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2~4万円ビデオカード選びと画質設定の最適解を探す、検証!フォートナイト、FFXIV、SEKIRO×GeForce GTX 16シリーズ
text by 加藤勝明
2019年5月10日 06:05
予算を抑えつつPCゲームを快適にプレイしよう!
ビデオカードの価格帯は非常に広く、1万円以下から20万円に迫るものまである。その中でも従来から高いニーズがあるのが2~4万円台のいわゆるミドルレンジクラス。手に届きやすいコスト感でありながら、フルHD解像度なら多くのゲームを高画質設定で楽しめるし、軽めのeスポーツやMMOタイトルなら60fps超の滑らかな映像を得ることもできる。そしてこの春、NVIDIAのGPUのミドルレンジモデルが一新され、GeForce GTX 1660 Ti/1660/1650の3製品が登場。新規購入に最適のタイミングが到来した。ではどれを選ぶのがよいのか? ユーザーの多い従来モデルGTX 1050 Ti、旧モデルGTX 750 Ti搭載製品も含めて一斉に比較してみた。
さて、PCゲーミング環境を考えたときに一番重要になるのがビデオカード。究極的に言えばビデオカードに搭載されるGPUの選択だ。ビデオカードは性能と予算のバランスをどこで取るかで答えが変わってくるが、まずは遊ぶゲームを絞り込むことが肝要。「METRO EXODUS」や「ディビジョン2」クラスの超重量級ゲームを最高画質で快適に遊びたいならハイエンド級のGPUが必須だが、今回は手頃な価格で手に入るミドルレンジクラスGPUがターゲットと言うことで、軽めのゲームの組み合わせで考えてみたい。
まず今回NVIDIAの最新ミドルレンジGPU「GeForce GTX 16シリーズ」について説明しておこう。現行GeForceはDXR、すなわちDirectX Raytracingを利用したリアルタイムレイトレーシングを専用ハード(RTコア)で加速する「GeForce RTX 20シリーズ」と、RTコアを持たない「GeForce GTX 16シリーズ」の2系統があるが、前者は高性能な分、値段も高い。これに対してお手頃感のある後者はDXRの動作は非常に重いが、DXR対応ゲームはまだ非常に少ないことを考えると決定的なハンデとは言えない。現行のゲームが中~高画質設定で快適に動けばよいと考えているなら、GTX 16シリーズは理にかなった選択だ。技術的なことを言えばRTX 20シリーズおよびGTX 16シリーズのコア部分の設計はいずれも“Turing”世代と呼ばれるものであるため、ゲームエンジンがより新しく、より複雑な描写を行なう今時のゲームで強みを発揮するとされている。
現在GTX 16シリーズは実売2万円台前半の「GeForce GTX 1650」を筆頭に、2万円台後半~3万円台前半の「GeForce GTX 1660」、3万円台後半~4万円台前半の「GeForce GTX 1660 Ti」の3モデルが展開されている。最新ゲームをフルHD~WQHDで快適に楽しむことを狙って設計されたゲーマー向けモデルだ。
そこで今回は、このGTX 16シリーズが「ファイナルファンタジーXIV」(以降FFXIV)、「フォートナイト」、「SEKIRO:Shadows die twice」でどの程度快適に楽しめるか検証してみたい。
ZOTAC製GeForce GTX 16シリーズ搭載カードで検証
まずは今回使用する検証環境を紹介しよう。検証の要となるビデオカードはZOTAC製品で統一した。一部ファクトリーOCモデルが含まれているが、GPUの性格を大きく変えてしまうほどの強烈なOCモデルではなく(価格的にも)マイルドなOC仕様の製品にした。さらに比較のベースライン用として、1世代前のGTX 1050 Ti、さらにその前世代GTX 750 Tiをそれぞれ準備した。比較用に用意したカードは、いずれも補助電源なしで動作することで人気を博したものだ。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti AMP 6GB GDDR6(ZT-T16610D-10M)
