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PCIe 4.0 SSD vs SATA SSD、PC版MHW:アイスボーンをより快適に遊べる環境はどっち?
CFD販売の高コスパPCIe 4.0 SSD「CFD PG3VNFシリーズ」の実力 text by 坂本はじめ
2020年2月3日 00:01
1月10日にPC版での配信がスタートした「モンスターハンターワールド:アイスボーン」。家庭用ゲーム機版に比べ、高解像・高画質・高フレームレートで遊べるので、“究極のモンスターハンターワールド:アイスボーン”を楽しみたいならやはりPC版だ。
画質の面ではCPUやGPUを強化すればよいが、せっかくならロード時間もなるべく短縮したい。通常であれば、SATA SSD導入すれば十分快適になるが、NVMe SSDを使用すればさらに快適にできるかもしれない。
ということで、今回は「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を可能な限り快適に遊ぶならNVMe SSDを導入する価値はあるのかといったあたりを検証してみよう。
テストに使用するのは、CFD販売から発売されているPCIe 4.0対応SSD「CFD PG3VNFシリーズ」と同じく同社から販売されているSATA SSD「CFD CG3VXシリーズ」。それぞれをゲームのインストール先に利用した場合、ロード時間がどれだけ変化するのかを比較する。
「モンスターハンターワールド:アイスボーン」はロード待ちに遭遇する機会が多く、プレイ時間も長くなりがちなので、待ち時間は少しでも短くしたいところ。がっつりゲームを楽しんでいるハンター諸兄にはぜひとも結果をチェックしてもらいたい。
PCIe 4.0 SSDの高コスパモデル「CFD PG3VNFシリーズ」
CFD販売の「CFD PG3VNFシリーズ」は、PCIe 4.0に対応したM.2タイプのNVMe SSD。Phison製コントローラ「PS5016-E16」と、96層3D TLC NANDフラッシュ「BiCS4」を組み合わせにより、リード最大5,000MB/sという性能を実現している。
容量ラインナップは500GB、1TB、2TBの3種類で、インターフェイスはPCIe 4.0 x4。フォームファクターはM.2 2280。
今回、テストに用いるのはCFD販売の「CFD PG3VNFシリーズ」の1TBモデル「CSSD-M2B1TPG3VNF」。スペック上の転送速度は、リード最大5,000MB/s、ライト最大4,400MB/sで、リード・ライトともにPCIe 3.0 x4(4GB/s)の限界を超えた速度を実現している。
なお、CSSD-M2B1TPG3VNFを含め、CFD PG3VNFシリーズは冷却用のヒートシンクを搭載していないが、実際の運用ではコントローラの発熱が大きいため、マザーボード付属のM.2 SSD冷却用ヒートシンクなどを利用した冷却が推奨されている。
2020年1月現在、CSSD-M2B1TPG3VNFの安値ショップの価格は税込22,000円前後であり、PCIe 4.0に対応した容量1TBのNVMe SSDとしてのコストパフォーマンスは高い。性能と容量の両方が求められるゲームインストール用ストレージとして魅力的な製品であると言えよう。
PCIe 4.0 SSDでモンスターハンターワールド:アイスボーンは快適になる?Ryzen 9 3950X + GeForce RTX 2080環境でSATA SSDとロード時間を比較
一応、モンスターハンターワールド:アイスボーンがどんなゲームなのかも簡単に紹介しておこう。
「モンスターハンター:ワールド」の超大型拡張コンテンツと銘打って、新マップや新モンスターを追加するDLC。コンシューマ機に先行配信されていたものが、1月10日にPC版でも配信開始となった。
フレームレート上限の撤廃、アップコンバートではない4Kまでの高解像度への対応、これに合わせたHigh Resolution Texture Packの提供など、グラフィック面は家庭用から大きく強化されている。
モンスターハンターワールド:アイスボーンは、従来のモンスターハンター:ワールドと同様に、クエストや探索を行うマップはシームレスマップであり、エリアチェンジなどでロード待ちが生じない設計となっている。
ただし、ゲーム再開時やマップ間の移動を行う場合には、移動先のマップを生成するためのロード時間が必要であり、各マップが広大である分だけ発生するロード時間は長い。その上、モンスターハンター:ワールドでは、クエストや探索でマップ間移動を行う機会が多いため、このロード待ちに遭遇する機会が多い。
こうしたことから、モンスターハンターワールド:アイスボーンは高速ストレージ利用によるロード時間短縮の効果が大きいタイトルであり、このようなゲームでPCIe 4.0 SSDを使うとどれだけのロード時間を短縮できるのかを確かめるのが今回のテストなのである。
比較相手には6Gbps SATA SSDを用意、Ryzen 9 3950X + GeForce RTX 2080環境でテスト
