大容量モデルのラインナップが増加したHDD

DOS/V POWER REPORT 2016年8月号

　こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年8月号」の総力特集「今買いたいモノ、目一杯集めました！PCパーツサマーセレクション500」を掲載する。

　第21回目では大容量モデルが中心となってきたHDDを解説する。速度はSSDに敵わないものの、ギガバイト単価では圧倒的なコストパフォーマンスを誇るHDD。SSDの空き容量を確保するためにも、データ類はこちらに保存したい。

　本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年8月号は全国書店、ネット通販にて6月29日(水)に発売。特別企画は、ついに身近にやってきた仮想現実「何が楽しいの？ 何が必要なの？ 新世代VRが自宅にやってきた!!」、小型コンピュータを有効活用「マイクラウドストレージを極小ボードで作る！ Raspberry PiでownCloud」、ネットで借りてポストに返す便利なサービス「夏休み前に改めて使い勝手を検証 オンラインDVDレンタルサービス」の三本を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY＋の本編「わがままDIY」も掲載だ。

　今号の特別付録は豪華二本立て。無料なのは7月29日まで！「Windows 10無償アップグレード駆け込みブック」と、最新ワードに対応した「最新パソコン 略語辞典2016」だ。

-PCパーツサマーセレクション500-
HDD編 ～大容量モデルが増加～ ＆セレクション その1

大容量HDDのラインナップが増加　HDD編

　HDDは、GB単価に優れてコストパフォーマンスの高い製品と、その時点で記録容量が最大の製品に人気が集中する傾向がある。

　現在の売れ筋は、コスパのよい2TB～4TBモデルに加え、WesternDigitalとSeagateから相次いで登場した8TBモデルの新顔だ。

価格の変動はほとんどない 8TBモデルも人気商品に

　現在のHDD市場は、円高傾向も手伝い若干価格が下がり気味だが、全体としては年初から大きな変動は見られない。このため、売れ筋の中心はコストパフォーマンスに優れる2TB～4TBのモデルのままで推移し、なかでも3TBモデルの人気が高い。

　また、大容量の製品も根強い人気だ。Western DigitalやSeagateから登場したばかりの8TBモデルは早速人気を集めており、今年のトレンドになりそうな勢いがある。

HDDは8TBモデルがトレンドの中心に

　HDD市場の現状の話題の中心は、Western DigitalとSeagateから登場したアプローチの異なる8TBモデルだろう。Western DigitalのWD Redの8TBモデルは、これまでニアライン向けのみで採用されてきたHDD内部にヘリウムガスを密封するHelioSeal技術を採用し、低消費電力、低騒音志向。

　対して、Seagate の製品は、1.33GB プラッタを採用することで8TBの記録容量を実現し、現役最速クラスの性能を誇っている。

Western Digital
WD Red

目的別に分かれるHDD

HDDのGB単価

CrystalDiskMark 5.1.2

【検証環境】

CPU：Intel Core i5-6600K（3.5GHz）
マザーボード：MSI Z170A GAMING M5（Intel Z170）
メモリ：Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA（PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2）
システムSSD：CFD販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6Q（Serial ATA 3.0、MLC、256GB）
電源：玄人志向 KRPW-P630W/85+（630W、80PLUS Bronze）
OS：Windows 10 Enterprise 64bit版

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今買いたいモノ、目一杯集めました！
HDDセレクション

■HGST
Deskstar NAS
7,200rpmのNAS向け高速ドライブ

NAS向け / 7,200rpm

　最大容量の6TBモデルは、1.2TBプラッタを採用し、現役最速クラスの性能を実現。7,200rpmの製品であるため、5,400rpmの製品と比較して消費電力は高めで発熱が大きいが、性能は非常に高い。

　高速なNAS向け製品を求めているユーザーにオススメだ。

■Seagate Technology
Archive HDD v2
コンシューマ向け唯一のSMR採用製品

アーカイブ向け / 5,900rpm

　長期のデータ保存に利用するアーカイブ向け。コンシューマ向けに販売されているアーカイブ向けの製品は現在のところ本製品だけである。

　容量あたりの単価が非常に安く、とくに8TBモデルは、デスクトップ向けの4TBモデルと同程度のGB単価で販売されている。

■Seagate Technology
Desktop HDD
性能を重視したデスクトップ向け

デスクトップ向け / 5,900rpm、7,200rpm

　8TBモデルが最大速度240MB/sオーバーを実現するなど、現役最速クラスの性能を誇るデスクトップ向けの製品。記録容量によって回転数やプラッタ密度が異なるため、性能が変わる点に注意したい。

　基本的には、性能を重視するユーザー向けだ。

■Seagate Technology
Desktop SSHD
NANDメモリをキャッシュに利用し高速化

デスクトップ向け / 5,900rpm、7,200rpm

　8GBのNANDメモリを搭載し、それをキャッシュに利用することで高速化を図ったデスクトップ向け製品。

　ベンチマーク的には通常のHDD並みの速度だが、体感速度は初期のSSD並み。HDDの中では、OS起動にもっとも適した製品だ。

■Seagate Technology
Laptop HDD
4TBモデルを用意する2.5インチHDD

ノートPC向け / 5,400rpm

　2TB～4TBまでの3モデルをラインナップした2.5インチHDD。4TBモデルの厚みは15mmだが、現行の2.5インチHDDとしては最大容量。また、2TBモデルも9.5mmの厚さの2.5インチHDDの中では最大容量だ。

　記録容量の大きい2.5インチHDDが欲しいユーザーは注目の製品。

■Seagate Technology
Laptop SSHD
システムディスクに適した2.5インチ

ノートPC向け / 5,400rpm

　最大容量の1TBモデルは、32GBのNANDメモリを搭載。キャッシュに利用するNANDメモリの容量が増加したことで、8GB搭載モデルよりも約25％の速度アップを実現している。

　NUCなどの超小型PCでSSD並みの体感速度とHDDの大容量を低コストで両立したいユーザーに最適だ。

[Text by 北川達也]