パワレポ連動企画

NVMe SSDをRAID 0でさらに高速化 ~SSD設定&メンテナンス 4~

【パワレポ連動:買いの最新SSD総チェック(11)】

DOS/V POWER REPORT 2016年10月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年10月号」の第1特集「超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み 買いの最新SSD総チェック」を掲載する。

 第11回ではNVMe SSDをRAID 0構成でさらに高速化させる方法を解説する。NVMe SSDのRAIDについては対応のマザーボードが必要なほか、CPUとチップセット間のバス幅の都合でパフォーマンスが発揮されない場合もあるので、予め仕様を確認しておきたい。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年10月号は全国書店、ネット通販にて8月29日(月)に発売。第2特集は、ワット数だけではない電源の見えない箇所を徹底比較「2016年登場のニューフェースを徹底検証! 新顔ATX電源大品評会」。特別企画は、可視化されるとなぜか外へ出たくなる「ガジェット活用で楽しく生活改善 IT派の活動量計入門」、もっとも手に触れるものだけに、自分に合ったものを使いたい「スイッチ、レイアウト、デザイン……アナタの決め手は? キーボード選び放題」、キーボードにこだわるならこちらも妥協したくない「ゲーミングモデルを中心に続々登場! 新世代高機能マウス30製品」を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、小冊子「市場に並ぶ140超の製品をまるっと収録 電源名鑑 2016」。第2特集と合わせ、電源選びの参考にどうぞ。


-買いの最新SSD総チェック-
NVMe SSDをRAID 0でさらに高速化させる ~SSD設定&メンテナンス 4~


Windows 10時代の
SSD設定&メンテナンス

 Windows 10時代になっても、SSDの設定やメンテナンスの基本的な部分はWindows 8.1時代と大きくは変わらないが、NVMe SSDへの対応など、新しい要素もいくつか現われている。

NVMe SSDをRAID 0でさらに高速化させる

 Z170チップセット搭載マザーボードの中には、Z170にPCI Express接続されたM.2 SSD、U.2 SSD、拡張カードタイプのSSDを組み合わせてRAIDを構築できるものがある。

 ここでは、NVMe対応のM.2 SSDを2台使用したRAID 0の構築方法を紹介しよう。なお、PCI Express接続のSSDでRAIDを構築する場合は、従来のRAID BIOSではなくUEFIの機能を使用する必要がある。

RAID 0の性能が十分に発揮されない場合もある
Z170に接続したPCI Express接続のSSDでRAIDを構築する場合はOS(Windows 8以降)の起動ドライブにすることも可能。ただし、使用するSSDによっては、CPU、チップセット間の帯域(4GB/s)がボトルネックとなり性能を十分に活かせない可能性がある点は留意しておきたい

■PCI Express接続のSSDを使用したRAID 0の構築方法(ASUSTeK Z170 WSの場合)

■シーケンシャルリード/ライト性能が大幅に向上

 下のテスト結果は、RAID 0を構築した場合の性能を比較したものだが、シーケンシャルリード/ライト性能が大幅に向上した。なお、スペースの都合で掲載していないが、Random 4KiB Read / Writeに関してはほぼ変わりはなかった。

【性能重視ならCPU接続にしてソフトウェアRAIDを構築する手もある】

M.2→PCI Express x4変換基板を利用
今回の検証は、玄人志向のM.2→PCI Express x4変換基板「M.2-PCIe」(実売価格:2,000円前後)を2枚用意、2台のSamsung 950 ProをCPUに接続された2本のPCI Express 3.0 x16スロットに装着して行なった

 前述のとおり、Z170チップセットにPCI Express接続されたSSDでRAID 0を構築した場合、CPU~チップセット間の帯域の問題で、性能を十分に発揮できないことがある。性能を何よりも重視する場合は、CPUに接続されたPCI ExpressスロットにSSDを搭載し、WindowsのソフトウェアRAID機能でRAID 0を構築するという手もある。この方法であれば、システムバス帯域の制限を受けずに性能を発揮させることができる。

 ただし、この場合、RAIDボリュームをシステムの起動ドライブにはできない。

CPU接続の場合
CPUにPCI Express x4接続されたSSDで、WindowsのソフトウェアRAID機能を使ってRAID 0を構築する場合は、CPU~チップセット間の帯域の影響を受けないので、性能を十分に発揮できる。ただし、この場合システムの起動ドライブにはできない

■ソフトウェアRAIDの構築方法[RAID 0(ストライピング)]

1.新しいストライプボリュームを作成
ディスクの管理画面を起動し、RAIDを構築するディスクを選択、右クリックメニューから「新しいストライプボリューム」を選択する
2.RAIDを構築するディスクの選択
新しいストライプボリュームの作成ウィザードが開始されるので、RAIDを構築するディスクを選択する。あとは画面の指示に従って進めていくだけだ

■シーケンシャルリード性能は4,000MB/sを突破

 下のテスト結果は、チップセットにPCI Express 3.0 x4接続したSSDでRAID 0(UEFI RAID)を構築した状態とCPUにPCI Express 3.0 x4接続したSSDでRAID 0(ソフトウェアRAID)を構築した状態の性能を比較したものだ。注目はCPU接続のシーケンシャルリード性能が4,604MB/sとCPU~Z170間の帯域の4,000MB/sを突破している点。この結果を見ると、チップセット接続の場合、高速なPCI Express SSDでRAID 0を構築しても性能が制限されてしまうことが分かる。


【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170 WS(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K内蔵(Intel HD Graphics 530)
SSD:Samsung 950 PRO MZ-5P256B/IT[M.2(PCI Express 3.0 x4)TLC、250GB]×2
HDD:Western Digital WD Red WD20EFRX(Serial ATA 3.0、5,400rpm、2TB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版


【問い合わせ先】

玄人志向:-/http://www.kuroutoshikou.com/


[Text by 滝 伸次]


DOS/V POWER REPORT 2016年10月号は8月29日(月)発売】

★第1特集「超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み 『買いの最新SSD総チェック』」
★第2特集「2016年登場のニューフェースを徹底検証! 『新顔ATX電源大品評会』」
★特別企画「ガジェット活用で楽しく生活改善 『IT派の活動量計入門』」「スイッチ、レイアウト、デザイン……アナタの決め手は? 『キーボード選び放題』」「ゲーミングモデルを中心に続々登場! 『新世代高機能マウス30製品』」
★連載「最新自作計画 ~メニイコアでもお買い得 VRレディのパワフルPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録小冊子「市場に並ぶ140超の製品をまるっと収録 電源名鑑 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版は巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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