【 2000年12月9日号 】

DDR SDRAM対応マザーボードの第1弾「GA-7DXC」がGIGABYTEから登場
PC2100 DDR SDRAM 128MBも同梱されて約5万円、ただし限定仕様

パッケージGA-7DXC
【パッケージ】【GA-7DXC】
シールを剥がすと…AMD760 + DDR入荷!
【一番乗り!!!!】【シールを剥がすと…】
AMD 761のマーキングSouthBridge
【AMD 761のマーキング】【SouthBridge】
DDRと非DDRの違いDDR SDRAM専用スロット
【DDRと非DDRの違い】【DDR SDRAM専用スロット】
ASUS CUV266ASUS A7M266
【ASUS CUV266】【ASUS A7M266】

 次世代メモリの主役とされるDDR SDRAMに対応したマザーボードがついにアキバでデビューを飾った。第1弾製品はチップセットのNorthBridgeにAMD-761を採用したGIGABYTE製のSocket A用マザーボード「GA-7DXC」。製品にはPC2100 DDR SDRAM DIMMの128MBが1枚同梱され、実売価格は44,800円~49,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 また、これまでごく限られたショップでしか販売されていなかった単体のDDR SDRAM DIMMも、今週から取扱店が若干増え、ASUS製のDDR SDRAM対応マザーボードのサンプル展示が始まるなど、DDR SDRAMに関する動きが急展開している。

本命次世代メモリの環境がついに実現

 DDR SDRAM対応マザーボードの第1弾となったのは、GIGABYTEの「GA-7DXC」。一見何の変哲もないごく普通のSocket A用マザーボードだが、実はチップセットのNorthBridgeに新開発のAMD-761を搭載し、次世代メモリの主役とされるDDR SDRAMをサポートしている点が新しい。

 Socket Aで動作するAhtlonとDuronはこれまで、CPUのFSBのみマザーボード側供給クロックのDDR、つまり倍速で動作し、メモリはそのままという環境だったが、AMD-761がDDR SDRAMをサポートすることで、メモリもFSBと同様のDDRの環境になる。DDR SDRAMは、100MHzのDDR(200MHz)で動作するPC1600と、133MHzのDDR(266MHz)で動作するPC2100という規格があり、バンド幅はそれぞれ1.6GB/s、2.1GB/s。次世代メモリの本命は、一時RDRAM(RIMM)と言われていたが、紆余曲折の末、今ではDDR SDRAMが本命として確実視されている。

 DDR SDRAM DIMMの単体販売は先にアキバでも始まっていたが、対応マザーボードが発売されるのはこれが初。これで、ようやく一般ユーザーがDDR SDRAMの動作環境を構築できる材料が全て整ったことになる。

限定仕様?FSB 266MHzとPC2100 SDRAMはサポートせず

 しかし、今回発売となった「GA-7DXC」には注意しなければならない点がある。それは、製品仕様が期待されていたものとは異なり、一部限定的な仕様になっている点。

 GIGABYTEのDDR SDRAM対応マザーボードといえば、11月中旬に一部ショップがサンプル展示や入荷予告を行った「GA-7DX」が知られているが、今回発売された製品は一字違いの「GA-7DXC」。型番も見た目もソックリだが、実のところ両者は似て非なる製品になっている。

 メーカー公式の製品情報を見る限り、両者ともチップセットはAMD-761(NorthBridge)+VIA VT82C686B(SouthBridge)という構成をとり、拡張スロットや部品配置なども含めてハードウェア的な仕様はまったく同一。しかし、どういうわけかFSBとメモリのサポート範囲が異なり、「GA-7DX」が133MHzのDDRで実現されるFSB 266MHzとPC2100 DDR SDRAMをサポートしているのに対し、「GA-7DXC」はあくまで100MHzのDDR環境であるFSB 200MHzとPC1600 DDR SDRAMのみのサポートと限定されている(保証外でユーザー自身がFSB 266MHzとPC2100 DDR SDRAMの動作設定にすることは可能)。

 チップセットの仕様から考えれば、「GA-7DX」の製品仕様が本来妥当で、「GA-7DXC」はイレギュラーということになるが、なぜこうなったのかは公式には不明。実際、マザーボード上の型番を示す「GA-7DXC」と書かれたシールを剥がすと、シルク印刷された「GA-7DX」という文字が出てくるため、元は両者ともまったく同じもので、おそらく、FSB 266MHz(133MHzのDDR)対応の新型Athlonがまだ市場に出ていないということや、チップセットのリビジョンなどと関連した苦肉の限定仕様となったのではないかとも推測できる。とにかく理由が何であるにしろ、購入を検討している人にとってはサポート範囲が限定されているという点は見逃せない点。購入するにしても、この部分をよく頭に入れた上で割り切ることが必要になる。

 また、マザーボードのサポートするDDR SDRAMがPC2100のワンランク下であるPC1600に限定されているにもかかわらず、同梱されているDDR SDRAM DIMMがMicron製のPC2100対応品になっているというのも不思議な点。さらに、このDDR SDRAM DIMMには正式な製品ではなく評価用サンプル品であることを表す「ENG SAMPLE」(Engineering Sample)というシールも貼られている。原理的にPC2100 DDR SDRAMはPC1600 DDR SDRAMとしても動作するため、実質的な問題はないとはいえ、はたして一体メーカーの保証はどこまでなのか、購入する側としてはわかりにくい。このあたりは、とにかく誰より先に新技術をテストしたいというユーザー、つまり“人柱”に向けた仕様、と考えるのが自然かもしれない。

ASUSからのマザーボード出荷も間近?

 なお、「GA-7DXC」はメモリに関してDDR SDRAM DIMMのみの対応となっているので要注意。端子部の切り欠き位置も従来のSDRAM DIMMとでは異なるため、物理的にも互換性はない。同梱の128MBでメモリ容量が足りないという場合は、単体で販売されているDDR SDRAMを別途入手する必要がある。単体では、現在ApacerやTranscend製の製品が出回っている(詳細は「メモリ最安値情報」参照のこと)。

 また、ASUS製のDDR SDRAM対応マザーボード「A7M266」と「CUV266」のサンプル展示がクレバリー3号店で実施されている。興味のある人は足を運んでみるといいだろう。

□GA-7DXC / GA-7DX(Gigabyte Technology)
http://www.gigabyte.com.tw/products/7dxc.htm
http://www.gigabyte.com.tw/products/7dx.htm
【2000/11/16】DDRメモリ対応のAMD-760搭載Socket Aマザーが20日に発売?
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20001116/etc_ga7dx.html

 (GIGABYTE GA-7DXC)

[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPツクモPatrs王国]


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