最新自作計画
アルミのフレームが美しいCooler Master「MasterFrame 500 Mesh」とAMDコンビで万能PCを作る
【新装第12回/通算第90回】自由度と冷却性能の高さで実用性も美しさも抜群 text by 竹内 亮介
2025年11月10日 09:00
少々(?)古い話になるが、星野金属工業は1998年に「WiNDy MT-PRO2000」というATX対応PCケースを発売した。当時はオフホワイトのプラスチック素材を採用する地味なPCケースが主流だったこともあり、高級感のある総アルミの筐体とその後に投入された多彩なカラーバリエーションモデルは、かなり目を引いた。当時はPC雑誌の編集部に勤めていたため実機を検証する機会にも恵まれ、その質感にほれぼれしたことを覚えている。
今回は、そうしたアルミ素材をフレームの要所に採用することで高級感を演出するCooler Masterの最新PCケース「MasterFrame 500 Mesh」をベースに、Ryzen 9 9900XやRadeon RX 9070 XTを搭載するASRockの高性能なビデオカード「AMD Radeon RX 9070 XT Challenger 16GB」などを組み込み、最新のPCゲームも快適に楽しめる強力な自作PCを作ってみよう。
金属素材が美しい!内部構造の自由度が高いケース
MasterFrame 500 Meshでは、外装のフレーム部分に高級感のあるアルミ素材、内部構造やメッシュ構造の前面/天板パネルにスチール素材を組み合わせたハイブリッドな構造を採用する。
アルミのフレーム、そして前面/天板パネルには手触りのよいサンドブラスト加工が施されており、この価格帯のPCケースとしてはちょっと驚くほどの高級感がある。前面メッシュパネル越しに見える20cm角もの大型ファンの存在感も相まって、本当にカッコいい。
また「FreeForm 2.0」という自由度の高い内部構造を採用することも特徴の一つだ。無数のネジ穴を装備した細いプレートが各所に取り付けられており、ここに電源ユニットマウンター、前面ポートや電源ボタンのインターフェース、マザーボードベース、拡張カード用マウンターが取り付けられているというユニークな構造となっている。
MasterFrame 500 Meshではこうした内部の部品、そして固定用のプレートまでも自由に移動し、想定しているパーツ構成に合わせて内部構造を変更できる。ファンのサイズに合わせてプレートの幅を調整したり、ビデオカードに直接ファンの風が当たるように電源ユニットを上に持ってきたりといったカスタマイズが自由自在に行えるのだ。
ミドルタワーPCケースとしてはちょっと例を見ないほどの自由度の高さであり、非常におもしろい構造だ。このほか標準で先ほども紹介した20cm角ファンを2基も装備し、風通しのよいメッシュ構造を各部に採用していることもあって、冷却性能にも優れている。
冷却性能と空間を活かしAMDプラットフォームの上位パーツでまとめる
それでは、パーツを集めてPCとして組み上げてみよう。パーツリストは下記のとおりだ。
| カテゴリー | 製品名 | 実売価格 |
| CPU | AMD Ryzen 9 9900X (12コア24スレッド) | 72,000円前後 |
| マザーボード | ASRock B850 Steel Legend WiFi (AMD B850) | 30,000円前後 |
| メモリ | CFD販売 W5U5600CS-16G (PC5-44800 DDR5 SDRAM 16GB×2) | 18,000円前後 |
| ビデオカード | ASRock AMD Radeon RX 9070 XT Challenger 16GB(Radeon RX 9070 XT) | 95,000円前後 |
| SSD | Micron Crucial P510 CT2000P510SSD8-JP (2TB、PCI Express 5.0) | 28,000円前後 |
| PCケース | Cooler Master MasterFrame 500 Mesh Silver (ExtendedATX) | 23,000円前後 |
| 電源ユニット | Cooler Master MWE Gold 850 V3 ATX3.1 JP (850W、80PLUS GOLD) | 13,000円前後 |
| CPUクーラー | Cooler Master MasterLiquid 360 Atmos II VRM Fan (水冷式、36cmクラス) | 18,000円前後 |
