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実はテレワーク向きでGeforce GTX 1650 Max-Q Designも搭載!!ビジネス・クリエイティブに「決め手」だらけの14型ノート「MSI Prestige 14 A11」

コスパも高い14型ノート、今ならさらにお得に買える! text by 日沼諭史

MSIのノートPC「Prestige 14 A11-A11SC-012JP」

 「在宅勤務にちょうどいい!」とされるノートPCが、ここ1年以内に続々と登場してきて、反対に選びにくくなっているような気さえする昨今。安い買い物ではないし、長い期間、毎日のように触れることになるかもしれないだけに、間違いのない製品を選びたい。けれど、決め手となるものが見つからずなかなか購入に踏み切れない……なんて人もいるのでは。

 今回紹介するMSIのクリエイター向けノートPC「Prestige 14-A11SC-012JP」(以降Prestige 14 A11)は、PC選びの「決め手」になりそうな要素がふんだんに盛り込まれたモデルと言えるかもしれない。写真、動画などを扱うクリエイティブ用途はもちろんのこと、ビジネスアプリケーションをメインに使う用途でも、その高い性能、工夫された使い勝手の良さは、多くの人に「刺さる」はず。どんなノートPCなのか、さっそく見てみよう。

デザイン、サイズ感、耐久性に基本性能まで、バランスの取れた一台4コアTigerLake + GeForce GTX 1650 Max-Q Designで高性能な「Prestige 14 A11」

写真では少し明るく見えるが、見た目は黒に近い落ち着いた色合いだ。

 「Prestige 14 A11」は、その名の通り、14型のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶ディスプレイを搭載するノートPCだ。Prestigeシリーズは、MSIのビジネス・ライトクリエイターノートPCシリーズのなかでも、高いコストパフォーマンスを実現したミドルクラスに位置付けられるモデル。クリエイティブ用途に加えて、一般的なビジネス用途でも余裕をもって仕事をこなしたいユーザーに向いた1台となっている。

 今回試したカーボングレイのモデルは、どちらかというとブラックに近い色を基調にしており、エッジ部分のメタリックブルーのような差し色が高級感をかもし出している。ディスプレイを開いたときのキーボード周りも同様で、全体として落ち着いた雰囲気。派手さはなく、かといって地味すぎることもなく、クリエイティブ・ビジネス向けとして使いやすいデザインと言えるだろう。

面取りされたエッジ部分には、メタリックブルーのように見える差し色が入っている。
キーボードとタッチパッド。こちらもほぼブラックとメタリックブルーで落ち着いた色合い。

 14型クラスのノートPCは、ディスプレイの視認性の高さとモビリティ性能を両立できるとして、最近のトレンドの1つともなっている。A4プラスアルファの縦横サイズ(319×219mm)で、薄さは約15.9mm、重量は約1.29kg。普段は在宅勤務だけれど、時々は出社して仕事する、というような人が持ち運ぶのにも苦労しないサイズ感。

 しかもボディ自体は「MIL-STD 810G」に準拠するミリタリーグレードの耐久性を備え、持ち運び時の衝撃や圧迫などにも不安はない。バッテリー駆動は最大10時間(JEITA 2.0)ということで、出先で急な用件が発生し、個室型のワークスペースに駆け込んで数時間集中して作業する、というような場面でも困ることはなさそうだ。

薄さは約15.9mm。約1.29kgは超軽量というわけではないものの、薄いこともあって持ち運びに苦労するほどではない。MILスペック準拠で堅牢性の面でも安心感がある。
底面にはかなり広めにとった吸気口。高性能なCPUとGPUのパフォーマンスを引き出せる冷却設計になっているようだ

 CPUは第11世代インテル Core i7-1185G7(3~4.8GHz/4コア8スレッド)で、メモリは16GB、ストレージは1TB(NVMe M.2 SSD)をそれぞれ搭載する。GPUはCPU内蔵だけではなく、NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q Designを搭載しているのも特徴。処理負荷の大きいアプリケーションを使うのも、大量のWebページやファイルを開きながらの作業にも、ストレスなく対応してくれるスペックを備えている。

MSI Prestige 14-A11SC-012JP
CPUCore i7-1185G7(4コア/3.0GHz/ブースト時最大4.8GHz)
メモリLPDDR4X 16GB
ストレージ1TB NVMe SSD
GPUNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q Design
ディスプレイ14インチ/1,980×1,080ドット
OSWindows 10 Home 64bit

