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省スペースで活用できる機能を満載する最新ミニPC、MSI「Cubi NUC AI+ 3MG-024JP」

液晶モニターとスマートに連係できる設計が魅力 text by 竹内 亮介

 小型で置き場所を選ばず、性能も高いためPCの選択肢の1つとして定着した感のある「ミニPC」。ただ本当にいろいろなメーカーからたくさんのモデルが発売されているため、どれを選べばよいのか分からない人もいるだろう。また一般的な大手PCメーカーや自作PCユーザーになじみのあるメーカー製ではないこともあり、ちょっと躊躇しているユーザーもいるかもしれない。

 そうしたユーザーにおすすめなのが、今回紹介するMSIのミニPC「Cubi NUC AI+ 3MG-024JP」だ。手のひらサイズのコンパクトボディながらもIntel最新世代のノートPC向けCPUを搭載しており、高い性能と使い勝手を両立している。また液晶モニターと組み合わせてコンパクトに使いたいときに便利な機能も備えており、おすすめの1台だ。

手のひらサイズの超小型ボディに高性能CPUを搭載

 古株の自作PCユーザーからするとMSIは、マザーボードやビデオカードなどPCパーツメーカーとしてのイメージが強く、コストパフォーマンスの高い液晶モニターも広く知られている。しかしそのほかにも、強力なCPUやGPUを搭載したゲーミング向けやスタイリッシュで機動力にも優れたビジネス向けまで幅広いジャンルをカバーする多彩なノートPC、パワフルなスペックの大型デスクトップPCから今回紹介するような小型PCまで、さまざまなスタイルの完成品PCも展開しており、PCメーカーとしての存在感も大きい。

Cubi NUC AI+ 3MG-024JP。実売価格は23万円前後

 今回紹介する「Cubi NUC AI+ Series」は、同社ではビジネス向けのデスクトップPCとして位置付けられた最新モデルだ。今回試用した上位モデル「Cubi NUC AI+ 3MG-024JP」では、CPUとしてIntelの最新世代「Core Ultra 7 355」を搭載しており、Microsoftの「Copilot+ PC」基準を満たす強力なPCに仕上げられている。

【主なスペック】
CPUIntel Core Ultra 7 355(8コア8スレッド)
NPU49TOPS(Copilot+ PC準拠)
メモリDDR5 SO-DIMM 16GB×1(空き1スロット、最大128GB)
ストレージ512GB(M.2 NVMe)
主なインターフェースThunderbolt 4×2、
USB 10Gbps Type-C×1+Type-A×1、USB 2.0×1、
2.5GbE×2、HDMI 2.1×2(うち1基はPower Link対応)
無線通信Wi-Fi 7(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be)、Bluetooth v5.4
本体サイズ(W×D×H)119.6×115.2×37.5mm
重量約500g
OSWindows 11 Pro

 Core Ultra 7 355は、コードネーム「Panther Lake」と呼ばれていたノートPC向けのCPUだ。Core Ultraシリーズの3世代目で、高性能コア×4と低消費電力・高効率コア×4で構成される8コア8スレッドに対応する。さらに、49TOPSのNPU(Neural Processing Unit)や、Xe-coreの最新GPUを内蔵しており、幅広い用途に対応できるスペックにまとまっている点が特徴だ。

 筐体サイズは、幅119.6×奥行き115.2×厚み37.5mm。似たスタイルのほかのミニPCと比べると一回り小さく、そして薄い。こうしたコンパクトな筐体ながら、前面にはUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)対応のType-AコネクターとType-Cコネクター、USB 2.0ポートを搭載。背面にはHDMIとThunderbolt 4、2.5GbE対応の有線LANポートを2基ずつ搭載するなど、ミニPCとしてはかなり充実したインターフェース構成を備える。

手のひらサイズで非常にコンパクトだ
前面には、USB 10Gbps対応のType-AおよびType-Cコネクター、マウスやキーボードの接続で利用するUSB 2.0ポートなどを装備
背面にはそれぞれ2基のThunderbolt 4、HDMI、有線LANポートを装備

 ビジネスシーンでは、ExcelシートやPDFの資料、プレゼンテーションファイルなどを開きながら作業することも多い。最大合計4台のディスプレイを同時に接続してマルチディスプレイ環境を作れる本機では、快適に作業できるだろう。有線LANや高速な外部ストレージを利用して、大容量のデータのやり取りが発生する用途もスムーズに行えるはずだ。

左側面にはケンジントンロックスロットと、後述する電源ボタン用ポートを装備
ミニPC単体のパッケージではなく、キーボードやマウス、ACアダプターなどを同梱する。本機だけ買えばすぐ使い始められるパッケージ構成

