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最速入力に比類なきキレのよさ、世界に誇る国産キーボード 東プレ「REALFORCE GX1」【PC PARTS SCRAMBLE キーボード編】

DOS/V POWER REPORT 2023年秋号の記事を丸ごと掲載!

 国産メーカーである東プレのREALFORCEと言えばキーボードの中でも最高峰の品質を誇る製品。このREALFORCE最大の特徴は入力スイッチに「静電容量無接点方式」を採用している点だ。電極などの物理接点がないため耐久性に非常に優れている。

 今回紹介するのはそんなREALFORCEシリーズ初のゲーミングモデルとしてリリースされた最新モデル「REALFORCE GX1 KEYBOARD」だ。

最速入力に比類なきキレのよさ 世界に誇る国産キーボード

東プレ REALFORCE GX1 KEYBOARD / X1UC11 実売価格:33,000円前後
本体サイズ(W×D×H):365×143.1×38.2mm●重量:1,300g(ケーブルを除く)

こんなユーザーにオススメ

・キーの入力速度を自分で調整したい
・静音でソフトな打ち心地が好み
・高品質で個体差が小さく安定して使用できるキーボードが欲しい

LEDの発光は控えめでデザインもシック。使う環境を選ばない
キーピッチは19mm、キーストロークは4mmと一般的な数値となっている。
押し心地はメカニカル方式のタクタイルスイッチに近く、底打ちした際にゴムラバーが接触したような「グニッ」とした感覚があるものの、ゴムラバーのようなグラつきはない
裏面には大きくREALFORCEの文字が彫られており、下側には机に貼り付くようなグリップ力の高いソールが貼られている

 静電容量無接点方式スイッチは、基板とスイッチ部品の電極同士が接近する際に発生する静電容量の変化をとらえて入力をするため、個体ごとの入力誤差が出にくく信頼性が高い。ATMなどにも採用されるほどだ。また、物理接点がないので耐久性にも優れる。

ケーブルは着脱できず筐体中央上部から伸びている。長さは1.6mなのでPC配置によってはギリギリになってしまうかもしれない
ゲーミングモデルらしくLEDも搭載。消灯することも可能なほか、さまざまなカラーと発光パターンを切り換えることができる
本体重量は1.3kgとなかなり重量があり、裏面のグリップがしっかり効いた状態なら角を指で軽く押しても動く様子はなく安定している

 本製品はアクチュエーションポイント(以下AP)を自在に変更することができる。これまでは既定の3パターンから選ぶだけだったが、本製品からは0.1 ~ 3.0mmの間を0.1mm間隔で好みに設定することができる。一般的なゲーミングキーボードの設定範囲が1.2 ~ 2.0mm程度なのと比べると0.1mmに設定できる本製品は最速で入力可能と言っても過言ではない。

 さらに、本製品には「Dynamic Mode」というモードがあり、押し込み中のAPを設定することができる。通常はAPを過ぎた後、そのポイントより浅くならない限り入力が続くが、上記のモードではそのポイントを変更することができる。

 たとえばAPを1.0mm、Dynamic ModeのAPを「OFFまでの距離を-0.2mm、ONまでの距離を0.2mm」に設定したとする。3.0mmまで押し込んだとして、そこから指を0.2mm浮かすと入力が止まり、さらにまた0.2mm押し込むと入力が再開する、という挙動になる。このためメカニカルスイッチに比べ入力のON/OFFをきわめて速く行なうことができ、FPSで使われるストッピング入力やベストタイミングでキー入力を止めたい場面では非常に優秀な結果をもたらしてくれる。

一般モデルのREALFORCEにはキーキャップの互換性がないが、ゲーミングモデルにはスイッチ中央に十字のはめ込みがあるので好きなキーに交換できる

 実際にAPを0.2mmと0.8mmの2パターン(Dynamic Mode APは±0.2mm固定)という少々ピーキーな設定で試したところ、体感で分かるほど入力が速く、少し指に力を入れただけで入力されてしまうほど。逆に言えば誤入力もしやすいため慣れは必要だが、キャラクターコントロールや立ち位置がシビアなゲームにおいては確実に優位に立てるのは間違いないだろう。

公式Webサイトよりソフトウェアをダウンロードすることにより各種設定を行なえ、マウスなどのREAL FORCE製品も一括で管理できる
APやDynamic Modeの設定を行なえるが、初めは四つあるプリセットの中から選んで使ってみるとよいだろう
マクロはキーボード上の操作のみで組むことができ、キーの割り当ても変更可能
APとDynamic Modeの設定では0.1mm間隔で細かく設定可能

[TEXT:濱田 岬]

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 今回は、DOS/V POWER REPORT「2023年秋号」の記事をまるごと掲載しています。

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