ビジネス用途における4つの「決め手」セキュリティにWeb会議向け機能、将来性もバッチリ

Prestige 14 A11のビジネス用途に置ける「決め手」とは

 Prestige 14 A11の「決め手」となる部分はどこにあるのか、まず一般的なビジネス用途視点でポイントを見て行こう。実際に使ってみて推せる部分をピックアップしてみた。

顔認証+指紋認証で使い勝手の良いセキュリティ機能を搭載

 1つ目のポイントとしては、Windows Helloの顔認証に対応するWebカメラを内蔵していることと、同じくWindows Helloの指紋認証に対応する指紋センサーを備えていること。生体認証機能を2つ用意しているのだ。

 在宅勤務で周りに家族しかいない状況だったとしても、自分以外の人に画面やPCの中身をのぞかれてしまうのは極力避けたいもの。テレワークを推進している企業としても、従業員が安全にPCやデータを扱っているかどうかは気になるところだ。そういった観点で、顔認証や指紋認証でセキュアにWindowsのログオンなどが行なえるのは安心につながる部分だろう。

Windows Helloの顔認証に対応するWebカメラを内蔵
出先でマスクをしていると顔認証が難しくなるが、その場合は代わりに指紋認証が使える

 また、現状は出先にいるとマスクをしたままPCを使わざるを得ないが、その場合は顔認証が困難になってしまう。しかし、代わりに指紋認証にすれば、使い勝手も、セキュリティも低下させずに仕事できることになる。「生体認証機能は2つもいらないのでは」と考える人もいるかもしれないが、昨今の事情を考慮すると、顔と指紋のどちらでも認証できるのは意外と大きなメリットだったりするのだ。

 ちなみに、Windows Hello対応のWebカメラは比較的画質が良く、Web会議用途であれば満足なレベル。HD解像度で色のりが良く、画角的にも十分だ。

Web会議でバッチリ使えるノイズ低減機能付きマイクを採用!

 次の2つ目のポイントは、AIによるマイク入力音声のノイズ低減機能を備えていること。これはもちろん、Web会議を想定した機能ということになる。AI技術を利用したノイズ低減は、いくつかのWeb会議ツールでも独自に実装されている。ただ、Prestige 14 A11の場合はそうしたツールに依存した限定的なものではなく、汎用的に使えるうえに、よりハードウェアに近い部分で処理されることで高い効果を得やすいという利点がある。

プリインストールのユーティリティ「MSI Center Pro」でノイズ低減のオンオフをコントロールできる。スピーカーから出力される音声のノイズ低減も可能だ
ノイズ低減を反映するには、Web会議ツールの音声設定画面で仮想デバイスである「MSI Sound Tune」を選択しておく

 以下のサンプル動画でその効果を確認してみてほしい。実は背景でサーキュレーターも回していたのだが、ノイズ低減機能がオフでもほとんど目立たなかった。“素”の状態でも、比較的ノイズの入りにくいマイクになっているようだ。しかし、ノイズ低減機能をオンにすると、キーボードのタイプ音は的確に低減されていることがわかる。声質が若干変化しているものの、周囲のノイズを減らして声を聞き取りやすくする、という目的であれば許容範囲内だろう。

内蔵カメラ・マイクによる映像・音声テスト

物理ファンクションキー搭載でショートカット機能も便利、ミーティングに便利なキーも

物理ファンクションキーをしっかり搭載。F5キーがマイクミュートのオンオフ、F6キーがカメラのオンオフのショートカットにもなっており、便利な機能が標準で割り当てられている。

 3つ目のポイントは、このWeb会議や対面ミーティングをより快適にこなせるようにするファンクションキーの機能だ。ノートPCではF1~F12のファンクションキーをマルチメディアキーやショートカットキーとしても使えるようになっている機種が多いが、このPrestige 14 A11には他ではあまり見たことのないユニークなショートカットキーがある。

 たとえばWeb会議で便利なのが、Webカメラとマイクの有効・無効を切り替える2つのキー。Web会議中は、サーバーや回線の負荷低減、あるいは音声の被りや余計なノイズの防止を目的に、Webカメラやマイクのオンオフを切り替えることも少なくない。そんなときにPrestige 14 A11ならファンクションキーを一度プッシュするだけでオンオフできるので楽ちん。この機能で普段はWebカメラをオフにしておけば、カメラを乗っ取るようなセキュリティリスクに対処できるというメリットもある。

自分の声や周囲の音を聞こえないようにしたいときは、F5キーを押すだけ
同じように、映像をオフにしたいときはF6キーをワンプッシュ

 それともう1つ、画面を上下反転させるショートカットキーも用意されている。Prestige 14 A11のディスプレイは180度まで開くことができ、対面のミーティングなどで相手に画面を見せやすい構造になっている。このときにワンタッチで画面を上下反転させれば、相手側から違和感なく画面を確認できるわけだ。見せ終わったあとはもう一度プッシュすれば元通り。切り替えは一瞬なので、相手とのやりとりに微妙な間が生まれてしまうこともない。

