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声で3Dモデリングできる!しかも全部ローカルで!ゲーミングノート「MSI Raider 16 Max HX B2W」をローカルAIマシンにしてみた
GeForce RTX 5090 Laptop GPUの性能はAIでどう使える? text by 日沼諭史
- 提供:
- MSI
2026年10月28日 00:00
ゲームを快適にプレーするために生まれたゲーミングノートですが、近頃はAIマシンとしての一面にも注目が集まっています。高いGPU性能は、AI処理をオフライン実行するローカルAIにおいても優れた性能を発揮するからです。
では、高性能GPUのなかでもハイエンドの「NVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を搭載するゲーミングノートだとどんなことが可能になるのでしょうか。「MSI Raider 16 Max HX B2W」(以降、MSI Raider 16)を使って、GPUのポテンシャルを最大限に引き出せるローカルAI処理に挑戦してみました。
ゲームは当然快適!16型で最上位クラスのMSI製ゲーミングノート
MSIの「Raider」シリーズは、MSI製ゲーミングノートPCの中でもハイエンドクラスをカバーする製品。ディスプレイは有機ELと液晶の2種類をラインアップしており、いずれも解像度は2,560×1,600ドット、リフレッシュレート240Hzのまさにゲーム向け。
テストに使用した機体は、Intel Core Ultra 9 275HX(24コア24スレッド、最大5.4GHz)に、NVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPU(VRAM 24GB)を組み合わせた構成のモデル。メモリ容量は32GBで、ストレージはSSD 1TB。
なお、メインメモリは32GBと64GBのモデルがラインアップされており、ストレージは1TBまたは2TBのモデルがラインアップされています。
| MSI Raider 16 Max HX B2W(試用機)のスペック | |
|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra 9 275HX(24コア24スレッド、最大5.4GHz) |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPU 24GB |
| メモリ | DDR5 32GB |
| ストレージ | M.2 NVMe SSD 1TB |
| ディスプレイ | 16型/液晶/2,560×1,600ドット/240Hz |
| 無線ネットワーク | Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4 |
| 有線ネットワーク | 2.5GbE |
| インターフェイス | Thunderbolt 4(40Gbps)×2/USB 3.2 Gen.2 Type-A(10Gbps)×3 SDXC対応カードスロット/HDMI出力/4極オーディオジャック |
| カメラ | 207万画素/Windows Hello顔認証 |
| スピーカー | ステレオ2スピーカー+2ウーファー |
| OS | Windows 11 Pro |
| バッテリー | 91.8Whr |
| ACアダプタ | 400W対応品付属 |
| 本体サイズ | 約363×269.7×28.85mm |
| 本体重量 | 約2.6kg |
インターフェースは、Thunderbolt 4ポートが2基、USB 3.2 Gen.2 Type-Aポートが3基と豊富です。HDMI出力やヘッドセット端子のほか、SDXC対応のSDカードリーダーも利用できることから、クリエイティブワークにもフィットするでしょう。
207万画素の内蔵WebカメラはWindows Hello顔認証対応で、ネットワークはWi-Fi 7に加えて2.5GbEの有線LANポートもあり、高速かつ安定した通信が可能です。2スピーカー+2ウーファーでリッチなサウンドを奏でられるのも特徴で、ゲーミングノートとしては現時点で最強レベルのスペック、と言っても過言ではありません。
ちなみに、キーボードは16型らしくテンキー付きの余裕があるレイアウトとなっています。「WASD」キーと電源キーがスケルトンになっており、キーボード全体のバックライトと筐体前面がフルカラーで光るのも特徴的で、このあたりもゲーミングらしい部分です。
というわけで、ここでいったんゲーミング性能を念のためチェックしてみましょう。ゲームタイトルは「プラグマタ」。フルスクリーンの2,560×1,600ドットで最高画質に設定し、DLSS4によるフレーム生成オンとオフを切り替えてフレームレートを計測してみました。結果は下記のグラフです。
