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ニューカマー続々! 買い時到来!!ATX 3.0電源オールカタログ

DOS/V POWER REPORT 2023年秋号の記事を丸ごと掲載!

 今電源を買い換えるなら、将来も見据えたATX 3.0電源がオススメ。当初は大出力で高価なモデル中心だったが、最近は750Wで2万円前後のメインストリーム向けと言えるモデルも増えている。

 そんなATX 3.0電源を一挙紹介しよう。

ADATA Technology XPG FUSION 1600 TITANIUM 実売価格:100,000円前後

最新技術を集約! Deltaとのコラボ電源
ファン:13.5cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、EPS12V×2、Serial ATA×12、ペリフェラル×4、12VHPWR×2、PCI Express 6+2ピン×10
平面トランスやGaN FETを搭載

 古株の自作PCユーザーにはおなじみ、工業向け電源などで大きなシェアを誇るDelta Electronicsと共同開発したフラグシップ電源だ。平面トランスやGaN FETなど最新技術を採用。最大出力1,600Wで80PLUS TitaniumおよびCybenetics Titanium認証を取得するなど、スペックはきわめて高い。12VHPWRを2系統備えるのも特徴で、ゲーミングエンスージアストだけでなく、AIアクセラレーションやGPGPU科学演算用途でも使える製品と言えるだろう。

型番出力奥行き実売価格
XPG FUSION 1600 TITANIUM1,600W21cm100,000円前後

Antec NeoECO Gold NE1300G M ATX 3.0 実売価格:33,000円前後

ついにNeoECOにも1,000W超モデルが登場
ファン:12cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×12、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×4

 NeoECOと言えばコスパに優れる定番シリーズだが、こちらも時代に合わせて大出力モデルをラインナップ。長寿命の日本メーカー製コンデンサを採用するとともに、サーバー級のLLC回路設計「PhaseWaveデザイン」を採用し、高効率な電源供給と安定性を実現していると言う。ファンは12cm角サイズでFDB軸を採用。準ファンレス機能も備えている。

型番出力奥行き実売価格
NeoECO Gold NE1300G M ATX 3.01,300W14cm33,000円前後
NeoECO Gold NE1000G M ATX 3.01,000W14cm26,000円前後
NeoECO Gold NE850G M ATX 3.0850W14cm22,000円前後

ASUSTeK Computer ROG-THOR-1600T-GAMING 実売価格:88,000円前後

GaN時代の高効率&Lambda A++の静音電源
ファン:13.5cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×12、ペリフェラル×6、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×10
各種ステータスをLCDでモニタリング可能

 ASUSTeKの電源の中でもフラグシップとなるTHOR。80PLUS、Cybenetics ETAともにTitanium認証を取得している。窒化ガリウム(GaN)MOSFETを採用しスイッチングの損失を抑え、デジタルコントローラで制御することで負荷変動にも素早く対応する。PWM制御の13.5cm角ファンを採用し準ファンレンス機能も備えている。内部には大型ヒートシンクを採用することで高い静音性と冷却性能を実現。静音性ではCybenetics Lambda A++認証を取得するほど。

型番出力奥行き実売価格
ROG-THOR-1600T-GAMING1,600W19cm88,000円前後

ASUSTeK Computer TUF-GAMING-1200G 実売価格:37,000円前後

安心&高耐久のTUFブランド電源
ファン:13.5cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×5、ペリフェラル×4、12VHPWR×2、PCI Express 8ピン×3

 コスパと信頼性重視のTUFブランドから登場したATX3.0電源。750 ~ 1,200Wの出力帯をカバーし幅広いニーズに応える。奥行きは15cmと比較的コンパクト。ケーブルにはエッチング加工を施し、スリーブケーブル風の見た目に仕上げている。ファンは風圧重視の同社Axial-tech技術を採用し、軸受けは耐久性重視の2ボールベアリングを採用。PCBにコーティングも施し、湿度やホコリなどのトラブルを予防。“タフ”の名に恥じないものとなっている。

