1999年5月29日号

RIVA TNT2「Ultra」を搭載したビデオカードが続々登場
カノープス「SPECTRA 5400 PE」に人気集中

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【入荷しました!(1)】【入荷しました!(2)】
RIVA TNT2 Ultra3Dグラス
【RIVA TNT2 Ultra】【3Dグラス】
SPECTRA 5400 PE箱SPECTRA 5400 PE
【SPECTRA 5400 PE箱】【SPECTRA 5400 PE】
AGP-V3800 Deluxe箱AGP-V3800 Deluxe
【AGP-V3800 Deluxe箱】【AGP-V3800 Deluxe】
3D Blaster RIVA TNT2 Ultra箱3D Blaster RIVA TNT2 Ultra
【3D Blaster RIVA TNT2 Ultra箱】【3D Blaster RIVA TNT2 Ultra】

 RIVA TNT2ビデオチップの高速版「RIVA TNT2 Ultra」を搭載したビデオカードが3社から登場、給料日直後と言うタイミングと、RIVA TNT2系のビデオカードとして本命視されていた製品が発売になったこともあって、アキバはちょっとした盛り上がりを見せている。

特徴のハッキリしている3製品

 RIVA TNT2 Ultraは、先行して登場したRIVA TNT2の高速版で、動作クロックがコア150MHz/メモリ183MHzに引き上げられているのが特徴。RIVA TNT2搭載の製品がデビューする頃には、すでにハイエンドを求めるマニア達の間ではすっかりこのUltraの方に関心が移っていたという背景もあり、売る側のショップとしても期待度は大きく、店頭には「入荷しました!」「本命登場」などと派手な張り紙を出してアピールしているところが多い。

 発売になった製品は、カノープス「SPECTRA 5400 Premium Edition」、ASUS「AGP-V3800 Deluxe」、Creative「3D Blaster RIVA TNT2 Ultra 32MB AGP」の計3製品。すべてメモリ32MBを搭載したモデルで、AGP対応になっている。同じビデオチップを搭載した製品ながら、それぞれの特徴があって性格の分かれているのが面白いところ。

徹底したクオリティ重視のカノープス

 カノープスの製品は「Premium Edition」の名前どおり、特別な高級仕立てになっている。メモリに余裕ある200MHz対応SDRAMを使用しているほか、オリジナルの技術として、ディスプレイ特性に合わせてフィルターを切り替えられる「DFS(Dual Filter System)」、映像信号にノイズの影響が出ないようにDACからの信号をメイン基板から切り離して直接コネクタに出力する「SSH(Signal Super Highway)」を採用、冷却ファンにも低ノイズかつ低振動の「動圧流体軸受けタイプ冷却ファン」を採用するなど、徹底したクオリティ重視の設計になっている。特に画質にこだわっている点は、先代となるRIVA TNT搭載ビデオカード「SPECTRA 2500」の発売時に、期待された画質が得られないといったユーザーの声が発売直後にあがり、最終的に「画質イメージ変更サービス」まで実施せざるを得なくなったという過去の一件と無縁ではなさそう。今回の製品では、製品の紹介にオシロスコープを使った波形特性まで見せるという力の入れようで、さらに純正オプションとして高級BNCケーブルも用意するなど、そのクオリティへのこだわりは徹底したものがある。

 ソフトウェアDVDプレイヤーの「WinDVD」、フォトレタッチソフト「PaintShop Pro」、ゲーム「TOMB RADER III」と、バンドルソフトが多いこともあって実売価格は4万円前後と高いものの(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、カノープスの人気は相変わらずで、速度と品質を同時に求めるハイエンドユーザーがこぞって買い求め、今回発売されたRIVA TNT2 Ultra搭載製品の中ではダントツの売れ行き。性能や品質が優れていれば高くても売れるという、アキバ特有の現象が如実に現れている。

機能のASUSと価格のCreative

 ASUSの「AGP-V3800 Deluxe」は機能重視。ビデオキャプチャ機能を内蔵しているほか、DirectX対応ゲームを立体視して楽しめる3Dグラスまで同梱されている。実売価格は3万円半ばといったところで(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、ゲームと手軽なビデオキャプチャ機能を楽しみたいという人には適した製品と言える。バンドルソフトは、ゲームソフトの「TUROK 2」と「XG2」。

 Creativeの「3D Blaster RIVA TNT2 Ultra 32MB AGP」は、ほかの製品と比較してハードウェア的なアドバンテージは特にないものの、シンプルな設計で価格が比較的安いというのが特徴。また、β版ながら、RIVA TNT系ビデオカードでGlide対応の3Dゲームを動かすCreativeオリジナルの「Unified」ドライバがWebで公開されているという点は他にないユニークなところ。実売価格は2万円半ばから後半(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。この価格は、ちょうど同時に出ているRIVA TNT2搭載版のカノープス「SPECTRA 5400」と重なり、カノープス製のRIVA TNTか、CreativeのRIVA TNT2 Ultraかで迷う人が多いようだ。Creativeにしてみれば、思わぬライバルといったところ。バンドルソフトはゲームソフトの「Expendable」が1本。

このあとにDiamondも

 ASUSの製品はやや少ないものの、そのほかの製品は在庫ショップ多数。また、このあとにもRIVA TNT2 Ultra搭載のビデオカードとして、DimaondのViper V770 Ultraなどの製品も控えており、選択肢という意味では大変に豊富。必然的に、製品間での価格競争も激しくなりそうだ。

 こうしたことを考えると、すぐにでも欲しいという人でもなければ、RIVA TNT2 Ultra搭載ビデオカードの選択はじっくり考える余裕を持ってもいいのかも知れない。もちろん、「待てれば」の話だが。

□SPECTRA 5400 Premium Edition(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/spectra_tnt2/spectra5400pe_index.htm
□3D Blaster RIVA TNT2 Ultra 32MB AGP(クリエイティブメディア)
http://www.creaf.co.jp/graphics/riva-tnt-ultra/


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