F12キーが画面の上下反転のショートカット
プレゼン資料を対面の相手に見せるときに便利

Windows 11へもしっかり対応、将来アップグレードする際も安心

「PC 正常性チェック」ツールではすべての要件をクリア。問題なくWindows 11に対応できそうだ

 最後、4つ目のポイントは、なんといっても2021年10月5日に登場した最新OS「Windows 11」にもスムーズに移行できること。Microsoftが提供している、Windows 11への対応状況を確認可能な「PC 正常性チェック」ツールでも、最も障壁になりそうなTPM 2.0を含めオールクリアの状態。

 視覚的にわかりやすくなったUI、ウィンドウスナップ機能の強化、Microsoft Teamsの統合など、生産性アップにつながる新機能が目白押しのWindows 11に向け、一切の懸念なく導入できるのも、Prestige 14 A11のメリットではないだろうか。

 なお、購入時のOSからの変更になるため、「アップグレードに伴うトラブルはサポート外になる場合がある」(MSI)とされており、注意点はあるものの、将来的にOSのアップグレードが可能なスペックを備えている部分は魅力だ。

クリエイティブ用途における、さらに4つの「決め手」GeForceに高速SSDを搭載、外部インターフェイスやネットワークも高速!

クリエイティブ用途における「決め手」とは

 ビジネス用途にも共通する使い勝手の良さは当然のこととして、パフォーマンスにもこだわりたいクリエイティブ用途では、ディスクリートGPUの「NVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q Design」を搭載していることが一番のポイントとなるだろう。

 NVIDIAのGPUのなかではエントリー~ミドルクラスに相当するGeforce GTX 1650 Max-Q Designではあるものの、CPU内蔵グラフィックスとは別格の、一段も二段も上のパフォーマンスを叩き出すことはご存じの通り。

 GPUをはじめ、Prestige 14 A11がクリエイティブ用途に優れる点をチェックしていこう。

本格的な写真編集も動画エンコードもGeForce GTX 1650 Max-Q Designで高速化

GPUにはNVIDIA GeForce GTX 1650 Max-Q Designを搭載する

 クリエイティブシーンでは、著名な写真・動画編集ソフトなどがGPUを活用し、CPUだけでは到底不可能な処理速度アップを実現していたりする。GPU性能の高さは、そのまま作業効率の高さに直結する時代になってきている。

 CPUのみで処理した際とどの程度差が出てくるのか、RAW現像ソフトの「DxO PhotoLab 4」と、レタッチソフトの「Adobe Photoshop」において、GPU処理の有無でパフォーマンスがどう変わるのかをテストしてみよう。

 「DxO PhotoLab 4」については、GPU処理に対応するノイズリダクション(DeepPRIME)を有効にした状態で、50枚のRAW画像を一括JPEG出力する時間を計測。一方の「Adobe Photoshop」は、GPU処理が有効とされている「ぼかし(レンズ)」フィルターを、6,000×4,000ドットのJPEGに対して10回繰り返す(1回ごとにアンドゥーしながら処理する)スクリプトを作成し、実行した。

「DxO PhotoLab 4」では50枚のRAWデータの現像処理を一括で行ないテスト。
「Adobe Photoshop」はスクリプトを組み高解像度データにフィルター処理を行った際の時間をテストした。

 結果は下記の通り、「DxO PhotoLab 4」では処理時間が5分の1に短縮するという驚異的な高速化を果たした。「Adobe Photoshop」も20%程度高速化。20%というとそこまで大きな違いはないように感じるかもしれないが、写真に対してこうした加工処理を結果的に何度も繰り返すのはよくあることで、トータルでは無視できない差になってくるはず。

「DxO PhotoLab 4」のRAWデータ現像の時間比較
「Adobe Photoshop」のフィルター処理時間の比較

 さらに、動画エンコードソフトの「AviUtl」で、動画ファイル(フルHD解像度/60fps/15分)のH265/HEVCエンコードにかかる時間も計測した。NVIDIAのGPU処理に対応する「NVEnc」プラグインを使用して出力したパターンと、CPU処理(「x265guiEx」プラグイン)のみで出力したパターンを比較している。結果はGPU処理がおよそ9倍高速ということになった。GPUの効果は絶大だ。

