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玄関鍵や家電をオートメーション化、進化を遂げるスマートホーム製品
スマートホームの基本機能23製品をピックアップ text by 石川 ひさよし
2026年10月10日 10:00
自宅をスマートホーム化しませんか? たとえば、朝になるとスマートカーテンが自動的に開き、仕事のために自宅を出ると、一定の距離でスマートロックが玄関の鍵を施錠し、同時にスマートリモコンが照明や空調をOFFにする、といった具合です。
近年は、顔認証や温度センサーなど、トリガーとなるオプションデバイスも毎年新たなものが登場し、利便性は常に向上し、できることも増えています。すでに構築済みの方も、しばらく更新していなかったという方もぜひ今また注目してみてください。
スマートホーム製品は多くのメーカーからリリースされていますが、本稿では5メーカーに絞り、各社ごとにまとめて紹介します。まずはじめに、今回ピックアップした主な製品・機能をまとめておきます。
- スマートリモコン
- 学習リモコンのIoT版。赤外線リモコン対応機器を操作できる。各種スマートデバイスをWi-Fiネットワークにつないで中継する“ハブ”機能を統合しているものもある
- スマートロック
- 玄関などの鍵を解錠・施錠するデバイス。単体利用のほか、生体認証やNFCリーダーなどの認証デバイスと組み合わせて使うことも可能
- ボット
- スイッチなどを物理的に押してくれる小型ロボット。部屋の壁面スイッチ、給湯パネル、ドアホンなどの自動化に
- スマートプラグ
- コンセントプラグをスマートデバイス化する。たとえば物理スイッチ操作の扇風機やこたつ、フロアライトなどと組み合わせて利用する
Nature
Nature(ネイチャー)は、国内スマートリモコンの先駆者と言えるでしょう。国内メーカーだけあって、スマートリモコン「Nature Remo」シリーズは、家電各社のリモコン対応(プリセット)が豊富で、セットアップもラクな印象です。最近はスマートロックの旧Qrio Lockを引き継ぐ「Nature Lock」もラインナップに加わりました。また、ロビットのスマートカーテン「mornin' plus」、キャンディハウスのセサミ5、Philips Hueの操作にも対応しています。
「Nature Remo Lapis」は、スマートリモコン「Nature Remo」の最新モデルです。その見た目はまるで小石のよう。オブジェとして部屋になじんでくれます。上位モデルとして温度、湿度のセンサーを内蔵しているところも特徴です。Matterにも対応しています。Nature Remoシリーズには、Lapisのほか「Nature Remo 3」、「Nature Remo mini 2」、「Nature Remo nano」があります。
Lapisはほとんどの機能に対応していますが、ほかの3モデルはMatter対応可否、内蔵するセンサー、連携可能デバイスに違いがあるのでよく確認しましょう。
「Nature Lock」はスマートロック。Qrio Lock(ソニーグループのQrio)を受け継いでNatureから登場しました。Nature Lockには「Nature Key」というリモコンオプションも用意されています。お子様や高齢のご家族用のスマートキーとして使えば、帰宅や外出など、様子を見守ることができます。
キャンディハウス
スマートロック「セサミ」で知られるキャンディハウス。台湾出身のCEO、アメリカで創業、本社が日本と、ちょっとPC界隈・秋葉原的な会社プロフィールが親しみやすいメーカーです。スマートロックの分野では古株のひとつです。ロックや認証デバイスのラインナップが充実しており、特に日本家屋で多い引き戸に対応するスマートロックは特徴的です。操作のレスポンスも軽快。そして安さ。二重鍵や勝手口など複数のドアをまとめてスマート化したいなら、価格の安さが決め手になるでしょう。
「セサミ6 Pro」は、同社ロック製品の第6世代モデルです。「Pro」は高耐久のブラシレスモーターにより100万回以上の開閉に対応しています。レイアウト見直しでスリム化した「セサミ6 Pro mini」、ブラシありモーターの通常版「セサミ6」もあります。また、顔認証センサーのセサミフェイス、指紋認証センサーのセサミタッチなど生体認証デバイスにもPro版、通常版があり、価格やニーズに合わせて選べます。
「オープンセンサー2」は、ドア枠側、ドア側に分かれた2つのユニットで構成され、開閉の状態を判断できるデバイスです。ロック本体ではサムターンの状態は確認できますが、確実な解錠・施錠の状態までは判断できません。これに対してオープンセンサー2は、確実にドアが閉まったときだけロックするといったことが可能になります。加えて、オープンセンサー2にはスイッチがあり、オートロックの一時的な制御も可能です。ゴミ出しなどのちょっとした用事のときはオートロックをOFFにしたいといったシーンで使えます。
「セサミ6 Pro 引き戸」は、上下スライドが主流の引き戸専用に設計されています。基本的な使い方はセサミ6 Proと同じ。形状が合えば納屋・長屋、ビニールハウスなどの施錠にも利用できるでしょう。
