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ASUSのメディアプレイヤー「O!Play Mini Plus」を使ってみる、スマホやSNSとも連動
家族でワイワイ楽しめるプレイヤー Text by 石川ひさよし
(2013/4/23 00:00)
メディアプレーヤーは、その名の通りPC内の動画、静止画、音楽といったメディアデータを、テレビなどに表示して楽しめるSTB(セットトップボックス)だ。
秋葉原でも時折見かける製品だが、いざ興味を持って探してみても、中韓メーカー製が大半で、「日本語表記は?」「製品サポートは?」といった点がよく分からず、一般の方からすると手を出しづらいといった印象もあるのではないだろうか。
そんなメディアプレーヤーだが、今回紹介するのは、PCパーツやノートPC、さらにはNexus 7でもお馴染みのASUSTeKの製品「O!Play Mini Plus」。
おおむね10,000円ちょっとで販売されているこの製品だが、「ただの箱」なデザインではなく、テレビの横に置いても違和感がない、といった点も同社らしい。また、最近発売された製品ならではの機能として、スマートフォンやSNSとの連携もでき、そうした点でも新鮮だ。
では、まずは外観から紹介していこう。
「箱」ではないスタイリッシュなデザイン
添付マニュアルは英語と中国語…とあるが日本語はない。しかし、今後、日本語マニュアルについても対応するとのこと。それを待てないという方は、ASUSのWebサイトから日本語マニュアル(PDF版)をダウンロードできる。
セットアップは、GbEの有線LANかIEEE802.11b/g/n無線LANで自宅のルータに繋ぐだけだ。
ルータがDHCPに対応していない場合は、本体設定メニューからIPアドレスを指定する必要がある。無線LANであれば、アドホック接続にも対応している。PC内のメディアデータを再生するには、まずPC側に共有フォルダを作成し、そこにデータを置く。
DLNAにも対応しているので、PlayStation3などのゲーム機や、HDDレコーダーとも連動できる。ほか、インストールDVDに収録された専用ソフト「O!Direct PC Utility」をPC側にインストールしておくとさらに便利に利用できる。
再生可能なファイル形式は、まずビデオがMPEG1/2/4、RM、VC-1、H.264。AVIやMPGはもちろん、MP4やFLV、WMV、MKV、M2TS、VOB、ISOなどのファイル形式をサポートしている。
画像はJPEG、BMP、PNG、GIF、TIFF、オーディオはMP3、WAV、AAC、OGG、FLAC、AIFFなど。AC3やDTS、True HDなどにも対応している。こうした対応フォーマットを見ても、現在のメディアプレーヤーとしての基本機能を備えていると言える。
PCと連動させるとより快適なO!Play
操作の基本はリモコンだ。比較的高性能なCPUを使っているのか、メニューの表示レスポンスはひと世代前の怪しげなメーカーのものよりだいぶ速く、UIも整理されていて分かりやすい。
よく考えれば、ASUSTeKは、PC製品やAndroid製品などでボードの開発もソフトウェア開発も行なっており、十分なノウハウがあるわけだ。UIデザインも同様、安価な製品のように中途半端に終わっているなんてことは無い。そして、ファームウェアのアップデートもおよそ3ヶ月に1回のペースで、バグフィックスや機能拡張が行われており。そのアップデート作業も、それこそマザーボードのBIOSアップデートのように、オンラインやUSBメモリによって行えるので、難しさを感じない。こうした点は、メディアプレーヤーを選ぶ上で、重要なポイントになると思う。
また、O!Play Mini Plusの便利なところは、PC側にインストールした「O!Direct PC Utility」を使うことで、リモコン操作をせずとも再生ファイルを選択できる点だ。つまり、リモコンを使わずとも操作できるわけで、さらに言えば、PC上でサムネイル表示やステータスバー上の情報などからある程度ファイルの内容を把握、あるいはプレビューによって内容を確認した上で、O!Play Mini Plusで再生させることができる。
スマホからダイレクト再生する今ドキ機能
