石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

ポータブルゲーミングPCをSwitchのようなゲーム機として使うには?「ROG XBOX Ally X20」で試してみた

 ASUSのポータブルゲーミングPC「ROG XBOX Ally X20」が10月16日に発売される。マイクロソフトのお墨付きモデルの最新型で、気になっている方も多いのではないかと思う。

 ただ、ROGの20周年記念モデルということもあり、価格は258,800円と高価だ。昨今のメモリ高騰はあるとはいえ、ノートPCの高級モデルにも手が出る価格帯。実際、Zen 5アーキテクチャを採用したRyzen Z2 Extremeを搭載する高性能機で、ゲーム機としてだけ使うのはもったいない。

 では、本機をNintendo Switchのように、据え置きのゲーミングPCとしても使ってみたらどうだろう? 手持ちでも据え置きでも遊べて、デスクトップPCも要らない環境にできれば便利なのでは。

 本機に限らず、ポータブルゲーミングPCを据え置き機、あるいはデスクトップPC代わりに使う時にどんな対応が必要になるのか、確認していこう。

XBOXモードとデスクトップの切り替え

 まずはソフトウェア側の話から。「ROG XBOX Ally X20」は、起動するとゲームパッドでの操作を前提にしたXBOXモードが表示される。ゲームだけでなく、普通のPCとしても使いたい場合は、やはりデスクトップを表示させたい。

XBOXモードで起動した時の画面。ゲームパッドで操作できる

 単純にデスクトップに移行するには、本体左上部にあるXBOXボタンを長押しし、画面下部にある「Windows デスクトップ」を選択するだけでいい。またキーボードを使用する場合、[Windows]+[F11]キーでも相互に切り替えられる。通常のWindows PCでも同じ挙動なのでお試しいただきたい(あらかじめXBOXアプリのインストールが必要だと思われる)。

デスクトップに移行できる。普通のWindows 11として利用可能

 ただ、毎回切り替えるのも手間がかかるので、最初からデスクトップを表示するように変更する。設定の[ゲーム]-[XBOX モード]から、[ブートストラップ時にXBOXモードに入る]をOFFにする。これで次の起動からはXBOXモードではなくデスクトップが表示されるようになる。

設定を変更すれば、起動時にデスクトップを表示できる

 なおXBOXモードで起動すると、デスクトップ向けのリソースをカットできるため、ゲームのパフォーマンスを最大化できる。ゲームと一般用途のどちらを主とするかによって使い分けるといい。

足りないUSB端子をどうするか

 次にハードウェア側の話。ポータブルゲーミングPCはサイズが小さいがゆえに、拡張性に乏しい。「ROG XBOX Ally X20」の場合、USB端子はType-Cが2つあるが、どちらか一方は給電に使用することになる。

「ROG XBOX Ally X20」の上部左側に、2つのUSB Type-C端子がある

 キーボードとマウスを有線接続しようと思うと、そのままでは端子が足りない。対策はいくつかあり、1つはBluetooth機器を使うこと。Bluetooth機能は本体にほぼ確実に搭載されているため、キーボードやマウスを無線接続するなら問題はない。

 USB Type-Cのハブやドックを使う手もある。「ROG XBOX Ally X20」には、「ROG Bulwark Dock DG310」という純正ドックがあり、本体への給電に加え、3つのUSB端子やHDMI端子、有線LAN端子を使えるようになる。ただしNintendo Switchのドックのように置いて充電という形にはならず、USB端子を繋ぐ必要がある(これはポータブルゲーミングPCの製品によって異なる)。

「ROG Bulwark Dock DG310」。「ROG XBOX Ally X20」のスタンドになるとともに、各種端子が利用できる

 映像出力もUSB Type-C端子を使うことになる。ディスプレイ側がUSB Type-Cによる映像入力とUSB PDによる給電に対応した製品なら、USBケーブル1本で映像出力と給電が可能になる。ASUSだと例えば「ROG Swift OLED PG27UCWM」には、USB Type-C端子があり、90Wの給電が可能とされているので、「ROG XBOX Ally X20」にもマッチする。

USB PDの給電対応のUSB Type-C端子を持つ「ROG Swift OLED PG27UCWM」

 USBケーブルを接続すれば、すぐさま給電され、映像が外部ディスプレイに移る。USBケーブルを抜けば給電が止まり、映像が本体側のディスプレイに戻ってくる。据え置きかハンドヘルドか、用途によって切り替えるなら、これが一番手っ取り早い。

 「ROG XBOX Ally X20」を唯一のPCとして活用するのであれば、筆者なら「ROG Bulwark Dock DG310」を購入する。USB端子でキーボードやマウスは自由に選べるし、HDMI端子で外部ディスプレイも選ばない。ゲームパッドをUSB接続して、据え置き機としてゲームを動かすことも可能だ。

 『ポータブルゲーミングPCを仕事や勉強に使うなんて嫌だ』という抵抗感はあるかもしれない。しかし中身はあくまでPCだ。外に持ち出してモバイルPCとして使うのは難しいが(Bluetoothデバイスと組み合わせれば不可能ではない)、自宅作業用のPCとして扱うなら、場所も取らない上、ハンドヘルドなゲーム機としても使える。

 画面とゲームパッドを内蔵したミニPCだと思って使うのも結構アリだと思うのだが、どうだろうか?

標準で紙製スタンドと充電器は付属するが、据え置きで使う想定なら追加の準備が必要だ
著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身。金沢工業大学 工学部情報工学科卒。

ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜で連載『石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』』(AKIBA PC Hotline!に移動)、『使ってわかるCopilot+ PC』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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