想像していた通り、文句なしの結果。レイトレーシングもものともせず、DLSS4のフレーム生成がオフでも平均60fps近く、フレーム生成オンなら平均180fpsで、ストレスフリーなゲーム体験が得られました。
ゲーミングノートでローカルAIを試すときに注意すべきこととは?クラウドAIとローカルAIのメリット/デメリットを再確認
当たり前のようにゲームが快適に動くことを確認できたところで、いよいよAIマシンとしてMSI Raider 16がどう使えるのか検討していきたいと思います。
まず前提として、ChatGPTやClaudeといったクラウドAIを利用するのであれば、PC側の性能はそれほど必要ありません。重いAI処理(推論)はサーバー側で行なわれ、ユーザーのPC上ではその結果を受け取って表示するだけです。
最高峰のAI、いわゆるフロンティアモデルと呼ばれるAIが使えるのも、クラウドの大きな利点でもあります。しかし継続的に費用がかかること、一定期間における利用上限があること、ネット接続が必要なこと、機密情報を扱いにくいこと、といったデメリットもあります。
対して、手元のPCで処理が完結するローカルAIなら、そうしたデメリットとは無縁でいられます。無償で使える多種多様なAIモデルが存在し、それらを好きなときに好きなだけ使えるうえに、かかるのはPCを動かすための電気代だけ。動作時のネット接続は不要で、機密情報を入力しても漏れる心配は通常ありません。
ただ、ローカルAIを使おうとすると主にVRAM容量がネックになります。実用的な速度でAI処理を行なうには、GPUとの間で高速にデータをやり取りできるVRAM上にAIモデルを置いておく必要があるためです。賢いAIモデルほどサイズが大きく、VRAMに収まらなければ処理が遅すぎてかえって作業が非効率になりかねません。
その意味では、GeForce RTX 5090 Laptop GPUの24GBというVRAM容量はゲーミングPCとしては余裕があっても、ローカルAI用として見たときには大容量とは言えません。しかもシステムや他のアプリが消費する分のVRAMも考慮する必要があるため、AI処理に使えるのは実質的に20~21GBほどになってしまうことがあります。
とはいえ、GeForce RTX 5090 Laptop GPUはメモリ帯域に関して言うと896GB/sと広く、GPU自体の性能も高いため処理自体はかなり高速です。つまり、実質最大約21GBという制約のなかで、どれだけ賢いAIモデルを選べるかがMSI Raider 16におけるローカルAI活用の鍵になってきます。
これはかなり厳しく感じられますが、ありがたいことに、最近は「量子化」や「MoE」「MTP」といった技術により、大型AIモデルの賢さを保ちながら必要VRAMの低減や動作の高速化を図る取り組みが盛んに行なわれています。そういった軽量化版のAIモデルを使えば、MSI Raider 16を本格的なAIマシンに仕立て上げることが可能です。
ただチャットするのは面白くない。そうだ、声で3Dモデリングしよう!
以上を踏まえて、MSI Raider 16でどんなことができるのかというと、もちろんAIチャットはできますし、コーディングエージェントを用いてプログラム開発も可能です。
でもそれだけなら、わざわざローカルAIを使う意義が薄く感じられます。GeForce RTX 5090 Laptop GPU本来の性能、引いてはMSI Raider 16のポテンシャルをしっかり活かせる用途とは言えないのではないでしょうか。
そこで今回試してみたのが「3D CG作成の自動化」です。3D作成ツールの「Blender」を使用して、AIからそれをコントロールし、ユーザーが手を動かさずに3D CGを作れるようにする、というもの。ローカルAIで環境が整ってしまえば、“気に入るまで何回試行錯誤してもずっとタダで作り放題(電気代を除く)”というのは魅力的ではないでしょうか。使用するトークン数に応じて課金されるクラウドAIでは、こういった使い方は難しかったりします。
では、どうやって自動化するのかというと、AIツールと一般のアプリ・サービスとを連携させる仕組みとして用意されている「MCP」を活用します。たとえばAIチャットで「Blenderで立方体を作って」と指示すれば、AIがBlenderを操って立方体をモデリングしてくれるのです。
ただ、それでもまだちょっと物足りない。せっかく自動化するなら、一切人の「手」を使わずにできるようにならないものか。と思い、ノートPCに必ず内蔵されているマイクを使って、「声で指示して3Dモデリングしてもらう」ことにしました。
整理すると、「立方体を作って」とMSI Raider 16のマイクに向かってしゃべると、それをMSI Raider 16上で動かしているローカルAIが音声認識し、文字起こしします。