 前面の電源スイッチには指紋認証センサーが組み込まれている。出社時にPCを起動したときはもちろん、打ち合わせなどで離席した後に復帰する際にも、指先で電源ボタンに触れるだけでPCが使える状態になる。こうした生体認証機能を一度でも使えば、その利便性から離れられなくなる。

電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねている

 またちょっとおもしろいのが、MSIの「MSI Power Link」機能への対応だ。これは、MSI Power Link対応の液晶ディスプレイと組み合わせることで、液晶モニターの電源ボタンと同期してCubi NUC AI+ 3MG-024JPの電源もオンにできるという機能である。

MSI Power Linkに対応する24型液晶モニター「PRO MP245PG E14」
映像入力端子はDisplayPort、HDMI、Dsub 15ピンの3系統

 対応液晶モニターと接続する際に、特別なケーブルやポートは必要ない。作業としては非常に簡単で、Cubi NUC AI+ 3MG-024JP側にある「Power Link」と記されたHDMIポートと、液晶モニターのHDMIポートを、HDMIケーブルで接続するだけでよい。液晶モニターの電源がオフになっている状態(モニターの電源LEDがオレンジ色の“スリープ”状態ではなく、消灯している状態)で電源ボタンを押すと、液晶モニターと同時にCubi NUC AI+ 3MG-024JPが起動し、サインイン画面が表示される。

 Cubi NUC AI+ 3MG-024JPは、液晶モニターの背面に本体を固定できる「VESAマウンタ」に対応する。ただし背面にマウントした状態だと、Cubi NUC AI+ 3MG-024JPの電源ボタンに手が届きにくくなってしまい、少々不便ではある。そこで利用したいのがMSI Power Linkで、対応の液晶モニターと組み合わせることで、この欠点を解消できる。

Cubi NUC AI+ 3MG-024JPの背面にある2基のHDMIポートのうち、「Power Link」と表記された側にHDMIケーブルを挿し
PowerLink対応モニターのHDMI端子と接続
モニターの電源ボタンを押して電源を入れる。するとCubi NUC AI+ 3MG-024JPが連動して起動し、Windows 11が利用できるようになる

 MSI Power Link対応ではない液晶モニターと組み合わせる場合は、左側面に装備する電源用ポートを活用したい。Cubi NUC AI+ 3MG-024JPには電源ボタンを引き出すためのケーブルを同梱しており、このケーブルを電源用ポートに挿す。

Cubi NUC AI+ 3MG-024JPには、大きな電源ボタンが付いたケーブルが同梱されている。これを本体左側面にある電源ボタン端子に挿す

 このケーブルの電源ボタン部分のみを手元に引き出しておけば、液晶モニターの裏側に手を回さなくてもCubi NUC AI+ 3MG-024JPの電源をオンにできる。本体の電源ボタンにアクセスしにくい場所に設置しなければならないこともある業務向けのPCでよく見かける機能だが、実は一般向け用途でも便利なのだ。

この電源ボタンをモニター脇などに引き出しておけば、モニター裏に手を回して電源を入れるという必要はなくなる

PRO MP245PG E14の背面にCubi NUC AI+ Seriesをマウントする

PRO MP245PG E14は、スタンドに引っかけるようにしてCubi NUC AI+ SeriesなどのミニPCを固定できる「VESAマウンタ」プレートを同梱している。Cubi NUC AI+ Seriesをモニター背面に固定するには、まずこのプレートをモニタースタンド背面に引っかけるように取り付けておく
Cubi NUC AI+ Seriesのパッケージに付属するVESAマウンタを、取り付けておいたプレートにネジ止めする(要プラスドライバー)

※PRO MP245PG E14は標準スタンドをモニター背面のVESAマウントに取り付けるため、別途プレートを使用するが、モニターのVESAマウントが空いているのなら、PC付属のプレートを直接取り付けられる。VESA 100/75に対応
取り付けたプレートの“H”マークの両脇に突起があるので、ここにCubi NUC AI+ Seriesの底面にある穴を合わせて引っかけて固定する。しっかり固定できる取り付け方向が決まっているので、本体の天地の向きに注意
取り付け完了。PC本体はネジ止めしていないが、落下の心配がない程度にはしっかり固定でき、取り外しも簡単だ

