プロダクトレビュー・ショーケース

5インチLCD搭載モデルも用意されたCORSAIRの最新水冷CPUクーラー「iCUE LINK TITAN II」を試す

搭載ファンは3基一体型に、静音性も高い美しい一台 text by 坂本はじめ

CORSAIRの新世代クーラー「iCUE LINK TITAN II」シリーズ

 CORSAIRから新しい世代の水冷CPUクーラー「iCUE LINK TITAN II」シリーズが間もなく登場する。CORSAIR独自のケーブルで簡素な配線を実現するiCUE LINKに対応したモデルで、水冷ヘッド上のディスプレイの有無やカラーの違いで複数モデルが用意されているほか、オプションパーツなども用意されている。

 今回はその中から「CORSAIR iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB」を使用し、外観や性能を確かめつつ、オプションパーツである「iCUE LINK 5" LCD Screen Module」についても紹介する。CORSAIRブランド最新のオールインワン水冷クーラーの実力と機能を確かめてみよう。

iCUE LINK対応の新型オールインワン水冷クーラーCORSAIR iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB

 新たに登場するiCUE LINK TITAN IIシリーズだが、iCUE LINK TITAN II 360 RX LCDやオプションパーツは10月15日(木)発売予定となっており、LCD非搭載のiCUE LINK TITAN II 360 RX RGBのみ11月以降に発売予定。

 また、iCUE LINK TITAN IIシリーズのオプションではないが、14cmファンの新モデル「iCUE LINK RX140 II RGB Fan Expansion(Black/White)」も10月15日(木)発売予定だ。

モデル発売日
iCUE LINK TITAN II 360 RX LCD(Black/White)10月15日(木)
iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB(Black/White)11月以降
iCUE LINK 5" LCD Screen Module(Black/White)10月15日(木)
iCUE LINK RX360 II Unified Frame RGB Fans Starter Kit(Black/White)10月15日(木)
iCUE LINK RX360 II Unified Frame RGB Fans Expansion(Black/White)10月15日(木)
iCUE LINK RX140 II RGB Fan Expansion(Black/White)10月15日(木)

 今回レビューで取り上げるのは、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBのホワイトモデル。360mmサイズのラジエーターを備えるオールインワン水冷クーラーで、対応CPUソケットはIntel LGA1851/1700およびAMD Socket AM5/AM4。

 一体型フレームの3連120mmファン「iCUE LINK RX360 II RGB」を採用することで、従来モデルよりも美しいビジュアルを実現している。ネジは4点止めなので、従来のファンを3基搭載する水冷クーラーよりも取り外しや取り付けが容易になっている。清掃などのメンテナンス時にはかなりの負荷軽減になるだろう。

iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBのホワイトモデル
360mmサイズのラジエーター。標準搭載のファン以外にも、120mmファンを3基並べて搭載できる
対応CPUソケットは、Intel LGA1851/1700およびAMD Socket AM5/AM4
一体型フレームを採用する3連120mmファン「iCUE LINK RX360 II RGB」を標準搭載。このファン単体やiCUE LINKシステムハブとのセット品も販売される
装飾のカバーは取り外し可能で、ロゴマークの向きをユーザーが選べる
フレームの両端にCUE LINKのコネクタを備えている
120mmファンはそれぞれ8基のRGB LEDを内蔵。回転数は400~2,100rpm±10%

 水冷ヘッドには透明度の高いクリアパーツを使用しており、独特な形状のディフューザー越しに20基のRGB LEDによるイルミネーションが楽しめる設計となっている。

 CPUと接するベース面は銅製で、CORSAIRブランドの高性能サーマルグリスであるCORSAIR XTM70が出荷時点で塗布されているので、グリスの塗布作業を省いてそのままCPUに取り付けることができる。

水冷ヘッド。外装にクリアパーツを使用しており、内部には20個のRGB LEDを搭載
水冷ヘッド上部のパーツは取り外し可能。ヘッド側にはオプションパーツ用の電極が配置されている
銅製のベース面にはCORSAIRブランドのサーマルグリスが塗布されている

 iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは、冷却ファンやポンプへの電源供給とRGB LED制御にCORSAIR独自のiCUE LINKケーブルを採用。両端90度ケーブル2本と片側90度ケーブル1本が同梱されており、制御用ユニットのiCUE LINKシステムハブも付属する。

