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GIGABYTEの40周年記念マザー「X870 AORUS INFINITY」は極冷OC用PCも常用最高性能PCも狙える!
高負荷で真価を発揮、GIGABYTEの技術の粋を集めたハイエンドモデル text by 坂本はじめ
- 提供:
- GIGABYTE
2026年8月10日 00:00
GIGABYTEの「X870 AORUS INFINITY」は、同社の創設40周年を記念して発売されたSocket AM5対応のハイエンドマザーボード。
オーバークロックに特化した設計を特徴としながらも、実用性もしっかりキープした仕様になっており、常用ハイエンドマシンにも好適な特性をもったモデルだ。GIGABYTEが40周年のマイルストーンとして作り上げた特別なマザーボードの機能と実力をチェックしてみよう。
GIGABYTEの創業40周年を記念したマザーボード最高性能を引き出すための「X870 AORUS INFINITY」
X870 AORUS INFINITYは、AMDのX870チップセットを搭載するSocket AM5対応マザーボード。フォームファクターはE-ATXとなっており、基板サイズは一般的なATXマザーボード(305×244mm)より横幅が30mmあまり大きい305×275mm。
冒頭でも紹介した通り、X870 AORUS INFINITYはGIGABYTEの創業40周年を記念して開発されたマザーボードであり、製品名のINFINITYは40周年の記念テーマとして掲げる「無限のイノベーション」に由来する。
黒を基調としたカラーリングに大型で肉厚なヒートシンクを多数搭載するX870 AORUS INFINITYは、ハイエンドマザーボードらしい重厚な風格を纏った製品だが、何よりもまず目を惹くのはCPUソケット周辺のユニークなレイアウトだ。
X870 AORUS INFINITYのCPUソケット周辺は、一般的なSocket AM5対応マザーボードのそれを反時計回りに90度回転させたようなレイアウトを採用。CPUソケット上側に2本のDDR5メモリスロット、右側にM.2スロット、そして左側から下側にかけてL字状に電源回路(VRM)が配置されている。
オーバークロックに特化したというコンセプト通り、2本のDDR5メモリスロットは最大でDDR5-11400動作に対応する高いオーバークロック耐性を備え、VRMにもCPUとSOC用に110A対応のSPS(スマートパワーステージ)を採用した18+2+2フェーズのデジタルTwin電源を搭載。
基板右端にはオーバークロック動作の微調整に役立つインジケーターやボタンが配置されており、常用を前提とした一般的なオーバークロックだけでなく、液体窒素などを用いるエクストリーム・オーバークロックでの利用も想定されていることがうかがえる。
X870 AORUS INFINITYには、CPUソケット周辺のオプションパーツとして「CPU Thermal Matrix」と「CPU OC Backplate」が同梱されている。
CPU Thermal MatrixはCPUソケット周辺をカバーする板状のヒートシンクで、裏面に貼り付けてあるサーマルパッドによってCPUソケット周辺基板から熱を吸い上げることで、メモリやVRM温度を低減する。
Socket AM5標準のCPUクーラー用リテンションが使用出来なくなるが、CPUのローディングメカニズムに変更を加えることはないため、CPUやマザーボードの製品保証には影響しない。なお、取り付け後はサーマルパッドにより強力に粘着するので、パッドの保護シールを剥がす前に仮置きし、使用予定のCPUクーラーと干渉しないことをチェックしておこう。
一方、CPU OC Backplateは液体窒素を用いるエクストリーム・オーバークロック専用のオプションパーツとされており、純正のCPUバックプレートを置き換えるものだ。
これを用いると、純正バックプレートがカバーしているCPU固定用のネジ穴を貫通穴として利用可能となるほか、純正バックプレートを介した熱伝導によるCPUソケット周辺基板の過冷却を抑制する効果が期待できる。
ただし、純正のCPUバックプレートはCPUのローディングメカニズムと一体になっているため、CPU OC Backplateへの換装によってCPUやマザーボードの製品保証が無効になる可能性がある。このため、GIGABYTEは液体窒素を用いるエクストリーム・オーバークロックを行う場合を除き、CPU OC Backplateへの交換は非推奨としている。
バックパネルインターフェイスには、Wi-Fi 7や5GbE、USB4 40Gbpsといった先進的なインターフェイスが並んでおり、エクストリーム・オーバークロックを目的としない常用PCの構築にも好適だ。
一方で、バックパネルにはレガシーなPS/2コネクタをマウス用とキーボード用の2系統備えている。さすがに使われる機会も少なくなってきたPS/2コネクタだが、液体窒素を冷却に用いる極限条件で生じがちなUSB周りの不具合を避けたいオーバークロッカーには必要な装備だ。
M.2スロットは合計3本。上段側2本が最大PCIe 5.0 x4に対応するCPU接続のスロット(M2A_CPU/M2B_CPU)で、最下段側の1本はPCIe 4.0 x4対応のチップセット接続のスロット(M2D_SB)。いずれもSSDの表裏を冷却可能なヒートシンクを備え、2280および22110サイズのM.2 SSDに対応する。
なお、CPU接続のスロットのうち、拡張スロットの中間に配置されているM2B_CPUスロットはUSB4ポートと帯域を共有しており、両方を有効化した場合は割り当てられるレーン数が2レーンに減少する。
X870 AORUS INFINITYが備える2本の拡張スロットは、いずれもCPUに直結されたPCIe x16形状のスロットで、CPUソケットに近いものが最大でPCIe 5.0 x16に対応する「PCIEX16」スロット、もう1本が最大PCIe 5.0 x8対応の「PCIEX8」スロット。両スロットは帯域を共有している。
また、これら2本のPCIeスロットは、ビデオカードのブラケット側を持ち上げるとロックが解除されるGIGABYTEの独自機構「PCIe EZ-Latch Up」を備えており、着脱が従来以上に容易になっている。
オーバークロック特化というだけあって、CPUソケット周辺のレイアウトやCPU OC Backplateなど尖った仕様が目立つX870 AORUS INFINITYだが、PCIe EZ-Latch Upやツールレスで利用可能なM.2スロットなど、一般的なPCを構築するのに便利な機能も数多く搭載されており、常用PCの構築を目指すユーザーにとっても使いやすいマザーボードだ。
VRMとバックパネルインターフェイスを覆う部分にユニークなスライドパネルを搭載するなど、ビジュアル的にも凝った作りのマザーボードでもあるので、オーバークロックに興味がないからと言って避ける必要はない。
Ryzen 9 9950X3DとGeForce RTX 5080を搭載してハイエンド環境を構築X870 AORUS INFINITYの実力をチェック
今回は、X870 AORUS INFINITYにRyzen 9 9950X3DとGeForce RTX 5080を搭載したゲーミングPCを構築してみた。
CPUの冷却を担うのはGIGABYTEの360mmオールインワン水冷クーラー「AORUS WATERFORCE X II 360」。テスト時は冷却ファンの速度を約1,600rpm、ポンプ速度を最大に設定している。
以下の写真が今回構築した検証用PCだ。オープンフレームケースを利用して構築しており、水冷クーラーのラジエーターは天板部分に搭載した。

