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PCIe 4.0 SSD vs SATA SSD、PC版MHW:アイスボーンをより快適に遊べる環境はどっち?

CFD販売の高コスパPCIe 4.0 SSD「CFD PG3VNFシリーズ」の実力 text by 坂本はじめ

 1月10日にPC版での配信がスタートした「モンスターハンターワールド:アイスボーン」。家庭用ゲーム機版に比べ、高解像・高画質・高フレームレートで遊べるので、“究極のモンスターハンターワールド:アイスボーン”を楽しみたいならやはりPC版だ。

 画質の面ではCPUやGPUを強化すればよいが、せっかくならロード時間もなるべく短縮したい。通常であれば、SATA SSD導入すれば十分快適になるが、NVMe SSDを使用すればさらに快適にできるかもしれない。

 ということで、今回は「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を可能な限り快適に遊ぶならNVMe SSDを導入する価値はあるのかといったあたりを検証してみよう。

 テストに使用するのは、CFD販売から発売されているPCIe 4.0対応SSD「CFD PG3VNFシリーズ」と同じく同社から販売されているSATA SSD「CFD CG3VXシリーズ」。それぞれをゲームのインストール先に利用した場合、ロード時間がどれだけ変化するのかを比較する。

 「モンスターハンターワールド:アイスボーン」はロード待ちに遭遇する機会が多く、プレイ時間も長くなりがちなので、待ち時間は少しでも短くしたいところ。がっつりゲームを楽しんでいるハンター諸兄にはぜひとも結果をチェックしてもらいたい。

PCIe 4.0 SSDの高コスパモデル「CFD PG3VNFシリーズ」

PCIe 4.0対応SSD「CFD PG3VNFシリーズ」。

 CFD販売の「CFD PG3VNFシリーズ」は、PCIe 4.0に対応したM.2タイプのNVMe SSD。Phison製コントローラ「PS5016-E16」と、96層3D TLC NANDフラッシュ「BiCS4」を組み合わせにより、リード最大5,000MB/sという性能を実現している。

 容量ラインナップは500GB、1TB、2TBの3種類で、インターフェイスはPCIe 4.0 x4。フォームファクターはM.2 2280。

CFD PG3VNFシリーズの1TBモデル「CSSD-M2B1TPG3VNF」。本体サイズは22×80mmで、冷却用ヒートシンクは非搭載。
CFD PG3VNFシリーズは全モデル両面実装仕様で、基板裏面にもNANDフラッシュやキャッシュメモリを実装している。
Phison製のSSDコントローラ「PS5016-E16」。
メモリチップ。96層3D TLC NANDフラッシュメモリ「BiCS4」を採用している。

 今回、テストに用いるのはCFD販売の「CFD PG3VNFシリーズ」の1TBモデル「CSSD-M2B1TPG3VNF」。スペック上の転送速度は、リード最大5,000MB/s、ライト最大4,400MB/sで、リード・ライトともにPCIe 3.0 x4(4GB/s)の限界を超えた速度を実現している。

 なお、CSSD-M2B1TPG3VNFを含め、CFD PG3VNFシリーズは冷却用のヒートシンクを搭載していないが、実際の運用ではコントローラの発熱が大きいため、マザーボード付属のM.2 SSD冷却用ヒートシンクなどを利用した冷却が推奨されている。

CSSD-M2B1TPG3VNFのCrystalDiskInfo実行画面。インターフェイスがPCIe 4.0 x4であることが確認できる。
CSSD-M2B1TPG3VNFのCrystalDiksMark実行結果。リード・ライトとも、ほぼスペック通りの結果となっている。

 2020年1月現在、CSSD-M2B1TPG3VNFの安値ショップの価格は税込22,000円前後であり、PCIe 4.0に対応した容量1TBのNVMe SSDとしてのコストパフォーマンスは高い。性能と容量の両方が求められるゲームインストール用ストレージとして魅力的な製品であると言えよう。

