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中古PCを月間4~5千台出荷、Be-Stockの中古PC工場はペーパーレス目前の一歩進んだ工場だった

ThinkPadがずらっと並ぶ工場を見学、限られたスペースを最大活用する自社開発システム

Be-Stockの中古PC工場を見学

 アイ・ティー・エス・ジャパンが運営する中古パソコン専門店「Be-Stock」。中古品のThinkPadに強いショップで在庫数も多く、直販はもちろん大手通販サイトでも広く製品を販売しており、中古品を検索した際にBe-Stockの名を目にしたことがある人も多いのではないだろうか。

 今回はそんなBe-Stockの中古PC工場を見学。限られたスペースを最大限に活用するため自社開発のシステムを多数導入、改良を続けることでペーパーレス化目前だという先進的な工場になっていた。月間の出荷数は4~5千台という鹿児島県の鹿屋市にあるBe-Stockの工場の様子を紹介しよう。

取材時にも多くのThinkPadの出荷準備が進められていた
内部の清掃や状態に合わせてメンテナンスも行われる

鹿児島県鹿屋市に工場を構えるBe-Stock、2か所で中古PCを整備

 Be-Stockは鹿児島県鹿屋市の2か所に工場を有しており、どちらの工場でも中古品PCの整備が行われている。

 第一工場は複合施設のリナシティかのやに入居しており、こちらには工場のほかに、サポートや修理、事務手続きやデザイン業務などを行う部署も入居。現在はWeb通販専門となっているので、店頭での販売は行われていない。

複合施設のリナシティかのやに入居する第一工場
リナシティかのやは肝属川に隣接し、自然も感じられるエリアにある
第一工場側はデスクトップPCが多く扱われていた
第一工場側ではサポートやデザイン業務を行う部門も作業を行っている

 第二工場側は純粋な中古PC工場となっており、注文を待つ中古品ノートPCなどもこちら側に多数ストックされている。こちら側の工場はより効率化が進められた施設になっており、内部はPC整備のための機材やラックなどがぎっしり並ぶ。出荷を待つ多数のストックが整頓され美しく並ぶ倉庫エリアも印象的だ。

街道沿いにある第二工場
鹿屋市はバラが有名で、工場周辺にも多くの薔バラ植えられていた
第二工場の内部は最小のスペースで最大の効率を目指しているとのことで、整備用の機材やラックがぎっしり並ぶ
整備済みの中古品がずらっと並ぶストックスペース

 今回の取材では、Web通販部 鹿屋事業所長の山口 秀輝氏とWeb通販部 センター長の笛 厚三郎氏に両工場の内部の様子とポイントを案内してもらった。

Web通販部 鹿屋事業所長の山口 秀輝氏(左)とWeb通販部 センター長の笛 厚三郎氏(右)
Be-Stockの工場を支えるキーマンの二人に工場内部を紹介してもらった

中古ノートPCが出荷されるまで多数の自社開発システムを取り入れ作業を効率化

 取材時に中古品が工場に納品されてから出荷されるまでを見せてもらったので、Be-Stockの工場で中古のノートPCがどのように整備されてユーザーの手元に届くのかを紹介しよう。

 まずは工場の搬入口で大まかなゴミをブロワで吹き飛ばす。この時点でゴミを少なくできると後の工程で行う清掃などの工数も減るので、比較的念入りにゴミは取り除かれていた。

搬入口に持ち込まれたPCはいったんブロワで大まかなゴミが取り除かれる
まずはキーボード部分のゴミを排除
裏面側もザっと清掃
端子部分などのゴミもしっかり取り除く

 ブロワで大まかなゴミが取り除かれた中古品は、管理用のラベルが貼られ、本格的な清掃作業が行われる。見るからに壊れているようなジャンク品を除き、状態のグレードを問わず入庫した中古PCはいったん綺麗に清掃しているとのこと。

ブロワでゴミが取り除かれた中古品は製品管理の登録が行われる
登録された中古品には管理用のQRコードが貼られ、作業工程などもここから確認できるようになっている
清掃待ちの中古品は一旦ラックに積まれる
清掃作業のエリア
どのPCの清掃を行うのか担当スタッフの机にあるPCに表示されるので、ピックアップして清掃作業が行われる
清掃用具を使って本格的なクリーニングが行われる
貼られたシールなどを剥がし、まずは外装を清掃
細かい溝などについてしまっている汚れもしっかりと除去
液晶などの汚れもしっかり落として清掃作業は完了

