借りてみたらこうだった!
レイトレ性能も十分、MSIのGeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは高クロックかつ静音動作
フルHDで高画質ゲームを遊ぶのに好適、ミドルクラスではお勧めの一枚 text by 坂本はじめ
2019年2月13日 06:03
MSIの「GeForce RTX 2060 GAMING Z 6G」は、リアルタイムレイトレーシングやDLSSなどの新機軸が利用可能な最新ミドルレンジGPU「GeForce RTX 2060」を搭載したビデオカードだ。
同社製のGeForce RTX 2060搭載カードの中では最高性能のモデルに位置づけられており、モデル名の通りゲーム向けのモデルとしてラインナップされている。店頭価格は税込53,800円前後だ。
MSIの最新技術を投入して製造されたGeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは、どういったビデオカードに仕上がっているのか、今回のレビューでは外観とレイトレーシング性能を中心に確認してみよう。
高性能GPUクーラー「TWIN FROZR 7」を搭載したゲーマー向けオーバークロックモデル
GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは、オーバークロック仕様のビデオカードだ。GeForce RTX 2060のブーストクロックは定格1,680MHzとなっているが、このモデルはブーストクロックを1,830MHzに引き上げてパフォーマンスアップが図られている。カードサイズは247×129×52mm(長さ×奥行き×高さ)、占有スロットは2.5スロット。
ビデオカードの動作に必要な補助電源コネクタはPCI-E 8ピン×1系統。ディスプレイ出力端子として、DisplayPort×3基とHDMI×1基を備えている。
オーバークロック動作を支える冷却システムには、MSI独自の「TWIN FROZR 7」を採用。独自形状のファンブレードで性能を高めた「トルクスファン 3.0」を2基搭載したGPUクーラーは、密集型ヒートパイプ設計や銅製ベースプレートを採用したヒートシンクを採用している。
セミファンレス機能「Zero Frozr」をサポートしており、GPU温度が60℃を下回っている状態では冷却ファンを停止して高い静粛性を実現する。
基板はMSI独自設計のカスタム仕様で、5+2フェーズの電源回路を搭載。基板表面側にはメモリの放熱板を兼ねた補強プレートを搭載しており、カード裏面に搭載した金属製バックプレートとの組み合わせによって、GPUクーラーの荷重による基板の変形を防いでいる。
GPUクーラーの各部にはRGB LEDが埋め込まれており、これらはMSI独自のLEDユーティリティ「Mystic Light 3」によって、発光色や発光パターンを変更できる他、MSI Mystic Light Sync対応機器と同期発光させることも可能。
「3DMark:Port Royal」と「バトルフィールド V」でレイトレーシング性能をチェック
GeForce RTX 20 シリーズと「DirectX Raytracing(DXR)」によって実現したリアルタイムレイトレーシングは、光の軌跡をトレースすることで非常にリアリティの高い影や反射による映り込みの描画を可能にする。
今回はDXRを用いたリアルタイムレイトレーシングを使用する3DMarkのベンチマークテスト「Port Royal」と、世界初のリアルタイムレイトレーシング対応ゲームである「バトルフィールド V」を使って、GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gのパフォーマンスを測定してみる。
テストに際し、ベース機材にはIntelの8コアCPU「Core i9-9900K」を搭載したPCを用意。グラフィックスドライバには最新の「417.71」を利用した。その他の機材については以下の表の通り。
3DMark「Port Royal」のスコアを計測、GeForce RTX 2080 Tiの50%前後の性能を発揮
3DMarkのリアルタイムレイトレーシング対応テスト「Port Royal」では、WQHD解像度(2,560×1,440ドット)でDXRによるレイトレーシングをふんだんに使った3Dベンチマークテストが実行される。
GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gで実行したPort Royalのスコアは「3,901」で、ベンチマークの平均フレームレートは18.06fpsとなった。このテストはかなり高負荷で、GeForce RTX 2080 Tiでも平均フレームレートは35~38fps程度となる。GeForce RTX 2060の搭載コア数から考えると、スペック分の性能はしっかり発揮されているといった印象だ。
レイトレーシング品質「中」なら60fpsがターゲットに、バトルフィールド Vでテスト
世界で初めてDXRによるリアルタイムレイトレーシングを実装したゲームであるバトルフィールド V。
今回はフルHD解像度(1,920×1,080ドット)かつ描画設定プリセット「最高」を基準として、レイトレーシングによる反射描写の品質を調整する「DXRレイトレース・リフレクションのクオリティー」を「低」から「最高」までの4段階の設定でテストした。
DXRによる反射像の描画が多いシングルプレイヤーモードの「ティライユール」序盤でフレームレートを測定した結果が以下のグラフだ。DXRレイトレース・リフレクションのクオリティーを「最高」と「高」にした場合は60fpsを割り込んでいるが、「中」以下の設定では60fps以上を記録した。
以下のスクリーンショットは、DXRレイトレース・リフレクションのクオリティーを「中」に設定した状態で撮影したもの。「中」設定でも反射像の描画品質は良好であり、極端に高負荷な場面を除けば60fps前後のフレームレートでプレイ可能だった。
この結果から、GeForce RTX 2060を搭載したMSI GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gが、リアルタイムレイトレーシングを十分に活用できるだけの性能を備えたビデオカードであることが分かる。
冷却性能の高いオリジナルクーラー、高クロックを維持しつつ静音性も高め
動作温度の検証も行ったので、あわせて紹介しよう。以下は「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を実行中のGPU温度の推移だ。
ベンチマーク実行中のピーク温度は68℃。GPU Boostが有効となる最大温度は、「温度ターゲット」として83℃が設定されており、GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは最大温度よりも十分に低い動作温度を維持している。
これにより、GPUクロックは常にブーストが掛かったままの1,950MHz前後で安定しており、長時間のゲームプレイでも高いパフォーマンスを常に発揮することが期待できる。
冷却ファンのピーク回転数は約1,640rpmであり、高負荷時でもファンノイズはかなり小さく抑えられている。冷却ファンは、テスト完了後30秒ほどでGPU温度を50℃まで冷却してから停止しており、TWIN FROZR 7の放熱能力の高さが伺える。
レイトレ対応ゲームを遊んでみたい人におすすめの「GeForce RTX 2060」高性能&高品質なMSI GeForce RTX 2060 GAMING Z 6G
ミドルレンジGPUであるGeForce RTX 2060を搭載したMSI GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは、バトルフィールド Vでリアルタイムレイトレーシングを活用できる実力を備えたビデオカードだ。
ゲーミングPCの新調や更新を考えているユーザーにとって、新世代の美しいグラフィックでゲームを楽しめるGeForce RTX 2060搭載ビデオカードは、なかなか魅力的なモデルになっている。
長時間に渡ってゲームをプレイする機会の多いゲーマーであれば、独自の設計とオーバークロック仕様によって品質と性能を兼ね備えたMSI GeForce RTX 2060 GAMING Z 6Gは、特に魅力的なビデオカードの一つであると言えるだろう。
[制作協力:MSI]
バックナンバー
- 借りてみたらこうだった!バックナンバー
- http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/mreview/rental/