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大画面、4K/160Hz/HDR 600環境をひとりじめ!MSIの32型ゲーミングモニター「MAG 323UPF」
ゲーム以外にもマルチに使える高コスパモデル text by 芹澤 正芳
- 提供:
- MSI
2023年12月14日 00:00
ゲーミングモニターに必須の“高リフレッシュレートによる滑らかな描画”に加えて、高精細、美しい色の表現、迫力といった要素を求めているなら注目してほしいのがMSIのゲーミングモニター「MAG 323UPF」だ。32型の大画面に高リフレッシュレート、4Kの高精細と広色域&HDR対応と、ゲームにとどまらず映像コンテンツの視聴や仕事も快適にこなせるスペックを備え、実売価格も10万円台とコストパフォーマンスも良好だ。その使い勝手をさっそくレビューしていこう。
AAAタイトルの映像美と迫力を大画面で楽しみたい人に
MAG 323UPFは、32型サイズで4K解像度の大型ゲーミングモニターだ。競技志向の強いFPS/TPSを“ガチンコ”プレイするなら、画面全体の情報を最小限の視点移動で把握しやすい24型が最適とされている。実際、32型となると、一般的なPC使用位置に座った状態で画面両端の情報を見るにはそれなりの視点移動が必要になるためロスが生じるが、逆に、サイバーパンク 2077やARMORED CORE VIのような、シングルプレイ重視で映像の迫力や美しさも見逃せないタイトルを遊ぶには、大きな画面が威力を発揮する。
本機は、一般的なIPSパネルに比べて4倍速い駆動速度を実現しているというRAPID IPSパネルを採用。応答速度は1ms(GTG)と高速だ。視野角も上下左右とも178度と正面以外の角度から見ても色の変化が少ない。
4K製品の多くはリフレッシュレートが144Hzだが、本機はそれよりちょっと上の160Hzを実現。リフレッシュレートは1秒間の画面描き換え回数なので、160Hzなら160回になり、非常に滑らかな描画が可能になる。4Kでの高精細に高リフレッシュレートが加われば、敵のわずかな動きの把握や素早く動いたときの視認性はより高まる。
本機の真骨頂は、このような“スピード的なゲームプレイの快適さ”だけでなく、大画面プレイ時の快適さも優れていることにある。もう1本の柱、“映像表現の美しさ”だ。本機はPC向けのHDR認証で上位グレードの「DisplayHDR 600」を取得。最小ピーク輝度600cd/m2、最大黒レベル輝度0.1cd/m2と明るさも暗さも高い表現力が求められ、HDRコンテンツをより快適に楽しめる。Windows 11でHDR非対応ゲームをHDR化できる「自動HDR」機能を利用できるのもおもしろい。
DisplayHDR 600は、広色域であることも求められることから、PCの一般的な色域であるsRGBはカバー率98.3%、デジタルシネマ向けのDCI-P3はカバー率95%と色の表現力にも優れている。
ディスプレイとビデオカードのフレームレートを同期させて画面ズレのテアリングやカクツキのスタッタリングを防ぐVRR(可変リフレッシュレート)機能はAMDのFreeSync Premium Proに対応。NVIDIAのG-SYNC Compatibleへの対応はうたわれていないが、筆者が試す限りでは、有効化が可能で、動作するのを確認できた。
暗部補正のや残像軽減などゲーミング系の定番機能も網羅
操作性の面は近年のMSI製モニターを踏襲。背面にあるスティック状のNaviキーでOSDメニューを呼び出し、ディスプレイに関する細かな設定を行える。暗部を明るくする「ナイトビジョン」、FPS/TPSで照準を合わせやすくするため画面中央にマークを表示させる「Smart Crosshair」(スマート十字)、画面の中央を拡大して狙いやすくする「Optix Scope」(Optixスコープ)、液晶特有の残像感を抑える「MPRT Sync」といったゲーミング系の機能も充実している。
