【 1999年7月31日号 】

ソリッドオーディオプレイヤー「SD-1」発売

SD-1ID付スマートメディア
SD-RFlashGateII

 MP3ならぬ「SolidAudio」に対応した初めての携帯デジタルオーディオプレイヤー「ソリッドオーディオプレーヤーSD-1」がハギワラシスコムから発売になった。大型店にはデモ機も設置され、DiamondのRioデビュー時の状況とはいかないものの、なかなか目立った存在になっている。

 SolidAudioとは、インターネット上で実績のある音楽データ圧縮形式「TwinVQ」をベースにし、ネットワーク配信、著作権保護などの技術を盛りこんだ新しいデジタル音楽データのシステム。SD-1が発売になる直前には、NTTソフトウェアがSolidAudio対応の音楽データ配信システム代行サービスを発表するなど、草の根的に普及を始めたMP3とは正反対の動きを見せている。

 SD-1は、記録媒体として著作権保護対応の「ID付きスマートメディア」を使う初めての携帯デジタルオーディオプレイヤー。PCカードを2枚重ねた程度のコンパクトなボディサイズが特徴。また、メタリックなボディはこれまでの携帯MP3プレイヤーとは比較にならないほど綺麗で、これはさすがに国産機器らしいところ。ただし、価格が高いのも国産らしいところで、SD-1を含めてSolidAudio対応の環境を全て整えるにはかなりのコストが必要になってしまう。SD-1の本体価格は約3万円、16MB容量のID付きスマートメディアは約5,500円、ID付きスマートメディアにデータを書き込むための対応ドライブユニットが約5,000円~9,000円で(それぞれの価格の詳細については「今週見つけた新製品」参照のこと)、自分でエンコードしてデータを転送する最低限必要な構成を揃えるだけでも4万円を超えてしまう。本体メモリ内蔵の上に標準のスマートメディアが利用でき、パラレルケーブル経由でデータ転送ができる既存の携帯MP3プレイヤーは、メジャーどころの製品でも実売価格は2万円前後。音楽データ配信のコンテンツがまだ揃っていない現状では、MDと比較した場合でもかなり厳しいところ。

 スタートしたばかりのSolidAudio。音楽データ配信サービスを含めた今後の動き次第で、市場での評価も大きく変化しそう。ショップには試聴できるデモ機も置かれているので、まずは国産初のデジタルオーディオプレイヤーを店頭で試してみてはいかが。

□SolidAudio Project
http://www.solidaudio.jpn.net/
□SD-1(ハギワラシスコム)
http://www.hscjpn.co.jp/whatnew/new1.html

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIT-ZONE本店]


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