型番出力奥行き実売価格
TUF-GAMING-1200G1,200W15cm37,000円前後
TUF-GAMING-1000G1,000W15cm27,000円前後
TUF-GAMING-850G850W15cm22,000円前後
TUF-GAMING-750G750W15cm18,000円前後

Cooler Master Technology V850 Gold i Multi 実売価格:31,000円前後

Vシリーズ新モデルはステータス監視に対応
ファン:13.5cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×1、EPS12V×1、Serial ATA×12、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×3

 同社のベストセラー電源「Vシリーズ」最新モデル。高機能モデルの位置付けで、専用ケーブルで電源本体とマザーボードのUSB端子を接続するとステータス監視が可能になる。監視できるのはファン速度、温度、負荷状況などで、リアルタイムモニタリングのほか長期間記録を集積し続けることもできると言う。ファンは13.5cm角でFDB軸のものを採用している。

型番出力奥行き実売価格
V850 Gold i Multi850W16cm31,000円前後
V750 Gold i Multi750W16cm30,000円前後

Corsair Gaming RM1200x SHIFT 実売価格:29,000円前後

側面コネクタがユニークなRMの分家シリーズ
ファン:14cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×16、ペリフェラル×8、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×8
側面端子でスペースに余裕あり

 プラグイン端子を電源本体側面に配置したユニークなモデル。対応ケースで使用する必要があるものの、裏面配線時のケーブル根元の曲げ負担を軽減、ケース内空間にも余裕が生まれる。ファンは14cm角でFDB軸とし、準ファンレス機能も搭載。コンデンサも日本メーカー製を採用し、10年間保証も付与される。RMシリーズの特徴を継承しつつ、ユニークな新機能を盛り込んだ製品だ。

型番出力奥行き実売価格
RM1200x SHIFT1,200W18cm29,000円前後
RM1000x SHIFT1,000W18cm24,000円前後
RM850x SHIFT850W16cm20,000円前後

Corsair Gaming RM1000e ATX 3.0 実売価格:23,000円前後

“低価格”RMeシリーズの12VHPWRバンドル版
ファン:12cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×7、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×3

 発売済みのRMeシリーズでは別売りだったPCI Express用コネクタ×2→12VHPWRの変換ケーブルをバンドルしたモデル。RMシリーズの特徴である80PLUS Gold認証、フルプラグイン、準ファンレス機能といった機能を維持しつつ、奥行きは15cmとコンパクトに、価格も抑えたシリーズだ。ただし、上位モデルと異なり、製品保証期間は7年と若干短く設定されている。RMシリーズの血統を受け継ぎつつもコストを抑えたモデルという位置付けになる。

型番出力奥行き実売価格
RM1000e ATX 3.01,000W15cm23,000円前後
RM850e ATX 3.0850W15cm19,000円前後
RM750e ATX 3.0750W15cm16,000円前後

FSP Group Hydro GT PRO ATX3.0(PCIe5.0) 1000W 実売価格:22,000円前後

大出力でも価格を抑えたセミプラグイン
ファン:12cm角×1( 底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×10、ペリフェラル×2、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×4

 12VHPWR対応の大出力電源ではめずらしいセミプラグインモデル。直付けのケーブルもプラグインケーブルもフラットタイプで配線しやすい。ファンは準ファンレンス機能搭載の12cm角モデルで、スイッチでON/OFFを切り換えることができる。1次側に日本メーカー製105℃品コンデンサを採用するなど、主要部品の品質を高めつつ価格とのバランスを取っている。

型番出力奥行き実売価格
Hydro GT PRO ATX3.0(PCIe5.0)1000W1,000W15cm22,000円前後
Hydro GT PRO ATX3.0(PCIe5.0) 850W850W15cm19,000円前後

Micro-Star International MEG Ai1300P PCIE5 実売価格:50,000円前後

ステータス監視もできるフラグシップ電源
ファン:12cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×1、EPS12V×1、Serial ATA×16、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×8、FDD×1