RTコアを持たないGTX 16シリーズの最上位GPUがGTX 1660 Ti。下位のGTX 1660などと違い、ビデオメモリにより高速なGDDR6を採用しているためより高解像度&高負荷環境において強みを発揮する。デュアルファン仕様のクーラーとZOTACならではのカード全体を包み込むようなバックプレートで冷却力と剛性を確保している。今回用意したのはブーストクロック1,860MHzのOC版だが、リファレンス仕様(1,770MHz)のモデルもラインナップされている。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5(ZT-T16600D-10M)
GTX 1660 TiをややスペックダウンしたのがGTX 1660。ゲームの描画システムにもよるが、パフォーマンス的にはGTX 1070に近いものを獲得している。CUDAコアが若干すくない上にメモリがGDDR5になっている分超高負荷に弱いが、WQHD程度ならあまり問題にならない。RTX 20シリーズと同世代の動画エンコーダ“NVENC”を搭載しているため、ゲームを高画質で録画したい人にもオススメだ。本機は“AMP”の名称が示すとおりOCモデルとなっている。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC(ZT-T16500F-10L)
GTX 16シリーズの末弟と言えるのがGTX 1650だ。標準仕様でのカード電力は75Wなので、補助電源なしで動作するのが一番の魅力だ。GTX 750 TiやGTX 950、GTX 1050 TiといったGPUの正統後継者と言える。補助電源不要設計なので旧世代PCのパワーアップ用としても好適だ。GTX 1060 3GBよりやや下程度の性能なので、軽めなゲームをフルHDで楽しみたい人向き。ただ、NVENCの仕様はGTX 1660 Ti/1660より1世代古い(Volta世代相当)点にも注意が必要だ。
ZOTAC GeForce GTX 1050 Ti 4GB Mini、GeForce GTX 750 Tiリファレンスカード
性能比較のベースラインとして準備したのがGTX 1050 TiとGTX 750 Tiの2種類。いずれも補助電源なしで動作するモデルをチョイスした。それぞれ1世代前(Pascal)と3世代前(第1世代Maxwell)の50番台なので、GTX 1650の前身的な存在と言える。
【今回の検証環境】
CPU: Intel Core i9-9900K(8C16T、3.6GHz、最大5GHz)
マザーボード: GIGABYTE Z390 AORUS MASTER(rev. 1.0)(Intel Z390)
メモリ: G.Skill F4-3200C14D-16GTZR(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2 ※PC4-21300で動作)
システムSSD: Western Digital WD Black NVMe WDS100T2X0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、1TB]
データSSD: Micron Crucial MX300 CT1050MX300SSD4/JP[M.2(Serial ATA 3.0)、1.05TB]
電源: SilverStone Strider Platinum ST85F-PT(850W、80PLUS Platinum)
CPUクーラー: NZXT Kraken X72(簡易水冷、36cmクラス)
OS: Windows 10 Pro 64bit版
「フォートナイト」は120fps以上を目指せ!
