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鮮やかに光るCORSAIRの水冷クーラー「H100i RGB PLATINUM」をテスト、8コアCPUもしっかり冷却

水冷ヘッドもファンもRGB LEDを搭載、イルミネーションにもこだわりたいユーザーへ text by 坂本はじめ

 今回は、2018年12月に登場したCORSAIRの最新鋭オールインワン水冷クーラー「H100i RGB PLATINUM (CW-9060039-WW)」を使ってみた。

 水冷ヘッドや冷却ファンにRGB LEDを搭載するH100i RGB PLATINUMは、従来のCORSAIR製オールインワン水冷ユニット以上にイルミネーション機能を重視したモデルだ。

 Intelの8コアCPU「Core i9-9900K」を使った冷却性能テストも実施しているので、ハイスペックかつクールなPCを構築したいユーザーは是非チェックしてみて欲しい。

240mmラジエーター採用オールインワン水冷クーラー「H100i RGB PLATINUM」

 H100i RGB PLATINUMは、CORSAIRの水冷クーラーブランド「Hydro Series」に属するオールインワン水冷クーラー。120mmファン2基を標準で搭載する240mmサイズのラジエーターを採用しており、IntelのLGA 115x/2066/2011(v3)、AMD Socket AM2(+)/AM3(+)/AM4/TR4をサポートする。

 冷却ファンにはCORSAIR ML PRO SeriesのRGB LED搭載120mmファンを採用。磁気浮上ベアリングを採用したPWM制御対応ファンで、400rpm~2,400rpmまでの広い回転数域をカバーしている。

CORSAIR H100i RGB PLATINUM。
120mmファンを2基横並びで搭載可能な240mmサイズのラジエーター。
冷却ファン。ML PRO SeriesのRGB LED搭載120mmファンが2基付属する。
水冷ヘッド。電力を供給用のSATA電源コネクタの他、ポンプ回転数検出用コネクタ、冷却ファン接続用4ピンコネクタ×2、RGBコネクタ×2を備えている。
水冷ヘッドのCPU接地面。銅製のベースプレートにサーマルグリスが塗布されている。
リテンションキットと付属品。

 H100i RGB PLATINUMの水冷ヘッドには16個のRGB LEDが埋め込まれている他、冷却ファンにも4個のRGB LEDが搭載されている。これらのRGB LEDは発光制御を個別に行えるアドレッサブルRGB LEDであり、各LEDのカラーが順次変化していくような表現が可能となっている。

水冷ヘッドには16個のアドレッサブルRGB LEDが内蔵されており、滑らかなカラー変化を楽しめる。
冷却ファンにも4個のアドレッサブルRGB LEDが搭載されている。

 LEDイルミネーションの制御は、CORSAIRの統合ユーティリティソフト「iCUE」で行う。iCUEでは発光パターンをプロファイルとして保存したり、他のiCUE対応機器と同期発光させたりすることもできる。

CORSAIRのユーティリティソフト「iCUE」。H100i RGB PLATINUMなら水冷ヘッドと冷却ファンが備えるRGB LEDを個別に制御できる。
アドレッサブルRGB LEDの採用による多様な発光パターンを「事前定義」から選択できる。「照明リンク」は他のiCUE製品と同期発光を行うモードだ。

 ユーティリティのiCUEでは冷却ファンとポンプの動作設定を行うことができる。H100i RGB PLATINUMには「静か」「安定」「強い」「ゼロRPM」という4つの動作プロファイルが用意されている。ゼロRPMとは、セミファンレス動作モードのことで、動作温度が十分に低い場合に冷却ファンを停止するモードだ。

 これらの動作プロファイルは、各冷却ファンやポンプに対して個別に適用することができる。また、ユーザー独自のカスタムプロファイルを作成する機能も用意されており、独自のセミファンレス動作プロファイルを作成することも可能だ。

iCUEでは、冷却ファンとポンプの動作設定を「パフォーマンス」から設定可能で、標準では4つの動作プロファイルが用意されている。
ユーザー独自の動作プロファイルを作成できる。ファンレス動作の設定も可能。
ポンプや冷却ファンには個別に動作プロファイルが適用できる。ポンプのみ「強い」に設定し、冷却ファンは静粛性重視のプロファイルを利用するというようなことも可能だ。

8コアCPU「Core i9-9900K」でH100i RGB PLATINUMの冷却性能をテスト

 H100i RGB PLATINUMをIntelの8コアCPU「Core i9-9900K」に搭載して、その冷却性能を試してみよう。

 参考比較用の空冷クーラーとして、Intel純正の空冷CPUクーラー「TS15A」を用意した。また、CPUのについては、Turbo Boost動作を無効化した「3.6GHz動作」と、Turbo Boost動作の電力リミッターを解除した「4.7GHz動作」の2通りの動作設定でテストする。

H100i RGB PLATINUMがどれだけの冷却能力を持っているのか、Intel純正CPUクーラー「TS15A」(右)と性能を比較してみた。

 テストに際して、H100i RGB PLATINUMの動作プロファイルは標準の「静か」を冷却ファンとポンプに適用し、比較対象のTS15Aの冷却ファンはフルスピードで動作させた。

 また、CPUの動作設定については、Turbo Boost動作を無効化した「3.6GHz動作」と、Turbo Boost動作の電力リミッターを解除した「4.7GHz動作」の2通りでテストする。

 冷却性能テストでは、動画変換ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」にて、4K/60fpsの動画をx265を用いて1080p/60fps動画に変換を行った際のピークCPU温度の測定を行う。エンコード時間は3.6GHz動作で約22分、4.7GHz動作では約17分。CPU温度はモニタリングソフト「HWiNFO v6.00」にてCPU Package温度を測定する。

 動作温度の結果だが、3.6GHz動作時のCPU温度は、TS15Aの59℃に対して、H100i RGB PLATINUMは6℃低い53℃を記録。約3,700rpmというファンスピードで大きなファンノイズを発生させていたTS15Aに対し、H100i RGB PLATINUMのファンスピードは最大で約1,150rpmで、高い静粛性を実現していた。

 4.7GHz動作時の結果は、TS15AではCore i9-9900Kの動作上限温度の100℃に達してサーマルスロットリングが作動したのに対し、H100i RGB PLATINUMは86℃以下を維持したままエンコードを完了できた。この際のファンスピードは最大約1,660rpmで、動作音はTS15Aよりもだいぶ静粛だ。

 H100i RGB PLATINUMは今回のテストにおいて、ファンスピードやポンプの動作に余力を残しながらも、4.7GHzで動作する8コアCPUの冷却をこなしており、高い冷却性能を持っていることが伺える。

ハイエンド構成でも安心の冷却性能を備えるH100i RGB PLATINUM魅せるPCを自作したユーザーにおすすめのオールインワン水冷クーラー

 H100i RGB PLATINUMは、多数のアドレッサブルRGB LEDによる美しいイルミネーション機能を備えたオールインワン水冷クーラーだ。CPUクーラーとしての冷却性能も優秀であり、今回テストしたCore i9-9900Kはもちろん、よりコア数の多いCPUとの組み合わせでも安心して使うことが出来る。

 iCUE対応のCORSAR製メモリやPCケースと組み合わせれば、高度で美しいLEDイルミネーションを備えたPCの自作が可能だ。性能だけでなく見た目やLEDイルミネーションにもこだわった「魅せるPC」を自作したいのなら、H100i RGB PLATINUMは、ぜひとも検討したい水冷クーラーのひとつだ。

[制作協力:CORSAIR]

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