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参画店舗は約400店!! アキバ中を巻き込む「AKIBAジャック」の展望をCyberZに聞いてみた
2019年5月13日 00:00
サイバーエージェントの連結子会社のCyberZは先日、AKIBA観光協議会と共同で、秋葉原の飲食店などを含む約400店舗やデジタルサイネージを活用した広告配信メニュー「AKIBAジャック」を発表した。
秋葉原では、これまでも一部店舗が協賛した”ジャック”イベントを多数開催しているが、それらと比べてAKIBAジャックはどういった違いがあるのか。また、どういった規模感で実施する計画なのか。
アカウントコンサルティング事業部 局長で「AKIBAジャック」責任者の中村俊介氏に話を伺ってきたので、詳しく紹介する。
秋津ミツバの開発に関わったことがAKIBAジャック実現のきっかけ
――まず始めに、CyberZはどういった企業なのか、教えてください。
[中村氏]CyberZは、サイバーエージェントの100%子会社として設立されました。
CyzerZには、スマートフォンアプリの広告プロモーションを中心に行っている広告代理店事業、「F.O.X」というスマートフォン効果計測ツールを展開する事業、eスポーツ事業、その他メディア事業と4つの柱となる事業があります。
私は広告代理店事業の部門に所属しておりまして、国内および海外をターゲットとして事業を展開しています。
――今回発表された「AKIBAジャック」に関わることになったきっかけはどういった経緯なのでしょう。
[中村氏]CyberZの子会社に、VTuberの事業を行っている「CyberV」という会社があります。そのCyberVで、秋葉原を中心に活動しているVTuber「秋津ミツバ」の開発を行ったことをきっかけとして、AKIBA観光協議会との繋がりができました。
その後、秋津ミツバや、秋葉原の情報発信施設「THE AKIHABARA CONTAiNER」に設置された「MITSUBA VISION AKIHABARA」などをお手伝いさせていただく中で、「もっと秋葉原を盛り上げることが何かできないか」といって生まれたのが、今回の「AKIBAジャック」です。
当初は、デジタルサイネージの商品を(CyberZの)専売で、ということで始まったのですが、AKIBA観光協議会との話し合いの中で、秋葉原の400店舗程に協力していただける可能性があるという話があがったり、「秋フェス」でVTuberフェスティバルが行われた事例が出てきたりしたことから、それらを組み合わせてメニュー化して展開してみようということになり、AKIBAジャックのリリースに繋がりました。
――AKIBA観光協議会はAKIBAジャックのような構想は持たれていたのでしょうか。
[中村氏]もともと、秋葉原の主な通りなどにフラッグやのぼりを取り付けて秋葉原全体として盛り上げるといったものはありました。過去にも、特定のゲームなどを中心に、実際に行われています。しかし、広告商品として広く展開するといったことは今回のAKIBAジャックが初めてとなります。
また、我々がお取引させて頂いている中国や韓国などの海外のお客様から、秋葉原で広告を展開したいという声が多くありました。そこで、きちんと広告商品にすることで、海外のお客様にも展開できて、大きく盛り上げることができるのではないか、と考えました。
――CyberZとAKIBA観光協議会との役割分担はどうなっていますか。
[中村氏]我々CyberZが窓口となって企画・構想・クリエイティブを担当します。そしてAKIBA観光協議会には秋葉原の店舗側への納品などを行って頂くことになっています。
――過去に、CyberZが手がけたAKIBAジャックのような事例はありますか?