 MSIの電源ラインナップでも最大出力、最上位の製品。コネクタの種類も豊富で、12VHPWR×1のほか従来の6+2ピンも8基利用できることから、移行期に活躍する製品だ。電源とマザーボード上のUSBピンヘッダを専用ケーブルで接続すれば、同社のシステム管理アプリであるMSI Centerからステータス監視や制御ができる。主要なケーブルはスリーブ処理することでケーブルの取り回しも容易、露出する部分の見栄えもよくできる。

型番出力奥行き実売価格
MEG Ai1300P PCIE51,300W16cm50,000円前後

Micro-Star International MAG A850GL PCIE5 実売価格:18,000円前後

黄色い12VHPWR端子が半挿しを予防!
ファン:12cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×8、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×4、FDD×1

 根本までしっかり挿すのが重要とされる12VHPWR。本製品はコネクタの色を目立つ黄色とし、挿し込み具合を分かりやすく目視できる安心設計が特徴だ。12VHPWRの出力は850Wモデルでは600W、750Wモデルでは450Wとされている。奥行きは14cmとコンパクト。ファンは12cm角でFDB軸。準ファンレス機能には対応しないが、ATX 3.0電源としてはかなり安く抑えられた価格も魅力。自作PC初心者からコスト要求の高いユーザーまで幅広いニーズに応える。

型番出力奥行き実売価格
MAG A850GL PCIE5850W14cm18,000円前後
MAG A750GL PCIE5750W14cm15,000円前後

Super Flower Computer LEADEX Ⅶ GOLD 1300W WT 実売価格:37,000円前後

ホワイトモデルもうれしい高信頼モデル
ファン:14cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×12、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×4

 LEADEX Goldシリーズの最新モデル。80PLUSはGold認証だが、CybeneticsのETA Platinum認証も取得している。ファンは14cm角で準ファンレス機能とそのON/OFFに対応。動作音という点ではCybeneticsのLambda A認証も取得しており、静かな電源を求める方に最適だ。12VHPWR対応に関しては、本体側にネイティブコネクタは設けず、従来どおり信頼性の高い8ピン×2から変換する設計だ。850W、1,300Wモデルはホワイトカラーも用意している。

型番出力奥行き実売価格
LEADEX Ⅶ GOLD 1300W WT1,300W15cm37,000円前後
LEADEX Ⅶ GOLD 1000W1,000W15cm27,000円前後
LEADEX Ⅶ GOLD 850W WT850W15cm25,000円前後
LEADEX Ⅶ GOLD 850W850W15cm25,000円前後

Thermaltake Technology TOUGHPOWER GF3 1650W PCI Gen5.0 GOLD 実売価格:45,000円前後

幅広いラインナップで各種ニーズに応える
ファン:14cm(1,200Wモデル以下は13.5cm)角×1( 底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×16、ペリフェラル×8、12VHPWR×2、PCI Express 6+2ピン×9、FDD×1
1,650Wモデルは12VHPW R×2基

 ATX 3.0電源の中でも最初期に登場したのが本製品。同社定番の「TOUGHPOWER GF」シリーズで、850 ~ 1,650Wまで5モデルという充実のラインナップは各セグメントのGPU、CPUの組み合わせをカバーする。ファンは14cm角でFDB軸を採用。1,350W以下のモデルでは13.5cm角ファンの採用だが、その分奥行きが2cm短くなっている。背面には準ファンレス機能のON/OFFスイッチを備える。

型番出力奥行き実売価格
TOUGHPOWER GF3 1650W PCI Gen5.0 GOLD1,650W18cm45,000円前後
TOUGHPOWER GF3 1350W PCI Gen5.0 GOLD1,350W16cm42,000円前後
TOUGHPOWER GF3 1200W PCI Gen5.0 GOLD1,200W16cm35,000円前後
TOUGHPOWER GF3 1000W PCI Gen5.0 GOLD1,000W16cm30,000円前後
TOUGHPOWER GF3 850W PCI Gen5.0 GOLD850W16cm28,000円前後

玄人志向 KRPW-PK1000W/92+ 実売価格:22,000円前後

1,000W帯でも圧倒的低価格、一つ上の高効率
ファン:13.5cm角×1(底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×14、ペリフェラル×3、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×6
特徴が一目で分かるパッケージの配慮も◎

