wors...」の無償提供を受けられるというものなのだが、この引換券の割り当てをめぐってショップも消費者側も右往左往。引換券の割り当てはショップによって差が大きく、「割り当て枚数が少なすぎる」とメーカー側に怒りを露にしているショップや「引換券はありません」と店内で告知するショップがある一方、OVERTOPで「30枚」、TWO-TOP秋葉原1号店で「15枚+α」を確保したと告知しているショップもあり、発売前からショップ間での引換券確保の争奪戦が繰り広げられていた模様。また電話でショップに「引換券はついているのか?」と問い合わせる客が相次いだという話もある。引換券割り当ての実態は、製品を数多く確保した(仕入れた)ショップに優先的に割り当てられたということのようで、引換券狙いの人はこのあたりの事情を勘案してショップを選ぶのが良さそう。ちなみに、事前に引換券確保の予告を打っているところはフライング販売は行っておらず、予定通り9日(日)に販売を開始する見込み。さらに、かなりの量を確保していると思われる大型店でもLive!の販売が始まるはず。なお、引換えは9日(日)の17時までと時間が決められているので、この点はまず頭に入れておく必要あり。Live!は8日(土)の時点で実売価格は27,000円前後が相場だ(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。Sound Blaster Live!と4スピーカーのデモはT-ZONEミナミ4Fで実施中。

 AWE64Dは、一部のメーカー製PCやショップブランドPCに採用事例があるOEM専用の製品。今まで単体販売はされていなかったが、現在はバルク品が販売されている。DOS環境でのISAバスSound Blaster 16との互換性を取るためのSB-LINKコネクタを装備し、WaveTableは合計64音の性能を持つ。サウンドチップはEMU8008。単純に言うとSound Blaster AWE64のPCI版というところで、とりたてて目立った特徴はないが、どうしてもSound BlasterブランドのPCIサウンドカードでないとだめだ、というブランド志向の人は価格の安いAWE64Dがいいかも知れない(SPDIFはカード上にパターンはあるが、コネクタなどは用意されていない)。実売価格は12,800円で、TWO-TOP秋葉原1号店TWO-TOP秋葉原2号店で販売中。なお、「インテル製CPU&チップセット以外での動作保証は致しかねます」との案内が同店から出ているので、この点は要注意。

 PCIサウンドカード・マーケットは、現状ですでに各社が5,000円程度の製品を多数発売しており、これらがすでにかなりのシェアを確保している。出遅れたCreativeがどう今後展開していくかに注目が集まりそうだ。今週はほかにもDiamondの新PCIサウンドカード「MonsterSound MX200」も登場し、Panasonicからはサウンドカードなしで直接サウンド再生可能なUSBスピーカー「EAB-MPC57USB」も出るなど、サウンド関連製品は新しい物がよりどりみどりだ。

□Creative Technology/クリエイティブメディア
http://www.ctlsg.creaf.com/
http://www.creaf.co.jp/
□Sound Blaster Live!
http://www.sblive.com/
http://www.creaf.co.jp/main/hub/press/980722live1.htm
□「Sound Blaster Live!TM Day in Akihabara」 8月9日開催!
http://www.creaf.co.jp/main/hub/press/980730liveday.htm

[撮影協力:USER'S SIDE秋葉原店TWO-TOP秋葉原1号店]


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