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Ryzen 7 9800X3D向けに高コスパ、4万円割れの最安AMD X870マザー「GIGABYTE X870 EAGLE WIFI7」
USB4とWi-Fi 7も使えるパソコン工房限定モデル text by 坂本はじめ
- 提供:
- GIGABYTE
2024年11月22日 00:00
GIGABYTEの「X870 EAGLE WIFI7」は、AMDのSocket AM5対応チップセット「X870」を搭載するマザーボード。国内ではパソコン工房限定モデルとして販売されており、記事執筆時点ではX870搭載マザーボードの中で最安値となる39,800円で販売されている。
今回は、もっとも安価なX870マザーボードであるX870 EAGLE WIFI7に、新世代のゲーミングCPU「Ryzen 7 9800X3D」を搭載。最強のゲーミングCPUと評されるRyzen 7 9800X3Dをしっかり動かせるマザーボードなのかチェックしてみよう。
コストパフォーマンス重視のX870マザー「GIGABYTE X870 EAGLE WIFI7」
GIGABYTE X870 EAGLE WIFI7は、X870チップセットを搭載したSocket AM5対応マザーボード。フォームファクターはATXで、基板サイズは約305×244mm。
冒頭でも紹介した通り、コストパフォーマンス重視モデルだが、ハイエンドCPUにも対応可能な14+2+2フェーズのデジタルTwin VRMやUSB4、Wi-Fi 7を搭載するなど、コストと機能のバランスを重視して設計されている。
また、比較的安価なX870 EAGLE WIFI7ではあるが、マザーボードとしては長い3年間の製品保証が付属する。長期の運用を考えているユーザーには選択の際のポイントになるだろう。
X870チップセットを搭載するX870 EAGLE WIFI7は、Socket AM5に対応する全てのCPU(Ryzen 9000/8000/7000シリーズ)に対応しており、リリース時点のBIOS(F2)で最新CPUであるRyzen 7 9800X3Dの起動が可能だ。CPUレスでBIOS更新を行う機能(Q-Flash Plus)も搭載しているが、これを使ってアップデートする必要もなくRyzen 7 9800X3D搭載PCを構築可能だ。
メモリスロットには、片ラッチ型のDDR5メモリスロットを4基搭載。オーバークロック向けメモリプロファイルのEXPOとXMPをサポートしており、最大でDDR5-8200動作のオーバークロック動作が可能とされている。
電源回路を細かく見てみると、製品スペックに記載のある14+2+2フェーズ・デジタルTwin VRMは、CPU用に7+7フェーズのパラレル設計を採用したVRMで、PWMコントローラに「Richtek RT3678BE」、MOSFETに55A対応DrMOS「onsemi NCP302155R」が採用されている。放熱用に金属製の大型ヒートシンクを搭載しており、最大230Wを消費するSocket AM5のハイエンドCPUにも十分対応できる仕様だ。
拡張スロットはPCIe x16スロットを3基搭載。最上段のスロットはCPUに直結されており最大PCIe 5.0 x16接続に対応しているほか、重量級ビデオカードに備えた金属補強とロックレバーを離れた位置のボタンで解除できる「PCIe EZ-Larch Plus」に対応している。
残り2本のPCIeスロットはX870チップセットに接続されており、インターフェイスはPCIe 3.0 x1接続に対応している。
X870 EAGLE WIFI7は3基のM.2スロットを搭載しており、CPUソケットに近い側から順にM2A_CPU、M2C_SB、M2B_SBという名称が割り当てられている。
最上段のM2A_CPUはCPUに直結されたPCIe 5.0 x4対応スロットで、SSD冷却用ヒートシンクをスクリューレスで固定可能な「M.2 EZ-Latch Click」機能を搭載している。残る2本のスロットはヒートシンクレスかつX870チップセットに接続されている。対応インターフェイスは、M2C_SBがPCIe 4.0 x2で、M2B_SBがPCIe 4.0 x4(M2C_SBと同時使用時はバンド幅を共有しており、M2C_SBにSSDを接続した際はPCIe 4.0 x2で動作)。
バックパネルに搭載しているUSB4ポートはASMediaのUSB4コントローラ「ASM4242」により提供されており、最大40Gbps接続の高速通信に対応するほか、CPUに統合されているGPUの映像出力端子(DisplayPort)としても機能する。
USB4対応外付けSSDを接続して速度を計測してみたところ、リード・ライトともに3.7GB/sを超える速度を記録した。これはUSB4 40Gbpsで接続したSSDとしては最速級の速度だ。
Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 4090を搭載してテストを実行レンダリング性能もゲーム性能もしっかり引き出せる?
