特集、その他

クリエイター向けノートPCはかなり快適、プロの卵から絶賛されたMSIの「P65 Creator」

Core i7-8750H + GeForce GTX 1060 with Max-Q Designで3Dモデリングも高速に

MSI P65 8RE-015JP

 MSIのノートPC「P65 Creator」シリーズは、クリエイター向けに設計されたモデルだ。

 3D CADや3Dアニメーション、動画編集など、クリエイター用途で高い性能を発揮するとされており、17.9mm厚/1.88kgの持ち運べる薄型ノートPCとしてはハイスペックなシリーズになっている。

 今回はその中からCore i7-8750HとGeForce GTX 1060 with Max-Q Designを搭載する「P65 8RE-015JP(以下P65 Creator 8RE)」のレビューをお届けしよう。クリエイター用途で使用した場合、本当に快適なのか、プロの卵に協力してもらいチェックしてみた。

しょこらベリーさん。般若の面は本人からのリクエスト。

専門学校生のしょこらべりーさん

 今回協力してくれた専門学校生のしょこらべりーさん。3Dデザイナーを目指し勉強中だが、すでにゲーム会社の内定を得ており、実力はプロレベル。

 今回はオリジナルデザインの3Dキャラクターのデータを使い性能を試してもらった。なお、顔出しNGのため覆面を用意したが、般若の面となったのは本人からリクエストがあったためだ。

今回のレビューではオリジナルデザインの3Dモデリングデータを用意してもらった。

15.6型で1.88kg、持ち運びも考慮されたハイスペックな薄型ノートPC

 まずは本体の外観から紹介しよう。

 P65 Creator 8REは、高性能というだけでなく、プレゼンテーションなどでも使用することも考慮され、薄型/軽量という部分にもこだわった設計になっている。本体のサイズは357.7×247×17.9mm、重量は1.88kg。

 本体カラーはシルバーで、全体的に落ち着いたデザインでまとめられている。

本体正面。
天板側。ハイスペック機だが、落ち着いたデザインでまとめられている。
天板にはドラゴンのマークがさりげなくプリントされている。
背面側。冷却システムにはP65 Creator向けに再設計された「Cooler Boost Trinty」が採用されている。

 搭載インターフェースは、HDMI×1、Mini DisplayPort×1、USB 3.1 Gen2 Type-C×1、USB 3.1 Gen1 Type-A×3、1000BASE-T LAN(Realtek RTL8111H)、IEEE 802.11ac無線LAN(Intel Wireless-AC 9560)+Bluetooth 5、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1を備える。

右側面にはACアダプタ、HDMI、MiniDisplayPort、USB 3.1 Gen2 Type-C×1USB 3.1 Gen1 Type-A×1を備える。
左側面には有線LAN、USB 3.1 Gen1 Type-A×2、ヘッドホン出力、マイク入力端子を備える。

 キーボードはホワイトLEDのバックライトを搭載。日本語配列のテンキーレス仕様で、刻印は独特なデザインのフォントが使われている。また、タッチパッドの左上にはWindows Hello対応の指紋センサーを備えている。

テンキーキーレスの日本語配列キーボード。
白色LEDのバックライトを搭載。
刻印のフォントは特徴的なデザインになっている。
タッチパッド部分には指紋センサーも搭載されている。Windows Hello対応。

 液晶ディスプレイは狭額縁のモデルを採用。14インチクラスのサイズに15.6インチの液晶パネルを搭載している。また、液晶上部のフレーム部分にはWebカメラが搭載されている。

狭額縁の液晶を採用することで、14インチクラスのサイズの15.6インチ液晶を搭載。
液晶上部には、Webカメラが搭載されている。

 付属のACアダプタは容量150W(19.5V/7.7A)。GPU搭載ノートPCの付属ACアダプタは大型のものが多いが、P65 Creator 8REに付属しているものは持ち運びも考慮されたサイズ/重量になっている。

ACアダプタはiPhone 8より二回りほど大きい。出力は19.5V/7.7Aの150W。
本体と合わせ持ち運びできるサイズ/重量感だ。

6コアCPUにGeForce GTX 1060 with Max-Q Design搭載で3D性能もバッチリディスプレイの色調整用ユーティリティも付属

 続いて搭載機能などを見ていこう。

 P65 Creator 8REはCPUに6コア/12スレッドの「Core i7-8750H」を搭載している。動作クロックは2.22GHzで、ターボ・ブースト時の最大クロックは4.1GHz。メモリはDDR4 16GB(8GB×2)を標準で搭載しているほか、MSI認定サポート店依頼することで最大で32GBまで増設可能だ(ユーザー自身による増設は不可)。

