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安くなったCore Ultraの相棒には、ASUSのハイコスパB860マザーがいいぞ!
人気のTUF Gaming、PRIMEを核とした作例も紹介 text by 芹澤 正芳
- 提供:
- ASUS JAPAN
2025年9月5日 00:00
ゲーミングや、クリエイティブ作業における処理性能と高い省電力性を合わせ持ったIntelのCore Ultraシリーズは、多くのモデルで発売当初から大きく価格を下げており、狙い目のCPUとなりつつある。
20コアのCore Ultra 7 265KFは2024年11月の発売当初は最安でも7万5千円を超えていたが、現在では安いショップでは5万円を切る価格で手に入る。10コアのCore Ultra 5 225Fは発売当初約4万円だったが、最安で2万7千円を切っている。
組み合わせるマザーボードはこのタイミングであればやはりコスパが高いものを選びたいところ。そこで今回ASUSの最新“ミドルレンジ”チップセット採用モデルに注目。IntelのB860チップセット搭載マザーボードを紹介する。
ASUSのマザーボードは、ゲーム、クリエイター、高耐久、エントリーなど目的や予算に合わせた多彩なラインナップを揃える。それは最新世代のチップセットを採用したモデルでも同様だ。
自作PC創成期から活躍を続ける同社は、堅牢な設計による安定性で、長期にわたってユーザーの支持を集めている。その結果、年間販売トップシェアに贈られる「BCN AWARD」マザーボード部門を20年連続で受賞するという金字塔を打ち立てている。
電源回路がさらに強化、Gen 5への対応も進む
Intelのプラットフォームは、CPUが第14世代のIntel Coreプロセッサーから最新の“Arrow Lake”ことインテル Core Ultra デスクトップ・プロセッサー(シリーズ 2)に世代交代。これに伴って、ミドルレンジチップセットは第12~14世代CoreをサポートするIntel B760チップセットから最新世代「Intel B860」に、CPUソケットがLGA1700からLGA1851にそれぞれ変更された。Core UltraはメモリがDDR5のみの対応となり、B860チップセット搭載マザーボードではDDR4対応モデルはなくなった。
ASUSのマザーボードラインナップは、B760から引き続き、ROG STRIX、TUF Gaming、PRIMEの各ブランド/シリーズを展開。エントリー向け製品の強化として「AYW」シリーズも加わっている。
チップセット名 | B860 | B760 | Z790 |
CPUソケット | LGA1851 | LGA1700 | LGA1700 |
CPU OC | × | × | ◯ |
メモリ | DDR5 | DDR5、DDR4 | DDR5、DDR4 |
メモリ OC | ◯ | ◯ | ◯ |
CPU PCIe 5.0 レーン数 | 16+4 | 16 | 16(分割可) |
CPU PCIe 4.0 レーン数 | × | 4 | 4 |
DMI レーン数 | 4 | 4 | 8 |
チップセット PCIe 4.0 レーン数 | 14 | 10 | 20 |
チップセット PCIe 3.0 レーン数 | × | 4 | 8 |
SATA | 4 | 4 | 8 |
USB最大数 | 12 | 12 | 14 |
製品の傾向としては、電源回路のさらなる強化が注目点だ。例えば、TUF GAMING B760-PLUS WIFIは12+1フェーズのDrMOSだったが、TUF GAMING B860-PLUS WIFIでは、12+1+2+1フェーズのDrMOSへと回路規模が拡大・強化されている。
またB860チップセット搭載モデルの世代では、Thunderbolt 4など映像出力に対応したType-CポートやPCI Express 5.0 x4接続対応M.2スロットの搭載、Wi-Fi 7への対応拡大などが進んだ。これにより拡張性や利便性が向上し、搭載できるパーツの選択肢が広がっている。
このほか、B760搭載モデルでは存在していなかった全面ホワイトの「ROG STRIX B860-G GAMING WIFI」が加わるなど、カラーリングにこだわった自作がよりしやすくなったのもポイントだ。
より組み立てやすく! 「Q-Design」
