パワレポ連動企画

Skylake Kで作るオススメ自作プラン その2
~CPU温度も低い静音PC~

【ド本命登場!Skylake K(14)】

DOS/V POWER REPORT 2015年10月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年10月号」の第一特集「システム一新でヌルサク環境をこの手に! ド本命登場!Skylake K」を掲載する。

 第14回目はSkylake Kを使った自作プランの第二弾を紹介する。今回はCore i5-6600Kを使用することで、動作音もCPU温度も低いPCを製作した。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年10月号は全国書店、ネット通販にて8月29日(土)に発売。大本命の新CPUを解説した第一特集のほか、HDDを飲み込む勢いの最新デバイスを紹介する第二特集「NVMe対応モデルが超速い!500GBオーバーの大容量モデルが超安い! とにかく今、SSDが欲しい!!」、新世代メモリを採用した高性能ビデオカード「Radeon R9 Fury X&Furyの実力に迫る!」、興味はあるけど、どうすればいいのか分からないというあなたに実際の乗り換え手順をご紹介!「安くて!速くて!自由に選べる!初めての格安SIM」、光る!回る!!ただのファンでも製品ごとに結構違う「個性いろいろ、選ぶ楽しみ 特選ケースファンギャラリー22」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は「最新ビデオカードカタログ 2015」 AMD Radeon&NVIDIA GeForce搭載の現行製品が勢揃い!


-Skylake Kで作るオススメ自作プラン その2 ~CPU温度も低い静音PC~-


オススメ自作プランその2
Core i5-6600Kで作る
気になる動作音は極小! CPU温度も低い静音PC

■このマシンのコンセプト
・とにかく静かに動作するPCが欲しい
・性能は可能な限り妥協したくない
・24時間安心して使える安定性も欲しい

 静音性を追求したPCを作るなら、TDPが低く発熱が小さいCPUを使うのが常道だ。ただそうしたCPUは性能が低く、日常的な使い勝手に不満を感じることもある。と言って高性能なCPUで静音性を追求し過ぎると、PCが不安定になることも多い。

 そこでここでは「Core i5-6600K」をベースに、静かで安全に使える静音PCを作った。Core i5-6600KのTDPは91Wだが、実際の消費電力はこれまでのK型番モデルほどではない印象。大型で高性能なCPUクーラーを組み合わせれば、温度上昇を抑えつつ静かに運用できるかもしれない。

 密閉性の高いPCケースで発熱の大きなCPUを使うと、内部温度が上がりやすい。しかし大型ファンを搭載するPCケースなら、静かに内部の空気を入れ換えられるので、CPU温度の上昇もある程度避けられる。

 出力が規定以下ならファンが回転しない「準ファンレス電源」を組み合わせれば、動作音はさらに小さくなるはずだ。

【使用したパーツ】
カテゴリー製品名実売価格
CPUIntel Core i5-6600K(3.5GHz)33,000円前後
マザーボードASRock Z170 Pro4(Intel Z170)19,000円前後
メモリMicron CT2K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×2)8,000円前後
SSDMicron Crucial MX200 CT500MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、500GB)25,000円前後
PCケースThermaltake Suppressor F51-Silent No Win(ATX)16,000円前後
電源ユニットCorsair Components RM550(550W、ATX、80PLUS Gold)13,000円前後
CPUクーラーサイズ グランド鎌クロス3(トップフロー、14cm径ファン)6、500円前後
合計 120,500円前後

【検証環境】

OS:Windows 10 Pro 64bit 版
PCMark 8:PCMark 8 v2.4.304- Home Acceleratedのスコア
3DMark:3DMark v1.5.915-Fire Strike のスコア
室温:27.6℃
アイドル時:OS起動10分後の最小値
高負荷時:OCCT 4.4.1 Power Supply テストを10分間動作させたときの最大値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO

このパーツを選んだ理由

PCケース
Thermaltake Technology Suppressor F51-Silent No Win

バランス型のニューフェイスに期待

 ExtendedATX対応マザーボードにも対応する大型のPCケースだ。

 側板や天板のカバーには防音材を貼り付け、前面からの音漏れを防ぐ前面扉を装備するなど、基本は静音性重視の設計だ。

 しかし各ベイを取り外すことで、42cmクラスの水冷ラジエータや、20cm径の大型ファンを取り付けることも可能なバランス型だ。

CPUクーラー
サイズ グランド鎌クロス3

バツグンの冷却性能を誇るシリーズ3作目

 6mm径のヒートパイプと8mm径のヒートパイプをクロスさせた独特の形状のヒートシンクと、14cm径ファンを組み合わせたCPUクーラーだ。前機種の「グランド鎌クロス2」時代から冷却性能には定評がある。

 高さ17.1cmとかなり大きめだが、Suppressor F51-Silent No Winなら問題なく収納できる。

マザーボード
ASRock Z170 Pro4

静音PCに過剰な装備はいらない

 Intel Z170をチップセットに採用した普及価格帯のATX対応マザーボード。搭載インターフェースは、Z170に準拠したスタンダードな構成だ。

 オーバークロックはしないので、過剰な装備は必要ない。

組み立て作業はカンタン!