ここからは、最新のゲーミングCPUである「Ryzen 7 9800X3D」と、ウルトラハイエンドGPUの「GeForce RTX 4090」を搭載してテストを行う。
テスト環境は以下の通り。CPUの動作設定はマザーボードのデフォルト設定を使用しており、リミット設定は標準通りPPT=162W設定が適用され、アンコアの動作はDDR5-5600メモリ(MCLK=2,800MHz)に対して「UCLK=2,800MHz、FCLK=2,000MHz」という最大限の設定が適用されていた。
CPUとGPUの3DCGレンダリング性能を計測するCinebench 2024では、CPU (Multi Core)で「1,328pts」、CPU (Single Core)で「132pts」、GPUで「33,324pts」を記録した。
CPUスコアはRyzen 7 9800X3DのCPU性能を最大限に引き出せていると言えるものであり、もっとも安価なX870マザーボードであるX870 EAGLE WIFI7でもRyzen 7 9800X3Dを問題なく動作させることができることを示している。
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、グラフィックプリセットを「最高品質」に設定して、フルHD/1080p、WQHD/1440p、4K/2160pでテストを実行した。
スコアはフルHD/1080pで「43,652」、WQHD/1440pは「37,822」、4K/2160pが「20,608」。特に4万を超えるフルHD/1080pのスコアについては、仮想化ベースのセキュリティ(VBS)が有効なWindows 11環境では非常に優秀と言えるものであり、大容量キャッシュでCPUボトルネックを緩和するRyzen 7 9800X3Dの特性が存分に発揮された結果だ。
Ryzen 7 9800X3Dのフルパワーにも余裕で対応できるVRM
モニタリングソフトの「HWiNFO64 Pro」を使用して、CPUの全コアに高負荷をかけるCinebench 2024の「CPU (Multi Core)」実行中のモニタリングデータを取得した結果が以下の推移グラフ。
Ryzen 7 9800X3Dは平均139.0Wの電力を消費しながら、ベンチマーク実行中は終始5,216MHzのCPUクロックを維持している。
この時、CPUが平均83.4℃(最大87.6℃)と十分に冷却されているのは360mm水冷クーラーを使用しているので当然だが、無風状態のVRMが平均61.0℃(最大65.0℃)と低い温度を保っているのは、X870 EAGLE WIFI7のVRM設計の優秀さを示すものだ。
4万円切りで購入できるコストパフォーマンスの良いX870マザー先進的な機能と3年間保証は長期運用にも好適
GIGABYTEのX870 EAGLE WIFI7は、4万円切りで購入できる最安値価格帯のX870マザーボードだが、Ryzen 7 9800X3DやGeForce RTX 4090の性能を十分に引き出すことのできる能力を備えている。
コストを抑えたモデルではあるが、USB4やWi-Fi7といった先進的な機能に3年間の長期製品保証、無線LANのアンテナやM.2 SSDの取り付けを簡単にするEZ-PlugやEZ-Latchといった機構を備えているのもポイントだ。
コストを抑えつつも、必要十分な性能と使い勝手を犠牲にせずRyzen 7 9800X3Dを活かしたゲーミングPCを構築するのであれば、X870 EAGLE WIFI7は良い選択肢になるのではないだろうか。長期に渡って運用できるPCの構築を狙っているユーザーにもチェックしてもらいたいモデルだ。