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2020年の中古PCはSkylake世代がお買い得!?中古市場にも世代交代の波が来た

割安な中古PCを選ぶポイント text by 佐藤 岳大

Core i5-6300U搭載の「LIFEBOOK E556/M」

 中古PC市場では、流通しているPCの世代交代が起きている。

 これまで手頃な価格のモデルはIntel Core iシリーズの4000系(Haswell)以前のCPUを搭載するモデルが多かったが、徐々にCore iシリーズの6000系(Skylake)のCPUを搭載したモデルも安価になりつつある。

 Core i 6000系のSkylakeは、DDR4のサポートやM.2のNVMe SSDが普及しだした境目の世代となるため、中古PCを購入する際には狙い目のモデルだ。

 今回は実際にSkylake世代の中古ノートPCを使ってその使い勝手を見るとともに、中古PCを選ぶ上で見るべきポイントなどを紹介したい。

Skylake世代の中古PCが今アツい5万円割れの選択肢が一気に増加し4万円割れのモデルも

記事執筆時(10月9日時点)では他の世代と比べても在庫が潤沢だった。税込39,800~43,800円前後で販売されているモデルも多い。

 今回OA-PLAZAでの販売を例に取り上げるが、Skylake世代の中古ノートPCに力を入れていることがうかがえる。選択できるモデルも多く、Haswell世代のCore i5-4310/4GBメモリ/120GB SSD搭載のパナソニック レッツノート「CF-MX3」が税込39,800円で販売されているのに対し、Skylake世代のCore i5-6300U/4GBメモリ/256GB SSD搭載のパナソニック レッツノート「CF-SZ5」が税込43,800円にて販売されている。

パナソニック CF-MX3の価格は税込39,800円(10月9日時点)。
一方パナソニック CF-SZ5は税込43,800円(10月9日時点)。

 Haswell世代との価格差は4,000円だが、CPU自体の性能や搭載SSDの容量に2倍の差があることを考えれば割高ではないだろう。この程度の価格差であれば、Skylake世代を選ぶのがおすすめだ。

 このほかのモデルもSkylake搭載の中古ノートPCは税込で39,800~43,800円前後で販売されているモデルが複数あり、使い物になる世代の製品が手ごろな価格になりつつあることがわかる。

SkylakeはDDR4/NVMe SSD対応の境目の世代現行PCに近い構成の中古ノートを選ぶならこの世代

Skyalakeアーキテクチャの概要

 SkylakeアーキテクチャのモバイルCoreプロセッサは、2015年9月に出荷が開始された。Skylakeアーキテクチャは、その後のKaby Lake、Whiskey Lake/Coffee Lake、Comet Lakeの設計のベースとなっており、以降以前で大きく変わる境目の世代のCPUだ。

Skylake世代CPUの「Core i5-6300U」のCPU-Zでのステータス画面。

 Skylake搭載PCでは、CPU/GPU性能の強化のほか、PCHの統合や省電力機能の強化などによって、バッテリー駆動時間が伸びているのもポイントだ。

 また、DDR4メモリをサポートしているのも特徴。DDR3LメモリまたはLPDDR3メモリもサポートしているため、PCによって搭載メモリは異なるが、より高速なメモリ環境を選択できるのは利点だ。

 ストレージに関しても、Skylake世代ではSATAに加えてNVMeプロトコルのSSDをサポート。こちらも製品によって対応が分かれるが、M.2スロットがSATAとNVMe両対応の場合、SATAからNVMe SSDへの換装でさらなる高速化を図ることも可能だ。

SkylakeはDDR4メモリまたはDDR3L/LP DDR3メモリをサポートしている。
ノートPCでNVMe SSDが積極的に使われるようになったのもSkylake世代以降となる。

 CPUの世代に直接関係する内容ではないが、Skylake世代のマシンでは、液晶ディスプレイもフルHD解像度のパネルを備えたモデルが増えているのも嬉しいポイントだ。

 ここまで紹介してきた通り、Skylake世代のPCは“イマドキ”な仕様を満たした世代で、中古でも現役で使えるモダンなPCを探している場合にはピッタリといえる。価格差が小さいのであれば、Skylake世代以上のマシンから選ぶことをオススメしたい。

Skylake世代のPCはどれだけ快適?モダンアプリで性能を検証

 モダンなPCとは言ったものの、実際に2020年に使われているアプリケーションでどれだけ快適に動作するのか、実機を使って検証してみよう。

 検証にあたって用意したのは、OA-PLAZAで販売されていた富士通製の15.6型ノートPC「LIFEBOOK E556/M」だ。CPUにCore i5-6300U(2コア/4スレッド)、4GB DDR4-2133メモリ、256GB SATA SSDを搭載している。状態は中古品としてはかなり良いものだった。