 前述のとおりSuppressor F51-Silent NoWinはかなり大型なので、組み込み作業自体はとくに苦労しないだろう。大型だと裏面配線時に電源ケーブルの長さが問題になることもあるが、RM550では問題はなかった。裏面配線用のスペースも広い。

 グランド鎌クロス3には、組み込み用に軸の長いドライバーが付属する。固定方法はバックプレートを使うタイプで作業はやや複雑だったが、一番めんどうなヒートシンクのネジ止めは、この付属のドライバーで簡単に行なえる。

ファンケーブルは裏面に
余裕のある裏面配線
ファンコントローラ用のコネクタはマザーボード裏面にあるので、利用する場合はファンケーブルも裏面に回して接続する
裏面配線用のスペースは実測値で約2cm。電源のRM550は薄くまとめられるフラットタイプのケーブルを採用するので、右側板側にケーブルがはみ出すこともなくキレイに整理できた
専用ドライバーでヒートシンクを固定
取り付け用の各部品のほかに、軸が長いプラスドライバーが付属する
ヒートシンクを固定する際に、ファンとヒートシンクの隙間を通して2カ所のネジ止めが必要になる。軸の長いドライバーはそのときに使う

CPU温度は高負荷時でも50℃前後で安定

天板手前にファンコントロール用のスイッチを装備する。ただし静音性を突き詰めるなら使わないほうがよい

 ケースファンは最大回転数、CPUファンの制御はUEFI設定から[Standard]にすると、アイドル時、高負荷時ともに動作音は40.8dBだった(状態①)。PCの近くにいると、とくにケースファンの音が気になる。PCケースのファンコントローラで前面ファンと背面ファンの回転数を最小に設定してみたが、それでも38.4dBだ(状態②)。これではとても「静かなPC」とは言えない。

 これ以上チューニングするには、ファンの回転数をもっと低くする必要がある。そこで前面ファンと背面ファンをマザーボードのファンコネクタに接続し直し、すべてのファンをUEFI設定から「Silent」設定で動作させてみると、ようやく36.2dBまで低下した(状態③)。高負荷時でもこの動作音なら十分静かとは言えるが、CPU温度を確認すると46℃とかなり低い。もう少しファンの回転数を落としても、安定性は維持できそうだ。

ファンはA-Tuningで調整する
すべてのファンを、「A-Tuning」に含まれる「FAN-Tastic Tuning」経由で調整した
前面ファンの風を、マザーボードやCPUクーラー周辺に届きやすくするため、遮蔽物となる3.5/2.5インチシャドーベイの一部を取り外した

 次にASRockの独自ユーティリティ「A-Tuning」から、すべてのファンの回転数を500rpm前後で固定してみる。この状態だと動作音はさらに低下して35.2dB(状態④)だ。CPU温度の上昇もほとんどなく、安定して利用できる範囲だろう。重ねて言うが、これは「高負荷時の動作音」だ。ここまでくれば水準以上の静音性と言ってよいだろう。もう一歩踏み込んで前面ファンを止めると33.4dB(状態⑤)と、暗騒音に近いレベルまで低下する。CPU温度は54℃と50℃を越えるものの、まだまだ余裕はある。

ファンの回転数を調整して静かなPCに

【検証環境】

暗騒音:32.2dB
動作音測定距離:ケース正面から20cm、ほかは前回測定時と同じ
CPU温度:HWMonitor 1.28のCPU TemperaturesのPackageの値

前面ファンの換装やビデオカードの増設も

玄人志向の「GF-GTX960-E2GB/OC/SHORT」は、負荷やGPU温度が低いときはファンが回転しない。実売価格は2万4,000円前後

 前面ファンを止めることでかなり静かになったが、ユーザーによっては吸気ファンがなくなることに不安を感じるかもしれない。

 その場合は、今回の構成例では一番大きな騒音源となっていた前面ファンを、もう少し小さくて回転数を低くできるタイプに変更してもよいだろう。

 性能を強化したいなら、GeForce GTX960搭載のビデオカードのように負荷が小さいときはファンの回転が止まるタイプがオススメだ。

【問い合わせ先】

Intel:0120-868686(インテル)/http://www.intel.co.jp/
ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/http://www.asrock.com/
Micron Technology:-/http://jp.crucialproducts.com/
Thermaltake Technology:03-5215-5650(アスク)/http://jp.thermaltake.com/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/http://www.corsair.com/
サイズ:support@scythe.co.jp /http://www.scythe.co.jp/
玄人志向:-/http://www.kuroutoshikou.com/


[Text by 竹内亮介]


DOS/V POWER REPORT 2015年10月号は2015年8月29日(土)発売】

★第1特集「システム一新でヌルサク環境をこの手に! ド本命登場!Skylake K」
★第2特集「NVMe対応モデルが超速い!500GBオーバーの大容量モデルが超安い! とにかく今、SSDが欲しい!!」
★特別企画「新世代メモリ“HBM”採用で次のステージへ Radeon R9 Fury X&Furyの実力に迫る!」「安くて!速くて!自由に選べる!初めての格安SIM」「個性いろいろ、選ぶ楽しみ 特選ケースファンギャラリー22」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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(AKIBA PC Hotline!編集部)