PCIe 4.0 SSDでモンスターハンターワールド:アイスボーンは快適になる?Ryzen 9 3950X + GeForce RTX 2080環境でSATA SSDとロード時間を比較

モンスターハンターワールド:アイスボーン。

 一応、モンスターハンターワールド:アイスボーンがどんなゲームなのかも簡単に紹介しておこう。

 「モンスターハンター:ワールド」の超大型拡張コンテンツと銘打って、新マップや新モンスターを追加するDLC。コンシューマ機に先行配信されていたものが、1月10日にPC版でも配信開始となった。

 フレームレート上限の撤廃、アップコンバートではない4Kまでの高解像度への対応、これに合わせたHigh Resolution Texture Packの提供など、グラフィック面は家庭用から大きく強化されている。

氷雪に覆われた新マップ「渡りの凍て地」。新マップで邂逅する新モンスターを相手に、新要素のクラッチクローなどを駆使しながら、新天地での狩猟生活に挑むことになる。

 モンスターハンターワールド:アイスボーンは、従来のモンスターハンター:ワールドと同様に、クエストや探索を行うマップはシームレスマップであり、エリアチェンジなどでロード待ちが生じない設計となっている。

 ただし、ゲーム再開時やマップ間の移動を行う場合には、移動先のマップを生成するためのロード時間が必要であり、各マップが広大である分だけ発生するロード時間は長い。その上、モンスターハンター:ワールドでは、クエストや探索でマップ間移動を行う機会が多いため、このロード待ちに遭遇する機会が多い。

 こうしたことから、モンスターハンターワールド:アイスボーンは高速ストレージ利用によるロード時間短縮の効果が大きいタイトルであり、このようなゲームでPCIe 4.0 SSDを使うとどれだけのロード時間を短縮できるのかを確かめるのが今回のテストなのである。

比較相手には6Gbps SATA SSDを用意、Ryzen 9 3950X + GeForce RTX 2080環境でテスト

CSSD-S6B960CG3VX。3D TLC NANDを採用したエントリークラスの6Gbps SATA対応SSDだ。

 当然ながら、PCIe 4.0 SSDによるロード時間短縮効果を知るには比較対象が必要だ。そこで、今回は、CFD販売の6Gbps SATA対応SSD「CFD CG3VXシリーズ」から960GBの「CSSD-S6B960CG3VX」を用意した。

 CSSD-S6B960CG3VXは、3D TLC NANDを採用したエントリークラスのSSDで、1TBクラスのモデルとしては1万円台前半で購入できる容量単価に秀でた製品だ。単純な容量単価ではPCIe 4.0 SSDのCSSD-M2B1TPG3VNFよりもずっと安価なので、コスト重視でゲームインストールドライブを選ぶ際には有力な選択肢となり得る。

 これら2台のSSDを搭載するのは、Ryzen 9 3950Xを搭載したSocket AM4環境だ。マザーボードには、巨大な一体型M.2 SSD冷却ヒートシンクを備える「ASRock X570 Taichi」、GPUにはNVIDIAのハイエンド「GeForce RTX 2080」をそれぞれ利用する。

PCIe 4.0 SSD導入でSATA SSDからロード時間を2割前後高速化MHW:アイスボーンをより快適に遊ぶなら、最速SSDを導入しよう

SATA SSD vs PCIe 4.0 SSDでモンスターハンターワールド:アイスボーンのロード時間を比較。

 それでは、PCIe 4.0 SSDとSATA SSDのロード時間を測定した結果を紹介しよう。

 今回は、ゲーム中でロード待ちが発生する各測定ポイントにおいて、ゲーム起動後最初のロード時間をそれぞれ3回ずつ測定し、その平均値を比較した。測定時のグラフィック設定については、グラフィック品質「最高」をベースに「High Resolution Texture Pack」を有効化した最高画質設定を適用している。画面解像度は2,560×1,440ドット。