 これにより、水冷ヘッドとラジエーター側の冷却ファンへの配線を各1本ずつのiCUE LINKケーブルで行うことが可能となっており、旧来のARGBコネクタと4ピンFANコネクタを用いる製品よりはるかに楽に配線が行える。

手前の3本のケーブルがiCUE LINKケーブル。最奥がiCUE LINKシステムハブで、同ユニット用のUSBケーブルと回転数検知用3ピンFANコネクタも同梱されている
水冷ヘッドの側面にiCUE LINKケーブル用のコネクタが用意されている
3連ファンも両端にiCUE LINK用のコネクタを搭載。他のCORSAIR機器とデイジーチェーン接続も可能

冷却とRGB LEDの管理はiCUEソフトウェアで一括管理

 iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBが備える冷却ファンやポンプ、RGB LEDについては、CORSAIRのユーティリティソフトである「iCUEソフトウェア」で一括管理する。

CORSAIRのユーティリティソフト「iCUEソフトウェア」

 初期状態のiCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは、冷却ファンの回転数制御をクーラーの冷媒温度(≒水温)を基準に行っているが、iCUE上では制御の基準とする温度をCPUパッケージ温度などに変更したり、回転数の変化を詳細に設定したりもできる。

 水冷ヘッドに内蔵されているポンプの速度に関しては、3種類のプリセット(最速/安定/静か)から選択する方式となっている。最速を選択するとポンプ速度は最大3,000rpmに達するが、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBが採用する新型ポンプのFlowDrive 2ポンプは静粛性に優れており、耳障りな音は感じられなかった。

冷却ファンの制御は冷媒温度やCPU温度を基準として高い自由度で設定できる
水冷ヘッドに内蔵されたFlowDrive 2ポンプの動作は3種類のプリセットから選択可能

 RGB LEDの制御は、ほかのiCUE LINK対応製品とリンクした発光制御が可能なほか、アドレッサブルRGBに対応するiCUE LINK TITAN II 360 RX RGBであれば、1つ1つのLEDごとにコントロールすることも可能だ。

 iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは、水冷ヘッドに20基、冷却ファンに24基(8基×3)のRGB LEDを備えており、滑らかで美しいLEDイルミネーションを実現できる。PC内部をライトアップするパーツとしての能力にも優れた製品であると言える。

水冷ヘッドと冷却ファンに合計44基のRGB LEDを備えるiCUE LINK TITAN II 360 RX RGB。PC内部をライトアップする能力に優れた製品だ
iCUEソフトウェアでは複数の照明レイヤーを組み合わせた複雑な発光制御も構築できる

iCUE LINK TITANシリーズに5インチ液晶を追加できるオプションパーツ「iCUE LINK 5" LCD Screen Module」

 さらに、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBのオプションパーツとして「iCUE LINK 5" LCD Screen Module」も紹介しておこう。本機は、iCUE LINK TITAN IIシリーズおよびiCUE LINK TITANシリーズに5インチのLCD(液晶)パネルを追加する製品だ。

 5インチのLCDパネルはIPS方式で、画面解像度は720×1,280ドット(60Hz)。映像入力用としてDisplayPortケーブルが直結されているほか、背面に電源供給などを行うポゴピンを備えており、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBをはじめとするiCUE LINK TITAN II/TITANシリーズの水冷ヘッドと接続できる。ケーブル自体はDisplayPortのみを接続するかたちになる。

iCUE LINK 5" LCD Screen Module

 本体内部にVRM冷却用の70mmファンを内蔵しており、CPUソケット周辺に配置されている電力供給用のVRMに送風することで過熱を防ぐことができる。ビジュアルだけでなく冷却性能も高められるアイテムだ。

 また、最近のCORSAIR製ケースであればDisplayPortケーブルをケース内部から外部に通せる穴を設けている製品もあるが、配線経路が無いケース向けにケーブルを通すための拡張スロット用ブラケットが同梱されている。

