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残像感の無さに超鮮やかな発色、ウルトラワイドで没入感まで高めた有機ELゲーミングモニター「MSI MEG 342C QD-OLED」
量子ドット採用で広色域対応、65WのUSB給電も備えた多機能な一台 text by 久保 勇
2023年4月28日 00:05
MSIの「MEG 342C QD-OLED」は、34.18インチ/UWQHD(3,440×1,440ドット)の有機ELパネルを備えた最新型のゲーミングモニター。
21:9のウルトラワイドで没入感を高めつつ、175Hz/GTG 0.1msとゲーミング性能も抑えたモデル。残像感の無さと発色の良さは特筆すべきものがあり、色鮮やかで残像感のないゲーミングモニターが欲しい人にはかなりオススメな1台です。今回はこのモデルの機能と簡単な使用感をお伝えします。
34インチの大画面・有機EL・量子ドット・湾曲パネル・ウルトラワイドゲームを楽しくするポイントがてんこ盛りのゲーミングモニター
MSIのMEG 342C QD-OLEDは34インチ/UWQHD(3,440×1,440ドット)のゲーミングモニター。有機ELに量子ドットを組み合わせた「QD OLED」を採用する点が特徴で、残像感の無さと色の鮮やかさに優れた1台。
電源を入れて部屋の明るさにモニター側の明るさを合わせた時の第一印象は、色が鮮やかで白がちゃんと白い。発色が良いモニターが好きな人はかなり気に入るはず。階調表現も良く、解像感の荒さもなく好印象です。
本体サイズは814×293×463mmで、重量は9.3kg。電源は本体内蔵タイプで、台座は安定感を感じるしっかりとした重さを感じますが、パネル側は34インチというサイズからは軽いと感じる重量感。一人だと箱から出すのがちょっと大変なサイズですが、組み立ては一人で簡単に行えます。
有機ELは自発光タイプだけあって黒の表現が美しいのも特徴。コントラスト比は1,000,000:1で、ゲームはもちろん映画や写真などを鑑賞するのにもかなり適していそうです。
発色に関しては、sRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率99.3%、Adobe RGBカバー率97.8%と、量子ドットぎ銃を採用することで色再現性も良好。ただ鮮やかなだけではない点もこのモデルのポイント。
パネルの湾曲率は1800Rで、MSIの湾曲ゲーミングディスプレイの中では緩やかなカーブのモデル。緩やかといっても画面サイズが大きい分包まれる感じがあり、没入感を高めてくれます。また、画面端を確認する際に視線を動かす範囲が少なく済む点もメリット。パネルはハーフグレアタイプで映像が綺麗に見えるので個人的にはアリですが、映り込みの影響は大きく受けるので、その点は注意が必要です。
発色の良さと合わせMEG 342C QD-OLEDの非常にわかりやすい特徴が残像感の無さ。動いているものが凄く視認しやすいので、ゲームをした時に見やすいと感じる人が多いはず。今は無くなってしまったブラウン管を使ったCRTモニターに近いキレの良さ。
リフレッシュレートは175Hzで、応答速度は0.1ms(GTG)。残像感の無さに高リフレッシュレートが合わさるとかなり快適で、店頭デモ機やイベントなどで展示があれば是非一度体験してもらいたい良さがあります。初めて高リフレッシュレートのTNパネルを使ったゲーミングモニターに触れた時も残像の少なさに感動しましたが、それと同じくらいの衝撃を久々に感じました。
このほかにも、ナイトビジョン機能やアンチフリッカー機能などを備え、FreeSync Premiun Proにも対応。ハードウェアタイプのブルーライトカット機能「LESS BLUE LIGHT PRO」を備えるほか、DisplayHDR TRUE BLACK 400サポートと多くの機能を備えています。出荷時はクリエイター向けモデルと同じくしっかりとキャリブレーションが行われているので、その点も安心感があります。
4系統の入力に65WのUSB Type-C PDもサポートKVMスイッチも備えた上位機らしい仕様
インターフェイスはHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4a×1、USB Type-C×1(DP Alt mode)を備えており、どのポートでも3,440×1,440ドット/175Hzでの接続をサポート。HDMIはVRRサポートなので、対応機器と接続した際は可変リフレッシュレートでの駆動も可能です。
USBハブ機能も内蔵しており、USB 3.2 Gen2×4ポートが利用可能。PCと接続用のオーディオコンボジャックと、ヘッドホン出力×1とマイク入力×1も備えており、モニター側にアナログゲーミングヘッドセットを接続することも可能です。
USB Type-Cポートは65Wの給電にも対応しており、タブレットやノートPCを接続しての使用も可能。マウスやキーボードをMEG 342C QD-OLEDに接続しておけばドッキングステーション的にも使えます。
ノートPCを使っているユーザーには、USB Type-Cケーブル1本で映像も電源もOK、USBハブまで使えてしまというのはかなり便利なので、多くのモデルでサポートしてもらいたい機能です。
このほかにも複数台のPCを接続した際にキーボードやマウスを共有できる「KVMスイッチ」機能や、周囲の明るさを検知して自動で最適な輝度に調整する「Smart Brightness」機能、モニター側に搭載されているマイクを使ったノイズキャンセリング機能の「Sound Tune」などの便利機能も備えています。マウスバンジーも付属しており、本体左右の好きな方につけることができます。
設定は本体のスイッチを操作して直接変えられるほかに、専用ユーティリティ上からも変更可能(要USB接続)。どちらも設定できる項目に制限などは無いので、好きな方から変更できます。
