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Core Ultra シリーズ 3で899gの軽さ! 高性能&長時間駆動で全方位スキのないMSIのビジネスノートPC「Prestige 13 AI+ A3M」

QXGA+解像度の13.3型OLEDパネル搭載の高い総合力が魅力 text by 芹澤 正芳

 MSIからIntel最新CPU「Core Ultra シリーズ 3」を採用した、超軽量ビジネスノートPC「Prestige 13 AI+ A3M」が登場した。わずか899gながら最大15時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver.3.0の定めるアイドル時)のバッテリー駆動、高いCPU、GPU、NPU性能によってオフィスワークからAI処理、ゲームまで幅広くこなせるバツグンの汎用性を持ち、仕事からプライベートまで充実させてくれる1台に仕上がっている。早速レビューをお届けしよう。

Core Ultra シリーズ 3の「Core Ultra 7 355」を採用

 MSIは多彩なノートPCを展開しているが、その中でスマートなボディと高い性能を両立するプレミアムなブランドが「Prestige」シリーズ。最新モデルの「Prestige 13 AI+ A3M」では、Intelの最新世代CPUとなるCore Ultra シリーズ 3を採用した点が最大のトピックだ。

MSIのビジネスノートPC「Prestige 13 AI+ A3M」。今回試用したのはCore Ultra 7 355を採用するモデルで、型番はPrestige-13-AI+A3MG-2639JP。実売価格は26万円前後

 Core Ultra シリーズ 3では、16コア16スレッドのCore Ultra X9 388Hをはじめ、12コア、6コアなど幅広いラインナップを用意しているが、今回紹介するPrestige-13-AI+A3MG-2639JPでは、8コア8スレッドのミドルレンジ「Core Ultra 7 355」を採用。性能重視のPコアを4基、効率重視&低消費電力のLP Eコアを4基という構成だ。Intel最新のIntel 18Aプロセスで製造され、Pコア、LP Eコアとも新設計と電力効率、基本性能とも底上げが行われている。

 AI特化型プロセッサーのNPUは、前世代から性能と電力効率を向上させた第5世代となり、Core Ultra 7 355のNPUは49TOPSとCopilot+ PCの要件(40TOPS)を満たす。Windows 11のCopilot+ PC向け機能は拡充を続けており、AI処理に強いのもポイントだ。

「Core Ultra 7 355」を搭載し、Copilot+ PCの要件もクリア

 メモリについては、LPDDR5Xが32GBとビジネスノートPCとしては大容量が搭載されている。ビデオ会議しながらOffice系のアプリで資料を開き、Webブラウザーで情報を調べるなど複数の作業を並行するのが当たり前の現在において、余裕のあるメモリ容量は心強いところだ。

CPU-Zでの表示。8コア8スレッドに対応し、Pコアが4基、LP Eコアが4基という構成
NPUは第5世代に進化。49TOPSの性能を持ち、Copilot+ PC向けの機能も活用できる

 Core Ultra シリーズ 3では内蔵GPUの性能強化も大きなポイントだ。Core Ultra 7 355が内蔵するIntel Graphicsは、最新の“第3世代”Xeアーキテクチャーを採用する4コア構成。処理性能では上位モデルの内蔵GPUにはおよばないものの、マルチフレーム生成をサポートするXeSS 3に対応するなど、機能面では上位モデルに匹敵する。Prestige 13 AI+ A3Mの本質はスタイリッシュなビジネスPCだが、そんな本機でもどの程度ゲームを遊べるかは後半のテストで試してみる。

GPUはCPU内蔵の「Intel Graphics」。Xe4コアを搭載する
ACアダプターは65W出力でコンパクト。Type-C接続だ

ストレージはPCI Express 4.0 x4接続のNVMe SSDで容量は512GBだ。シーケンシャルリードで6698.18MB/s、ライトで3650.77MB/sとかなり高速なので、ビジネス用途で不満を感じることはないだろう。

CrystalDiskMark 9.0.1の結果。シーケンシャルリード6698.18MB/s、ライト3650.77MB/sだった

 ディスプレイは、13.3型で解像度2,880×1,800ドットのOLED(有機EL)パネルを採用。ハイレベルな色の表現力が求められるデジタルシネマ規格のDCI-P3相当という広色域で限りなく完全に近い黒表示が可能なDisplayHDR True Black 600認証も取得。クリエイティブワークも十分こなせる高いクオリティだ。HDRコンテンツを快適に楽しめるのでプライベートの充実にもつながる。なお、リフレッシュレートは60Hzだ。

 このほか、ディスプレイ上部には物理シャッター搭載で顔認証にも対応するWebカメラ(207万画素)を用意。インターフェースは左側面にUSB 5Gbps、HDMI出力、Thunderbolt 4×2、ヘッドセット端子、右側面にUSB 5Gbps、microSDカードスロットを備える。ワイヤレス機能はWi-Fi 7とBluetooth 6.0をサポート。

ディスプレイは13.3型で解像度は2,880×1,800ドットのOLED(有機EL)パネル
ディスプレイは180度開く
リフレッシュレートは最大60Hz
上部には207万画素のWebカメラとマイクを搭載。物理シャッターも備える
左側面にUSB 5Gbps、HDMI出力、Thunderbolt 4×2、ヘッドセット端子を搭載
右側面にはUSB 5Gbps、microSDカードスロットが並ぶ

