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本格水冷の雄が放つハイエンド簡易水冷クーラー「EKWB EK-Nucleus AIO CR360 Dark」【CPUクーラーマニアックス】
DOS/V POWER REPORT 2023年夏号の記事を丸ごと掲載!
2024年1月16日 13:03
本格水冷の雄が放つハイエンド簡易水冷クーラー
型番 | ラジエータ | ファン | 実売価格 |
---|---|---|---|
EK-Nucleus AIO CR360 Dark | 36cm | 12cm角×3 | 30,000円前後 |
EK-Nucleus AIO CR240 Dark | 24cm | 12cm角×2 | 22,000円前後 |
CONCEPT:本格水冷メーカーのノウハウが光る
本格水冷において世界トップレベルの知名度を誇るEKWBから、簡易水冷クーラーの新製品がリリースされた。同社からは2020年にも簡易水冷クーラーがリリースされているが、今回はブラック/ホワイトの色違いやLEDの有無、ラジエータサイズの違いなど合計6製品が国内投入される。本格水冷では品質やパフォーマンスの面で高い評価を受ける同社だが、最新の簡易水冷クーラーの出来がどうなのかをチェックしていこう。今回はLEDが搭載されていない36cmクラスの「EK-Nucleus AIO CR360 Dark」を検証した。
「EK-Nucleus AIO Dark」はLEDを一切搭載していない上に、すべてのパーツが黒で統一されている質実剛健な外観だ。ヘッド部分のEKロゴ以外はほぼ真っ黒でまとめられており、シンプルな外観を好むユーザーからは評価されそうだ。
水冷ヘッド部分はロゴの向きを回転調整可能としている。チューブが接続されたフィッティング部分は、本格水冷メーカーだけあり堅牢な作り。耐久性が期待できる。ポンプの回転数は3,100rpmとなっている。
ラジエータのサイズは400× 124× 27mmと、一般的な簡易水冷クーラーと同等。厚みも標準的なので、ファンを取り付けてもマザーボードとの干渉は起きにくそうだ。
付属ファンは「EK-Loop Fan FPT 120」という12cm角ファンで、デイジーチェーン接続に対応している。なおARGB LED搭載モデルはデイジーチェーンには非対応とのことだ。回転域は550 ~ 2,300rpmと高回転寄りだが、最大風量は72cfmと回転数のわりに控えめ。しかし、ラジエータとの隙間をなくし密着する構造となっているようで、 静圧が2.7mmH20と高く、ラジエータ向けにチューニングされているようだ。それもあってか、一般的な12cm角ファンよりも2mmほど厚い27mm厚となっている。
対応プラットフォームでは最新のLGA1700やAM5に対応。リテンションキットはバックプレートが金属製となっており、強く締め込んだ際でもマザーボードの反りを抑制可能。こういった部分の作り込みは本格水冷メーカーらしさを感じさせる。
全体的に作り込みがしっかりとしており、パフォーマンスだけでなく質感や強度も考えられているのは高評価だ。
FAN:独自構造に注目。風を逃がさず冷却効率UP!!
本格水冷メーカーらしく、ラジエータ用に特化した独自設計のファンを採用。「EK-Loop Fan FPT 120 Black」が3基付属する。回転域は500 ~ 2,300rpmとなっており、最大風量が72cfm、最大静圧が2.7mmH20という仕様だ。最大騒音値は36dB。ラジエータとピッタリ接触し、フレームから風を逃がさないようにデザインされているようで、まさに水冷スペシャルとも言える逸品だ。軸受けはFDBで静音性と耐久性にも配慮。デイジーチェーン接続に対応しケーブルマネジメントが容易に行なえる。
BENCHMARK TEST
36cmクラス最高峰の冷却性能を発揮!
36cmクラスの人気製品であるDeepCool LS720を用いて比較検証を行なった。CINEBENCH R23を10分間連続で実行するとCPU温度は最大で71℃まで上昇。比較対象よりも1℃低い温度を記録しており、36cmクラスでは最高峰と言える冷却力だ。このクラスではAsetekのOEM製品が強力だが、独設計でこれに太刀打ちできるメーカーが増えたのは素晴らしい。
FF14ベンチの温度はピークこそ同じだったが、おおむね50℃以下で安定していたのでベースプレートのバッファ性能が高いのかもしれない。動作音においてはLS720よりも50rpm高い回転数がアダとなってかわずかに大きかった。ただし、耳で聞いた感じでは同等の印象だ。
高品質かつ高性能 素晴らしい製品だが課題も
- 独自設計水冷ヘッドで高い性能
- 高静圧かつデイジーチェーンのファン
- 金属製で堅牢なバックプレート
AsetekのOEM品が猛威を振るう簡易水冷カテゴリーにおいて、独自設計で太刀打ちできる製品が増えたのは喜ばしい。ラジエータに特化した独自設計のファンだけでなく、水冷ヘッド内部のマイクロフィンの構造やポンプの性能が大きく寄与していそうだ。オールブラックのシックな外観や質感の高さはハイエンドユーザーも満足できるだろう。ただ、付属工具の精度が悪くスタッドが抜けにくかったり、36cmクラスとしては高価な点など課題も多い。
CPU | Intel Core i7-12700K(12コア20スレッド) |
マザーボード | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4(Intel Z690) |
メモリ | Micron Crucial CT2K8G4DFS832A(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2) |
ビデオカード | MSI GeForce RTX 3060 Ti GAMING X TRIO(NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti) |
SSD | Western Digital WD Blue SN570 NVMe WDS500G3B0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB] |
電源 | MSI MPG A850GF(850W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 11 Pro |
グリス | 親和産業 OC Master SMZ-01R |
室温 | 25℃ |
暗騒音 | 30dB以下 |
アイドル時 | OS起動10分後の値 |
高負荷時 | CINEBENCH R23 Multi Coreを10分間連続実行した際の最大値 |
CPU温度 | HWiNFOのCPU Packageの値 |
そのほかの温度 | HWiNFOの値 |
動作音測定距離 | ファンから20cm |
[TEXT:清水貴裕]
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