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カオスの中にも宝あり!買い手の通販力も試される“ミニPC”の世界を覗いてみよう

価格帯別に仕様や特徴を整理、11製品をピックアップ text by 石川 ひさよし

本稿では、Amazon.co.jpや楽天で購入できるオススメ製品をテーマ別にまとめてお届けします。PCパーツからガジェット、生活に役立つ便利グッズまで、季節や世間の話題などを見ながら幅広く紹介するので、製品探しや買い物の参考にしてみてください。

 ミニPCと言えば、台湾メーカーが現在主流の形に近い小さな箱型スタイルを完成させ、Intel「NUC」がビジネス向け中心にも広く知られるようになった印象です。そして現在、ミニPC分野で勢いがあるのは中国メーカーでしょう。

 当初は低価格モデルのコスパで一般ユーザーからも注目を集め、その後はハイエンドにもゲーミングにも、AIにもといった具合で、ジャンルを広げてきました。すでに性能は見劣りするものではなく、なんならAI分野に限ればデスクトップPCよりも制限がないと言ってよいかもしれません。

 そんなミニPCですが、購入では注意点もあります。現状、通販サイトに並ぶ製品はかなりの玉石混交です。国内代理店が付いているメーカーなら、製品情報の入手は容易で内容も正確、サポート体制も確保されている場合がほとんどです。一方、海外メーカー直販や小規模な通販限定の製品の場合は、“海外通販あるある”を覚悟する必要があることも。とはいえ、実際に手にしてみると、期待以上(期待値が低かった!?)の掘り出しモノもあるので、こういうショッピングはなかなか刺激的です。

 少々カオスなミニPCの世界ですが、本稿では、これからミニPCにチャレンジしてみようという方に向けて、スペックや周辺情報を精査し、“通販におけるギャンブル要素”をできるだけ薄め、かつ製品として特徴・魅力のあるモノをピックアップしてみました。

5万円前後~10万円以下のスタンダードモデル

 まずは、実売価格5万円前後から10万円以下の製品をピックアップします。もっと安いミニPCももちろんあるのですが、性能がさらに限定的になるため、使いこなすには知識やスキル、相応の目的と覚悟が必要です。本稿では、安い中にも実用性を求め、PCとしての汎用性が十分確保できる性能という点を考慮した結果、5万円前後がひとつの区切りと判断しました。

 5万円前後の製品では搭載するCPUやインターフェースが少し古めの傾向にありますが、それでも日常の軽作業には十分通用します。そこから価格が上がっていくに従い、格安製品に比べるとCPU世代が新しくなりコア数が増え、製品によってはメモリが増えたりストレージが高速になったり、インターフェース類の仕様が新しくなったりとパワーアップしていきます。

 GMKtec「NucBox G10」は、CPUにはちょっと懐かしいZen+世代のRyzen 5 3500Uを採用する製品です。4コア8スレッドの一昔前のCPUではありますが、メモリはDDR4 SO-DIMM 8GB×2枚で計16GB、ストレージはSSD 512GB(PCI Express 3.0)を搭載しており、普段使いであれば十分なレベルです。インターフェースとしては、USB 5GbpsやWi-Fi 5、2.5GbEなどに対応しています。OSはWindows 11 Proを採用しています。

 GMKtec「M6 Ultra」は、Ryzen 5 7640HSを採用する製品です。6コア12スレッドのCPUですが、アーキテクチャーはこの価格帯では新しめのZen 4です。メモリはDDR5 SO-DIMM 8GB×2枚の計16GB、ストレージはSSD 512GBです。インターフェースは、USB 40Gbps、Wi-Fi 6E、2.5GbEに対応しています。OSはWindows 11 Proを採用しています。

 Core i5-12600Hを採用するMINISFORUM「NAB6 Lite」は、Pコア4基、Eコア8基、計12コア16スレッドに対応しています。メモリはDDR4 SO-DIMM 8GB×2枚の計16GB、ストレージは500GBのSSDを搭載し、2.5インチSerial ATAドライブも利用可能。インターフェースでは、USB 10Gbps、Wi-Fi 6、2.5GbEに対応。OSはWindows 11 Proを採用しています。CPUは少々古めですが総合力のバランスは上々で、軽~中負荷の作業であれば快適に使えるでしょう。

 MINISFORUM「UM690L Slim」は、Ryzen 5 7640HSを採用する製品です。6コア12スレッド対応で、アーキテクチャーは比較的新しめのZen 4世代になり、10TOPSですがNPUも搭載しています。メモリはDDR5 SO-DIMM 計16GBで、ストレージは512GBです。インターフェースでは、USB 40Gbps、Wi-Fi 6E、2.5GbEに対応。OSはWindows 11 Proを採用しています。全般的に仕様は新しめですが在庫僅少の模様。

 MINISFORUMのミニPCで10万円を切るモデルは、メモリとSSDを別途用意する必要がある“ベアボーンPC”も多いので、余剰パーツがある人はそちらもオススメです。

10万円超クラスの最新スペック製品

 現行世代のCPUを搭載したミニPCとなると10万円超、上を見ればメモリとストレージ搭載量しだいで数十万円です。広義ではNVIDIA DGX Sparkなどもここに含まれますが、今回はWindows搭載(搭載可)のミニPCに限定しました。