 清掃作業が終わると、OSの再インストールと一段階目の動作チェックが行われる。中古品PCをLANケーブルに接続すると、サーバーからその機種に合ったOSのイメージが選択され、自動的にOSの再インストール作業が進む。適合するOSのイメージがない場合はその場でOSイメージの作成が行われ、後日同じ機種が来た際に利用できるよう、サーバーに情報が登録される。

OSセットアップのエリア、清掃が終わるとOSの再インストール作業が行われる
サーバーから適合するOSのイメージが選択され、ネットワーク経由でOSの再セットアップ作業が進められる
OSの再インストール作業は自動で進み、問題なく完了すると白い画面に切り替わる
同時に多数のPCのOS再インストール作業ができるよう広めにスペースがとられていた
正常にOSの再インストールが済んだモデルはOSの認証作業が行われる

 OSが正常にインストールできなかったり、内部のメンテナンスが必要な個体はここでいったん弾かれ、修理などの工程に回される。

 ストレージの故障に対応するため、工場には保守パーツに使われるHDDが多数ストックされていた。中にはIDE接続のHDDなどもあり、新品で入手できない規格のHDDを保守パーツとして残しているとのことだった。大がかりな修理が必要な個体に関しては、修理専門の部門に送られ対応される。

取材時にはちょうど内部メンテナンスが行われている個体もあった
保守パーツとして残されているHDD

 OSの認証作業が済むと、ベテランスタッフによる状態の査定が行われる。

 チェック時間はモデルごとに異なるが、古いモデルやチェックしなければならない部分が多いモデル、型番だけで製品仕様が確認できないメーカーのモデルなどはどうしても時間がかかるという。Lenovoは取扱数も多くチェックに関してのノウハウもあるので、最終的な検品作業は一番早く済むとのことだった。

 取材時にはRyzen搭載ノートのチェックと査定が行われていたが、製品仕様に関してもここで再チェックが入る。たとえば、Ryzen 7がRyzen 5になっていないか、7730Uと7530Uは型番が似ているが間違いはないかなど、ケアレスミスが発生しやすい部分などはしっかり再チェックするという。CPU型番の話は、査定を行っているスタッフからかなり細かい話がいきなり出てきて驚いたが、知識量があり、なおかつ製品の不良なども見逃さない目を持った適性があるスタッフが担当している印象だった。

査定スタッフによる厳しいチェックが行われる
在庫管理や販売などを扱うデータベースにはQRコードを介して製品の情報を登録する
PCのステータスを自動的に読み取りQRコード化するアプリは自社で用意。外部から社内システムが汚染されることが無いようにネットワークの回線は完全にわけて利用しているという
QRコードを介して社内のメインのデータベースに登録される
仕様の細かい確認や動作チェックなどが行われる
チェックが済んだ項目から状態を入力していく
傷なのか汚れなのかといった部分も厳しくチェックされていた
全てのチェックが完了すると正式に社内のデータベースに販売用の製品として登録される
Aランク査定となったRyzenノート
天板も画面も非常に状態が良い個体だった

 デスクトップPCや、iPhoneなどのスマートフォンやiPadなどのタブレットも基本的な作業フローは同じで、清掃を済ませた後に動作をチェック、製品ランクの査定へと進む。取材中にはiPhoneやiPadも製品化のための清掃や状態のチェックが行われていた。

中古iPhoneの製品化も行われていた
ノートPCと同じフローでiPhoneもランク付けされデータベースに登録される

 査定が済んだモデルは箱詰め作業が行われる。工程管理用のQRコードを読み取らせ、箱に貼るための製品管理用のQRコードを発行。PC本体とACアダプタを箱に同梱し、倉庫エリアに収納される。

ACアダプタのストックの中から適合するモデルを選択
管理用QRコードを読み取らせ、箱に貼るQRコードを発行する
発行したQRコードを箱に貼る
PC本体を箱に収納する
内部は本体とACアダプタが無駄なく収まるようになっている
箱を閉じて梱包完了

 Be-Stockが使用している箱はユニークな構造になっており、内部の仕切りを変形させることでサイズの異なるPCや、iPadなどのタブレットなども収容可能な構造になっている。

 もともとは既製品や外部で加工してもらったものを使用していたが、作業のしやすさや効率化を突き詰めていった結果、自社で開発したものを使用することになったとのこと。体への負担の少なさや作業のしやすさなどに関しては常に改良することを考えており、社内で出た意見を取り入れて現場環境の改善に活かしているという。

Be-Stockの箱はさまざまな形状に合わせられる構造になっている
内部の仕切りが複数形状に変形できるようになっており、サイズの異なるPCやタブレットなども収容できる
ThinkPadを収納する際の形状
iPadなどのタブレットを収容する際の形状