さて、今ドキのメディアプレイヤーならではといえるのがスマートフォンとの連携機能。具体的にはAndroidデバイス、iOSデバイス内のファイルを直接再生できる機能だ。
O!Play Mini Plusにはカードリーダーも搭載されているので、アダプタ経由で本体に挿せば良い、と思うかもしれないが、スマートフォンの多くはそう簡単にメモリカードを着脱することができない。電源を落とし、カバーを外し、バッテリーを外し……といった手間を考えると、ダイレクトに映し出せるO!MediaShareはかなりラク。
この機能を利用する場合は、「O!MediaShare」というアプリを、Android用、iOS用の各ストアからダウンロードし、各デバイスにインストールしておく。そして無線LANルータやアクセスポイントなどを通じて、モバイルデバイスが家庭内のネットワークに参加していれば、各デバイスから選んだメディアファイルをO!Play Mini Plusから再生できる。
ファイル転送不要、というメリットに加え、ファイル選択も手っ取り早いというメリットがある。セットトップボックス全体に言えることだが、SDカードへのアクセス速度が遅いため、サムネイルが作成されるまでにけっこうな待ち時間が発生する。
その点、PCやスマートフォンではサムネイルもサクサク作成される。また、いくらレスポンスのよいO!Play Mini Plusと言えども、リモコン操作とPCのマウス、スマートフォンのタッチ操作を比べてしまうと、後者の方がダンゼン早い。スライドショー用の複数ファイル選択などをリモコンで操作しようとすると、イライラ度がすぐにMAXに達してしまうだろう。PCやスマートフォンなどをリモコンとして活用することで、O!Play Mini Plusはかなり快適なメディアプレーヤーへと変身する。
また、スマートフォンならではと言えるのが、他のサービスとの連携だ。O!MediaShareからFacebookのアルバムに接続し、それを本体から再生する、といったことができる。O!MediaShareのチャンネルにはFacebookの他にもYoutubeなどの動画サイト、Picasaのような写真共有サービスも登録されており、これらのコンテンツもO!Play Mini Plusで再生可能だ。
連動その2はFacebookや共有サイトとの連携
もう一つ便利なのが、ソーシャルネットワークサービスやオンライン共有サービスなど、現在のPCやモバイルデバイスでのトレンドに対応していること。
まずリモコンを見ていただければ一目瞭然。Facebookの「いいね!」ボタンが搭載されている。まあ、実際には「シェア」ボタンなのだが、つまり、現在視聴中のメディアファイルをシェアすることができるわけだ。ほかにも、Flickr、Picasaといったオンライン共有サイトへの投稿にも対応しており、ネットワークサービスを通じて、家族や知人とメディアファイルを共有することができる。
また、大きな注目機能というほどではないが、オンライン動画サービスに対応しているとか、インターネットから天気予報などちょっとした情報を取得・表示するといった簡易的なネットワーク機能も搭載されている。
家族でワイワイ楽しむのにピッタリなメディアプレーヤー
ほかにも、いくつか便利な機能が搭載されているので最後にさらっと紹介しておこう。
まずは「AutoPlay」機能。特定のUSBメモリやメモリカードを挿した際、あらかじめ選んでおいたファイルを再生してくれる機能だ。対象となるUSBメモリやメモリカード内に「AutoPlay」フォルダを作成し、そこにメディアファイルを格納するだけで利用できる。USBメモリ毎に細かく管理したり、あるいはUSB外付けHDDなど大容量ストレージにガンガン放り込んでおくという使い方も良いだろう。
次は「バックグラウンド・ミュージック」機能。つまり、静止画再生時にバックラウンド・ミュージックを流すというシンプルな機能だ。ただ、家族写真を残す際、静止画だけでは何か寂しいということでバックグランドミュージックを加えたDVD「フォトブック」として残す方もいる。一方、バックグラウンド・ミュージック機能を使えば、フォトブック編集の手間無しに、音楽も気分に合わせて変更できる。
こうした豊富な今ドキな機能によって、O!Play Mini Plusは、家族でワイワイ楽しむのにピッタリなデバイスと言えそうだ。
[記事作成協力:テックウィンド]