B860搭載モデルは、PCをより組み立てやすくするASUSのデザインコンセプト「Q-Design」の仕様・機能を積極的に取り入れているのも大きな特徴だ。
代表的なものは、M.2ヒートシンクをワンタッチで外せる「M.2 Q-Release」、M.2 SSDをツールレスで固定できる「M.2 Q-Latch」、ビデオカードをちょっと傾けるだけでロックを外せる「PCIe Slot Q-Release Slim」、Wi-Fiのアンテナを挿し込むだけで取り付けられる「Q-Antenna」、パーツの動作トラブルをLEDでサッと確認できる「Q-LED」など。どれもパーツの着脱を容易にしてくれる便利な機能だ。
ASUSのB860マザーボードは3+αのブランド/シリーズで展開
ASUSは、価格、機能、デザイン、用途などを意識した3つの主要ブランド/シリーズおよび新たに製品群に加わった“AYW”など、多彩なラインナップを展開している。ここで改めて、ASUSのマザーボード製品のラインナップを整理しておこう。
ゲーミング性能を追求「ROG」
ASUSのゲーミングブランドのトップに位置するのが「ROG」(Republic of Gamers)だ。B860マザーボードでは、「ROG STRIX」を冠する製品が展開されている。堅牢で強力な電源回路、全スロットヒートシンク搭載のM.2スロット、Thunderbolt 4など充実したインターフェース、ゲームにも向く高音質なサウンドなど、快適にゲームをプレイするためのスペックを揃えているのが大きな特徴だ。
Q-Designも幅広く取り入れており、組み立て作業のしやすさも十分に考慮。ゲーマーだけではなく、性能を重視する人にオススメだ。
ミリタリー級の耐久性「TUF Gaming」
厳しい耐久性のテストをクリアした“ミリタリーグレード”の品質を特徴としているのが「TUF Gaming」だ。装飾を最小限にしたシンプルで硬派なデザインでコストを抑えつつ、電源回路やコンデンサには高耐久のものを採用。ドレスアップよりも実用性、安定性を重視する人に向いている。ROGよりもコストを抑えた展開なのもポイントだ。
ARGBコネクタや高音質のオーディオなども搭載しており、ライティングを楽しんだり、ゲーミング用途にも対応可能なスペックを備えている。Q-Designも数多く採用されており、あらゆる用途において“手堅い”と言えるのがTUF Gamingの強みだ。
必要十分な機能を備えたスタンダード「PRIME」
幅広い用途で活躍できる機能をしっかりと備えたスタンダードやメインストリームと言える位置付けなのが「PRIME」だ。電源回路やM.2スロット(一部)にヒートシンクを搭載するなど、コストを抑えつつも安定性や冷却性は確保されている。ブラックの基板にシルバーのヒートシンクというツートンカラーを採用しているのも特徴だ。
3ラインの中では最もコストを重視した設計で、Q-Designの導入はQ-Antennaなど一部に絞られている。Wi-Fiのあり、なしなどラインナップが豊富で予算に合わせて選びやすい。
ASUSのオススメB860マザーボード・2025年9月版
それでは、ここからはB860チップセット搭載でオススメのマザーボードを紹介しよう。今回は、質実剛健かつコスパにもこだわる“TUF Gaming”から1枚、コスト重視でシンプルさが魅力の“PRIME”から1枚チョイスした。
堅牢かつ対応力もコスパも良好「TUF GAMING B860 PLUS-WIFI」
「TUF GAMING B860-PLUS WIFI」は、電源回路は12+1+2+1フェーズですべて80Aの大出力に対応という非常に堅牢な設計の製品だ。この規模なら、最上位のCore Ultra 9 285Kを筆頭に、上位モデルでも余裕の安定動作が期待できる。さらに、チョークとコンデンサはTUFらしい耐久性と安定性を重視したもので、ゲーム、クリエイティブ問わず高負荷な状態が続いても安心と言える設計だ。
M.2スロットは3基あり、すべてにヒートシンクを搭載。M.2 Q-Latchを採用しており、ワンタッチでSSDを固定できる。さらに、CPU直結のスロットはPCI Express 5.0 x4対応。高速なストレージ環境も構築できる。
拡張スロットは、ビデオカード用のPCI Express 5.0 x16をはじめ、PCI Express 4.0 x4(x16形状)、PCI Express 4.0 x1もあるためキャプチャーボードなど搭載しやすい。5.0 x16スロットはメタルシールドで強化したタイプかつ、ビデオカードの着脱がしやすいPCIe Slot Q-Release仕様だ。