独自オーバークロック機能「X3D Turbo Mode 2.0」の効果を確認Ryzen 9 9950X3Dの性能をどこまで引き出せる?
X870 AORUS INFINITYは、オーバークロックに詳しくないユーザーでもRyzen 9000X3Dシリーズのポテンシャルを活用できる独自機能「X3D Turbo Mode 2.0」を備えている。
X3D Turbo Mode 2.0は、マザーボードが備える内蔵AIモデルと専用ハードウェアが、CPUの動作を動的に最適化するオーバークロック機能で、BIOSまたはWindows上のユーティリティソフト「OnFly X3D」で動作モードを選択するだけで、簡単にCPUのポテンシャルを引き出すことができる。
適用するとCPUの製品保証が無効になる点に注意が必要だが、オーバークロックに詳しくないユーザーでも簡単にその効果を楽しめるのがX3D Turbo Mode 2.0の魅力だ。
X3D Turbo Mode 2.0には、3つの動作モード「標準(Standard)」、「最大パフォーマンス(Max Performance)」、「エクストリームゲーミング(Extreme Gaming)」が用意されている。なお、BIOS上であれば「Disabled」、ユーティリティのOnFly X3Dであれば「停用」の項目を選択すると、X3D Turbo Mode 2.0機能がオフになり定格動作に戻る。