基本パフォーマンスは十分高く、メモリ拡張も容易

 Core Ultra 7 355は第3世代Core Ultraシリーズの中では上位モデルにあたり、使い勝手は良好だ。Windows 11や各種アプリはスムーズに起動し、基本的なウィンドウ操作でカクつくような場面はもちろんない。また、Copilot+ PC対応なので、搭載するNPUを活用したWindows 11最新のAI機能も利用できる。

Cubi NUC AI+ 3MG-024JPは第3世代Core Ultraのひとつ、Core Ultra 7 355を搭載。Pコアを4基、低消費電力Eコアを4基搭載する8コア8スレッドの強力なモバイル/小型プラットフォーム向けCPUだ

 それでは実際にベンチマークテストでその性能を見てみよう。まず、PCの基本的な性能を見るPCMark 10から。

PCMark 10の計測結果

 筆者はこれまでCPU内蔵GPUを利用するミニPCをいろいろ検証してきたが、そうしたミニPCと比べても十分な性能を備えているものと判断できる。日常的なWeb利用や動画コンテンツなどの視聴、ビジネスアプリケーションでの作業や写真・動画の基本的な編集くらいの作業であれば、特に不満を感じることなく利用可能だろう。

 次に、3Dゲーム性能を見る3DMarkの結果は下記のとおり。

3DMarkの計測結果

 CPU内蔵GPUを利用することになるため、本格的な3Dゲームをプレイするのはやや厳しいものの、Night Raidのスコアは2万超となっていることから、軽量なDirectX 12タイトルであれば設定次第では十分にプレイ可能と言えそうだ。

 実際に、非常に負荷の高いタイトルでなければ、ゲームはそれなりに動作する。たとえば、ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークで、グラフィックス設定を[標準品質(デスクトップPC)]と[高品質(デスクトップPC)]に設定したときの総合スコアを比較したのが下のグラフである。

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークの計測結果

 評価に関しては[高品質(デスクトップPC)]設定では[設定変更を推奨]で、動きがカクつく場面も多い。しかしこれを[標準品質(デスクトップPC)]設定に変更すると[やや快適]となり、動きもそれなりになめらかだった。もちろん強力なGPUを搭載したPCにはおよばないものの、手のひらサイズのミニPCでもそれなりにゲームをプレイできることには驚く。また今回の試用機ではメインメモリが16GBのシングルチャンネル構成だったため、もう1枚16GBモジュールを増設してデュアルチャンネル構成にできれば、さらなる性能向上が期待できるだろう。

 本機の用途はもちろんゲーミングではないが、ゲームを動かせる性能のCPU内蔵GPUと、Copilot+ PCの要件を満たすNPUを搭載しているということは、手のひらサイズの極小ボディながら十分な「用途の幅の広さ」を示すものと言える。

マシン内部にも簡単アクセス将来的なスペック強化も可能

 最後に、筐体内部の拡張性を見ていこう。本機は底面から内部にアクセスできる構造になっており、底面も簡単に着脱できる。具体的な着脱方法は下の写真で紹介しているとおりだ。比較的簡単に作業できるため、将来的に、メモリの増設やシステムSSDの換装を行いたくなったときに役立つ。現状、DDR5メモリやSSDは価格高騰が厳しい情勢。今はこのスペックで運用するとして、今後本機を長く利用していく場合には、この容易なアクセス性が活きるだろう。

底面には固定用のネジと底面パネルをロックするためのレバーがある
まずは写真で左上側にある固定用のネジを緩める。完全に外す必要はない
次に、その右側にあるピンに付いているレバーを起こしつつ、ピンを左方向にスライドしてロックを解除
さらにそのままレバーごと底面パネルを開くように引き上げて外す。パネルが外れないときは無理に引っ張らず、ネジやロックの解除が行われているかをもう一度確認しよう。「ピンをロック解除方向にスライドしながら底面パネルを引き上げる」を一連の動きとしてできれば、意外と簡単に外れる。強引に外そうとしないように!
底面パネルを外すとこんな感じで内部にアクセスできるようになる
写真の下側にDDR5 SO-DIMMスロットが2基配置されている。Cubi NUC AI+ 3MG-024JPでは、うち1基に16GBモジュールが導入済み。M.2 SSDスロットは1基で512GBモデルが組み込まれている

 ミニPCらしいサイズ感だけにとどまらず、液晶モニターと組み合わせてさらにコンパクトに設置できるユニークな機能も魅力的なCubi NUC AI+ 3MG-024JP。AI活用にも対応した最新CPUを搭載することで、基本性能でも隙のない作りだ。メインターゲットとなるビジネスユーザーはもちろん、拡張性の低いノートPCでは満足できない個人ユーザーにとっても、訴求性の高いモデルと言ってよいだろう。