インターフェース類も充実している。バックパネルのUSB Type-Cポートは20Gbpsの高速転送に対応、DP Alt Modeも備えており、映像の出力も可能になっている。2.5Gの有線LAN、Wi-Fi 7も搭載しており、高速なネットワーク環境に接続もしやすい。Wi-FiのアンテナはQ-Antennaなので、バックパネルに挿し込むだけで取り付け完了だ。アンテナは大きめなので、Wi-Fiだけではなく、Bluetoothの安定接続も期待できる。
オーディオはRealtekとの連携により設計された独自のコーデックを搭載。ステレオライン出力でS/N比98dBの低ノイズの環境を実現している。バックパネルにはS/PDIF出力も用意。また、ファンのコネクタはCPU、水冷ポンプ用も含めて全部で7基と豊富で、多くのファンを制御できるのも強みだ。
・拡張スロット:PCIe 5.0 x16×1、PCIe 4.0 x4(x16形状)×1、PCIe 4.0 x1×1
・主なインターフェース:M.2(PCIe 5.0 x4接続)×1、M.2(PCIe 4.0 x4接続)×2、SATA 3.0×4、USB 20Gbps×1、USB 10Gbps×3、USB 5Gbps×5、USB 2.0×4、Display Port 1.4×1、HDMI 2.1×1
・LAN:2.5GBASE-T×1
・無線:Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
冷却力や拡張性をしっかり確保「PRIME B860M-A WIFI-CSM」
PRIMEシリーズのmicroATXモデル「PRIME B860M-A WIFI-CSM」。7+1+1+1フェーズ(80A)のDrMOSを電源回路として備えている。価格を抑えたメインストリームという位置付けだが、M.2スロットは2基搭載し、1基はヒートシンクを用意。電源回路にもヒートシンクを備えており、熱対策もしっかりと行われている。
拡張スロットはビデオカード用のPCI Express 5.0 x16、PCI Express 4.0 x4(x16形状)、PCI Express 4.0 x1と3本もあり、microATXとしては高い拡張性を確保。ファン用のコネクタが6基、ARGB用コネクタが3基、RGB LED用コネクタが1基とこちらも充実しており、数多くのファンを搭載して冷却力を高めたり、複数のARGB対応デバイスを接続してドレスアップを楽しんだりと幅広いニーズに応えられる。
バックパネルはカバーが一体型のタイプ、Wi-Fiのアンテナは挿し込むだけのQ-Antenna、電源ボタンのLEDの点滅パターンでDRAMやビデオカードなどのエラーを知らせるQ-LED Coreなど、組み立てやすさにつながる機能も複数備わっているのもポイントだ。
バックパネルには映像出力にも対応したUSB 20Gbps Type-C、2.5Gの有線LAN、Wi-Fi 6Eを用意するなど、必要十分な装備だ。このほか、メモリスロットは4本あり、最大256GBまで搭載が可能。DDR5-8666という高クロックメモリまでサポートしている。
6層基板の採用、PCI Express 5.0 x16スロットを強化型とするなど、安定性や耐久性の面も配慮されており、コストを抑えつつもほとんどの部分で不足感のないバランスのよい作りだ。ブラックとシルバーのツートンカラーで見た目もなかなかにシャレている。
・拡張スロット:PCIe 5.0 x16×1、PCIe 4.0 x4(x16形状)×1、PCIe 4.0 x1×1
・主なインターフェース:M.2(PCIe 5.0 x4接続)×1、M.2(PCIe 4.0 x4接続)×1、SATA 3.0×4、USB 20Gbps×1、USB 10Gbps×2、USB 5Gbps×4、USB 2.0×6、Display Port 1.4×2、HDMI 2.1×1
・LAN:2.5GBASE-T×1
・無線:Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
B860マザーと組み合わせるならコレ!汎用性重視の自作プランを紹介
TUF GAMING B860 PLUS-WIFIで多用途に活躍できるPCを作る
