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つくる女が一般客のPCをフリーダムに組み立て。
ねじ穴をガバガバにして落書きで再起不能に!?

text by 日沼 諭史

つくる女の2人が一般客が購入した自作PCキットを組み立てた

 3月14日、ツクモパソコン本店にて、毎月恒例となった女性クリエイターグループ「つくる女」によるイベントが開催された。

 今回は「女の子があなたのパソコンをつくっちゃうじょ」と題し、一般客が購入した自作PC組み立てキットをおせっかいにも組み立ててあげよう、という内容。無謀にもこの企画に2名の人柱が立候補した。

「手出し、口出し禁止」のルールのはずが……

CFD販売の自作PC組み立てキット「らくらく組立キット2」とPCケース、2台分
このような「らくらく組立マニュアル2」も用意されている
キットに合わせたPCケースはこの2種類

 このらくらくキット2をツクモで購入した一般客の目の前で、つくる女の声優山下まみさんと、漫画家羽生麻里さんの2人が、1人1台組み立てるというのが今回の企画。組み立て後に2人がPCケースに絵(落書き)を描くという、ある意味余計なサービスも用意した。

声優の山下まみさんと漫画家の羽生麻里さん
購入者であっても手出し、口出しは禁止。ニコ生のコメントでのみ意見を言えるルール

 つくる女イベントでは、過去に自作PCを何度か組み立てたことがあるため、2人とも余裕と考えたのか、購入者に対してはその場での「手出し、口出しは禁止」。AMDとGIGABYTEの担当者も駆けつけたが、羽生さんは「手伝ってもらうのではなく、見守っていただくだけ」とし、あくまでも自分たち2人が自力で最後まで組み立てるとした。

 ただし、当イベントを動画配信しているニコ生で、購入者自身がコメントすることで間接的に意見や指示を出すことだけが許可された。

 なお、完成したPCには絵が描かれるだけでなく、3Dプリンターで作成した「つくる女」のロゴプレートも貼り付けられることになった。

 ここで唐突に発表されたのが、そのロゴプレートを作成したStratasysの最新3Dプリンター「MakerBot Replicator」シリーズを、日本で初めてツクモパソコン本店が3月14日当日から販売開始したという情報。在庫しているのはReplicatorとReplicator Miniの2機種で、価格はそれぞれ39万5800円、18万7800円となる。順次他の地域の店舗でも取り扱いを開始するとのこと。

3Dプリンター「MakerBot Replicator」でロゴプレートを作成。イベント当日にツクモパソコン本店で販売が開始され
つくる女アナウンサーの大河原あゆみさんがReplicatorを紹介
この「つくる女」ロゴプレートを完成したPCに貼り付ける

羽生さん、「ガバガバにしてやった」とご満悦

 3Dプリンターの紹介もそこそこに、さっそく箱から各種パーツを取り出す2人だが、手順が分かりやすいようパーツごとのケースに番号が振られているのに驚く羽生さん。

 「自作したことのない人でもおすすめ」としっかり製品をアピールしていたのに対し、山下さんはいきなり目の前の購入者に「ケースとか大切に保管する派ですか?」と確認したうえで、バリバリと乱暴にCPUの箱を破壊しながら開梱していく。

静電気防止手袋を装備して挑む
パーツごとのケースに番号が振られており、どの手順で取り付けていくのかが分かりやすい
ビリビリと破くように開梱していく山下さん
電源ケースもご覧の通り
危なっかしさはあるものの、序盤は順調に進んでいたが……
もはやスタッフ総出で組み立てる状態に
「ガバガバだぜ」

 2人のサポートという形で参加したつくる女アナウンサーの大河原あゆみさんに「この女子力のなさ。がさつ」と言われても、全く意に介さない山下さん。それどころか、CPUファンとヒートシンクをマザーボードに固定するツメが引っかからず「どうしたらいいですか?」と周囲に聞くルール無視を最初から平然とやってのける、波乱の幕開けとなった。

 それでも今までの経験が活きているのか、山下さんは順調に組み立てていく。CPUとメモリの取り付け、PCケースのバックパネルの装着、マザーボードのPCケースへの固定、電源ユニットの取り付けなど、順序良くハイペースで進めていった。

