パワレポ連動企画

ミドルレンジビデオカード対決その1 ~ASUSTeK編~

【PCパーツ無差別級対決(16)】

DOS/V POWER REPORT 2016年6月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年6月号」の総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」を掲載する。

 第16回目からはミドルレンジのビデオカードを比較していく。この章ではGeForce GTX 960やGTX 950、Radeon R9 380といったGPUを搭載したビデオカードが比較対象。当然ながらハイエンドにはかなわないものの、フルHDクラスでゲームを楽しむには十分な性能を持った製品ばかりだ。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年6月号は全国書店、ネット通販にて4月28日(木)に発売。総力特集のほか、ARMプロセッサを搭載した電子基板をノートPCへ!「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」、PCに足りない機能をガチャンと追加「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」」、使いやすさは健康にも影響する「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録小冊子は新旧のインターフェース規格を解説した「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」。懐かしいものから現在主流の規格、マザーボードには搭載されているのにデバイスが登場しないものまで一挙掲載だ。


-PCパーツ無差別級対決-
ミドルレンジビデオカード対決 Part1 ASUSTeK STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMING / STRIX-R9380-DC2OC-2GD5-GAMING~ビデオカード編 その3~


第3部
ビデオカード編

 ビデオカードは、同じGPUでもクーラーや基板設計やOC設定のバランスが異なる。

 今回はベンチの数値だけではなく、さまざまな側面から対決させてみたい

Part2 ミドルレンジビデオカード対決

この対決の見どころ GTX 960を中心に上下の価格帯の製品の実力差を知る

■GTX 950定番代表 ASUSTeK STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMING

■Radeon代表 ASUSTeK STRIX-R9380-DC2OC-2GD5-GAMING

■コスパ代表 Palit GeForce GTX 960 JetStream LOVA(4096MB GDDR5)(NE5X960010G1-2061J)

■ショート基板代表 玄人志向 GF-GTX960-E2GB/OC2/SHORT

 ビデオカードのミドルレンジの定義は曖昧だが、現在なら「Fallout 4」クラスのゲームをフルHDの中~高画質設定で快適に楽しめる性能を持ち、値段が2万円~3万円のレンジにあるものと考えればよいだろう。

 今回のミドルレンジは、最近設計技術が上がってきたバリューゾーン向けGTX 960対決(さらにビデオメモリ2GB対4GB対決含む)のほかに、GTX 950カードの新顔や、GeForce系のスキマ市場を狙うRadeon R9 380カードといった製品とも対決させる。

 GPU温度やクロックといった要素よりも、Fallout 4など人気ゲームがどの程度快適に遊べそうなのか、そして画質はどの程度まで上がるのか、などを考えながら対決を堪能していただきたい。

ミドルレンジビデオカード対決 その1
Fallout 4級も攻められる準ファンレスGTX 950カード

ASUSTeK Computer
STRIX-GTX950-DC2OC-2GD5-GAMING

実売価格23,000円前後

Specification
●GPU:NVIDIA GeForce GTX 950●コアクロック(ブーストクロック):1.165GHz(1.355GHz)※ OC Mode 時●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 2GB(128bit)●メモリクロック:6.61GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1、DVI-D×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:6ピン×1

とりあえずこれにしておけ!PCゲーム入門用に最適

クーラーはシンプルな構成
GTX 950は発熱が小さいため、クーラーの設計はヒートパイプ2本のシンプルな構成だ。基板はGPU周辺が非常にすっきりしている

 1万数千円を出してGTX 750 Tiを買うくらいなら、2万円台まで頑張ってこのGTX 950のOCモデルを買うべきだ。補助電源不要の製品が話題の昨今、本製品は補助電源必須(6ピン×1)。だがその分OC設定も高く、準ファンレス仕様のGPUクーラーを備えるなど、付加価値を高めた仕上がりだ。

 GTX 950はビデオメモリ2GBで描画負荷の低いMOBA系ゲーム向けとして登場したが、「Fallout 4」クラスのゲームも中~高設定で快適に遊べる実力を持つ。同梱のOCツール「GPU Tweak Ⅱ」で“OC Mode”にすればブーストクロックは1,329MHz→1,355MHz(公称値)に引き上げられるが劇的に性能が向上するわけではない。(加藤勝明)