本体パネルの下部にはRGBライトバーが搭載されており、ユーティリティの「Gaming Intelligence」内にある「Mystic Light」の項目からオンオフやイルミネーションパターンなどが変更可能。画面上の映像に合わせて発光パターンが変わるGlow Sync機能も備えています。
台座は高さと上下角度が調整可能、パネル側はVESA対応
台座は高さ調整のほか、-5°~20°の範囲で角度の調整も可能。ケーブルを整理して通すための穴も用意されており、複数台の機器を接続してもケーブルが邪魔にならないようにまとめることができます。
パネル側にはVESA用の穴が用意されており、アームなどに接続する際に使用するスペーサーが付属しています。
高い没入感に高彩度の鮮やかな発色、しかも残像感も無しのまさにゲーム・エンタメ向けモデル
発色が良く残像感の無さをメリットとしてすでに紹介していますが、MEG 342C QD-OLEDをゲームで使うとまさにゲーミングモニターだ!といった良さが感じられます。有機ELパネル故の難点があるので完全無欠とはいきませんが、予算が許すなら使いたくなること間違いなし、性能を体感してしまうとかなり欲しくなります。
今回はモンスターハンターライズ:サンブレイクとエーペックスレジェンズでテストしてみましたが、モンスターハンターライズ:サンブレイクで顕著に感じたのは、これまで良く見えていなかったものが良く見える、景色がめっちゃ綺麗!といった2点。
残像感が無いので動いている際もいろいろな物が目で追えるので、その分早く反応したり気付くことができたり、残像感の無さが見やすさにも繋がるので、負担も少なく感じます。
アクションシーンは見やすく、景色は何を見ても美しい、ウルトラワイドで没入感もありと、有機ELのゲーミングモニター最高すぎる!といった良いとこだらけ。彩度が高すぎると感じる場合は好みに合わせて少し調整した方が良いかもしれませんが、エンタメ向けなゲームには感じが凄く良いです。
応答速度が速く残像感も少ないのであればFPSにも向いているはず。ということで、エーペックスレジェンズも遊んでみましたが、多分このモニターを使うだけでうまくなる人もいるはずで、それくらいの効果を感じます。
自分が移動している最中もブレが少なく目で追えるものが増えるので、視認性が一気に高まります。
FPSは見えることが強さにも繋がるので、勝つために投資できるならMEG 342C QD-OLEDは良い選択になりそうです。残像が少ない分酔いにくくもあり、ストレスも少なく快適。アンチフリッカーやFreeSyncなども利用できるので、パネルの良さと合わさってよりゲームが快適に遊べます。
勝率重視の人は超高リフレッシュレートの液晶が良いのか、応答速度が速く残像感のない有機ELが良いのか、購入時は自分にどちらが合うのかしっかり選んだ方が良さそうです。
有機ELの弱点をカバーする保護機能も搭載、ユーザー側もなるべく長く使えるように運用を工夫しよう
発色の良さに残像感のない表示、自発光なので黒がしっかりと黒として表示できたりと、良いとこだらけの有機ELなのですが、いくつか弱点もあります。
一つは焼き付きで、同じ画像や色などを表示していると跡が残り消えなくなります。もう一つは寿命で、LEDバックライトの液晶ゲーミングモニターなどと比べると輝度の低下スピードなどが速いので、寿命が短かったりします。
こうした有機ELの弱点をなるべくカバーするため、MEG 342C QD-OLEDはいくつか対策機能が盛り込まれており、MSI OLED CARE機能として利用可能です。
焼き付きを防止するため、多くの有機ELパネル採用製品は画像をわずかに揺らせて表示するピクセルシフト機能を備えていますが、MEG 342C QD-OLEDにも搭載されています。オフにはできないものの3段階で調整可能。効果を強くすると焼き付きのリスクは減りますが、その分ぼやけたような表示になるため、見やすさや綺麗さとトレードオフの関係になります。
静止画面検出機能も輝度などが変わってしまうデメリットはありますが、長く使うのであれば有効活用したいところ。こちらの機能はオフにもできるので割り切って使うのもありです。
ピクセルシフトや静止画面検出機能は許容できる個人差に幅があると思うので、好みに合わせて設定してみてください。
本体が備えている保護機能以外にもユーザー側が工夫することでなるべく焼き付きなどのリスクを低減する方法はあります。CRTモニターが市場から消えて久しく使わなくなったスクリーンセイバーを活用したり、ディスプレイの電源がこまめに切れる設定にしたり、タスクバーが自動で隠れる設定にしたり、デスクトップアイコンは非表示にして、壁紙もスライドショーにして同じ画面が表示され続ける状況を回避したり……対策をとるに越したことはありません。
液晶パネルと違い、運用を工夫しないとリスクがある部分が有機ELの弱点だったりしますが、このあたりのケアをしつつ運用できるの出れば、発色の良さや残像感の無さなど大きなメリットが享受できます。良い製品だけに購入したら大事に使っていきたいところです。
最高の環境でゲームを楽しみたいユーザーにオススメできる1台発色の良さに残像感の無さはゲームを遊んでいてかなり楽しい!
MSI MEG 342C QD-OLEDの安値店での販売価格は約17万円。安価なモデルでは無いものの、導入コストがある程度かかっても実際にその価値が体感できるゲーミングモニターが欲しいユーザーにはかなりオススメできるモデルです。
発色がかなり鮮やか、残像感が無くゲーム中の視認性が高い、明暗の表現も美しく、ゲームを遊んでいて楽しさを底上げしてくれるゲーミングモニターです。一度ゲームで使うと良さが嫌というほどわかる違いがあるので、久々にいい経験ができました。ウルトラワイドの比率と解像度が好みであれば、MEG 342C QD-OLEDは良い選択肢になるはず。
MEG 342C QD-OLEDの使用感がかなり良かったので、より湾曲したモデルや、16:9の通常比率のモデルなど、バリエーションモデルがMSIから登場することにも期待したいところです。
[制作協力:MSI]