 一方の羽生さんは、CPUとメモリの取り付けはスムーズに終えたものの、PCケースにスペーサーをねじ込むのに手間取り、遅れを取ってしまう。

 ネジ穴がきつく、思うように作業が進まないのに見かねたのか、AMDの担当者が終始付きっきりでアドバイス。山下さんもマザーボードの配線やHDDの取り付けに四苦八苦しているところにGIGABYTEの担当者や来場者らから口出しされ、早くも序盤で自力で組み立てるというルールはあってないようなものとなった。

 山下さんがマザーボードの配線を終えようとしている頃、ようやく羽生さんのスペーサーの取り付けが完了。いったん別のねじで穴を広げた後にスペーサーをねじ込む作戦で、うまくいったことに安堵したのか、「ガバガバだぜ、こいつ」と発言。

 その後1つ余計に穴を広げていたことにも気付き、「もうお嫁にいけない、この穴」と叫んだところで、山下さんから「お昼ですよー」とたしなめられていた。

今回はリハーサルだった!?

 スタートから1時間ほど経過して、スタッフから「あと15分くらいで終わる?」という声が飛びプレッシャーをかけられるが、山下さんはいまだHDDの取り付けに苦戦しており、羽生さんはマザーボードの配線の真っ最中。当然終わるわけがない。

苦戦している山下さん
羽生さんもまだ配線しているところ
予行演習だから時間がかかっても仕方ない……!?
「予行演習」発言に購入者が光の速さでコメント入力

 PCの自作には慣れているはずなのに、厳しい状況に置かれているのをごまかしたくなったのか、山下さんは「実はこの企画、大好評で」と語り始めた。

 らくらくキット2の購入者を対象に2人が組み立てる今回の企画に想像以上の立候補者があり、山下さんいわく「予想以上にドMが多く」、次回4月のつくる女イベントも同じ内容で実施すると表明。

 これを聞いて羽生さんは、「分かった! 今日はその予行演習なんだ!」と、開き直りとも取れる発言。山下さんは「次回(きちんと)できれば、大丈夫だよ」と応じていたが、この流れにさすがの購入者2人もたまらず高速でコメント入力していた。

山下さんの前衛芸術に、その場の全員が恐怖

 スタートから1時間半近くかかって、最初にPCを完成させたのは山下さん。マザーボードの配線を1本やり直すハプニングがありながらも、無事PCが起動するのを確認した。

 続いてAMDの非公式応援キャラクター「愛真田心ちゃん」の絵をPCケースに描き始めるが、周囲から「ホントに怖い」などと悲鳴が上がるほどの恐ろしい出来。大河原さんに「これで大丈夫なんですか?どこに置くんですか?」と聞くと、購入者は「玄関に置く」と答えて笑いを誘っていた。

山下さん、完成!
そして絵を描き始めたが……
これは……
怖い(確信)

 羽生さんのPCは、そこから15分ほど遅れて完成。山下さんはそのPCに対し今度は自画像を描くも、謎のポーズを取りつつおにぎりを食べ、局部を小さな貝殻で隠し、開いた貝に貼り付いているように立つという前衛芸術に仕上げ、それを横目で見た羽生さんは恐怖に身をおののかせていた。

羽生さんも完成!
山下さんの自画像を見て身震い
その山下さんの自画像がこれ

 その羽生さん、事前に用意してきた下書きを元に手の込んだ4コマ漫画を描いたが、結局1台のPCに描き切ったところで時間切れ。もう1台のPCにはイベント終了後に描くことになり、「締め切りを破る漫画家」を地でいっていることを的確に指摘されていた。

ハイクオリティな羽生さんの4コマ漫画だが、横のホラーな心ちゃんが全てを台なしにしている
つくる女のロゴプレートを貼り付け、完成
最終的な絵の完成バージョンがこちら

 次回は4月11日土曜日、ツクモパソコン本店にて開催予定。すでに述べた通り、内容は今回と同じく自作PCを組み立てる「女の子があなたのパソコンをつくっちゃうじょ」となる。

 また、前回告知があったように、5月16日(土曜日)は北海道札幌市にて開催。プロゲーマーDustelBox氏も出演するとのこと。