LIFEBOOK E556/M

 今回用意したマシンは企業向けにカスタマイズされたモデルで、セキュリティ重視のためか搭載用のスペースは用意されているもののWebカメラや無線LANが非搭載の仕様だった。

 このため、ネットワークやWebカメラを使った検証では、インターネットとの接続は有線LANを利用し、別途ロジクール製のWebカメラを接続した。

 なお一部の検証では、メモリを8GBへ増設した同仕様の「LIFEBOOK E556/M」をもう1台用意し、メモリ容量の違いによる比較も行ってみた。

USB 3.2 Gen1などのインターフェイスを備え、厚ぼったさもない。
中古マシンながらかなり状態が良く、キートップやパームレストのカスレなども見当たらなかった。

Core i5-6300Uで「Zoom」の12人同時ビデオ通話もOK、背景合成も利用可能

 まず、ビデオ会議ツールとして普及した「Zoom」を使った検証を行なっていきたい。

 Zoomの利用で聞かれる声として、1対1のビデオ通話では問題ないが、複数人でビデオ通話では映像や音声が途切れたりするというものがある。理由としては、ネットワークの回線速度の影響のほか、PC側の性能が不足するためというのもあるようだ。

 今回の検証では12人の同時ビデオ通話を実施したが、Core i5-6300Uでスムーズな通話が可能なことを確認できた。メモリ消費は通話人数に関わらず100MB前後で推移しており、メモリ容量による動作の差異は無さそうだ。

Zoomで12人ビデオ通話を実施、Core i5-6300U + 4GBメモリ環境でも快適に動作した。

 またZoomでは、通常のWebカメラの映像から人物を認識して、背景をボカしたり入れ替えたりできる「バーチャル背景」機能を備えている。

 一定以上の性能のプロセッサを搭載していないと使えない機能だが、Core i5-6300U(2コア/4スレッド)では静止画を背景にした動作を確認できた。

 検証当初はバーチャル背景に非対応という表示にだったが、内蔵GPU(Intel HD Graphics)ドライバーを最新版にアップデートすることで動作した。

バーチャル背景の動作要件。
バーチャル背景画像の設定画面、好みの画像を選択して背景にできる。

 Zoomのヘルプセンターにも記載されている通り、Zoomデスクトップクライアントv4.5.4以降でバーチャル背景を使うには、64bit版Windows 10であること、第6世代Core i5(2コア)以降を搭載していることが条件。さらに、4コアのCore i7以降のCPU“ではない”場合、内蔵GPUのグラフィックスドライバーを23.20以降に更新する必要がある。

 CPUの条件を満たしているのにバーチャル背景が使えないという場合は、ドライバーの更新で解決することもあるので、試してみてもらいたい。

4GBメモリでもブラウザは意外と快適?Google Chromeで50タブ開いても大丈夫だった

 続いてWebブラウザで複数タブを開いた場合の動作を検証してみた。Google Chromeで50タブを開いた結果が以下の通りだ。

 ご覧の通り3.5GB近くを消費している。内訳は2GBがGoogle Chrome、そのほか1.5GBはOSなどその他の消費だ。テストしているPCは4GBメモリ搭載モデルだが、まだ少しだけ余裕がある。

一時期はメモリ食いで有名だったGoogle Chromeだが、現在はPCの搭載メモリに合わせてメモリ使用量を調整する挙動になっているため、4GBメモリ搭載PCで多数のタブを開いても支障が出にくい。

 メモリ容量が少ないと動作がモタつくと言われてきたGoogle Chromeだが、実はメモリ容量が少ない場合、現在表示していないタブのキャッシュファイルをメモリから捨て、最低限の空きを確保する動作をするため、空き容量の少なさほどに動作が遅くなるといった感覚はない。

 ブラウザだけを使う場合は4GBメモリのPCでもさほど支障が出ることはあまりなく、1つのアプリケーションを使うだけといった利用の仕方であれば、最低限メモリは4GBあれば使用に関して問題はないだろう。

 しかし、別アプリも同時に起動する場合には話が変わってくる。

軽いテレワークの範囲であれば4GBメモリ搭載PCでもOK、重めのアプリを併用する場合はメモリは8GB以上を

 ということで、Webブラウザだけでなくアプリをマルチに立ち上げた場合の動作も見ていこう。こちらではメモリ容量の差で動作に変化があるか、8GB環境でも検証を行なっている。

 テレワークを想定し、LibreOfficeとGoogle Chrome(50タブ)を同時に使うというシーンで動作を確認してみた。

4GBメモリ環境でLibreOfficeとGoogle Chrome(50タブ)を使用した際のメモリ使用量。
8GBメモリ環境でLibreOfficeとGoogle Chrome(50タブ)を使用した際のメモリ使用量。

