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よく冷えるZOTACのGeForce RTX 4070 Ti SUPER、安定した高クロック動作でゲーム性能もバッチリ

ホワイトモデルもあるZOTACのGeForce RTX 40 SUPERシリーズをチェック text by 坂本はじめ

GeForce RTX 40 SUPERシリーズ

 2024年、NVIDIAは新たなGPU製品群「GeForce RTX 40 SUPER シリーズ」を発表。同シリーズの新型GPU3モデルを搭載したビデオカードが各メーカーから発売されている。

 今回は、NVIDIA専業でビデオカードを手掛けるZOTACより、GeForce RTX 40 SUPERシリーズ搭載した新型ビデオカード4製品が届いたので、そのスペックや外観といった特徴を紹介しよう。

ZOTAC製のGeForce RTX 40 SUPERシリーズ搭載ビデオカード

 NVIDIAのGeForce RTX 40 SUPERシリーズは、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用する新型GPU製品群で、ミドルレンジ上位の「GeForce RTX 4070 SUPER」、準ハイエンドの「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」、ハイエンドの「GeForce RTX 4080 SUPER」の3モデルが2024年1月に登場した。

 各GPUのスペックをまとめたものが以下の表だ。

 今回、ZOTACからやってきたビデオカードは4製品。その内訳は、GeForce RTX 40 SUPER シリーズの各GPUを搭載したビデオカード3モデルと、GeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載したホワイトカラーモデルとなっている。

GeForce RTX 4070 SUPER、GeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載製品2モデル、GeForce RTX 4080 SUPER

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge OC 12GB GDDR6X

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge OC 12GB GDDR6X。2スロットサイズで比較的コンパクトなミドルレンジ上位クラスのビデオカード

 GeForce RTX 4070 SUPERを搭載するのが、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 SUPER Twin Edge OC 12GB GDDR6X」(型番:ZT-D40720H-10M)。実売価格は税込109,800円前後。

 2基の冷却ファンを備えた2スロットサイズのGPUクーラーを搭載しており、GPUはブーストクロックを2,490MHz(定格+15MHz)にオーバークロック。補助電源コネクタは16ピンで、カードサイズは234.1×123.5×40.2mm。画面出力端子としてHDMI 2.1a(1基)とDisplayPort 1.4a(3基)を備えている。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X。2.5スロットを占有する大型GPUクーラーを搭載した準ハイエンドクラスのビデオカード

 GeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載する黒いビデオカードは、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X」(型番:ZT-D40730D-10P)。実売価格は税込148,000円前後。

 3基の冷却ファンを備えた2.5スロットサイズのGPUクーラーを搭載し、GPUやVRAMの動作クロックはNVIDIAの定格仕様に準拠。補助電源コネクタは16ピンで、カードサイズは306.8×119.4×58.5mm。画面出力端子としてHDMI 2.1a(1基)とDisplayPort 1.4a(3基)を備えている。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity OC White Edition 16GB GDDR6X

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity OC White Edition 16GB GDDR6X。白いカラーリングとGPUのOC仕様を特徴とする準ハイエンドクラスのビデオカード

 白いカラーリングが印象的なのは、GeForce RTX 4070 Ti SUPERを搭載する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity OC White Edition 16GB GDDR6X」(型番:ZT-D40730Q-10P
)。記事執筆時点では国内未発売のモデルだ。

 外観は先に紹介した「Trinity Black Edition」のカラーリングを白に変更したものだが、こちらはオーバークロック仕様の製品。GPUのブーストクロックを2,625MHz(+15MHz)にオーバークロックして搭載している。補助電源コネクタは16ピン、カードサイズは306.8×119.4×58.5mm、画面出力端子はHDMI 2.1a(1基)とDisplayPort 1.4a(3基)と、クロック以外の仕様は前述の黒モデルと共通。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X。2.5スロットサイズのGPUクーラーを搭載したハイエンドビデオカード

 GeForce RTX 40 SUPERシリーズでは最上位のGeForce RTX 4080 SUPERを搭載する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4080 SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X」(型番:ZT-D40820D-10P)。実売価格は税込185,800円前後。

 外観はGeForce RTX 4070 Ti SUPERの「Trinity Black Edition」と同様で、GPUやVRAMクロックはNVIDIAの定格仕様に準拠。補助電源コネクタは16ピンで、カードサイズは306.8×119.4×58.5mm。画面出力端子としてHDMI 2.1a(1基)とDisplayPort 1.4a(3基)を備えている。