その後、そのテキストをまた別のローカルAIが読み取ってユーザーの意図を判断し、MCPを通じてBlenderをコントロールし立方体を作る、という流れです。図でシンプルに表すと下記のような感じになります。
ここでのポイントは、先ほど書いた通りMSI Raider 16のVRAMにAIモデルが収まるかどうか、です。図で言うと文字起こしする「音声認識」の箇所と、そのテキストを元にMCP用の指示を作成する「LLM」でそれぞれ1つずつ、計2つ必要です。AIモデル選びは一段と慎重にしていかなければなりません。
Blenderを声で操るシステムが完成!量子化されたAIモデルをフル活用
そんなわけで、有望そうなAIモデルをいくつかピックアップしました。それらを比較検証したところ、わりと最近登場した「Qwen3.8 27B」の量子化版である「Qwen3.8-27B-GGUF IQ4_XS」が今回の用途では精度、速度のバランスが取れていたので、テキストの読み取り&MCP指示用のAIモデルとして選びました。
また、音声認識用のAIモデルは、NVIDIAの「Nemotron 3.5 ASR(nemotron-3.5-asr-streaming-0.6b)」を利用することにしました。日本語音声にも対応しており、「0.6b」とある通りサイズ(VRAM使用量)も極小です。NVIDIA製なのでGeForceシリーズとの相性もいいはず。
最終的にシステム構成は下図のようにしました。「クライアント」というのは要するにWindows用のGUIアプリです。ユーザーはこれを通じて音声入力し、AIモデルなどを動かすサーバー(MSI Raider 16上で動作しています)に音声を送ります。そうすると文字起こしされるので、裏で動いている自作専用エージェントがそれを解釈し、BlenderのMCPに送る、という形です。
システムに必要なプログラムのコーディングにはClaude Codeを利用しましたが、「Sonnet 5.5(エフォートレベル:高)」を使って完成までだいたい半日。Proプラン(月額約3,000円)における週間利用量の30%弱を消費しました。環境構築の部分のみクラウドAIを使用したのでAIの使用に費用が掛かっていますが、このほかの部分はローカルAIなので使用に関して費用はかかりません。
なお、今回の「クライアント」と一部の「サーバー」は元々音声入力アプリとして過去に作成したものをほぼ流用できたので、その分実装が短く済んだところもあります。とはいえ、仮に全部ゼロから作ったとしても1~2日で完成できる作業量で、高額なMaxプランが必要になるほどではありません。
こうして完成した「音声入力で3Dモデリングする仕組み」ですが、MSI Raider 16およびGeForce RTX 5090 Laptop GPUのパワフルさを肌で実感できる仕上がりとなりました。
マイクに向かって「○○を作って」と指示すると、それを瞬時に音声認識して文字起こしし、話し終えるとその内容をAIが把握して、起動中のBlenderに命令を送ります。勝手に3Dの編集画面が動いて声で指示した通りにモデリングしていく様は、ちょっと感動モノです。
単純な図形だけでなく、「△△みたいな風景を作って」のようなざっくりとした指示でも、それに沿った風景CGをちゃんと作ってくれます。どのようなテクスチャにして、どのようなカメラアングルにするか、といった指示も理解し、最終的なレンダリング画像の出力も声で命令できます。
もちろん音声を誤認識してしまう場合もあります。が、そこはAIが前後の文脈などを見て「いい感じ」に補正して解釈してくれますし、「元に戻して」で前の状態にすぐ戻せたりするので、安心してどんどん指示していけます。
心配だったVRAM使用量も、下図にあるようにトータル19GB弱で、5GBほどの余裕ができました。VRAM 24GBのGeForce RTX 5090 Laptop GPUだからこそ可能な仕組みで、これよりVRAM容量の少ない下位GPUのゲーミングノートでは実現できなかったはずです。
ゲーミングノートでどんどんローカルAI活用を!
ローカルAI処理向けのマシン、というと、64GBや128GBといった大容量のVRAM(統合メモリ)を搭載したワークステーションが必要に思われるかもしれません。が、実際にはもっと少ないVRAM容量でも本格的な運用が可能です。
むしろVRAMが少なかったとしても、GeForce RTX 5090 Laptop GPUのようなメモリ帯域の広いGPUの方が有利なAI処理も少なくありません。
同GPUを搭載するMSI Raider 16なら、普段のPC利用がもっと便利になるローカルAIの使い方が他にもたくさん考えられるはず。みなさんもローカルAIをガンガン試して、今まで以上にゲーミングノートを楽しんでください。






