 箱に入れられたPCは倉庫エリアに収納される。ここでもQRコードによる登録が行われ、どの製品がどのラックに収納されたのか、データベースに登録される仕組みになっている。メーカーやモデルごとに整頓して収納しなくても、データベースを見ればどのラックにどの製品が収納されているのかわかるので、後から簡単に見つかる仕組みになっている。

 ラックへの収納が済めば、あとは注文を受けて出荷を待つのみとなり、製品化までの作業は完了となる。

箱に収容されたPCは倉庫エリアに収納される、QRコードを読み込んで製品をまずは登録
収納するラックに入ってあるQRコードを読み取ると製品と紐づけされ、どこの収容したのかデータベースに記録される
製品をラックに収納して作業は完了、ユーザーが購入するのを待つ状態になる
綺麗に陳列された大量のストックは工場らしさもあり見ていて気持ちが良い
ラックにはiPadなどのタブレットやスマートフォンも収容されていた
かなりの在庫があるが、1カ月で全てが入れ替わるくらいのペースで購入されていっているとのこと

 ここからは注文が来てからの作業になるが、オーダーのシートを確認して倉庫エリアから製品をピッキングし、出荷前に動作チェックを行う。倉庫エリアのラックに入る段階で動作チェックなどは済んでいるが、ユーザーの手元に不良品が届くことがないように出荷直前に再度動作チェックが行われる。

 Be-Stockの工場内では唯一この工程のみ紙のシートが使われているとのこと。この部分にも新たなシステムを導入することでスタッフの作業負担を減らしつつペーパーレス化を進める予定とのことだった。

オーダーシートを確認して、モデルとカスタム内容などを確認
該当するモデルを倉庫エリアからピッキング
オーダー通りの仕様かどうか、付属のACアダプタに間違いはないか、シートを見ながら確認作業が行われる
ストレージやメモリの容量、搭載CPUやOSの種類など一通りチェックが行われる
サウンドやネットワーク周りの機能などもチェック
カメラなども問題なく動作するか確認が行われる

 正常品と確認が取れたモデルは再度綺麗に清掃され、梱包材が封入される。運送業者の伝票を貼る直前に最終的に注文状況や支払い状況に問題がないか確認され、問題がなければユーザーの手元に製品は出荷される。

 運送業者のラベルを張る前に、QRコードを読み取り最終的な注文状況の確認が行われるが、この時点で何か問題が発生していた場合は画面にエラーが表示され、運送業者のラベルが出力されない仕組みになっている。いたずら注文や詐欺への対策としても活用されているとのことだ。

動作テストが完了した製品は再度念入りに清掃される
緩衝材を封入して梱包作業は完了
QRコードを読み込み配送用のラベルを発行する、注文処理に問題が無ければそのままラベルが印刷される
出力されたラベルを張り付ける
運送業者が回収するラックに製品を収納して作業は完全に完了
運送業者が回収次第ユーザーの手元に届けられる、この日も多くの製品が出荷されていた

 冒頭にも述べたように、月間の出荷台数は平均して4~5千台とのこと。工場自体の面積はそこまで広くないが、限られたスペースを最大限に活かすために動線を工夫し、様々なシステムを取り入れることで効率化。数多くの注文に対応できるように改良を続けてきたとのこと。ペーパーレス化まであと一歩というところまで進んでおり、かなりシステム化が推し進められた工場だと感じた。なお、現在の工場では最大で月間6千台前後の出荷に対応できるそうだ。

 また、運営会社のアイ・ティー・エス・ジャパンはSI事業も手掛けているということもあり、社内で使用しているシステムはほぼ自社開発のものだという。入庫してから清掃/査定までの工程の状況を確認できるシステムや、登録管理のシステム、発注システムや勤怠管理まで自社開発していると聞いて驚かされた。外販のシステムは現場に合わせきるのが難しく、最大効率を目指した場合はやはり自社で開発するのが一番だと話していた。こうした部分はBe-Stockの特徴やこだわりと言えるだろう。

工場内には、進行状況や作業ごとに人員が足りているのかなどが表示されるシステムが導入されている
注文内容の確認や対応状況、その日に対応が必要な件数なども常時確認できるシステムが導入されている。人手が足りないのか確認しやすくなっており、負荷の高い業務にスタッフを柔軟に割り当てられるようにもなっている