6コア/12スレッドの「Core i7-8750H」を搭載。
ノートPCだが、ブースト時は4GHz前後で動作する

 GPUはCPU内蔵のIntel UHD Graphics 630とNVIDIA GeForce GTX 1060 with Max-Q Design(GDDR5 6GB)を搭載。3D CADや3Dアニメーションなどの負荷が高いシーンではGeForce GTX 1060 with Max-Q Designが利用される。

 GeForce GTX 1060 with Max-Q Designは低消費電力GPUのため、デスクトップ向けのGeForce GTX 1060と同等の性能とはいかないが、ゲームなども遊べる高い性能を持っている。

Intel UHD Graphics 630とGeForce GTX 1060 with Max-Q Designを搭載。
GeForce GTX 1060 with Max-Q Designのスペック。
Fire Strikeのスコアは9,374。
Time Spyのスコアは3,623。

 ストレージは512GBのNVMe SSD。テストしたモデルにはKingstone製のSSD「RBUSNS8154P3512GJ」が搭載されていた。このSSDはPCI Express 3.0×2接続のモデルで、今回使用した個体はパーティションが区切られた状態になっていた。

 ベンチマークを計測したところ、シーケンシャルリードは約1,610MB/s、シーケンシャルライトは約1,029MB/sで、PCI Express 3.0×2レーン接続分の速度はしっかり発揮されている。

Kingstone製の512GB SSD「RBUSNS8154P3512GJ」。
ベンチマーク結果。PCI Express 3.0×2接続の速度はしっかり発揮されている。

 このほか、色再現性高めるためのユーティリティ「True Colorテクノロジー」を備えており、sRGBやWebデザイン用に色調整/補正が可能。映画やゲーム向きにより鮮やかな色調にしたり、視認性の高いコントラストに調整することもできる。

液晶ディスプレイはクリエイター向けモデルらしく色調整が可能。
デザイン向けのモードではより細かい設定が可能。
こちらは動画向けのモード。輝度や色温度が設定できる。
ブルーライト調整のモードも用意されている。

 そのほか、クリエイター向けの機能では無いが、バーチャルサラウンド機能やゲーム向けの音質調整などが可能なサウンドユーティリティ「Nahimic 3」なども備えている。

サウンド機能はNahimic 3対応。
ゲーム向けのサウンド機能も。
マイクの音質なども調整できる。

実際にプロの卵に使ってもらってみた、ハイポリゴンの3Dモデリングも快適!

 ここからは実際にしょこらべりーさんに試用してもらったインプレッションをお届けしよう。

 普段は3DCGの制作では業界標準となっているMayaを使用して3Dキャラクターのデザインを行っているとのこと。自宅や学校で使用しているPCは、ともに若干旧型のモデルということもあり、作業をしていて重いと感じることが多いそうだ。

――Mayaで実際に3Dモデルリングを行ってみてどうでしたか。

[しょこらべりーさん]かなり快適です!処理が重くなるハイポリゴンの状態でも止まらずに操作できましたし、アニメーションさせても処理待ちで固まらなくて良いです。

 ポリゴンの頂点、エッジ、フェースなどを多数選択すると、PCによってはもたつく感じになりますが、このPCでは全く処理落ちせずに動作してくれたので、作業がしやすいですね。

 自宅のPCでレンダリングに1時間ほどかかっていた作業がこのPCであれば10分かからないで完了したりと、自分の用途では満足な性能です。自宅のPCは当然、学校のPCよりも快適で使いやすいです。

 3Dの処理で高い負荷がかかった際はファンの音がしますが、普段使っているときは静かなので、将来的にはいつでも静かなモデルに進化していってもらえたら嬉しいですね。

エッジやフェースなど、選択するオブジェクトが多いとPCの性能差が出てくるとのこと。
実際の作業時はビューパネルを4画面開いた状態で行うことが多いとのこと。
実際に作業の様子も見せてもらったが、処理待ちが入るシーンが無かった。
3Dモデリングに関してはかなり快適とのことだ。

――クリエイター向けであれば、ディスプレイも重要な要素になりますが、そのあたりはどうでしょうか。

[しょこらべりーさん]色再現性に関しては不満は無く、好みにあわせてカスタマイズもできて良いと思います。もし機能が強化されるなら、紙に印刷する際に簡単に色合わせができるユーティリティなどもあると便利で嬉しいですね。