「ハブ3」は、公式が「チロルチョコサイズ」と言うほど小さなハブです。ハブの存在感を最小に抑えられます。最大6基までのセサミデバイスを接続できるほか、赤外線スマートリモコン機能も装備。99%の家電リモコンへの対応をうたっています。そしてMatterにも対応しています。
「ボット3」は、ボタンを押せる小型ロボットアームです。この分野では次に紹介するSwitchBotが先行、キャンディハウスは後発です。ただ、ボット3がユニークなところとして、豊富なアームパーツが挙げられます。レゴに対応するアームパーツもあり、ちょっとした延長や形状変更に余ったレゴを使えるのはもちろん、ボット3でレゴ側を動かすような使い方もできそうです。
SwitchBot
SwitchBotはボットから始まったメーカーです。スマートカーテンも早い段階からリリースされ、スマートロック、スマート電球と拡大、今では照明や掃除機などスマート家電の総合メーカー的存在にまで成長しています。
「ボット」はモーター回転によってアームが飛び出し、ボタンを押すといった動作をします。Kickstarterに登場したのが2016~2017年頃で、かなり歴史があることからご存じの方も多いでしょう。現在は充電対応の「ボットCharge」に進化しています。
「ハブ3」は情報表示パネルとボタン、ダイヤルコントローラーを一体化した多機能ハブです。ダイヤルによるエアコンの温度調節やテレビの音量調節などが可能です。赤外線スマートリモコン機能も備えるほか、Matterにも対応しています。
「温湿度管理パネル」は主にエアコン用のコントローラー(ハブ機能は非搭載)です。湿度、室温や設定温度、エアコンの動作モードを表示できるパネルや、操作用のボタンを備えています。情報を表示しつつ操作も可能という点ではスマートディスプレイも同様ですが、エアコンがある各部屋にそれを置くというのもコスト的に大変です。温湿度管理パネルのようにシンプルで低価格のコントローラーのほうが現実的でしょう。
「ロック Pro」はSwitchBotのスマートロックです。ロック Proのほか、上位にロック Ultra、下位にロック、ロック Liteと種類も豊富です。機能の違いについては、最新のロック Ultra製品サイトに比較表があるので確認しましょう。顔認証、指紋認証といった各種生体認証デバイスも販売されています。
「カーテン 3」はスマートカーテンです。カーテンレールにぶら下がり、ゴムローラーによってモノレールのように左右に動きます。時間をトリガーに開閉を制御したり、アプリ操作、オプションのボタン操作などで開閉できます。オプションとしてソーラーパネルもあり、これを組み合わせると長期間のバッテリー動作が実現します。
「プラグミニ」はスマートプラグです。アプリやオートメーションによるON/OFFはもちろん、プラグ接続機器の消費電力をグラフ化することも可能です。側面には物理スイッチも装備。最大1,500Wまでの電化製品を接続できます。
SwitchBotはセンサーデバイスも豊富です。「人感センサーPro」はその名のとおり人感センサー。よくある人感センサーは、人を感知しても一定時間じっとしたままだと「いない」判断をしてしまうことがありますが、「人感センサーPro」はじっとしていてもちゃんと「いる」と判断できるとのこと。トイレのようなシーンに最適です。
センサーではもうひとつ、CO2センサーに触れておきましょう。CO2濃度を測ってアラームを発する時計などはよくありますが、スマートセンサーならCO2濃度にしきい値を設定し、超えたら換気扇を回すようなオートメーションを組めます。
SwitchBotの充実したスマート家電ラインナップの代表例として「LEDシーリングライト 6畳」を紹介しましょう。6畳用のシーリングライトで3,500lmの明るさがあります。アプリ操作はもちろん、物理リモコンも付属しています。また、ハブ機能を内蔵しているのがユニークなところ。バリエーションとして4,000lmの8畳用もあるほか、照明ではバルブ(E26用)、フロアライト、LEDテープなどが展開されています。
Philips Hue
Philipsは言わずと知れたオランダの電機メーカーで、「Hue」はスマート電球を中心としたスマートデバイス群です。PC視点ではゲーミングとの相性のよさが挙げられます。Hueのラインナップに、机の上やディスプレイ周辺を照らすムードアイテムがあるほか、CorsairやRazerといったゲーミングデバイスメーカーの管理ユーティリティが、Hueの制御に対応しています。
「Hue ブリッジ Pro」は、Hueの各デバイスをつなぐハブ的デバイスです。Proが付く上位モデルは、150以上のライト、50以上のアクセサリー、500のシーンに対応するとのこと。そこまではいらないという方には通常版「Hue ブリッジ」もあります。なお、Hue ブリッジシリーズに赤外線リモコン機能はありません。
Hueには物理コントローラーがあり、そのひとつが「ダイアルスイッチ」です。ダイヤルコントローラーでなめらかな調光ができるほか、ボタンによるシーン切り換えなどが可能です。また、ダイヤル部分は着脱可能。裏面のマグネットによって金属面に貼り付けることもできます。