MPRT Syncはフレーム間に目には見えない速度で黒色を挿入して残像感を軽減する機能だ。機能の特性上、輝度は下がってしまうが、実際にFPSで素早く視点を動かした際に見える残像はかなり減る。ただし、VRRとは排他仕様なので、画面ブレと画面ズレのどちらを防ぎたいかは好み次第だ。このほか、HDRを有効にするとナイトビジョン、MPRT、Optix Scopeなど一部機能は使えなくなる。
OSDメニューにはゲームモードとしてゲームジャンル別にFPS/レースゲーム/RTS/RPGのプリセットが備わっている。FPSではナイトビジョンのA.I.設定が有効となり、輪郭がハッキリして状況を把握しやすい画面に。レースゲームではナイトビジョンの標準設定が有効になり、メリハリのある迫力ある画面に調整される。全モードのうち、一番ビビッドな絵作りだ。
じっくり腰を据えてプレイするジャンル向きのモードは長時間プレイでも目が疲れにくくなる印象。RTSはコントラストは強めで輝度は低めに。RPGでは明るいがコントラストを抑えた設定になる。
このあたりの設定の妙は、メーカーのジャンルに対する考え方が見えてなかなかおもしろい部分と言える。
また、PCとUSB接続することでOSBメニューの操作をWindows上で可能にする「Gaming Intelligence」アプリを利用できる。各機能の有効、無効といった操作はもちろん、本体の左下に備わっている「マクロキー」やNaviキーの上下左右に割り当てる機能を選べるのが非常に便利だ。Smart Crosshairなど、よく使う機能があれば割り当てておくと素早く呼び出せる。
入力は3系統でスタンドも高機能
映像の入力はHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4a×1、USB Type-C(DP Alt mode対応)の4系統を用意。HDMI 2.1対応なので、PS5の120Hz駆動やVRRを利用可能だ。USB Type-CはPD対応で最大90Wの給電が可能。自宅で仕事などの作業をするときにはノートPCも使っているという人なら、デュアルディスプレイ環境がケーブル1本で簡単に構築できるのも便利だ。
また、2種類の画面ソースを表示できるPIP(ピクチャーインピクチャ)やPBP(ピクチャーバイピクチャー)機能も備わっており、PCで攻略情報を表示しながら、PS5のゲームをプレイするといった使い方も可能だ。
このほか、USB 2.0対応ハブ(3ポート)を備えており、接続したUSBデバイスを2台のPCで共有できるKVM機能も備えている。デスクトップPCとノートPCなど、複数のPCで同じマウスとキーボードを使いたい場合に便利な機能だ。競技志向の強い製品ではオミットされることも少なくない機能だが、いろんな用途に使いたくなる仕様の本機であれば、この辺りはしっかりサポートされてくる。なお、スピーカーは非搭載だが、ヘッドホン出力は搭載。お気に入りの音響デバイスで楽しもう。
スタンドは縦型に回転できるピボットこそないが、チルト(下方向-5度、上方向+20度)、スイベル(左右45度)、10cmの間で高さ調整が可能と高機能だ。好みの向きに調整しやすくなっている。VESA100規格に対応しているので、スタンドではなくモニターアームの取り付けも可能だ。
なお、本体のサイズは幅728mm×奥行き234mm×高さ495mmで重量は約9.7kg。電源は内蔵型となっており、一般的な3ピンの電源ケーブルでコンセントと接続するタイプ。ケーブルの取り回しのよさはナイスだ。
ゲームも映像も仕事にも強い“多芸多才”な優等生
4Kで高リフレッシュレートのゲーミングモニターは10万円前後の価格帯で多くの製品がひしめき合っているが、MAG 323UPFは32型の大画面で、160Hzのリフレッシュレート、DisplayHDR 600認証、広色域、4系統入力、KVM機能、PIP/PBP対応、PS5の120Hz駆動&VRRが利用可能とスペック面でも機能面でも充実している。
ゲーム(PCも据え置き機も)に加えて、仕事や普段使いでの快適性を求めているなら、便利で満足度も非常に高い。一人暮らしや自分専用の作業部屋などで、“表示デバイスが必要な用途”のすべてを本機1台がハイクオリティにこなしてくれるだろう。