 必要な情報量も表示できているので、このPC単体で十分に作業は行えますし、メインPCとしてしっかり使えると思います。Mayaは画面の情報量が多く、ビューパネルを4面展開して使うことも多いので、より快適に使うならデスクトップPC用の液晶ディスプレイを繋げて使うのも良いかもしれません。液晶のサイズがもう少し大きいモデルがあっても良いかもしれませんね。

色調整できることもあり、色再現性に関しては高評価だった。
3D系のデザインではもう一回り大きいディスプレイが良いのかもしれない。

もちろんゲームも快適、高画質でオンラインゲームが遊べる

 しょこらべりーさんは普段ゲームを楽しむことも多いそうで、PCではファンタシースターオンライン2を遊んでいるとのことだ。

 自宅のPCがそれほどハイスペックではないため、あまり快適ではないとのことだが、P65 Creator 8REがゲームに関しても高い性能を発揮するのか、実施に遊んで試してもらった。

――ファンタシースターオンライン2を遊んでみて、自宅のPCと変わりましたか。

[しょこらべりーさん]めちゃめちゃ快適ですね!グラフィック設定を最高にしてもカクつくことがありませんし、滑らかに動いていて凄く良いです。自宅のPCとは全く別なものをさわっている感じです。

 ロード時間も自宅のPCよりかなり短くなりましたし、めっちゃ欲しくなりました。このPCもらえませんか?(笑)

実際のプレイを見ている限り、フレームレートはおおむね60fps前後といった感じだった。
戦闘中でもフレームレートは60fps前後で安定している。

PCゲームはキーボード + マウス操作派とのこと。
ゲームでも高い性能を発揮するのは、さすがGeforce GTX搭載モデルといったところだろう。

シルバーは女性でも使いやすい、キータッチも快適なクリエイター向けPC

 最後に、性能以外の面で気になった部分などがあるのか、一般的な用途でも扱いやすいモデルなのか、女性視点で見てもらった際の印象など、ポイントをあげてもらった。

――本体カラーですが、ハイスペックノートPCでシルバーは珍しいのですが、いかがでしょうか。

[しょこらべりーさん]シルバーはブラックよりも汚れが目立たなそうなので、その点は良いと思います。女の子の部屋にも馴染みそうな印象を受けました。

 個人的な好みだとピングが最も好きで、その次にブラックなので、ピンクゴールドのような上品なピンクのモデルがあったら嬉しいと思いました。

――持ち運べるのも今回のモデルのポイントですが、重量感などはどうでしょうか。

[しょこらべりーさん]決して軽くはありませんが、女の子でも持ち運べる重量感です。プレゼンテーションや外出先での作業などにも使えそうで良さそうです。いざという時に制作環境を持ち出せるのも良いですね。

――使っていて気になった部分などはありますか。

[しょこらべりーさん]キーボードのタイピングがしやすく、刻印のフォントデザインもおしゃれで気に入りました。だた、一部判別しにくい文字があるので、そこだけは惜しい感じです。

 3Dモデルの制作中も快適に使えているのですが、アプリケーションによってはDeleteキーとInsertキーは結構使うので、それぞれ独立したキーになっていたらもっと良かったと思います。

本体重量は1.88kgとモバイルとしては重めだが、女の子でも持ち運べる重量とのことだ。
キーボードは打ちやすいとのことで、快適に使えたとのこと。

シルバーは汚れが目立ちにくく、女性が使っても違和感の無いカラー。
クリエイター向けのキーボードとしては、DeleteとInsertはそれぞれ独立したキーが欲しいとのこと。

3DCG制作用途に好適な1台、クリエイターを目指す人が初めて買うノートPCとしてもお勧め

 今回、P65 Creator 8REをプロの卵に使ってもらったが、処理性能にはかなり満足してもらえた。

 3Dモデリングだけで無く、ゲームでも高い性能を発揮しており、創作活動もゲームも1台で楽しみたいというユーザーには好適なモデルと言えるだろう。薄型であったり、狭額縁の液晶を採用していたりと、通常のノートPCとしてみても扱いやすい。

 また、初めてクリエイター向けのPCを購入するユーザーにもお勧めだ。今回の体験結果のとおり、3Dデザインなどを行う場合には高いパフォーマンスを発揮してくれるモデルなので、どれくらいの性能のモデルを選べば良いかわからないユーザーや、一般的な用途でも使い勝手が良いモデルが欲しいユーザーは、是非選択肢の一つに加えて欲しい。

[制作協力:MSI]

[Amazonで購入]