RAGE 128 PRO GLを2つ搭載したRAGE FURY MAXX登場
バルク品で価格は3万円後半、メモリは64MB搭載
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【Secondaryパターン】 | 【CD-ROM】 |
出回っているのはメモリ64MB搭載のバルク品で、実売価格は3万円後半(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、流通量が極めて少なく、すでに売り切れたというショップもあり、入手はやや難しい。
●フレーム単位のパラレル処理
「RAGE FURY MAXX」はATIから登場したユニークな最新ビデオカード。AGP 4x対応ビデオチップRAGE 128 PRO GLを2つ搭載し、ビデオチップごとに32MBを割り当てて計64MBものメモリを搭載している。ハードウェアの設計に関して堅実なイメージが強いATIにしては、かなり冒険している製品と言える。
2つのビデオチップ(ビデオカード)をパラレルで動作させる技術に関しては、すでに3dfxのVoodoo2搭載ビデオカードで実現したSLI(Scan Line Interleave)、Metabyteが開発したPGC(Parallel Graphics Configuration)と呼ばれる技術が知られているが、この「RAGE FURY MAXX」ではATI独自のAFR(Alternate Frame Rendering)という技術が採用されている。SLIは2つのビデオチップが画面の偶数ラインと奇数ラインに分かれ、PGCは画面の上半分と下半分に分かれて処理するという方法をとっているが、AFRはフレーム単位に分かれて処理を行う。つまり、2つのビデオチップがフレームを交互に描くという方法をとっている。他方のビデオチップの状態に関係なく次のフレームが処理されるので、負荷のバランスがうまく保てるというのがATIの主張だ。
ただし、この2つのビデオチップが有効に利用されるのは3Dの処理だけで、2Dの描画時は一方のみのビデオチップしか利用されない。また、3Dのパラレル動作もフルスクリーンの場合のみ有効で、サポートされるOSも現状でWindows 98のみと限定されている。この点は購入を検討している人にとっては要注意だ。
●謎のSecondaryコネクタパターン
カードの実物を見てみると、RAGE 128 PRO GLはカードの中央上に1つ、右下に1つ搭載されているのがわかる。それぞれにロゴマーク入りのファンが搭載されており、結果的に1枚のビデオカードに2つのチップ冷却用ファンがついているという、いかにも異質な外観になっている。
また、面白いことに、このカードには「Secondary」と書かれたVGA出力コネクタ用の空きパターンが用意されている。このカードは標準でVGA出力コネクタが1つ用意されているが、そこには「Primary」と書かれており、「Secondary」のパターンはすぐその隣に用意されている。このパターンを見るといかにもMatrox G400 DualHeadのように、それぞれのコネクタから独立した画像が出力できそうだが、DOS/V POWER REPORT編集部がATIテクノロジーズジャパンに確認したところでは、これは同じ画像をほかのディスプレイに出力するためのもので、最終製品ではこのパターンは削られる予定になっているそうだ。実際、昨年のCOMDEX/fallの会場では2つのコネクタが載ったサンプル品が展示されていた。この話からすると、現在出回っている製品は最終製品前のバージョンのものということになる。
●流通量は極めて少ない
現在ショップに出回っているのはバルク品のみで、デバイスドライバやソフトウェアDVDプレイヤーが収録されたCD-ROMがついているものの、説明書などは特についていない。
3万円後半という実売価格は最近のビデオカードとしてはかなり高いものの、流通量が極めて少ないということもあって、すでに売り切れたというショップもある。どうしてもすぐに入手したいという人は早めに確保に動いたほうが良さそうだ。
なお、RAGE FURY MAXXの性能評価については、UTC(えね)氏が運営している「Video Card Junkie」に詳しいので、興味のある人は参照してみるといい。
□RAGE FURY MAXX(ATI)
http://www.ati.com/na/pages/products/pc/fury_maxx/index.html
□Video Card Junkie
http://www3.justnet.ne.jp/~u-tech/
[撮影協力:PCiN秋葉原とツクモパソコン本店II]
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