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高コスパゲーミングPC向きなASRockの新型マザー「B365 Phantom Gaming 4」をテスト
Intelの最新CPUに対応した安価なマザーボード text by 坂本はじめ
2019年2月8日 06:05
ASRockから、Intelの新チップセット「B365」を搭載したゲーミングマザーボード「ASRock B365 Phantom Gaming 4」が登場した。
コスト重視のチップセットであるIntel B365を搭載しながらも、余裕のある電源回路やM.2 SSD冷却用ヒートシンクも備えるB365 Phantom Gaming 4は、コストパフォーマンスの高い製品に仕上がっている。
今回は、ミドルレンジクラスのPCパーツを組み合わせてB365 Phantom Gaming 4の動作テストを行い、実性能がどの程度のものなのか試してみた。
安値で高スペックなゲーミングPCを求めているユーザーは、ぜひチェックしてもらいたい。
安価ながらも充実した装備が魅力高コスパなゲーミングPCに好適なゲーミングマザーボード
ASRock B365 Phantom Gaming 4は、新チップセットのIntel B365 チップセットを搭載したLGA1151対応マザーボード。フォームファクタはATXで、基板サイズは305mm×244mm。
ASRockのゲーミングブランド「Phantom Gaming シリーズ」に属する製品であるB365 Phantom Gaming 4は、廉価仕様のIntel B365チップセット採用製品でありながら、ヒートシンク付きの8フェーズ電源回路や、ヒートシンク付きのM.2スロット、高品質なチョークコイルやコンデンサなど、高性能なゲーミングPCを構築するのに適した装備をしている。
拡張スロットの構成は、CPU直結のPCIe x16スロット×1基と、チップセット接続のPCIe x16スロット×1基、PCIe x1スロット×2基。いずれもPCIe 3.0に対応しており、CPU直結のPCIe x16スロットは金属補強されている。
拡張スロットの間には無線モジュール接続用のM.2スロットを搭載。M.2 2230/Key E採用無線モジュールを搭載できる。
ストレージ接続用のインターフェイスには、2本のM.2スロットの他、6基の6Gbps SATAを搭載。
CPUソケット付近のM.2スロットはM.2 2280に対応しており、接続インターフェイスはPCIe 3.0 x4と6Gbps SATAを利用できる。チップセット付近のM.2スロットはM.2 22110に対応し、接続インターフェイスはPCIe 3.0 x4が利用可能。
Intel B365 チップセットがUSB 3.1 Gen2を内蔵していないため、ASRock B365 Phantom Gaming 4では「ASMedia ASM3142」を実装することで10Gbps対応のUSB 3.1 Gen2に対応。USB 3.1 Gen2対応ポートは、バックパネルインターフェイスにType-AとType-Cを各1基ずつ実装している。
Core i5-9400F + GeForce RTX 2060の最新ゲーミングPC構成でテスト今どきの高コスパなPCパーツをチョイス
余裕のある電源周りやヒートシンク付きM.2スロットといった装備が充実したASRock B365 Phantom Gaming 4は、コストパフォーマンス重視のゲーミングPCを構築するのに適したマザーボードだ。
そこで、今回のレビューではコストパフォーマンス重視の最新鋭ゲーミングPCを構築して、テストを実行することにした。
CPUは税込2.5万円以下で購入できる6コアCPU「Core i5-9400F」を用意。また、ビデオカードはリアルタイムレイトレーシングやDLSSといった新機軸をサポートする最新のミドルレンジGPU「GeForce RTX 2060」を搭載した「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 AMP」を用意した。
なお、今回の構成は、一式で購入した際に税込15万円前後といった価格を想定して組んでいる。CPUとビデオカード以外の機材については、下記を参照してもらいたい。
CPU高負荷時の電源回路温度をチェック高負荷時でも安定動作
長時間に渡ってCPUが高負荷状態に置かれるゲーミング用途において、CPUに電力を供給するマザーボードの電源回路は重要だ。
十分な電力を供給する能力は当然として、電源回路由来のサーマルスロットリングが発生しない温度を保つ必要もある。