一般的に“ゲームは60fps出ていれば快適動作”と言われる。だが「フォートナイト」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」、「Apex Legends」といった最近流行のFPS/TPS系ゲームでは60fpsではもの足りなくなる。ゲーム内での索敵やアクションを突き詰めていくと“動きのなめらかさ”の優劣が勝敗の一因になることもあるためだ。そこで上位ゲーマーは高リフレッシュレートのゲーミング液晶と高性能なGPUを組み合わせて高フレームレート環境でプレイするのだ。ここで言う高リフレッシュレートとは、少なくとも144Hz以上のものを指す。家庭用テレビのリフレッシュレートが60Hz(60fps)なので、144Hzの液晶の性能をフルに活かせば144fps、同じ動きでも(こういう表現が適切かはさておき)2倍以上なめらかに表示されるのだ。
では実際にどの程度フレームレートが出るのか検証しよう。画質プリセットで一番高い“エピック”と、その2段下の“中”とし、それぞれフルHD/WQHD/4Kの3段階の解像度で実験する。計測は“クリエイティブ”モードを利用し、「OCAT」で約5分間のフレームレートを計測した。リプレイファイルを用いているので負荷のかかり方はどの条件もほぼ一定となっている。
最高画質である“エピック”設定では、GTX 16シリーズ最上位であるGTX 1660 TiのフルHDが辛うじて平均120fps弱を達成できたが、それより下のGPUだと平均60~100fps辺りが限度。1世代前のGTX 1050 Tiだと平均60fpsを割り込んでしまう。ゲーム画面の“カクつき”に注目した場合、最低fpsが70fpsを下回らないGTX 1660のほうがより“カクつき感の少ない”映像が堪能できる。
この画質設定だと快適プレイはフルHDまで。WQHDはGTX 1660 Tiより下はカクつきがひどく、4Kでのプレイはさすがに厳しい(そもそも4KはGPUの設計コンセプト的にどのゲームでも辛いところ)。
画質を2段下の“中”設定に落とすとどのGPUも一気にフレームレートが伸びるが、旧世代のGTX 1050 Tiでは平均120fpsにも届かず、750 Tiではこの設定でも平均60fpsキープがつらい状態だ。GTX 16シリーズなら、最下位のGTX 1650ですら平均142fps。144fpsキープにはわずかにおよばないが、60fps環境よりずっとなめらかな映像が得られる。高リフレッシュレートのゲーミング液晶を使う前提で言えば、GTX 1660であれば“中”設定+フルHDで十分な性能が得られるだろう。WQHDならGTX 1660だとややつらくなってくるのでGTX 1660 Tiが欲しいところだ。
「フォートナイト」画質設定のポイント
ここで簡単にフォートナイトの画質設定のコツを解説しておこう。フォートナイトの設定は、4段階の“品質”(“低”~“エピック”)と、画面解像度と3D(レンダリング)解像度の三つが柱となっている。“品質”はテクスチャの粗さや影の描写関係が変わる部分で、ここを低く設定すれば画質の細かい設定(影やテクスチャなど)も連動して下がる。フォートナイトのような高フレームレート命のゲームをGTX 16シリーズで遊ぶなら、品質は“中”辺りがよいだろう。
また、画面解像度はGTX 1660 TiならWQHDでもよい感じで動くが、GTX 1660や1650ではフルHDが基本だ。3D解像度はUI以外、ゲームの風景やキャラの解像感を左右する部分で、3D解像度を下げると画面は粗くなるがフレームレートは上がる。ただ、ゲーム画面の美しさが損なわれる設定なので、録画や配信も考慮して今回は100%(画面解像度と同じ)設定で検証している。
画質の細かい設定項目を詰める上でのポイントは、設定を下げてフレームレートが伸びやすい項目を探し、かつアラが目立ない程度に下げることだ。フォートナイトでとくに1段下げの重みが大きいのが“影”の設定。これを下げると1段で30fps以上フレームレートが上がることがある。ほかの設定項目は数fps程度の向上に留まることも多いので、フレームレートを稼ぎたかったら影を下げるとよいだろう。
【GPU別オススメ設定】
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti AMP 6GB GDDR6」使用時
“エピック”設定をベースに“影”を1、2段落としするだけで平均150fps程度にブーストできる。WQHDなら中設定まで落とすべし
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5」使用時
フルHDなら“高”設定が限界。これも影を中心に落としてフレームレートを稼ごう