当然ながら、PCIe 4.0 SSDによるロード時間短縮効果を知るには比較対象が必要だ。そこで、今回は、CFD販売の6Gbps SATA対応SSD「CFD CG3VXシリーズ」から960GBの「CSSD-S6B960CG3VX」を用意した。
CSSD-S6B960CG3VXは、3D TLC NANDを採用したエントリークラスのSSDで、1TBクラスのモデルとしては1万円台前半で購入できる容量単価に秀でた製品だ。単純な容量単価ではPCIe 4.0 SSDのCSSD-M2B1TPG3VNFよりもずっと安価なので、コスト重視でゲームインストールドライブを選ぶ際には有力な選択肢となり得る。
これら2台のSSDを搭載するのは、Ryzen 9 3950Xを搭載したSocket AM4環境だ。マザーボードには、巨大な一体型M.2 SSD冷却ヒートシンクを備える「ASRock X570 Taichi」、GPUにはNVIDIAのハイエンド「GeForce RTX 2080」をそれぞれ利用する。
PCIe 4.0 SSD導入でSATA SSDからロード時間を2割前後高速化MHW:アイスボーンをより快適に遊ぶなら、最速SSDを導入しよう
それでは、PCIe 4.0 SSDとSATA SSDのロード時間を測定した結果を紹介しよう。
今回は、ゲーム中でロード待ちが発生する各測定ポイントにおいて、ゲーム起動後最初のロード時間をそれぞれ3回ずつ測定し、その平均値を比較した。測定時のグラフィック設定については、グラフィック品質「最高」をベースに「High Resolution Texture Pack」を有効化した最高画質設定を適用している。画面解像度は2,560×1,440ドット。
なお、ゲーム用途に関しては、SATA SSDとNVMe SSDの間にほぼ差がないといったことが多く、価格差からSATA SSDが選択肢としてベストな場合もあるのだが、モンスターハンターワールド:アイスボーンでもそうした傾向があてはまるのか、結果を見てもらいたい。
ゲーム再開時のロード時間の差は約18%、PCIe 4.0 SSDの導入で快適性アップ
まず測定したのは、セーブデータを選択してからゲームが再開するまでのロード時間。再開先の拠点はモンスターハンターワールド:アイスボーンで追加された新拠点「セリエナ」とした。
測定の結果は、SATA SSDが約8.6秒であったのに対して、PCIe 4.0 SSDは約7.3秒でロードを完了した。タイム差は約1.3秒で、PCIe 4.0 SSDの方が約18%高速にロードを完了したという結果だ。
探索出発時のロード時間はPCIe 4.0 SSDの導入で24%も高速に
つづいて、新拠点のセリエナから、新マップ「渡りの凍て地」へ探索に出発する際に発生するロード時間を測定した。
結果は、SATA SSDが約20.1秒で、PCIe 4.0 SSDは約16.2秒。タイム差は約3.9秒で、PCIe 4.0 SSDはSATA SSDより約24%も高速にロードを完了している。
拠点間移動時のロード時間は約2割PCIe 4.0 SSDが高速
モンスターハンターワールド:アイスボーンには、新たに追加された拠点であるセリエナと、従来の拠点であるアステラという2つの拠点が存在する。ここでは、新拠点のセリエナからアステラに移動する際に発生するロード時間を比較した。
測定の結果、SATA SSDが約10.3秒を要したのに対し、PCIe 4.0 SSDは約8.6秒でロードを完了。短縮された時間は約1.7秒で、PCIe 4.0 SSDは約20%高速にロードを完了したことになる。
エントリークラスSSDから1~2割もロード時間を短縮できるPCIe 4.0 SSDモンスターハンターワールド:アイスボーンを楽しむなら検討の価値アリ
今回実施したテストにおいて、CFD販売のPCIe 4.0 SSD「CSSD-M2B1TPG3VNF」は、エントリークラスのSATA SSDから1~2割程度のロード時間を短縮してみせた。
ロード待ちに遭遇する機会が多ければ多いほど、この差は積もり積もって大きな差となるため、モンスターハンターワールド:アイスボーンをプレイするなら、CSSD-M2B1TPG3VNFのような高性能SSDを利用するメリットも大きい。
現状、PCIe 4.0 SSDの性能をフルに発揮できるのは、第3世代Ryzenを搭載したAMD X570環境か、ハイエンドデスクトップ向けのAMD TRX40環境に限られるのだが、これらの環境では複数枚のM.2型PCIe 4.0 SSDを利用できるマザーボードが揃っている。高性能で耐久性にも優れるPCIe 4.0 SSDをシステムとゲーム兼用として使うもよし、ゲーム専用として追加するもよしである。
既にPCIe 4.0 SSDが利用できるAMD環境を構築しているユーザーはもちろん、これからモンスターハンターワールド:アイスボーンを楽しむためのゲーミングPC構築を考えているユーザーには、PCIe 4.0 SSDのゲーム用ストレージとしての活用をおすすめしたい。
[制作協力:CFD販売]