実際にRyzen 9 9950X3Dに対して適用してみたところ、基本的な設定は上記の表のように変化した。
X3D Turbo Mode 2.0無効時と比較すると、いずれのモードも電力リミットと電流リミットの上限値が大幅に緩和されていることが分かる。具体的には、電力リミットのPPTは810W、電流リミットはTDCが540A、EDCが720Aまで開放されており、いずれも実質的に無制限と言ってもよい値だ。
さらに、エクストリームゲーミングモードに関しては、3D V-Cache非搭載のCPUダイ(CCD)とSMTが無効化され、8コア/8スレッドCPUとして動作していた。これらのチューニングによりCPUのパフォーマンスがどれだけ変化するのか、ベンチマークテストやゲームで確かめてみよう。
Cinebench 2026
3DCGレンダリング性能を計測するCinebench 2026では、CPUのマルチスレッド性能を計測するMulti Threadsを最低実行時間10分で実行した。

X3D Turbo Mode 2.0無効時のスコア「9,630」だったのに対し、各モードのスコアは標準が「10,058」、最大パフォーマンスが「9,818」、エクストリームゲーミングが「4,325」だった。
標準とエクストリームゲーミングに関しては概ね想像通りのパフォーマンスが得られているが、最大パフォーマンスが標準を下回るスコアにとどまったのは意外な結果だ。
この疑問を解消すべく、モニタリングソフトを使ってテスト実行中のCPUクロックおよびL3キャッシュの平均クロックをCPUダイごとに計測した結果が以下のグラフ。


3D V-Cacheを搭載するCCD-0と非搭載のCCD-1のCPUクロックを確認すると、X3D Turbo Mode 2.0無効時はCCD-0/1ともに5,000MHz弱であるのに対し、標準モードはCCD-0/1ともに約5,140MHzに向上。CCD-0のみが有効なエクストリームゲーミングでは約5,237MHzとなっている。
一方、最大パフォーマンスはCCD-0が約5,061MHzであるのに対し、CCD-1は無効時を下回る約4,743MHzとなっている。CPUクロックだけ見ると不思議なチューニングだが、その意図はL3キャッシュのクロックを確認すると見えてくる。
最大パフォーマンスのL3キャッシュは3D V-Cacheを備えるCCD-0が約5,304MHzで、CCD-1は約4,965MHzとなっている。標準モードがCCD-0/1ともに5,130MHz弱なのと比べると、最大パフォーマンスモードが3D V-Cacheの高速化に重きを置いていることが分かる。
結果的に全てのCPUコアを稼働させるCinebench 2026のMulti Threadsでは標準モードを下回った最大パフォーマンスだが、ゲームのように3D V-Cache搭載CCDに処理を集中させるシチュエーションで強みを発揮することを目的としているのだろう。
3DMark「CPU Profile」
CPUの性能を稼働スレッド数ごとに計測する3DMark「CPU Profile」を実行し、X3D Turbo Mode 2.0無効時のスコアを基準に比較したものが以下のグラフ。

X3D Turbo Mode 2.0の標準モードは、16スレッド以下では1~2%、最大スレッドでは約7%、無効時のスコアを順当に上回っている。一方、8コア/8スレッドCPUとして動作するエクストリームゲーミングは、16スレッド以上では無効時を大きく下回っているが、8スレッド以下では最高のスコアを記録した。
最大パフォーマンスについては、16スレッド以上では無効時を4~5%上回ったが、8スレッド以下では無効時をわずかに下回っている。これは、3DMarkのCPU Profileが「CPUテスト」と判定され、処理が3D V-Cache非搭載のCCD-1に優先して割り当てられるためだ。
X3D Turbo Mode 2.0はBIOS更新とともにアップデートされる可能性があるため、あくまでテスト時点のチューニングではあるが、Ryzen 9 9950X3Dの最大パフォーマンスモードは、標準モードに比べやや癖のあるモードであるようだ。
VALORANT
FPSゲームのVALORANTでは、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の高画質設定で、訓練場の高CPU負荷シーンで平均フレームレートを計測した。