そこで、今回は大半のゲームよりCPU負荷の高い動画エンコードを実行した際の電源回路温度を測定してみた。
動画変換ソフト「HandBrake」にて、4K60fpsの動画をH.265形式の1080p60fpsへ変換する際の電源回路温度を測定する。測定時の室温は28℃で、CPU負荷の継続時間は約15分。電源回路の温度はヒートシンクに貼り付けた度計で測定した。
測定の結果、CPUに負荷が無い状態での温度が37.2℃であったのに対し、エンコード実行中のピーク温度は53.4℃だった。
CPUにほぼ100%の負荷が発生する動画エンコードでもこの程度の温度を維持できていれば、ゲーム中のCPU負荷でも電源回路の過昇温による問題は発生しないだろう。
●最上位のCore i9-9900Kでも安心して使えるB365 Phantom Gaming 4
ASRock B365 Phantom Gaming 4がサポートする最も性能と消費電力の大きなCPUが、8コア16スレッドCPUのCore i9-9900Kだ。参考までに、Core i5-9400F搭載時と同じ条件で、Core i9-9900K搭載時の電源回路温度を測定してみた。
測定の結果、アイドル時温度が40.0℃、エンコード中のピーク温度が63.3℃だった。最上位CPUの全コア全スレッドに高負荷を掛けた状態でも動作温度は安定していることから、ASRock B365 Phantom Gaming 4なら、どのLGA1151対応CPUでも安心して使うことができそうだ。
NVMe SSDの温度上昇抑制に大きな効果M.2冷却用ヒートシンクの性能をテスト
ASRock B365 Phantom Gaming 4のM.2スロットには、SSD冷却用のヒートシンクが搭載されている。今回はM.2スロットに搭載したSSDの温度を測定して、冷却用ヒートシンクの効果をチェックしてみた。
SSDの温度は、モニタリングソフト「HWiNFO」を使ってCrystalDiskMark実行中の温度を測定した。測定時の室温は28℃。M.2スロットは、大型のヒートシンクを備え、下段側に配置されているスロットを利用した。
ヒートシンク未使用時のSSD温度が、アイドル時温度が37℃、ピーク温度は64℃であったのに対し、ヒートシンクを利用した場合のSSD温度は、アイドル時が33℃、ピーク温度は46℃だった。
どちらの場合でもサーマルスロットリングは発生していないが、ヒートシンクの利用によってピーク温度は最大18℃も低くなっており、その冷却効果がかなり大きなものであることが分かる。
レイトレ対応ゲームも楽しめる今どきのミドルレンジゲーミングPCBFVは、フルHD/最高画質 + レイトレ品質「中」で60gfpsがターゲット
今回構築したゲーミングPCの実力を「バトルフィールド V」でチェックしてみた。
バトルフィールド Vでは、リアルタイムレイトレーシングを可能にするDXR(DirectX Raytracing)の有効/無効でのフレームレートを測定する。
グラフィック設定はプリセットの「最高」をベースにしつつ、DXR有効時は「DXRレイトレース・リフレクションのクオリティー」を「低」から「最高」までの4通りの設定でテストした。
バトルフィールド Vでのフレームレートは、DXR無効時は116fps、DXR有効時は52~64fpsを記録した。リアルタイムレイトレーシングを実行するDXR有効時でも、DXRレイトレース・リフレクションのクオリティーを「中」以下に設定すれば、多くの場面で60fps前後での動作が可能だった。
ミドルレンジのPCパーツを使った“高コスパゲーミングPC”に使いたいB365マザー
ASRock B365 Phantom Gaming 4は、安価でありながら、ゲームのパフォーマンスを左右する主要なデバイスの性能をフルに発揮できるのが魅力のマザーボードだ。
LGA1151向けCPUとしては最上位のCore i9-9900Kも安定して動作させることのできる電源回路や、高性能なNVMe SSDの温度を低く保つことができるM.2 SSD用ヒートシンクを備えており、手堅いモデルに仕上がっている。
GeForce RTX 2060やCore i5-9400Fのようなコストパフォーマンスの高いミドルレンジクラスのCPU/GPUと組み合わせれば、コストパフォーマンスが高く実性能にも優れたゲーミングPCを構築することができるだろう。
ゲーミングPCのマザーボード選びで悩んでいるなら、ASRock B365 Phantom Gaming 4をぜひ選択肢に加えてみることをお勧めする。