【 1999年10月9日号 】

貼って使えるWorkPad用キーボード「ThumbType」

ThumbTypeThumbType
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 日本生まれの画期的なWorkPad(Palm)用キーボード「ThumbType」の販売がモバイル系ショップで始まった。柔らかいシート状のキーボードで、なんと使うときだけ液晶タッチパネルに貼りつけるというユニークな製品だ。

 WorkPad用キーボードと言えば、「Go Type!」などの折りたたみ式外付けキーボードが有名だが、これはまさに純然たるキーボードであり、携帯性や操作スタイルにはどうしても制限がつく。そこへいくと「ThumbType」は単なる小さなシートであり、付箋紙のように貼ったりはがしたりできるので、携帯性は損なわれず操作スタイルも制限を受けない。液晶パネルにピタリとはりつけるだけで、WorkPadが31キーのフルキーボード付きPDAに早代わりする優れもの。立ったまま両手(指)で文字を入力するのも簡単だ。

 構造は実にシンプル。小さな突起が6mm間隔で配置された発泡シートをWorkPadのシルクスクリーンエリア(Graffitiエリア)に貼り、その突起を押した際の絶対座標値をドライバ側で読み取り、文字入力に置き換えるというもの。6mm間隔の小さな突起を押すのは大変に思えるが、実際に使ってみると、これがうまくできており、両手の親指の腹で押さえてすいすいと入力していくことができる。指の腹で押した場合、どうしても複数の突起に触れることになるものの、実際には腹の中央で押した部分だけが反応するうまい構造になっている。もちろん、爪で直接突起部分を押していくことも可能だ。

 日本語入力や特殊記号の入力もでき、「ThumbType」で覆ってしまったシルクスクリーン上のGraffitiエリアやホームキーなども、簡単に液晶エリア上にキーで呼び出すことが可能。これでWorkpadに関する全ての操作が問題なく行えるというわけだ。シートは何度でも貼ったりはがすことができ、WorkPadならば、使わないときはちょうどフロントカバー裏に貼りつけて保持できる。

 これでペン入力とキー入力が可能な小型PDAが誕生というわけ。この構造ならば、特定業務向けのアプリケーションとキー配列シートを作ってWorkPadを業務端末にするということも可能で、通勤途中に文章を打ちこむことさえ難なくできてしまう。また、ほかのPDAでも応用できる技術であることを考えると、これはモバイル機器用入力インターフェイスのちょっとした革新とも言えそうだ。

 最近、アキバではPDAを使ってショップの価格を入力している人を多く見かけるが、そんな用途にもこのWorkPad+ThumbTypeは有効に使えそう。WorkPadを買ってはみたものの、ペン入力になじめずにそのままほったらかしになっているという人も、この国産オリジナルキーボードで復活させられるかも知れない。

 実売価格は6,480円~6,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。WorkPadのほか、Palm III、Palm IIIx、Palm IIIeに対応している。

□ThumbType(オカヤシステム)
http://www.osw.co.jp/products/mobile/thumb.htm

[撮影協力:PS/PLAZA WAKAMATSU]


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