 コスパに定評ある玄人志向だが、それはATX 3.0世代でも変わらない。本製品は最大出力1,000W、80PLUS Platinum認証、フルプラグインで2万円台前半の価格を実現している。他社の80PLUG Gold認証1,000W、セミプラグインモデルでもかなわない圧倒的な安さだ。しかも13.5cm角ファンは準ファンレス機能も備え、105℃品の日本メーカー製電解コンデンサを使用とスペックも盤石。製品保証期間も5年と同社としては長く、安心して利用できる製品だ。

型番出力奥行き実売価格
KRPW-PK1000W/92+1,000W16cm22,000円前後

ASUSTeK Computer ROG-LOKI-1000P-SFX-L-GAMING 実売価格:40,000円前後

ゲーミングPCなら小型でもROG
ファン:12cm角×1( 底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA ×6、ペリフェラル×4、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×3
SFXでもRGB LEDが楽しめる

 奥行き12.5cmのSFX-Lサイズで12VHPWRに対応。出力1,000Wモデルまでラインナップし、アッパーミドル以上のGPUを小型のケースに組み込みたいという方に最適だ。ファンは12cm角サイズでPWM制御の同社Axial-Tech仕様で準ファンレス機能も備える。小型ながらROGデザインのヒートシンクを備え、変換効率では80PLUS Platinum認証を取得し内部の温度上昇を抑えている。

型番出力奥行き実売価格
ROG-LOKI-1000P-SFX-L-GAMING1,000W12.5cm40,000円前後
ROG-LOKI-850P-SFX-L-GAMING850W12.5cm37,000円前後
ROG-LOKI-750P-SFX-L-GAMING750W12.5cm27,000円前後

FSP Group DAGGER PRO ATX3.0(PCIe5.0)850W 実売価格:23,000円前後

SFX電源でも際立つFSPの高コスパ
ファン:9cm角×1( 底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×6 、ペリフェラル×2、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×4

 SFXの標準サイズである奥行き10cmで850Wを実現。12VHPWRは600Wを供給可能で、小型PCでもハイエンドGPUを運用可能とする製品だ。変換効率はコスト的にもちょうどよい80PLUS Gold認証。FSPらしく「MIA IC」チップセットによって基板上の電源回路を簡略化し、ノイズ低減、コストも抑えると言う。ファンは9cm角で軸受けにはボールベアリングを使用。負荷20%以下、温度25℃以下とやや厳しい条件だが準ファンレス機能も備えている。

型番出力奥行き実売価格
DAGGER PRO ATX3.0(PCIe5.0) 850W850W10cm23,000円前後

SilverStone Technology Extreme 850R Platinum SST-EX850R-PM 実売価格:35,000円前後

小型PCを安定運用するための各種機能を搭載
ファン:9cm角×1( 底面)●電源コネクタ:ATX20/24ピン×1、ATX/EPS12V×2、Serial ATA×8、ペリフェラル×3、12VHPWR×1、PCI Express 6+2ピン×2、FDD×1

 SFXの標準サイズである奥行き10cmで850W。ハイエンドGPUにも十分に供給できる出力を実現している。80PLUS認証は得ていないがCybeneticsのETAPlatinum認証を取得し高効率。ファンは9cm角だがFDBを採用し準ファンレス機能も備える。シャットオフ遅延機能も備え、電源OFF直後もしばらく冷却を行なう。50℃動作温度での連続出力が可能とのことで、熱がこもりやすい小型PCでも安心の設計がウリだ。

型番出力奥行き実売価格
Extreme 850R Platinum SST-EX850R-PM850W10cm35,000円前後

[TEXT:石川ひさよし]

最終号「DOS/V POWER REPORT 2024年冬号」は絶賛発売中!

 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年秋号」の記事をまるごと掲載しています。

 なお、33年の長きにわたり刊行を続けてきたDOS/V POWER REPORTは、現在発売中の「2024年冬号」が最終号となります。年末恒例の「PCパーツ100選 2024」や「自作PC史&歴代パーツ名鑑」など、内容盛り沢山!是非ご覧ください!