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90万円超えの怪物PC!液晶パネル内蔵で先鋭的デザインも特徴な「MSI MEG Vision X AI」を徹底検証
GeForce RTX 5090搭載のウルトラハイエンドゲーミングPC text by 坂本はじめ
- 提供:
- MSI
2025年5月19日 00:00
MSIのウルトラハイエンドゲーミングPC「MEG Vision X AI 2NVZ9-014JP」が編集部にやってきた。
フロントの大部分が液晶パネルになっているユニークな筐体に、GeForce RTX 5090とCore Ultra 9 285Kといった現在最高峰のパーツを搭載。MSIストアでの販売価格は928,000円で、価格の面でも超ド級モデルだ。MSIのこだわりが詰まった本機のユニーク機能と性能をチェックしてみよう。
前面パネルが液晶モニターになった独自筐体を採用ウルトラハイエンド構成のMSI製ゲーミングPC
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPは、MSIの完成品デスクトップPCとしては最高峰モデルとして販売されているモデル。Core Ultra 9 285KとGeForce RTX 5090に、64GBのDDR5メモリや2TBのSSDを組み合わせたモデルで、ゲームやAI用途で高いパフォーマンスが期待できる。
本機最大の特徴は、ほぼ全面が液晶画面になっているフロントパネル。システムステータスやユーティリティソフトを表示するサブモニターとしての用途のほか、縦表示の一般的なモニターとしても使用可能。天面側にイルミネーションを備えた独特な形状の筐体が採用されている。
外部機器を接続するためのインターフェイスは本体左側面前方と背面に集約。背面にはThunderbolt 4(2基)や5GbE対応の有線LAN、Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4など先進的なインターフェイスを備えている。
ビデオカードの出力端子はHDMI 2.1b×1基とDisplayPort 2.1b×3基。いずれも4K/2160p(3,840×2,160ドット)の480Hz出力に対応し、高性能ゲーミングモニターとの接続で最高のゲーミング環境を構築できる。
本体サイズは299.3×502.7×423.4mm。一見するとコンパクトに見えるが、エアフローもしっかり確保された内部スペースにも十分余裕があるサイズ感だ。

タッチ操作で本体の管理や設定変更も、自由度の高い液晶フロントパネル
フロントパネルに内蔵されているモニターは、タッチ操作に対応したフルHD液晶パネル(1,080×1,920ドット、60Hz)を採用しており、CPU内蔵のグラフィックス機能「Intel Graphics」と接続されている。
標準ではOS起動後にMSI謹製のユーティリティ「AI HMI」が表示されるが、OS上では一般的なディスプレイと同じように認識されているので、デスクトップ画面を表示したり、任意の画像や動画を表示したりと自由度の高い運用が可能。
「AI HMI」はPCのステータス表示や、Extreme PerformanceやSilentといった動作プリセットの切り替えなどが行える。また、表示のカスタマイズなども「AI HMI」から行える。
豪華に作り込まれたMEG Vision X AI 2NVZ9-014JP
ユニークなギミックであるフロントパネル内蔵モニターだけでなく、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが採用するオリジナルデザインのパーツはハイエンドに相応しく作り込まれている。
使用されているマザーボードは、同社のProject Zero仕様のマザーボードと同じく背面コネクタを採用している。24ピン電源ケーブルやCPU用電源ケーブルなど、ほとんどのケーブルをマザーボード裏面側に接続することでスマートな内装を実現。大型で重量のあるGeForce RTX 5090搭載ビデオカードは、専用の金属ステイによってケースのシャーシに固定されており、輸送時の振動や重量による変形から保護されている。
内蔵パーツのRGB LEDや筐体各部に埋め込まれたLEDライトバーは、ユーティリティソフト「MSI Center」のMystic Light機能で一括管理されており、好みの発光パターンで美しいLEDイルミネーションを楽しむことができる。
筐体は外側半面にカバーを掛けたような独特なデザインとなっているが、アクセントとなっている部分にはLEDイルミネーションが搭載されており、こだわりや作りこみを感じさせられるものになっている。
このように、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPの筐体は堅牢さとビジュアルを高いレベルで両立している。MSIオリジナルのウルトラハイエンドPC用として専用に設計されたからこその完成度であると言えよう。
4K/240Hzの有機ELモニターの性能も存分に引き出せる!ウルトラハイエンドPCらしい性能のMEG Vision X AI 2NVZ9-014JP
ここからは、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPのパフォーマンスをベンチマークテストなどで確認する。
テストに際して240Hzの高速駆動と3,840×2,160ドットの高精細を両立するMSIの高性能ゲーミングモニター「MPG 321URX QD-OLED」を接続。ハイエンドゲーミングモニターの性能をしっかりと活かせる性能があるのか実際に試してみた。

