ボクたちが愛した、想い出のパソコン・マイコンたち

デザインの良さとローズレッドカラーに胸を躍らせた「シャープ X1C」

キーボード一体型ですが、直角の段差を付けることでシャープな印象を強くしています。カラーリングはローズレッドにくわえ、シルバーメタリックも用意されていました。

 想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回取り上げるのは、シャープが1983年に発売したキーボード一体型PCの「X1C」です。

 1982年に、後にマニアタイプと呼ばれることになる初代X1が発売されてから約1年後、本体とキーボードを一体型にして世に送り出されたのがX1Cです。

本体、モニタ共に今見てもスタイリッシュなデザインが際立っています。市販ソフトも充実していたので、憧れた人も多かったはずです。

 マニアタイプでは標準搭載されなかったグラフィックRAMが内蔵されたことで、何も増設しなくても市販ソフトが動くようになったほか、価格も119,800円と抑えられ、コストパフォーマンスが非常に良いハードとなりました。

 本機種が登場したときに初代X1にはマニアタイプ、X1Cにはアクティブタイプという愛称が、それぞれ付けられています。セットで用意されたモニタCZ-801Dとの組み合わせによるデザインの良さとローズレッドのカラーリングに、当時は胸を躍らせたものでした。

背面の主電源をオンにし、手前にある電源スイッチを押すと電源が入る仕組みです。
本体左上部分はプロッタプリンタが内蔵できるスペースとなっていますが、当時はかなり高価なハードだったのと、ゲームを遊ぶにはあまり関係がなかったので、実際に搭載しているモデルは今のところ見かけたことがありません。

 キーボード部分に目を移すと、マニアタイプのキーボードにあったチャンネルとボリュームのコントローラが省かれているのが分かります。なぜか背面にキーボードコネクタが設けられており、ここにマニアタイプなどのキーボードを挿せば、そちらからの操作も可能でした。

キーボードの右上にある再生ボタンなどで電磁カセットメカを操作出来るのも、X1シリーズならでは。
背面は、左からRGBモニタ接続ポート、テレビコントロールポート、拡張I/Oボックス接続端子、プリンタポート、音量調整つまみ、音声出力ポート、リセットボタン、ジョイスティック端子1、2、キーボードコネクタ、主電源と並んでいます。

 現代で使用する場合でも、電磁カセットメカ部分にアクセスしやすいため、マニアタイプと比べてベルト修理が簡単という利点があります。経年劣化でローズレッドカラーがくすんでしまっているのが残念ですが、手元に1台は置いておきたいマシンでしょう。

筐体を開けると、右上に電磁カセットメカが見えます。メイン基板はキーボードの下にありますが、アクセスしなければならないことはまず無いと思います。