ハンダのトゲが出ない機械製造による美しさ
ASUSTeK自慢の機械製造で作られた製品であるため、部品の実装は非常に美しい。歪み防止のバックプレートは装着されていないが、カード自体が軽いためとくに必要ではないのだろう
3DMark
Fallout 4実行時のフレームレート

【編集部の判定】

 遊ぶゲームの種類にもよるが、ビデオカードを購入するならGTX 950以上が安心。画質設定を誤らなければ、当面は快適にゲームを楽しむことができるだろう。

 準ファンレス仕様なので、ゲーム中以外は動作音がしないのもよい。

ミドルレンジビデオカード対決 その2
2万円台後半を制した準ファンレスR9 380カード

ASUSTeK Computer
STRIX-R9380-DC2OC-2GD5-GAMING

実売価格28,000円前後

Specification
●GPU:AMD Radeon R9 380●コアクロック(ブーストクロック):非公開(990MHz)●ビデオメモリ(バス幅):GDDR5 SDRAM 2GB(256bit)●メモリクロック:5.5GHz●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1、DVI-D×1●対応スロット:PCI Express 3.0 x16●補助電源コネクタ:8ピン×1

設計&品質付加価値ともに満足のいくOC版R9 380カード

破損を防ぐバックプレート
カード裏面は基板歪みによる破損を防ぐバックプレートを装着。決して安い買い物とは言えないミドルレンジ以上のビデオカードにとっては、事実上の標準装備になりつつある

 2万円台後半のビデオカードを探しているなら、GTX 960よりRadeon R9 380を狙うべき。R9 380はR9 285(Tonga)の後継であるため、内部設計は現行Radeonでは最新のGCN 1.2世代。その中でも高品質な準ファンレスクーラーを装備したのがこの製品。

 基本的な仕様は同社のGTX 960搭載カードとよく似ているが、基板上の部材は最新の「Super Arroy Power Ⅱ」準拠となり、さらに品質が向上している。そして肝心の描画性能は、GTX 960より1割強高い。

 高付加価値志向の製品ゆえに、3万5,000円程度まで出せばパワフルな(かつVR環境に好適とされる)GTX 970の最安モデルに手が届いてしまうのが泣き所。しかし高品質かつ静音、Fluid Motion VideoなどGeForceにない機能を求めるならこれがベストだ。(加藤勝明)

独自のカスタム部品による高い完成度
Super Alloy Power Ⅱ準拠の部材が使われているため、1世代前の製品より製品の完成度は高い。STRIX-R9285-DC2OC-2GD5よりも補助電源の構成が簡素化(6ピン×2→8ピン×1)している
3DMark
ライズ・オブ・トゥームレイダー実行時のフレームレート

【編集部の判定】

 GTX 960と970の間を狙った製品でフルHD環境なら高い満足感が得られる。流行の準ファンレス仕様のクーラーは冷却力も高く、ゲーム中もそうでないときも静かだ。

 AMD派ならずともチェックする価値はある。

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170-A(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)
SSD:Micron Crucial MX200 CT1000MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、1TB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版
Fallout 4:フィールド上の一定コース移動中のフレームレートを「Fraps」で計測(垂直同期はドライバで強制OFF)
ライズ・オブ・トゥームレイダー:内蔵ベンチマーク機能でフレームレートを計測

【問い合わせ先】

ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/http://www.asus.com/jp/


[Text by 加藤勝明]


DOS/V POWER REPORT 2016年6月号は4月28日(木)発売】

★総力特集「価格も新旧も関係なしの大激突! PCパーツ無差別級対決」
★特別企画「自分で作るRaspberry Piノート pi-top入門講座」「空いているスロットを有効活用 春の内蔵拡張カードコレクション」「PCまわりの使いにくさ、もう放置しない! 今すぐ欲しい環境改善グッズ」
★連載「最新自作計画 ~最新AMD CPUで作るお手頃メインPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録「インターフェース図鑑+インターフェース拡張パーツカタログ」(雑誌のみ別途付録、電子版では本誌巻末に収録)

★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2016-04-22-0000.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)