4K解像度でもゲームプレイはかなり快適、DLSS 4対応でAAAタイトルも高フレームレート動作
まずは、ゲーム用途でのパフォーマンスを確かめるべく、「モンスターハンターワイルズ」と「サイバーパンク2077」をテストした。
モンスターハンターワイルズでは、DLCの「高解像度テクスチャパック」を導入した状態で、グラフィックプリセットを「ウルトラ」、レイトレーシングを「高」、超解像を「DLSS」、フレーム生成を「オン」にそれぞれ設定し、ゲーム内でフレームレートを計測した。
計測の結果、フルHD/1080pで「156.2fps」、WQHD/1440pで「143.6fps」、4K/2160pでも「122.1fps」と、いずれも100fpsを余裕で超える平均フレームレートを記録。高解像度テクスチャパックまで導入した最高の条件でも快適にプレイできるだけのパフォーマンスが得られた。

サイバーパンク2077では、グラフィックプリセット「レイトレーシング:オーバードライブ」、超解像を「DLSS」、フレーム生成を「DLSS FG 4X」に設定し、ゲーム内ベンチマークモードで平均フレームレートを計測した。
AAAタイトルの中でもPC負荷が高いことで知られたサイバーパンク2077だが、DLSS 4のマルチフレーム生成を最大限に活用することで、フルHD/1080pで「443.10fps」、WQHD/1440pで「338.99fps」、4K/2160pでも「290.44fps」という高フレームレートを実現。4K/240Hz駆動というMPG 321URX QD-OLEDの表示性能を最大限に引き出せるほどのパフォーマンスを発揮した。

クリエイティブ&AI用途もウルトラハイエンドらしい性能を発揮
続いて、クリエイター向けアプリや生成AIでのパフォーマンスを確認してみよう。
CPUの3DCGレンダリング性能を計測する「Cinebench 2024」を実行した結果が以下のグラフ。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが搭載するCore Ultra 9 285Kが記録したスコアは、マルチコアテストが「2,340」、シングルコアテストは「135」。いずれも現在のデスクトップ向けCPUとしては最上級と言えるパフォーマンスだ。
3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトを使い、CPUとGPUのレンダリング速度を計測した結果が以下のグラフ。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPに搭載されたCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5090は、いずれもプロセッサ本来の性能を発揮していると言えるレンダリング速度を記録しており、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが両プロセッサの性能をしっかり引き出していることが分かる。

Adobeの画像/写真編集系アプリである「Photoshop」と「Lightroom Classic」でのパフォーマンスを計測するUL Procyon「Photo Editing Benchmark」を実行した結果が以下のグラフ。
総合スコアは1万を超える「10,141」を記録しており、サブスコアについてもレタッチで「9,977」、バッチ処理では「10,309」を記録した。スコアとしては十分に優秀と言えるものであり、写真編集作業でも高いパフォーマンスが期待できる。

画像生成AIの「Stable diffusion」でのパフォーマンスを計測するUL Procyon「AI Image Generation Benchmark」では、FP16演算で512×512pxと1024×1024pxの画像を生成したさいのパフォーマンスを計測した。
MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPが画像1枚を生成するのに要した平均時間は、512×512pxが「0.763秒」で、1024×1024pxが「5.404秒」だった。十分に大容量のVRAMと優れたAI演算性能を備えるGeForce RTX 5090を搭載していることにより、画像生成AIでもMEG Vision X AI 2NVZ9-014JPは抜群のパフォーマンスを発揮した。


騒音を抑えながらもCPUとGPUを完璧に冷却高付加状態でも中程度のファンスピードで冷しきってしまう優秀な性能
最後に、MEG Vision X AI 2NVZ9-014JPの冷却システムがCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5090をどの程度冷やせているのか、高負荷テスト中のモニタリングデータを計測して確認してみた。実行したテストはCinebench 2024「CPU (Multi Core)」と「サイバーパンク2077(4K/2160p)」で、計測時の室温は約24℃。
CPUにのみ負荷が生じるCinebench 2024において、CPU温度は平均80.5℃で最大でも88℃を記録。上限の105℃までには十分な余裕を確保できていた。
温度的に余裕があるのはサイバーパンク2077実行中も同様で、CPU温度は平均65.8℃の最大76℃、GPU温度が平均71.6℃の最大73.8℃だった。


温度上昇によるサーマルスロットリングの作動が無いことで、CPUとGPUは終始安定した動作クロックを維持しており、一貫性の高いパフォーマンスを発揮できている。
素晴らしい冷却性能を実現していると言えるMEG Vision X AI 2NVZ9-014JPの冷却システムだが、冷却ファンの回転数をみるといずれも2,000rpm未満で動作している。流石に無音というほどでは無いが、システム消費電力が800Wを超えるサイバーパンク2077実行中でも中程度のファンスピードで十分な冷却を実現しているのは素晴らしい。