グレードの違いで状態にはどれくらいの差がある?Be-StockのA/B/Cランクを比べさせてもらった

 Be-Stockでは中古PCのランクとして、総合ランクと画面ランクの2軸で製品を評価している。

 Sランクが傷などがほとんどない最高の状態の良品、Aランクが一見してわからないレベルのキズなどが若干ある製品、Bランクがぱっと見でわかる傷や摩耗、画面のムラなどがある製品、Cランクが目立つ傷や一部破損、画面に傷やムラなどが目立つものの動作には問題がない製品、ジャンクが動作保証ができない製品となっている。不良箇所がある製品に関しては、USBポートが一部使えない、スピーカーの音が鳴らないなど記載しているとのこと。

グレードの違いでどの程度差があるのか比べさせてもらった、左からCランク品、Bランク品、Aランク品
天板側、左からCランク品、Bランク品、Aランク品

 以下は総合/画面ともにAランク品だが、Aランクに該当するものは美品と言える。目立った傷や使用感がなく、安価に手に入れられれば満足感も非常に高い。Aランク以上の製品は数が少ないとのことで、常に在庫があるわけではない。自分が欲しい時にタイミングよく在庫があれば狙っていきたいグレードだ。

総合/画面ともにAランクの中古品
Aランク品はキーボードなども使用感がほぼなく綺麗だ

 在庫数で最も多いのがBランクに該当するモデル。今回取り上げているサンプルは総合Bランクで液晶Aランクのモデルで、キーボードなどに使用感はあるが大きな傷などはなく、しっかり使える状態の物だった。

 Bランク品は状態に関して幅が広いとのことで、かなり美品よりの物があったり、逆にかなり使用感がある物もあったりするそうだ。もちろん在庫数自体は多くの人がイメージするようなそこそこ使用感があるBランク品といった感じの個体が多いが、ある程度上下に状態のぶれがあるグレードとのことだった。

総合Bランク品のサンプル、画面はAランク品
キーボードなどには使用感があるが、動作に支障はない
天板側はなかなか綺麗な個体だった
実機が見られる場合は端子類の傷の具合で酷使されていたかどうかを推測することもできる

 Cランク品は、割れやひび、目立った傷などがある状態が該当するが、動作に関しては正常動作が保証されたモデルになる。動作さえすれば問題ないと割り切っているユーザーにはコストパフォーマンスが高い選択肢になるのではないだろうか。

総合Cランク品のサンプル、画面はAランク品で綺麗だった
タッチパッド付近などにひびが入っている部分があるが、動作に支障はない
天板も使用感を感じるものだった
擦り傷があり、こうした個体はCランク品となる

 用意してもらった個体の画面がどのモデルも綺麗だったので、あえて液晶の状態が悪い個体も別に用意してもらった。程度にもよるがムラがひどい物や大きな傷が入ってしまったものは画面Cランク品に該当し、わずかに傷がついているモデルなどは画面Bランク品になる。本体の傷は許容できるが、画面はなるべく傷がないモデルが良いというユーザーはこのあたりもチェックしてもらいたい。

画面にキーボードが接触して傷がついてしまった個体の例
こちらは表示に目立つムラがある例、タスクバー部分も変色している

 Be-Stockの大多数の中古品は、総合と画面の2軸でランク付けがされているが、一部のモデルは総合ランクのみで評価しているモデルもあるとのこと。画面の状態にもこだわりたいユーザーは画面評価も記載されているモデルから選ぶのが良いだろう。

安心な製品が届くBe-Stock、手堅い中古PCを求めるユーザーはぜひチェックを!

 Be-Stockの工場は、月間4~5千台を出荷する事業規模の印象からすると、実作業を行うスペースは上手くコンパクトにまとめられていると感じた。多数のシステムを導入して業務を効率化した結果、大量出荷が可能になったとのことで、こうした面ではかなり進んでいる中古業者と言えるだろう。

 システムの導入は効率化のためだけでなく、ヒューマンエラーを減らしたり、スタッフの作業負担を減らしたりすることにも活用されている。QRコードでの管理をベースに作業の進行状況が確認できたり、工程ごとにエラーがないか画面に表示されたりと、チェック時にスタッフにかかる負担やストレスも少ない作業フローになっていた。実際に働いているスタッフからも働きやすい環境との声があり、見ていて快適そうだった。こうしたシステムを導入することは、ユーザーに不良品が届くことを防ぐことにもつながり、安心して製品が購入できることへもつながっていくのだろう。

 中古品だからこそ、しっかりと管理されて安心な製品を購入したいというユーザーは、ぜひBe-Stockが取り扱う製品を購入候補に入れて欲しい。