本体裏面には水冷ヘッドと接続するためのポゴピンを備えている
VRM冷却用の70mmファンを内蔵している
直付けされているDisplayPortケーブル。ビデオカードやマザーボードの映像出力端子から映像を入力できる
DisplayPortケーブルをケース外に引き出すための拡張スロットブラケット

 iCUE LINK 5" LCD Screen Moduleは、iCUEソフトウェアを用いることでウィジェットを表示したり、内蔵ファンの動作を制御することができる。また、DisplayPortケーブルを経由することでPCのデスクトップ画面を表示することも可能だ。

 なお、LCDパネルの表示方向については、取り付け状態に応じて自動回転する仕様となっており、縦表示だけでなく横表示にも対応している。

iCUEソフトウェアで映像表示や内蔵RGB LEDの制御が可能
VRM冷却ファンは、水冷クーラー本体の冷却ファンと同様の制御が可能
ウィジェットを用いて画像や動画、ステータスモニターなどを表示できる
DisplayPort経由でデスクトップ画面の表示も可能
自動回転に対応しており、設置方向に応じて縦表示と横表示が自動で切り替わる

iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBの冷却性能をRyzen 9 9950Xでテスト

 今回は、電力リミットが200W(PPT)に設定されているAMDのハイエンドCPU「Ryzen 9 9950X」を使用して、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBの冷却性能をテストする。

 そのほかの機材やテスト時の環境は以下の表の通り。iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBはiCUE LINK 5" LCD Screen Moduleを取り付けた状態で、長尾製作所製のオープンフレームケースに搭載した。

iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBに、iCUE LINK 5" LCD Screen Moduleを搭載してテストする

 iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBの冷却性能は、CPUの全てのコアに高負荷をかけるCinebench 2026「Multiple Threads」を最低実行時間30分で実行した際のモニタリングデータを取得して評価する。

 今回は、iCUEソフトウェア上で冷却ファンとポンプ速度の設定を行い、冷却ファンのPWM制御を30%、50%、100%の3通りに設定してテストを実施した。なお、水冷ポンプの動作プロファイルについては、それぞれ「静か(PWM=30%時)」、「安定(PWM=50%時)」、「最速(PWM=100%時)」に設定した。

CPU温度│Cinebench 2026
ベンチマークスコア│Cinebench 2026
CPU消費電力│Cinebench 2026
冷却ファン/ポンプ速度│Cinebench 2026

 各設定ごとのCPU温度は、PWM制御=100%で平均75.0℃(最大77.0℃)、PWM制御=50%で平均81.4℃(最大82.9℃)、PWM制御=30%で平均89.8℃(最大92.1℃)。iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは、すべての条件でCPU最大温度(TjMax)を95℃以下に保っており、Ryzen 9 9950Xから電力リミット一杯の性能を引き出せている。

 冷却ファンの回転数が平均569rpmまで低下するPWM制御=30%でもRyzen 9 9950Xを冷やしきれているのはさすがといったところだ。動作音的にはPWM制御=50%設定でも静音と言えるレベルを保っており、iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは「静かに冷やせるCPUクーラー」であると言える。

CORSAIR iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB (ファン速度=PWM 100%)
CORSAIR iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB (ファン速度=PWM 50%)
CORSAIR iCUE LINK TITAN II 360 RX RGB (ファン速度=PWM 30%)

使いやすく静かでよく冷えるCORSAIRの新型オールインワン水冷クーラー

 iCUE LINK TITAN II 360 RX RGBは、3基のファンをまとめて扱える一体型フレームの導入とiCUE LINKケーブルの採用により、旧来のオールインワン水冷クーラーより配線の手間が大幅に簡略化され、よりスマートで洗練されたビジュアルに仕上げられている。

 そのうえ、200W級の発熱を静かに処理できる上質な冷却性能を備えており、扱いやすくよく冷える理想的なオールインワン水冷クーラーとして完成している。他のiCUE LINK対応製品と組み合わせれば、抜群の接続性を生かしてスマートにPCを自作できる点もこの製品の魅力だ。

 LCDパネルに魅力を感じたのなら、標準搭載するiCUE LINK TITAN II 360 RX LCDを選ぶことをおすすめする。LCDの有無で迷っているのであれば、ひとまず導入コストを優先してiCUE LINK TITAN II 360 RX RGBを選んでみるのが良いだろう。あとからiCUE LINK 5" LCD Screen Moduleを追加すれば同等品になるので、好みや予算に合わせてモデルを選んでもらいたい。