[中村氏]これまでは、例えば秋葉原駅構内のデジタルサイネージをジャックするといった、単品の広告メニューでの事例はあります。また、原宿で竹下通りをジャックしようという企画を立ち上げたこともありました。しかし、AKIBAジャックのような、街というスケールでジャックを手がけた商品は今回が初となりますし、今後も仕掛けていきたいと思います。
中央通りを中心とした電気街全体でAKIBAジャックを行う
――AKIBAジャックで想定しているジャックの規模はどの程度のものを想定しているのでしょうか。
[中村氏]場所としては、秋葉原のメインとなる中央通りを中心とした電気街ほぼ全域で、最大店舗数としては350~400軒程を巻き込むことが可能です。そこにフラッグを付けたり、店舗にのぼりを設置してパンフレットを置いたり、スタンプラリーを実施したり、といったことを想定しています。
ベルサール秋葉原などの周辺の会場を活用して、イベントも合わせて実施することも考えています。AKIBAジャックに関連する何らかの仕掛けには、10歩歩けば1つ遭遇する、といった規模を考えています。
AKIBAジャックのメニューには、秋葉原駅構内のジャックは含まれていません。しかし、我々CyberZは秋葉原駅構内をジャックする広告商品も扱っています。ですので、AKIBAジャックと合わせて利用してもらえば、秋葉原駅構内も含めたジャックも可能です。
――AKIBAジャックは、どういったジャンルの企業をターゲットとしていますか。
[中村氏]ジャンルとしてはゲーム関連企業との親和性が高いと思っています。近年は日本のみならず、中国や韓国、米国のゲーム関連企業も日本での展開を重視していますので、そういった企業もターゲットとなります。比率では、国内企業が6~7割で、残りが海外企業と考えていますが、2020年に向けて海外企業がどんどん増えていく可能性は十分考えられます。
また、近年秋葉原は大きく様変わりしていますので、将来は異なるジャンルの企業もターゲットになる可能性も十分考えられます。
もちろん、AKIBAジャック自体はターゲットを限定しているわけではありません。秋葉原をジャックするということに意味があるなら、ゲーム関連企業に限らず、様々なジャンルの広告主様に活用していただければと思います。
――AKIBAジャックに賛同している秋葉原のお店としては、どういったところがありますか。
[中村氏]パソコンショップやゲーム、アニメ関連ショップ、居酒屋やカフェ、レストランなどの飲食店、メイド喫茶、電気機器を扱っているお店などを網羅しています。
――AKIBAジャックの内容は、どのようなものを考えていますか。
[中村氏]屋外では、フラッグやのぼりの設置、垂れ幕広告、デジタルサイネージを活用したデジタル広告といったものがあります。細かいところでは自販機も活用できます。例えば、Tシャツなどのオリジナルグッズを自販機で販売するといったことも可能となります。
屋内では、パンフレットの設置やイベントの開催、飲食店でのオリジナルメニューの用意などを考えています。オリジナルメニューを用意する飲食店では、例えばゲームキャラクターのコスチュームを着用してもらうといったことも可能です。そして、屋外と屋内を繋げるためにスタンプラリーを用意します。
さらに、実際に秋葉原に足を運べない人に向けても、スマートフォンアプリを利用したくじなど、オンラインで参加できる要素も用意します。これによって、秋葉原を起点として、秋葉原を超えて波及できると考えています。
――大型のデジタルサイネージは、どのあたりのものが使えるんでしょうか。
[中村氏]UDXやオノデンの大型ビジョンは使えることになっています。これまでも個別に契約すれば使えていましたが、パッケージとして利用できるという点が、AKIBAジャックの大きな特徴となります。
――ゲーム会社などが独自に秋葉原の一部地域をジャックするといったことは過去にも多くありますが、それらと比べてAKIBAジャックにしかない特色のようなものはありますか。
[中村氏]例えば、キャンペーンを企画し事前にオリジナルTシャツを配布しておいて、そのTシャツを着て秋葉原で開催するイベントに集まってもらうといったことを考えています。そういった参加者を見ることで、秋葉原で何かやっているぞ、といった印象を周りに与えられることになります。
よくライブやフェスなどの催しものがあった際、帰りの電車でたくさんの人が同じTシャツを着ているのを見かけた経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、イメージとしてはあのような感じです。
1ヶ月に1回ほどのペースで実施したい
――AKIBAジャックの活用は、年間で何回ほどで、1回の期間はどの程度を想定していますか。
[中村氏]ジャックは多すぎると飽きられますので、多くて1ヶ月に1回、少なくとも3ヶ月に1回できればいいと考えています。それによって、秋葉原が継続的に盛り上がっているということが伝わることが重要と考えています。秋葉原では、毎週なんらかのイベントが開催されていますが、そのうちの1つがAKIBAジャックになる、と考えてもらえばいいと思います。
期間は、内容によりますが、短くて2週間、長くて4週間を想定しています。週末だけというようなスポットでの運用も可能かもしれませんが、宣伝効果などを考えると基本的には2週間以上の期間で行うのがいいと考えています。
――AKIBAジャックを活用した実際の企画は、いつ頃からの実施を予定していますか。
[中村氏]現状は7月末頃を予定しています。
――最後に、AKIBAジャックへの意気込みを教えてください。
[中村氏]秋葉原は、クローズドで熱狂した、他の街にはない環境がある街と捉えています。そして、そういった秋葉原でプロモーションを行うことで、熱狂を生み出したいと思っています。ユーザーさんにとってはオリジナルグッズなどで、企業にとっては他の街にはないアピール効果が得られるという意味で、ユーザーと企業の双方が”アキバオリジナル”を楽しんでもらえると思います。ですので、読者のみなさんもぜひAKIBAジャックに積極的に参加して楽しんでもらえれば嬉しいです。
――ありがとうございました。