| 合計金額 | 297,000円前後 | |
| ※実売価格は2025年11月上旬時点のもの | ||
CPUやマザーボード、ビデオカードは、AMDプラットフォームでまとめてみた。CPUは12コア24スレッドの「Ryzen 9 9900X」、ゲーミング性能最強の「Ryzen 7 9800X3D」にするべきかもしれないが、汎用性とコストの両面を考慮してRyzen 9 9900Xとした。
マザーボードはチップセットにAMD B850を採用するASRockの「B850 Steel Legend WiFi」を選んだ。AMD B850搭載モデルとしては比較的低価格ながら8層基板を採用、また合計17フェーズの強力な電源回路を大型のヒートシンクで冷却しており、高い負荷がかかる状況でも安心してPCを利用できる。ビデオカードやM.2 SSDの着脱を簡単に行える機能も装備している。
ビデオカードは、AMDの「Radeon RX 9070 XT」を搭載するASRockの「AMD Radeon RX 9070 XT Challenger 16GB」だ。アッパーミドルの強力なGPUに16GBのVRAMを搭載しており、最新ゲームやAI処理にも問題なく対応できる。3基のファンでしっかり冷却できる安心設計も魅力の一つだ。
CPUクーラーは、36cmクラスのラジエーターを組み合わせたCooler Masterの簡易水冷型CPUクーラー「MasterLiquid 360 Atmos II VRM Fan」だ。2万円を大きく割り込む価格ながら、冷却効率と耐久性に優れる最新の水冷ヘッドを採用している。またこのモデルでは、水冷ヘッドにマグネットで簡単に着脱できる小さなファンを同梱しており、CPUソケットまわりのVRM/M.2 SSD用ヒートシンクを効率的に冷却できる。
電源ユニットはCooler Masterの「MWE Gold 850 V3 ATX3.1 JP」を選んだ。ATX 3.1規格に対応したフルプラグインモデルで、今回の構成では利用しないが12V-2x6ケーブルを同梱しており、高性能な最新ビデオカードが利用できる。出力は最大で850Wで80PLUS GOLD認証を受けているほか、40%までの出力ならファンが回転しない「ゼロRPM」機能に対応している。
SSDはMicronの「Crucial P510 CT2000P510SSD8-JP」で、容量は2TBだ。最近は一つのゲームをインストールするだけで100GBクラスの容量を消費することも多いので、システムストレージとして最低2TBは欲しい。メモリは、16GBモジュールを2枚組み合わせたCFD販売の「W5U5600CS-16G」にした。
上でまとめたが、今回の作例の価格は30万円を切るくらいでまとまった(2025年11月上旬調査時点)。ビデオカードの価格が若干落ち着いたことで、高性能なビデオカードを組み合わせても30万円を切る価格になった。もう少しコストを下げたいなら、ビデオカードを16GBのVRAMを搭載する「GeForce RTX 5060」や、「Radeon RX 9060」を搭載するモデルにしたり、マザーボードを1世代前のAMD B650搭載モデルにするという選択肢もある。
ただ、最近はメモリやSSDの価格動向も注視が必要な情勢のようだ。値段のために容量を下げるのは得策ではない場合が多いので、タイミングや買い方には注意したいところだ。
内部は広く組み込みは容易、各パネルはマグネット式で清掃しやすい
実際にパーツを組み込んだものがこちらだ。ケース内部やマザーボードはホワイトに近い色合いで、ビデオカードやケーブル、簡易水冷型CPUクーラーはブラックというツートンカラーの構成となっている。個人的には白一色でまとめるより、ワンポイントで「さし色」を入れるほうが好みだ。
また今回のパーツ構成では内部構造を変更する必要がなかったため、そのまま組み込んだ。突起部を含めると奥行きは47.1cm、高さは54.4cmという比較的大きめなケースであり、内部には組み込みのジャマになるような構造物もない。広くゆったりとした空間に、余裕を持って各パーツを組み込めた。
前面や両側板、天板は強力なマグネットで固定するタイプなので、ネジを使わず簡単に着脱できる。というか磁石がかなり強めでガッチリ固定されるので、組み込み後も安心して利用できそうだ。ホコリが集中しやすい前面パネルや前面ファンの清掃も簡単に行える。