 キーボードは日本語配列で小さくなっているキーはほとんどなくスムーズに入力が可能だ。バックライトも内蔵しているが華美なものではなく、本機全体のデザインイメージにフィットしたスマートな雰囲気に仕上がっている。本体のサイズは、299×210×15.9mmで重量は約899g。

打ちにくいキーの少ないレイアウトのキーボード。ほどよく光るバックライトを内蔵
ディスプレイを開くとヒンジ部が持ち上がり、入力しやすい角度を作る。熱がこもるのを避ける狙いもあるだろう
閉じた状態での本体の薄さは15.9mmとかなり薄い。899gの軽さと相まってラクに持ち運べる

高い基本性能で静音性も良好! 場所を問わず快適に使える

 続いてベンチマークテストに移ろう。本機には複数の動作モードが用意されているが、ここでは自動的に最適なパフォーマンスに調整する「AI Engine」を選択した。このほか、「Performance」、「バランス」、「エコサイレント」がある。

動作モードはF7キーで切り換えられる。どのモードが選択されているかは画面に表示される
MSI Center Sアプリでも動作モードの変更が可能

 まずは、CGレンダリングでCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」、定番3Dベンチマークの「3DMark」を実行する。

Cinebench 2024の計測結果
PCMark 10 Standardの計測結果
3DMark Steel Nomadの計測結果
3DMark Fire Strikeの計測結果

 8コア8スレッドのCPUなので、Cinebench 2024の結果は順当と言ってよいだろう。PCMark 10はWeb会議/Webブラウザー/アプリ起動のEssentialsと、表計算/文書作成のProductivityで高いスコアを記録しており、オフィスワークなら快適にこなせるのが分かる。3DMarkはXe4コアということもあって、CPU内蔵GPUを使ったPCとしては比較的高めな結果となった。

 次は、動作モードによって性能と動作音がどう変わるのか確認しよう。AI Engine、Performance、バランス、エコサイレントのそれぞれで実際にMicrosoft Officeの各アプリでさまざまな処理を実行してスコアを出す「Procyon Office Productivity」を実行した。動作音については本体の前面から10cmの位置に騒音計を設置して測定している。

動作モードごとのProcyon Office Productivityのスコア
動作モードごとの動作音

 モードごとの違いがかなり分かりやすく見える結果となった。Performanceがもっとも処理性能に優れるが、その分発熱も大きくなるためファンの動作音はそこそこ大きくなる。会社や自宅ならよいが、カフェなど静かに使いたい場合は避けたいところ。そういう場所で使うなら、AI Engineやバランスがよいだろう。エコサイレントはファンがほとんど動かなくなるが、スコアはPerformanceから約44%も下がった。本当に静かに作業したい場合、またはバッテリー駆動時間を延ばしたいときに使うモードと言える。モード切り換え自体は非常に簡単なので、状況に合わせてサッと切り換えて利用したい。

 続いて、バッテリー駆動時間をチェックしてみよう。Microsoft Officeのアプリでさまざまな処理を1時間実行させる「Procyon Office Productivity One Hour Battery Consumption」を実行させた。動作モードはAI Engine、画面の輝度は50%に設定している。

Procyon Office Productivity One Hour Battery Consumptionの計測結果

 1時間で11%のバッテリー消費となった。Microsoft Officeという実用的な処理を続けて9時間以上動作できる計算だ。長時間の移動でも仕事を十分にこなせるだろう。

 ゲーミングPCではないものの、CPUやメモリの仕様を考慮すると、ある程度のゲームプレイも期待できる。今回はPCスペックの要求がそこまで高くない「ストリートファイター6 ベンチマーク」(解像度フルHD+画質LOW、最大フレームレート60fpsに設定)、「レインボーシックス シージ エックス」の内蔵ベンチマーク機能(解像度フルHD+画質“低”設定)でパフォーマンスを計測してみた。

ストリートファイター6 ベンチマークの計測結果
レインボーシックス シージ エックスの内蔵ベンチマークの計測結果

 ストリートファイター6 ベンチマークは快適にプレイできるという評価。レインボーシックス シージ エックスも平均117fpsと高いフレームレートが出ている。軽めのゲームでフルHD、低めの画質設定なら遊べるパワーがあると言ってよいだろう。ちょっと遊べるだけでもうれしいところだ。

XeSS 2によるフレーム生成対応タイトルならIntel Graphics SoftwareでXeSS 3のマルチフレーム生成を適用できることを確認した

 最後に、PCに高い負荷がかかる作業をしたときの本体の表面温度をサーモグラフィで確認した。熱が大きい箇所でも47.1℃、キーボードは40.7℃とほんのり温かい程度。負荷の高いゲームでこの温度なら、オフィスワークで熱に悩まされることはないだろう。薄型でも冷却システムは優秀だ。

底面から吸気して背面から排気するシステム。負荷がかかるベンチマークを実行した際にもそれほど熱くならなかったため、薄型でも冷却力は十分と言ってよさそうだ
10分間負荷をかけた際のサーモグラフィ画像。高い場所でも47.1℃、直接触れる機会の多いキーボード部は40.7℃で、ほんのり温かい程度だった

仕事もプライベートも充実できる素晴らしい相棒になる

 899gの圧倒的な軽さでOffice処理でも9時間以上のバッテリー駆動が望めるという安心感。そしてCore Ultra シリーズ 3採用による高い性能を持ち、オフィスワークを快適にこなせる上に、高解像度かつ広色域のディスプレイによって映像作品も存分の楽しめる。仕事もプライベートも充実できる完成度の高いビジネスノートPCだ。長期間頼もしい相棒になってくれるだろう。