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC」使用時
フルHD&“中”設定で快適。影を“低”まで落とせば盤石となるだろう
「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」は画質を高めに保ちたい
続いては国産MMORPGの雄「ファイナルファンタジーXIV」だ。次期拡張パック「漆黒のヴィランズ」の発売が間近に迫りつつあるが、まだ対応ベンチも発表されていないため、現在利用できる最新ベンチマーク(紅蓮のリベレーター)を利用する。
FFXIVのようなMMORPGではフォートナイトのような超高fpsはあまり求められない。むしろ画面の情報量や描写の細かさを上げるために解像度を上げ、フレームレートが60fpsを下回らない程度に画質を上にキープしておくのがキモとなる。FFXIVベンチの場合、メインメモリのクロックがスコアアップに効くことが知られているが、高クロックメモリが使えないPCもあることを考えると確実な方法であるとは言えない。やはりビデオカードの選択でスコアアップを狙うのがよいだろう。
ここでも解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類とし、画質設定は“最高品質”とその2段下の“標準品質(ノートPC用)”の二通りで計測する。ベンチマーク結果はスコアで提示され、5,000ポイント以上が獲得できれば“とても快適”判定が出るが、今回はスコアに加えベンチマーク中の平均fpsも比較する。
フルHDだとGTX 1050 TiでもフルHDなら最高評価である“非常に快適”判定が出るが、平均fpsで見るとGTX 1050 Tiは平均60fpsに達しない。平均ギリギリ60fpsを超えるのがGTX 1650で、GTX 1660で平均90fpsを超える。ただベンチマーク半ば、F.A.T.E.風のシーンではエフェクトが飛び交うためフレームレート的にもっとも厳しくなるが、GTX 1660でも60fps付近に落ち込むのだ。最低60fpsキープ、つまりカクつきを抑えたければフルHDでもGTX 1660より上がベストと言えるだろう。
WQHD解像度ではGTX 1660 Tiか1660でないとかなりつらい。平均fps的に見ればGTX 1660 Tiでようやく60fpsを超えられるが、前述の重いシーンでは60fpsを大きく割り込むので、高難度IDでシビアな戦闘を考えている場合は画質か解像度を落とす判断が必要になるだろう。
画質を2段階落とすとスコアもぐっと上がる。GTX 1050 TiでもフルHD時に12,000ポイント近くになるため優劣が付けづらいが、平均fpsで考えるとGTX 1050 Tiでほぼ80fps、そのやや上にGTX 1650……と続く。GTX 1660より上になるとフルHD時で平均120fps超、WQHDでも90fps前後になるのでかなり快適かつ高精細なグラフィックスが楽しめるだろう。ただ4Kになると平均fpsがぐっと下がるので、スクリーンショット撮影時だけ4K設定にする、といった運用が必要になるだろう。
「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」画質設定のポイント
FFXIVは描画システム自体が(今のPCゲームにしては)軽めであるので、GTX 16シリーズであればとくに気にする必要はないだろうが、あえて手動チューニングするならば「SSAO(アンビエントオクルージョン)」の設定を下げてみよう。アンビエントオクルージョンは立体感を強調するような影を入れる技法だが、これを“弱く(標準)”まで下げると劇的なフレームレート向上が見込める。
たとえばGTX 1650でも最高品質設定をベースにSAAOだけ下げると、スコアは9,055から11,472に、平均fpsは60.81から77.10に伸びる。ただアンビエントオクルージョンを下げるとのっぺりとした絵になってくるので、そこを妥協できるかがポイントになる。
【GPU別オススメ設定】
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti AMP 6GB GDDR6」使用時
フルHDなら最高品質でOK。WQHDなら画質を2段程度下げておこう
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5」使用時
フルHDなら最高品質。WQHDでも2段下げで十分スムーズ
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC」使用時
フルHDなら最高品質でもよいが、SSAOを2段程度下げるのもよい。WQHDは一番下の設定か、一番下から2番目の設定にしよう
「SEKIRO:Shadows die twice」は心が折れる前に画質を考えよう