「AviUtl」でH265エンコードにかかる時間を計測
「AviUtl」のエンコード時間の比較

実測6.5GB/sのPCIe 4.0 SSD搭載で作業を高速化

 Prestige 14 A11はクリエイター向けをうたうだけに、PCの基礎的なIO性能もかなり高い。内蔵ストレージにはPCI Express 4.0対応のNVMe SSDを採用しており、以下の「CrystalDiskMark」によるベンチマークテスト結果にもある通り、シーケンシャルリードは6.5GB/sをあっさり超えた。

 ストレージの高速さはどんな作業を行うにも恩恵があるが、特に動画などを扱う際は恩恵を受けやすい。Prestige 14 A11はかなり高速なSSDが搭載されているので、クリエイター用途にも当然活躍してくれる。

PCI Express 4.0世代の高速SSDを搭載
「CrystalDiskMark」による内蔵NVMe SSDのベンチマーク結果

Thunderbolt搭載で大容量ファイルの転送も快適、高速な外付けストレージもガンガン使える

 インターフェースとしてThunderbolt(USB PD対応)対応のType-Cポートを2つ備えているところにも注目だ。最大40Gbpsの転送速度を誇るこのインターフェースで、高速な外部ストレージを利用できるほか、1本のケーブルでDisplayPort Alternate Modeによる外部モニターへの映像出力と、本体への給電も可能になる。

左側面にThunderboltポートを2つ装備
右側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-AポートとMicro SDカードスロットなどを備える

 Thunderbolt対応のデバイスが手元になかったので、代わりにUSB 3.2 Gen.2(10Gbps)対応の外部SSDを接続して「CrystalDiskMark」を走らせてみたところでは、シーケンシャルリード・ライトともに1GB/sを超える性能を見せた。外部ストレージを介した大容量データのやりとりもごく短時間で完了できるだろう。

USB Type-Cケーブル1本で外部モニターに映像出力しつつ、同時に本体に給電できる。もう1ポートで外部ストレージの接続も可能で使い勝手が良い。
「CrystalDiskMark」による外付けSSD(USB 3.2 Gen.2接続)のベンチマーク結果。本機に搭載されているThunderboltポートはUSBとの互換性もあり、高速なUSBポートとしても利用できる。

最新規格のWi-Fi対応で無線LANでもかなり高速!

 有線LANポートは搭載されていないが、Prestige 14 A11が備える無線LAN機能は、次世代のWi-Fi 6Eまでの対応が予定されており、今後しばらくはWi-Fiの進化にそのまま適応可能だ。日本ではまだ法的に認可が下りておらず、利用するには対応ルーターの登場を待つこととなるが、環境が整えば更なる高速通信が可能になる見込みだ。

 ひとまず、現在利用可能なWi-Fi 6(最大2402Mbps、2.5Gbps LAN、インターネット回線 5Gbps)の環境でインターネットの速度を計測してみたところ、実測で下り1Gbpsを超えてきた。これだけ出ていれば動画データや写真ファイルなどの大容量データのダウンロード/アップロードに十分な性能を発揮してくれるだろう。

Wi-Fi 6接続時のインターネット通信速度計測結果

 上記でも紹介したが、Prestige 14 A11には高速な接続ポートが用意されている。より高速な通信を実現したいなら、Thunderboltポートに2.5GbEや5GbEのUSB LANインターフェースを接続して使用することも可能だ。

ただ「性能が高い」だけじゃない、ユニークさもありコスパも高い「MSI Prestige 14 A11」

今回レビューしたMSI Prestige-14-A11SC-012JPにはスリーブケースが付属している。しっかりしたクッションが入っており、持ち運び時の破損の不安は少ない。なお、モデルにより付属の有無が異なり、キャンペーンで購入者へプレゼントを行っている時もあるとのこと。

 このようにPrestige 14 A11には、ビジネス用途で4つ、クリエイティブ用途で4つ、合わせて8つの「決め手」がある。ただ「性能が高い」とか「軽くて持ち運びしやすい」とかだけではない、Prestige 14 A11ならではのユニークな要素があり、いわゆるビジネスノートと呼ばれるPCとは違った味付けで、さまざまな側面からの業務効率アップ、生産性向上に期待できるモデルだ。

 MSI公式販売サイトでの販売価格は16万8,800円で、11月12日までは138,800円に大幅割引されて販売されており、このクラスのノートPCとしてはかなりお買い得感がある。テレワークで使っている今のノートPCに性能や使い勝手の面で不満を感じているなら、Prestige 14 A11の8つの「決め手」を改めて振り返ってみて、乗り換え候補の1つとして検討してみてはいかがだろうか。

[制作協力:MSI]