1999年2月20日号 |
世界初のSlot 1とSocket 370両用のマザーボードが登場
16通りのベースクロック設定が用意されたDCS製
【P2/370A】 | 【14,800円】 |
【パッケージ】 | 【どっか絶対出すと思った】 |
●日本語化されたパッケージ
現在アキバで入手可能な「P2/370A」は、サウンドチップのないバージョンのほとんどは、すでに日本語化が完了した完全な日本語版。これはマニュアルも日本語化されており、もちろん発売元による保証とサポートも受けられる。DCSがAcerグループの企業という関係から発売元は日本エイサー(株)で、パッケージには「Slot 1とSocket 370同時搭載で将来のアップグレードが簡単に可能」「Celeron 466MHz,Pentium III 500MHzも対応済」「安心の日本語サポート」「世界初!! Slot 1/Socket 370マルチプラットホームM/B」などと書かれたシールが貼られている。ただし、中にはシールの貼られていない製品もあり、これらは並行輸入品である可能性もあるので、日本語版が欲しいという人は必ず確認して購入することをおすすめめする。
チップセットは440BX。ATXフォームファクタで、I/Oコネクタのすぐ後ろに電源コネクタとSlot 1コネクタが配置され、続いてチップセットとSocket 370コネクタが並んでいる。Slot 1かSocket 370コネクタのどちらかにCPUをさすと、自動的に認識して動作するという仕様で、特にどちらかを選択する設定スイッチなどは用意されていない。もちろん、両方さしてDualで動作させるということはできず、この点はわざわざ店先に注意書きを出しているショップもあるので注意。最近はCeleronのDual環境が一部で流行っていることもあって、すぐにDual動作を期待してしまうところだが、あくまでもどちらか一方が使用できるという仕様で、決してDual対応のマザーボードというわけではない。
気になるのはマザーボードのレイアウト。ほかの製品よりも余分に部品を載せる必要があったせいか、IDEとFDD用のコネクタがAGPコネクタとPCIコネクタの中間という異例の位置に配置されており、ケーブルの配線を考えると、メンテナンス性は大いに犠牲になっている。
●このあとEliteからも両用マザーボードが登場
現在販売されている「P2/370A」は1月に発表されていた製品で、このほかにも同時にApollo Proチップセット搭載版の「P2/370A-V」も発表されている。また、Eliteが後を追うように、似たような両用製品「P6BXT-A+」を発表しており、こちらも近々国内で発売される見込みになっている。
これらの製品のメリットは、とりあえず安いCeleronと組み合わせ、あとから特別なオプションの追加などをせずに、Pentium IIやPentium IIIとの組み合わせにアップグレードできるという点にある。既存のSlot 1対応マザーボードでも、Slot 1→Socket 370変換アダプタを使うことで似たような切り替えはできるが、今回の製品は初めからどちらにも対応しているという点で、特に初心者層に魅力的なものになりそうだ。
CeleronのリテールパッケージがSEPP版(Slot 1)とPPGA版(Socket 370)でまったく同じ外箱デザインになっているため、目的のものとは違うものを買ってしまう人がいたり、ショップも誤って売ってしまうという例がよく聞かれるが、そういう場合でもこのマザーボードなら両対応なので問題なし。ベースクロックが150MHzまで設定できたり、Pentium III対応をうたっているなどのマニアックな要素もあり、マニア予備軍の初心者に対する入門製品として捉えるとわかりやすい。
DCS特有の大きなトンボが描かれたパッケージと、「世界初!! Slot 1/Socket 370マルチプラットホームM/B」などと書かれたシールが目印だ。
□日本エイサー(株)
http://www.acer.co.jp/
・P2/370A
http://www.acer.co.jp/mb_p2370a.html
[撮影協力:AZ’TEC]