難易度の高さとそれを乗り越えたときのカタルシスが最大の魅力となる話題作「SEKIRO:Shadows die twice」はどうだろうか? PC版「ダークソウル」シリーズに触れていれば分かるが、フロム・ソフトウェアの手掛けるPCゲームは60fpsが上限であるため(fps上限を解除するModはあるが、それは別の話)、超高fpsが出せるハイパワーGPUはあまり必要とされないが、実際GTX 16シリーズではどうか検証してみよう。
検証は葦名城城下から城下外郭の一定の往復ルートを移動した際のフレームレートを「OCAT」で測定する。ただ完全手動計測であるため、計測のブレは前二つで使用したゲームよりやや大きい点はお断りしておきたい。画質はプリセットの“最高”と2段下の“中”で試している。
画質“最高”設定でもフルHDならGTX 1660より上で60fpsをほぼ達成。WQHDならGTX 1660 Tiがかなり60fpsに近くなるが、微妙にフレームレートが落ちていることが分かる。GTX 1650だとフルHDでも普通にプレイできるが、ところどころでカクつきが普通に視認できるようになるので、少し設定を絞りたいところだ。
画質を2段階落としても全体傾向は変わらない。フルHDでGTX 1660以上なら文句なしに快適。GTX 1650の最低fpsがぐっと上がってカクつき感がかなり解消されているので、実際プレイするならGTX 1650で画質中より下がよいだろう。
また、GTX 1660 Ti/1660は最低fpsの値が最高設定時とたいして変わっていないので、ゲーム側のどこかの処理がボトルネックになっているか、GTX 16シリーズの限界のどちらかが原因になっていると考えられる。
「SEKIRO:Shadows die twice」画質設定のポイント
SEKIROの画質チューニングでポイントとなるのは「影」の設定だ。プリセットの画質でおおまかな画質を決めたら「詳細設定」で影の設定だけさらに落としてみよう。この設定を下げるほど影の表現が曖昧になってくるが、フレームレートへのインパクトは非常に高い。
【GPU別オススメ設定】
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti AMP 6GB GDDR6」使用時
フルHDなら最高設定でOK。WQHDなら影設定を下げなどで対処
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5」使用時
フルHDなら最高設定。WQHDだと中設定が無難
「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC」使用時
フルHDだと最高設定ベースで影設定を中に落とすか、思い切って中~低設定で60fpsに限りなく近付けて遊ぼう
重い設定を避ければミドルレンジでもかなり快適に遊べる
以上で検証は終了だ。今回紹介したフォートナイト、FFXIV、SEKIROの三つのゲームで試す限りは、GTX 1660 Tiと1660は安定して強い。フルHDならばとくに何もしなくても十分なフレームレートが出るだろう。GTX 1650だと60fpsプレイが厳しいシーンも見られたが、影やアンビエントオクルージョンなど、パッと見て画質の劣化が分かりにくい設定を下げることでさらにフレームレートを改善することができる。
こうしたチューニングがめんどうであれば「GeForce Experience」の最適化機能を使う手もあるが、GFEの最適化はターゲット(144fps狙いか、60fps死守か、など)が明確にされないため参考にしかならないこともしばしば。GFEの最適化を叩き台にして、自分の理想とする設定を見付け出すのがよいだろう。
また、安定したゲーミング性能を得るには、ビデオカードの品質にも気を遣いたいところ。とくにパフォーマンスへの影響が大きいのが「冷却性能」だ。GPUのグレードを上げるのも重要だが、同じグレードのGPUのビデオカードの中から製品を選ぶときには、冷却性能の高いクーラーを搭載した製品を選びたい。今回のテストに使用した製品のうち、ZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 Ti AMP 6GB GDDR6とZOTAC GAMING GeForce GTX 1660 AMP 6GB GDDR5の2製品は、高めのOCが施された“AMP”の名を冠する製品だけあって、上位のGeForce RTX 20シリーズを搭載するZOTACの上位製品と同じ同社オリジナルの「IceStorm 2.0」クーラーを搭載し、冷却性能には折り紙つき。限られた予算の中であってもワンランク上を目指したいのであれば、選択肢に入れたい製品と言えるだろう。
[制作協力:ZOTAC]