 なお、ゲーム用途に関しては、SATA SSDとNVMe SSDの間にほぼ差がないといったことが多く、価格差からSATA SSDが選択肢としてベストな場合もあるのだが、モンスターハンターワールド:アイスボーンでもそうした傾向があてはまるのか、結果を見てもらいたい。

ゲーム再開時のロード時間の差は約18%、PCIe 4.0 SSDの導入で快適性アップ

 まず測定したのは、セーブデータを選択してからゲームが再開するまでのロード時間。再開先の拠点はモンスターハンターワールド:アイスボーンで追加された新拠点「セリエナ」とした。

 測定の結果は、SATA SSDが約8.6秒であったのに対して、PCIe 4.0 SSDは約7.3秒でロードを完了した。タイム差は約1.3秒で、PCIe 4.0 SSDの方が約18%高速にロードを完了したという結果だ。

探索出発時のロード時間はPCIe 4.0 SSDの導入で24%も高速に

 つづいて、新拠点のセリエナから、新マップ「渡りの凍て地」へ探索に出発する際に発生するロード時間を測定した。

 結果は、SATA SSDが約20.1秒で、PCIe 4.0 SSDは約16.2秒。タイム差は約3.9秒で、PCIe 4.0 SSDはSATA SSDより約24%も高速にロードを完了している。

拠点間移動時のロード時間は約2割PCIe 4.0 SSDが高速

 モンスターハンターワールド:アイスボーンには、新たに追加された拠点であるセリエナと、従来の拠点であるアステラという2つの拠点が存在する。ここでは、新拠点のセリエナからアステラに移動する際に発生するロード時間を比較した。

 測定の結果、SATA SSDが約10.3秒を要したのに対し、PCIe 4.0 SSDは約8.6秒でロードを完了。短縮された時間は約1.7秒で、PCIe 4.0 SSDは約20%高速にロードを完了したことになる。

拠点間移動時のロード時間は17%ほどPCIe 4.0 SSDが高速

 最後に、クエスト受注からマップを移動してクエストが開始されるまでの時間を測定した。今回は、新拠点のセリエナで、古代樹の森が舞台となるクエスト「さすらいのコレクター、参上」の受注から開始までの時間を測定している。

 測定の結果、ロード時間はSATA SSDが約18.9秒で、PCIe 4.0 SSDは約16.2秒だった。PCIe 4.0 SSDによって短縮された時間は約2.7秒で、その速度はSATA SSDより約17%高速なものだった。

エントリークラスSSDから1~2割もロード時間を短縮できるPCIe 4.0 SSDモンスターハンターワールド:アイスボーンを楽しむなら検討の価値アリ

 今回実施したテストにおいて、CFD販売のPCIe 4.0 SSD「CSSD-M2B1TPG3VNF」は、エントリークラスのSATA SSDから1~2割程度のロード時間を短縮してみせた。

 ロード待ちに遭遇する機会が多ければ多いほど、この差は積もり積もって大きな差となるため、モンスターハンターワールド:アイスボーンをプレイするなら、CSSD-M2B1TPG3VNFのような高性能SSDを利用するメリットも大きい。

 現状、PCIe 4.0 SSDの性能をフルに発揮できるのは、第3世代Ryzenを搭載したAMD X570環境か、ハイエンドデスクトップ向けのAMD TRX40環境に限られるのだが、これらの環境では複数枚のM.2型PCIe 4.0 SSDを利用できるマザーボードが揃っている。高性能で耐久性にも優れるPCIe 4.0 SSDをシステムとゲーム兼用として使うもよし、ゲーム専用として追加するもよしである。

 既にPCIe 4.0 SSDが利用できるAMD環境を構築しているユーザーはもちろん、これからモンスターハンターワールド:アイスボーンを楽しむためのゲーミングPC構築を考えているユーザーには、PCIe 4.0 SSDのゲーム用ストレージとしての活用をおすすめしたい。

[制作協力:CFD販売]