MasterLiquid 360 Atmos II VRM Fanは、箱から出した時点で3基のファンがラジエーターに固定された状態で、自分でファンの取り付け作業をする必要がないためちょっと手間が少なく済む。また、ファンや水冷ヘッドポンプ用の電源供給やLEDの制御ケーブルがすでにまとめられた状態に整えられており、3本のケーブルをマザーボードに挿すだけでよい。簡易水冷型CPUクーラーとしてはかなり楽にセッティングできるのが印象的だった。
マザーボードベースの裏面と、各部品を固定しているプレートの間には、いくつかの穴があいている。マザーボードやビデオカードに接続する電源ケーブルをその穴を通して配線することで、まとめてスムーズに整理できるようになっている。簡易水冷型CPUクーラー用のケーブルが少ないこともあって、今回の作例ではケーブル整理はかなりラクに行えた。
最新PCゲームも4Kでプレイ可能、各部の温度も低い
PCMark 10 Extendedと3DMarkの各テストにおけるScoreは下記の表のとおりだ。アッパーミドルクラスのPCらしいScoreで、Windows 11自体の操作も快適だ。
| 総合Score | 14,798 |
| Essentials | 12,865 |
| Productivity | 11,507 |
| Digital Contents Creation | 21,398 |
| Gaming | 40,901 |
| Speed Way | 6,133 |
| Steel Nomad | 6,762 |
| Time Spy Extreme | 13,104 |
| Time Spy | 24,533 |
さらに実際のゲームを使ったベンチマークテストもいくつか行ってみた。今回はグラフィックス設定を高めにした上で、解像度をフルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)に変更し、ベンチマークテストのスコアや平均FPSを比較した。
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマークのグラフィックスの設定は「最高品質」、サイバーパンク2077のグラフィックス設定は「レイトレーシング:ウルトラ」で、フレーム生成機能のON/OFFを切り換えて計測した。モンスターハンターワイルズ ベンチマークのグラフィックス設定は「ウルトラ」で、こちらもフレーム生成のON/OFFを切り換えている。



ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマークではフルHDとWQHDで「非常に快適」、4Kでも「とても快適」であり、実際のゲーム画面の動きもスムーズだった。描画負荷の高いサイバーパンク2077では、フレーム生成を有効にしない4K解像度でも平均FPSが70と、こちらも快適だ。フレーム生成を有効にした場合は120を超えている。モンスターハンターワイルズでもほぼ似たような状況であり、4Kでも快適に遊べそうだ。
また20cm角という超大型ファンの冷却性能も気になるところだ。今回は「アイドル時」(起動後10分間の平均的な温度)とCPUに対する負荷が高い「Cinebench時」(Cinebench R23実行時の最高温度)、CPUとGPUの両方に負荷がかかる「モンスターハンターワイルズ時」(モンスターハンターワイルズ ベンチマークを1時間ループ実行したときの最高温度)を計測した。温度測定にはOCCT 15.0.2を利用している。

CPU温度はモンスターハンターワイルズ時で77℃、Cinebench時でも68℃とかなり低く、安心して利用できる。驚くべきはGPU温度で、負荷が高いであろうモンスターハンターワイルズ時でも58℃と低い。3基のファンを搭載する大型のGPUクーラーと、前面から外気をたっぷりと取り込める構造が、こうした結果につながっているのだろう。
ハイエンドパーツにマッチする高級感と冷却性能長く付き合っていける仕上がりになるPCケース
ここまで見てきたとおり、強力なパフォーマンスと冷却性能を兼ね備えており、最新PCゲームをプレイするのはもちろん、クリエイティブやAIに関する業務にも向いており、幅広い用途で活用できるはずだ。
そんな仕上がりになるのは、MasterFrame 500 Meshの使い勝手とデザインによるところも大きい。組み込み作業の過程で見て分かるように、メンテナンス性や清掃のしやすいさは申し分ない。シンプルで美しく、飽きも来にくいデザインもすばらしい。長く使い続けられる1台のベースとなるPCケースだ。