RGB LEDは「FireStorm」で設定可能

 ZOTACのGeForce RTX 40 SUPERシリーズ搭載ビデオカードはRGB LEDイルミネーション機能「SPECTRA」を搭載しており、ZOTACが提供しているユーティリティ「FireStorm」を利用することでLEDの発色や発光を管理できる。

 なお、FireStormで反映したLED制御設定はビデオカード側に保存される。このため、一度FireStorm上で設定を行えば、Windows OSの起動前やFireStormをアンインストールした後でもビデオカードのLED制御設定は保持される。ユーティリティソフトを常駐させたくない場合や、PC起動直後からLED制御設定を反映したいユーザーには嬉しい機能だ。

ZOTACのユーティリティ「FireStorm」でRGB LEDを制御可能。設定はカード側に保持される

注目のGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルのパフォーマンスをチェック

 今回は、GeForce RTX 40 SUPERを搭載するZOTAC製ビデオカード4モデルの中から、16GBメモリの採用で注目を集めるGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデル「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X」をテストしてみよう。

 ビデオカードをテストするベース機材には、Ryzen 7 7800X3Dを搭載したAMD X670E環境を用意した。詳細については以下の票の通り。

 まずは、代表的なゲーム系ベンチマークテストである「3DMark」で、6つのテスト(Speed Way、Port Royal、Solar Bay、Time Spy、Fire Strike、Wild Life Extreme)を実行した。

 記録された各テストのスコアは、いずれも準ハイエンドクラスのGPUならではの優秀な数値であり、GeForce RTX 4070 Ti SUPERとそれを搭載するビデオカードがスペック相応の実力を備えていることが伺える。

Speed Way スコア「6,342」
Port Royal スコア「15,544」
Solar Bay スコア「115,730」
Time Spy スコア「21,336」
Fire Strike スコア「44,730」
Wild Life Extreme スコア「50,005」

 続けて、昨年末に大型アップデートがリリースされたオープンワールドRPG「サイバーパンク2077」でゲーム内ベンチマークモードを実行。

 グラフィックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」をベースにDLSS超解像を「バランス」設定し、DLSSフレーム生成有効時と無効時の平均フレームレートを計測した。

サイバーパンク2077の高画質設定でベンチマークモードを実行した

 テストの結果、ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6Xは、フレーム生成無効時でもフルHDで135.7fps、WQHDは105.8fps、4Kでも57.4fpsというプレイ可能なレベルのフレームレートを記録。さらに、DLSS 3で新たに導入されたフレーム生成機能を用いることで、4Kでも81.0fpsを記録して60fps以上の滑らかな映像を実現可能だった。

 高画質設定でのGPU負荷が非常に高いことで知られるサイバーパンク2077を、ここまで高いフレームレートで動作させられるGeForce RTX 4070 Ti SUPERは、ゲームにおいて優れた性能を備えたGPUであると言える。

長時間の高負荷でも安心のGPUクーラー「IceStorm 2.0」TGP=285WのGeForce RTX 4070 Ti SUPERをバッチリ冷却

 サイバーパンク2077では優れたパフォーマンスを発揮してみせた「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6X」。そのパフォーマンスが安定して発揮できるものなのか、サイバーパンク2077を4K解像度で30分連続実行してモニタリングデータを計測してみた。テスト時の室温は約25℃。

 計測の結果、GPU温度は最大69℃(平均67.1℃)、VRAM温度は最大72.0℃(69.9℃)となっており、GPU温度リミットの84℃を大きく下回る温度で推移していた。

 モニタリングデータから作成した各ステータスの推移グラフでは、ファンスピードは1,300rpm程度という比較的緩い速度でありながら、GPUやVRAMの温度上昇を抑え込むことに成功しており、その結果としてGPUとVRAMの動作クロックも高い数値で安定している。

 この時、ビデオカードの発熱量と見なせるGPU消費電力がおおよそ272W前後と、けっして低い発熱量では無い。ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti SUPER Trinity Black Edition 16GB GDDR6Xが備えるGPUクーラー「IceStorm 2.0」の優れた冷却性能が伺える結果であると言えよう。

 今回テストしたのはGeForce RTX 4070 Ti SUPER搭載モデルのみだが、搭載GPUクーラーのIceStorm 2.0の冷却性能は十分に余力のあるものであり、同じ設計を採用するホワイトカラーモデルやGeForce RTX 4080 SUPER搭載モデルについても、優れた冷却性能に裏打ちされた高いパフォーマンスが期待できる。

 ZOTACらしい手堅い設計によって安定して高い性能を発揮できる製品に仕上がっており、GeForce RTX 40 SUPERシリーズの購入を検討しているユーザーにとって、安心して選べる選択肢となるだろう。