ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち
可愛らしい絵柄とは裏腹に歯ごたえあるアクションゲームだった「メルヘン・ヴェール」
2017年8月17日 08:05
想い出のレトロパソコンやゲームを写真とともに振り返る本コーナー。今回はシステムサコムのファンタジーアクションRPG「メルヘン・ヴェール」を取り上げます。
システムサコムと言えば、元々はマイコン向けのハードウェアなどを開発していた会社でしたが、1983年にマーク・フリント氏の作品「ヴァリアント」を発売してからはゲームソフトへも足を伸ばしていきました。そして1985年に登場したのが、ファンタジー色の強いアクションRPG「メルヘン・ヴェール」です。
可愛らしい外見のキャラクターは、当時数少なかった女性のパソコンユーザーを取り込むためでしたが、その見た目に反して高い難易度が話題になりました。敵の弾が避けづらい反面、主人公が攻撃した弾はなかなか当たりづらく、更に崖に落ちるとスペースキーを連打しなければそのままゲームオーバーになってしまうなど、さまざまな部分でアクションゲームのテクニックが要求されます。防御に関しては、ゲームセンターで稼働していたタイトル「ドルアーガの塔」と同じシステムを採用していたため、アーケードゲームのプレイヤーにとっては難しくなかったという話を一部からは聞きました。
ステージ間に挿入される美しいグラフィックと、次のステージでなすべき事を物語として読ませる絵本のような演出は、当時としては秀逸だったと言えるでしょう。今プレイすると、アイテムのフロッピーディスクを取らないとセーブできないという仕様が、かなり厳しいですが(笑)。
本作により、システムサコムと言えば「マーク・フリント作品」と「メルヘン・ヴェール」シリーズという、2つの柱が出来たことは間違いないと思います。ちなみに、“高橋はるみ”さん、“つぐみ”ちゃんに並ぶ「実在するかどうかが不明」と今でも言われる“マーク・フリント”氏ですが、実在することが確認されています。