 結果としては、WebブラウザだけでなくOfficeアプリケーションを立ち上げたことで、4GB環境ではさらにメモリに余裕が無くなってしまった。

 ただし、メモリは逼迫していたものの、動作そのものが明らかに遅くなるといったことはなく、想像よりも体感差は小さい印象だ。挙動のわかりやすい変化としては、4GBメモリでは全タブのロードを完了するまでに時間を要していた一方で、8GB環境ではWebサイトのロードも4GBに比べて早く完了した点が異なっていた。

 さらにプレゼンテーションでの利用を想定して、4GB環境で「Zoomの複数人ビデオ通話+Chromeで20サイトを閲覧+Officeアプリケーションでスライドを表示」という環境でも動作を確認したが、こちらも当然メモリは逼迫しているものの、スライドの送り操作などでもたつきを感じることはなく、目に見えた形で動作に問題はなかった。

Zoom通話とOffice、Chromeの同時使用をテストした際の様子。OSやアプリケーションが本体側の性能に合わせて動作するため、4GBメモリ環境でも意外と不満なく使える印象だ。

 結論としては、8GB環境の方がレスポンスなどが良く快適ではあるが、4GB環境でもテレワーク業務に際して想定される作業では、大きな問題はなく使えるようだ。CPU側の性能が不足するような場面も無く、事務作業用にはコストパフォーマンスが優れるといえるだろう。

 経験上、4GBメモリ環境は制約も多く、事前の予想では4GBメモリでは重くて使い物にならなくなることを想定していたのだが、今回改めてテストした限りでは思いのほか快適に動作しており、若干拍子抜けといった印象だ。OSやアプリケーションのメモリ管理が以前と比べて進化しているということなのだろう。

 ただし、今回の検証はOfficeアプリとWebブラウザという一般的な用途で、負荷自体もゲームやクリエイター用途のように重いものではない。実際に業務で利用するアプリケーションによって挙動が異なってくるだろうし、当然メモリを多く使う画像編集ソフトなどを併用したりすると、4GBメモリでは全く足りない状況になる。ある程度メモリを使用することがわかっていたり、比較的重めの作業が入るのであれば、8GB以上メモリを搭載しているPCを選んだ方が良いだろう。

予算削る必要があっても絶対にSSD搭載モデルを選ぶべき、HDDとSSDでOS起動時間を比較

中古PCを購入する場合はSSD搭載モデルから選ぼう、HDD搭載モデルとは価格差以上の性能差がある。

 Skylake世代のPCでは、数は減りつつあったが、システムドライブがHDDというPCもまだ残っている世代でもある。価格的にはHDD搭載のものが若干安価に販売されていたりするので、なるべく安くという場合はHDD搭載モデルを選びたいところではあるが、快適さにどの程度の差が出るのだろうか。

 今回の検証機はリファービッシュモデルで新品のSSDに換装済みのモデルとなっていたため、別途2.5インチHDDを用意し、もしHDD搭載モデルだったらどうなるのかを再現。PCを起動してデスクトップ画面が表示されるまでの時間を比較してみた。

 結果は以下の通りで、当然ながら圧倒的にSSDが高速だ。OSの起動速度だけでなく、ブラウザなどのアプリ起動や動作でも明らかにレスポンスの違いを体感できる。体感できる差を考えると、メモリ以上に重要なパーツと言えるだろう。

 中古PCを購入する際は、多少予算をオーバーしたとしてもSSD搭載モデルを選ぶか、購入後のSSD換装を検討することを推奨したい。HDD搭載モデルとの価格差が数千円程度であれば、SSD搭載モデルは価格差以上の大きな快適さを得られる。

これから中古ノートを買うならSkylake+SSD搭載機を選びたい

OA-PLAZAでは厳格な品質管理のもと製品が販売されており、多くのモデルがリファービッシュされてから販売されているので、安価で手堅い中古PCを探しているユーザーにはお勧めだ。

 ここまで検証してきたとおり、Skylake世代のCPUを搭載したPCであれば、事務作業などだけでなくビデオ通話なども含めたテレワーク用途をカバーできる性能をもっている。

 以前は中古品でもそれなりに高価な価格となっており、気軽の導入する価格帯のものではなかったが、今は価格もだいぶ下がってきており、前世代のCPUを搭載するモデルとあまり変わらない価格で購入できるようになってきている。

 また、OA-PLAZAのように、CPU世代別にページが用意されているショップであれば、CPUの世代を限定して選ぶことも簡単なので、積極的にSkylake世代のモデルを選びたいところだ。

 安価な中古PCの購入を検討しているユーザーは、お買い得になってきているSkylake世代のPCを積極的に選んでもらいたい。