計測の結果はきれいな階段状になっており、X3D Turbo Mode 2.0無効時が約604.1fps、標準は約614.4fps、最大パフォーマンスは約626.8fps、エクストリームゲーミングは約679.9fpsを記録した。
Cinebench実行中のCPUクロックとL3キャッシュがともに最速だったエクストリームゲーミングがその名に違わぬ速度を示す一方で、3D V-Cache搭載CCDの高速化に重点を置く最大パフォーマンスも標準モードを上回るパフォーマンスを発揮してみせた。
Forza Horizon 6
Forza Horizon 6では、フルHD解像度でアンチエイリアスをTAAに設定し、グラフィックプリセット「エクストリーム」と「ミディアム」でベンチマークモードを実行。平均フレームレートを計測した。

グラフィックプリセット「エクストリーム」では、いずれのモードも173~174fpsで横並びとなっている。これは、いずれもGeForce RTX 5080の性能を最大限に引き出せているためだ。
グラフィックプリセットを「ミディアム」に引き下げても、無効時と標準、最大パフォーマンスの平均フレームレートは255~257fpsで横並びとなっているが、エクストリームゲーミングのみ264fpsを記録して頭一つ抜け出している。8コア/8スレッド動作によって犠牲になるマルチスレッド性能は大きいが、その名の通りゲームに関してはそれなりに有効なことがうかがえる。
CPUが250W前後で動作し続けても余裕なX870 AORUS INFINITY長時間の負荷でもVRM温度を60℃以下に抑え込む優秀な設計
ハイエンドマザーボードであるX870 AORUS INFINITYは、18+2+2フェーズの強力なVRMを搭載しており、Ryzen 9 9950X3DをX3D Turbo Mode 2.0でオーバークロックしても、安定した動作で素晴らしいパフォーマンスを発揮した。
その持続性や余力のほどを確かめるべく、CPUに高負荷が生じるCinebench 2026のMulti Threadsを最低実行時間30分で実行。VRM温度をはじめとする各種パラメーターの変化をグラフ化した。テスト時の室温は約26℃。
X3D Turbo Mode 2.0の各モードと無効時のモニタリングデータを確認した結果、もっともCPU消費電力が大きかったのは平均247.3Wを記録した最大パフォーマンスだったので、今回は同モードの結果をピックアップして紹介する。
最大パフォーマンスモードでCinebench実行中のVRM温度は平均54.2℃(最大58℃)。CPUが250W近い電力を消費し、冷却ファンによるVRM周りへの送風が無いに等しい状況でありながら、VRM温度を60℃以下に抑え込んでいる。VRM用ヒートシンクの優れた放熱性と、CPU用に採用した110A対応SPSの高効率さが光る結果だ。
高負荷環境での常用にも好適なハイエンドマザーボード特別な1台が構築できるGIGABYTE40周年記念モデル
GIGABYTEの創業40周年記念モデルとして発売されたX870 AORUS INFINITYは、液体窒素の使用も想定したオーバークロック特化設計であると同時に、高負荷な環境での使用にも強い性質を持っている。競技用オーバークロック向けの尖った機能を備える一方で、扱いやすいモダンなマザーボードにも仕上げられており、オーバークロックをするつもりのないユーザーでも臆せず使えるハイエンドマザーボードだ。
GIGABYTEが40年の技術の粋を集めたX870 AORUS INFINITYで構築するPCは、きっとユーザー自身の自作PC史にも深く刻まれるものになるだろう。性能だけでなく、価値やステータスにもこだわった特別なPCを構築したいユーザーにぜひおすすめしたい1枚だ。


