HueはゲーミングPCとも相性がよいと紹介しましたが、代表例が「Hue Play HDMI シンクボックス 8K」です。HDMI入出力を備えたデバイスで、取り込んだHDMI映像からライトの発光をシンクロさせられます。本製品は8K/60Hzまたは4K/120Hzに対応。これとは別の4Kモデルだと4K/60Hz対応です。そしてこれらと組み合わせるのが、「Hue グラデーション フロアライト」のような照明デバイス。ディスプレイを挟んで左右に配置する使用イメージです。
ほかにも、ディスプレイ裏に貼るテープライトや、テーブルライト、アクセントライトなどさまざまな照明デバイスが用意されています。
Amazon
Amazonのスマートデバイス代表作はもちろんEcho。それ単体でもいろいろなことが可能ですが、スマートホームにおいては音声をコマンドに変える役割を果たします。コマンドはハブに送られ、末端のスマートデバイスが動作するといった流れです。最近はAmazonのプライベートブランドからもスマートデバイスが登場しています。
「Echo Show 8」は8.7型のスマートディスプレイ。やや小型のタブレット程度のサイズ感で、リビングにもキッチンにも置きやすいでしょう。Alexaを利用してさまざまな音声操作が可能なほか、スマートホームハブ機能(ZigbeeやMatterなど)も備えています。バリエーションには、5.5型の「Echo Show 5」、11型の「Echo Show 11」、15.6型の「Echo Show 15 第2世代」などがあります。
「Ring Battery Doorbell 2K」は、Amazonのホームセキュリティブランド「Ring」の玄関用インターホンです。Battery Doorbell 2Kは後付け用で、バッテリー内蔵で電源配線不要のタイプです。カメラ画質は2K(フルHD)です。ごく基本的な機能は無料で行えますが、録画再生、顔なじみ認識、スマートビデオ通知といった高度な機能を使うためにはサブスク「Ringプロテクトプラン」への加入が必要です。
「Amazonベーシック スマートLED電球 ソフトホワイト」は、Amazonプライベートブランドの製品です。Amazonのプライベートブランドだけあってコスパがよいのは魅力ですが、Alexaのみの対応というところは要注意。Google HomeやApple Home、Smart Thingsには対応していません。
「Amazonベーシック スマートプラグ」。先のスマート電球のような注意書きは見当たりませんが、説明書を見てもAlexa以外の表記はありません。これもAlexa専用と思われます。2個セット売りもあり2個で2,653円と低価格。Alexa導入済みでスマートプラグの大量一括導入を検討している方にオススメです。
プラグをスマート化するもうひとつの方法~赤外線最強説
10年以上さまざまなスマートデバイスを使っていると、メーカーの撤退や消滅、サービス終了で使えなくなる機器も出てきます。ハブのような中心となるデバイスは仕方ないとして、末端のデバイスまでもが使えなくなってしまうのは手痛いもの。サービス依存度を下げつつスマート化できる方法はないか……。ここで紹介する方法は1つのアイデアです。
オーム電気の「OCR-RCT01W 07-8778」はリモコンコンセントで、赤外線リモコンで電源をON/OFFできるコンセントアダプターです。この赤外線信号をスマートリモコンに学習させれば、スマートプラグ的に使えます。仮に、スマートリモコンがサービス終了などで使えなくなったとしても、当面は付属のリモコンでしのいだり、別のスマートリモコンに入れ替えたりすれば、機能自体がすべてストップするということはありません。
同様の製品は家電製品用として古くから存在し、構造もシンプルで壊れにくいのが特徴です。オーム電気の同ジャンルの製品には、ペンダント型照明専用モデルや、リモコンだけでなくタイマー機能や時計機能を加えた上位モデルもあります。
スマートホーム化を進めるときの注意点
スマートホーム製品は、信頼できるメーカーのものを選びましょう。故障したら使えなくなるのは当然ですが、前述したとおり、インターネット側のサービスがなくなってしまうと使えなくなる場合がほとんどです。もうひとつ、セキュリティ面からも信頼が重要です。スマートロックの認証デバイスは顔や指紋を扱うものもあります。セキュリティカメラも(クラウド保存の場合)、画像・映像を扱うため、不正アクセスや漏洩といったインシデントが生じる可能性があります。どこに・どのようにデータを保存するのかなど、情報を集めて慎重に検討しましょう。
最後にスマートロックの注意点です。当然ですが、スマートロックも電池が尽きたら動きません。ネットワーク障害、AWSサービスの障害などで動かなくなることもあります。1人暮らしの方、家族全員でのお出かけのとき、物理的な鍵も必ず携行しましょう。「鍵はあるけれど取り出す手間なく解錠できる」的なとらえ方が安心です。



