ゲーム、クリエイティブワーク、仕事、AIどれもこなせるアッパーミドル構成を意識したプランだ。CPUは20コアではお得感の高いCore Ultra 7 265Kを選択。パフォーマンス重視のPコアが上位のCore Ultra 9 285Kと同じ8基備わっているのが人気の秘訣だ。ビデオカードやCPUクーラー、PCケースなどはTUFシリーズでそろえた。統一感が生まれるのに加えて、LEDの制御を一元化できるのも強みだ。
CPU | Intel Core Ultra 7 265K (20コア20スレッド) |
マザーボード | ASUS TUF GAMING B860 PLUS-WIFI (Intel B860、ATX) |
メモリ | DDR5-6400 16GB×2 |
ビデオカード | ASUS TUF Gaming GeForce RTX 5070 12GB GDDR7 OC Edition(GeForce RTX 5070) |
ストレージ | M.2 SSD 1TB(PCI Express 5.0 x4) |
CPUクーラー | ASUS TUF GAMING LC II 360 ARGB (簡易水冷、36cmクラス) |
PCケース | ASUS TUF GAMING GT302 ARGB(ATX) |
電源ユニット | ASUS TUF Gaming 850W Gold (850W、80PLUS Gold) |
ビデオカードはGeForce RTX 5070搭載モデルで、ビデオメモリが12GBあるため4Kゲーミングを視野に入れることができ、AI処理にも強い。電源ユニットは850Wと余裕があり、CPUクーラーは36cmと強力なので将来的なアップグレードにも対応しやすい構成だ。
バランスが絶妙!PRIME B860M-A WIFI-CSMを活かした高コスパPC
PRIME B860M-A WIFI-CSMを軸としたプランでは、コストと実用性のバランスを重視してみた。CPUは10コアで手頃な価格のCore Ultra 225F(Pコア6基、Eコア4基)をチョイス。ビデオカードにはミドルレンジのGeForce RTX 5060を選び、フルHDからWQHDでの快適なゲームプレイを楽しめるようにした。この性能があればオフィスワークなら十分すぎるほど快適だ。
CPU | Intel Core Ultra 5 225F (10コア10スレッド) |
マザーボード | PRIME B860M-A WIFI-CSM (Intel B860、microATX) |
メモリ | DDR5-6400 16GB×2 |
ビデオカード | ASUS PRIME GeForce RTX 5060 8GB GDDR7 OC Edition(GeForce RTX 5060) |
ストレージ | M.2 SSD 1TB(PCI Express 4.0 x4) |
CPUクーラー | ASUS PRIME LC 360 ARGB (簡易水冷、36cmクラス) |
PCケース | ASUS A31 Case(microATX) |
電源ユニット | ASUS Prime 750W Gold AP-750G (750W、80PLUS Gold) |
CPUクーラーは36cmクラスの簡易水冷クーラーで高い冷却力を確保しているので、将来的により上位のCPUに交換しやすい。PCケースのA31 Caseは低価格ながら、ピラーレス仕様でドレスアップを楽しむことも可能だ。ファンを追加して冷却を高めるもよし、見た目に凝るもよし。将来的なアップグレードもしやすい柔軟に対応できる構成に仕上げている。
デザイン統一や制御をしやすい!ASUS製品で揃える自作PCパーツのススメ
最後に、マザーボード以外のASUS製品でのブランド/シリーズ展開についても見てみよう。
ASUSは、幅広いパーツでROG、TUF Gaming、PRIMEのブランドを展開している。それぞれの位置付けはマザーボードと同様だ。ビデオカード、電源ユニット、CPUクーラー、PCケースなどがあり、同じブランドで固めれば、同じブランド/シリーズで固めれば、デザイン的な統一がしやすいのが大きなメリットだ。また、ASUSのパーツで統一すれば、ブランド/シリーズに関係なく、統合アプリの「Armoury Crate」でファンの回転数やライティングの制御などを一元管理できる強みもある。
さらに、ROGとTUF Gamingは、PCパーツ以外にも、モニター、マウス、キーボード、ルーターなど周辺機器のラインナップも充実しており、PCシステム全体を同一ブランド/シリーズに揃えることも可能。統一感にこだわるなら、パーツ以外のジャンルもチェックしてみていただきたい。