石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』
『マインクラフト』のハクスラ化を1から考え直した? シリーズ2作目の『Minecraft Dungeons II』をプレイ
2026年10月8日 09:05
『Minecraft Dungeons II(マインクラフト ダンジョンズ2)』が9月29日に発売された。『マインクラフト』の世界観をモチーフにしたアクションRPGで、アイテムを集めてキャラクターを強化するのを楽しむハック&スラッシュと呼ばれるジャンルの作品だ。
筆者は前作を家族でプレイしていて、本作もしばらくはそうなりそうだ。『マインクラフト』のファンやハック&スラッシュが好きな方など、ぜひ多くの方に楽しんでもらいたいという願いを込めて、本作をプレイしてみた印象をお伝えしたい。
今回は家族プレイの話は抜きにして、本作を1人でプレイしてどんなゲームになっているのかをお話ししたい。
王道のハック&スラッシュ
ゲーム内容はいたってシンプル。俯瞰視点のアクションゲームで、敵を倒しながら物語に沿って目的地へと進んでいく。ストーリーはクエストとして用意されており、達成すると次のクエストが発生し、どんどん冒険の範囲が広がっていく。ハック&スラッシュとしては王道の作りだ。
前作はステージを選び、ボスを倒すなどの目標を達成するとクリアになるという進行だった。本作では1つの広大なフィールドで、ステージクリアという概念はない。
アクションは、近接攻撃と遠距離攻撃の2種類と、ジャンプ、回避行動になるローリング。そしてアーティファクトという特殊アイテムを装備することで発動できる能力が3つまで使用できる。アーティファクトの使用には、敵を倒すことで手に入るソウルを消費するため、実質的な使用制限がある。
本作には職業の概念がなく、装備だけでキャラクターの方向性を作っていく。遠近2つの武器と、4つの防具、3つのアーティファクトに、能力をベースアップするタリスマンを3つ装備できる。
武器の攻撃パターンは武器ごとに異なるので、好みの武器を選びたい。しかしアイテムにはレベルが設定されており、高レベルなものほど能力が高い。アイテムは敵を倒した時に獲得できることがあるが、好みの武器が出てくるとは限らず、種類やレベルはランダムになる。
そのため何度も冒険して、自分が欲しい装備を探していく。不要な装備品を売ってお金に替え、ゲーム内のショップで買うことも可能だが、品ぞろえはランダム。結局、ひたすら敵を倒していくことがキャラクターの強化につながり、それ自体を楽しむのがハック&スラッシュだ。
意外とストイックなアクション
ハック&スラッシュでは、キャラクターが成長するとともに強力なスキルを発動して、群がる敵を蹴散らしていくというタイプの作品が多い。その中で本作は、筆者が数時間ほど遊んだ中では、あまり派手なタイプの作品ではない。
戦闘の柱になるアーティファクトは、ソウルを消費して発動するため、使った後は敵を倒してソウルを貯めなければならない。多数のスキルを使い分けて、派手な攻撃をどんどん仕掛けるということは、少なくとも序盤ではできない。
どちらかというと、通常攻撃とローリングやジャンプを駆使して戦いつつ、ソウル残量を管理してアーティファクトを補助的に使うという戦いになる。成長するに従い、ソウルの入手量や保有限界値は上がるはずだが、通常攻撃が要らなくなるような形にはならないと思われる。
弱い敵は通常攻撃で蹴散らしながら、強敵にはアーティファクトを使いながら攻撃し、ダメージを受けたら距離を取って時間を稼ぎながら回復する。回復アイテムのポーションは一定時間で回復して再使用できるので、敵の攻撃を見て避け、隙を見て攻撃するというストイックな戦いになりやすい。
本家『マインクラフト』もそうだよね、と言われたらそのとおり。世界観を壊さない内容という意味では、前作よりも本作の方が、らしさはあるとも言える。褒めるつもりではなく、ただそういう作品だと言いたい。
アクションの難度はそれほど高いわけではない。多数の敵に囲まれると即死したり、ボスの攻撃を見切る必要があったりはするが、序盤からプレイに詰まるようなことは考えにくい。なお3段階の難易度設定も可能で、プレイ開始後も随時変更できる。不慣れな方はイージーでプレイするといいが、ゲーム操作に慣れている方なら標準のノーマルで問題ないだろう。