 最新CPUでは、40TOPS超のNPUが統合されているほか、統合GPU性能も向上しています。インターフェースもUSB 40Gbpsや5GbE、10GbE、Wi-Fi 6E/7などさらに高速な規格に対応する製品が増えてきます。

 GMKtec「K13」は、横長で背の低い筐体の製品です。CPUはCore Ultra 7 256Vを採用し、Pコア4基、Eコア4基で計8コア8スレッドに対応しています。AI用途では47TOPSのNPUが利用できます。メモリはCPUに統合されたLPDDR5X 16GBで、ストレージは512GB搭載しています。M.2スロットは2基。インターフェースは、USB 40Gbps、5GbE、Wi-Fi 6Eに対応しています。OSはWindows 11 Proを採用しています。

 MINISFORUM「M2」は、Core Ultra 7 356Hを採用する製品です。Pコア4基、Eコア8基、LPEコア4基で計16コア16スレッドに対応し、50TOPSのNPUが統合されています。メモリ32GB、ストレージ1TBのモデルは20万円前後、メモリ/ストレージ/OS非搭載のベアボーンPCは10万円弱で販売されています。メモリはDDR5 SO-DIMM×2基、ストレージはM.2(PCI Express 4.0 x4対応)×2基が利用可能。また、メモリ/ストレージ搭載モデルのOSはWindows 11 Proです。

 MINISFORUM「AI X1 PRO」は、Ryzen AI 9 HX 470を採用する製品です。Zen 5×4基、Zen 5c×8基で計12コア24スレッドに対応するほか、55TOPSのNPUが統合されています。ミニPCにカテゴライズできる製品ではありますが、幅19.5×奥行き19.5cmとやや大きめ。インターフェースでは、USB 40Gbps、Wi-Fi 7、5GbE、OCuLinkに対応しています。

 メモリ32GB、SSD 1TBのモデルは20万円台半ば、ベアボーンPCは13万円前後で販売されています。メモリはDDR5 SO-DIMM×2基、ストレージはM.2 SSD(PCI Express 4.0 x4)×3基が利用可能。メモリ/ストレージ搭載モデルのOSは、Windows 11 Proです。

 GMKtec「EVO-X2 AI」は、Ryzen AI Max+ 395を採用する製品です。Zen 5世代の16コア32スレッドに対応するCPUで、50TOPSのNPUが統合されているほか、40コアの統合GPU「Radeon 8060S Graphics」もグラフィックス用途やAIで威力を発揮するでしょう。

 メモリがLPDDR5X 64GB、ストレージがSSD 1TBのモデルは実売価格が30万円台半ば。メモリ128GBでSSD 2TBを搭載したモデルもありますが、そちらは60万円台です。インターフェース類は、USB 40Gbps、Wi-Fi 7、2.5GbEに対応。OSはWindows 11 Proを採用しています。

自作er向けの個性的なミニPC

 ここまでのとおりミニPCは四角形。小さいゆえに個性という点では乏しいところがあります。しかしそれではおもしろくないという方もいるでしょう。個性的な見た目、こだわりのスペックのミニPCをまとめて紹介します。

 Fsjun「EXR1」は円筒形をしたミニPCです。見た目はスマートスピーカー。ご期待どおり、5W×2のスピーカーを内蔵しているとのことです。CPUは前にも紹介したRyzen 5 7640HS。メモリはDDR5 SO-DIMM 8GB×2枚の計16GB、ストレージは512GB搭載しています。インターフェースでは、USB 40Gbps、Wi-Fi 6、2.5GbEに対応。OSはWindows 11 Pro、Office 2024をバンドルしているとのことです。

 SSD全盛の現在ですが、「それでもHDDが捨てられない」とお悩みの方も多いはず。AOOSTAR「WTR PRO」は、3.5インチベイ4基を装備する(ギリギリ)ミニPCと呼べるベアボーンPCです。CPUはZen 3世代、6コア12スレッドのRyzen 7 5825Uで、メモリはDDR4 SO-DIMM×2基、ストレージはM.2 2280×2基および3.5インチベイ×4基。有線LANは2.5GbE×2基、Wi-Fi 6にも対応しています。

 ベアボーンPCなのでOSは非搭載ですが、Windows 11やLinuxがサポート対象となっています。

 MINISFORUM「N5 Air NAS」(Amazon.co.jpでは「AI NAS N5 Air」と記載)は、3.5インチベイ5基を装備するミニPCの“ベアボーンPC”です。こちらはCPUがRyzen 7 255と、比較的新しいのがポイントです。Ryzen 7 8845HSをベースとした特定市場/用途向けのCPUで、Zen 4世代の8コア16スレッドという仕様です。メモリはDDR5 SO-DIMM×2基。

 ストレージは独自OS「MinisCloud OS」入りのSSD 64GBが搭載されていますが、Windows 11 ProやLinuxもサポートしており、M.2スロットを3基搭載します。インターフェースは、USB 40Gbps、5GbE、10GbEやOCuLinkと豊富で、Low Profile、1スロット厚まで対応ですが拡張スロットも1基備えています。拡張カードを使えるため、さらに用途が広がるでしょう。

掲載商品の情報は調査時のものです。仕様や販売価格の変更、取り扱いの終了などとなっている場合もあります。