真面目なアクション性は評価が分かれそう
『マインクラフト』のビジュアルで、カジュアルに楽しめるハック&スラッシュである点は、前作から変わっていない。ハック&スラッシュが好きでいろいろな作品を遊んできた筆者にしても、本作はちゃんと楽しめる内容だ。『マインクラフト』が好きな人が気軽に遊んでみて、ハック&スラッシュの面白さに気づいてもらえると思う。
プレイ感としては、見た目は違うが「モンスターハンター」っぽさがあるように感じる。道中の雑魚戦が多いことや、装備が直接入手できる点は異なるが、強力なボスをちまちまと削っていくシビアな戦いは感覚が似ている。良くも悪くも、多数の敵をなぎ倒して進むようなプレイ感ではない。
現時点で本作の評価を下すなら、このプレイ感が大きな分かれ目になると思う。さほどハードではないアクションは間口が広いとは言えるが、コアなゲーマーに歯ごたえがあるとは言いにくい。スキルを乱発する派手さはなく爽快感は薄いが、位置取りや駆け引きがあるアクション性は確かにある。難しくはないが大味でもないという点が、想像と違うと感じるプレイヤーも多いかもしれない。
前作のイメージを引きずるプレイヤーには、印象が良くない可能性もある。冷静になって本作を見直すと、前作を発展させた2作目というよりは、『マインクラフト』というゲームをふまえて、改めて現代的なハック&スラッシュを1から考え直して作った、という印象を受ける。見た目は似ているが、中身はかなり違う。
筆者が気になるのはバグの多さと、仕様の詰めの甘さだ。例えば、メインクエストを進行する際、目的のダンジョンが開いておらず入れないというトラブル。再起動しても入場できなかったので、設定の「システム」から「現在のクエストをリセット」を選び、クエストの最初からやり直した。キャラクターのレベルや装備は保持されるので、同様の問題が起きた方はお試しを。
仕様については、ゲーム内通貨の所持限界値が低いことが問題になった。発売時にはあまりに少なすぎたため、急遽アップデートで1桁増えたのだが、このようなドタバタや各所にバグが見えると、全体としての仕上がりの悪さが感じられてしまう。『マインクラフト』というビッグフランチャイズなら、もう少し何とかしておいてほしかったと感じる。
筆者はオンラインゲームの発売直後にありがちなドタバタには慣れきっていて、いずれ改善されるなら今のカオスを楽しもうと思うのだが。大事なことはゲームとして面白くなっているかどうかで、今のところ地道に装備強化を楽しむゲームとしてはそこそこ良いとは感じている。あとはアクションがシンプルな分、子供にはわかりやすくてウケが良い(少なくとも我が家ではそう)ので、筆者のように親子で遊びたい方にもおすすめできる。
内容的には、前作を未経験の方でも本作から遊んで全く問題はないが、前作もとても良い作品なので、まず前作から遊んでみるのもおすすめ。システム的なわかりやすさでは前作の方がより良い。ハック&スラッシュに慣れている方ならどちらでも。
言い忘れていたが、前作より明確に良いところが1つある。前作はフレンド以外の人とオンラインプレイができなかったのだが、本作ではスタートメニューから「パーティに参加」を選ぶだけで、他のプレイヤーと自動でマッチングされる。1人でマルチプレイをやりたいなら本作から遊ぼう。フレンドのみと遊んだり、1人で遊ぶことも可能だ。
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1977年生まれ、滋賀県出身。金沢工業大学 工学部情報工学科卒。
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜で連載『石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』』(AKIBA PC Hotline!に移動)、『使ってわかるCopilot+ PC』などを執筆。
・著者Webサイト:https://ougi.net/
PCゲームに関する話題をコラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。













