【 2001年6月30日号 】

“Tualatin”コアを採用した最新型サーバー向け「Pentium III-S」がデビュー
512KBの2次キャッシュを内蔵、動作クロックは1.13GHz

価格は約5万円Pentium III-S 1.13GHz(表)
【価格は約5万円】【Pentium III-S 1.13GHz(表)】
CPU IDは06B1Pentium III-S 1.13GHz(表)
【CPU IDは06B1】【Pentium III-S 1.13GHz(表)】
SUPERMICRO P3TDL3価格は7万円程度
【SUPERMICRO P3TDL3】【価格は7万円程度】

 CoppermineコアのFC-PGA2版Pentium IIIに続いて、今度は“本命”TualatinコアのFC-PGA2版Pentium IIIがアキバに姿を現した。Tualatinコアを採用したPentium IIIの第1弾として登場したのは、2次キャッシュ512KBを内蔵したサーバー向けのPentium IIIで、動作クロックは1.13GHz。CPUパッケージはFC-PGA2となっている。すでに公開されている技術資料によると、正式名称は「Pentium III-S」という。

 なお、当初1.2V程度と予想されていた動作電圧は、実際には1.45Vであることが確認された。

価格は約5万円

 0.13μmプロセスルールで製造される次期Pentium IIIとして、その登場が期待されていたTualatin。今週から流通し始めたTualatin第1弾は、動作クロック1.13GHz(FSB 133MHz、内部倍率8.5倍)のバルク品で、実売価格は49,700円~49,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)となっている。価格を単純に比較すると、FC-PGA2版Coppermine(リテールパッケージ)の2倍程度と高価であるにもかかわらず、入荷数が少ないせいこともあって、すでに品薄の状態になっている。

 今回登場したTualatinコア採用のPentium IIIは、CPUコアがIHS(Integrated Heat Spreader)で覆われている部分などを含め、外観はFC-PGA2版Coppermineとほとんど同じだが、細かい部分でいくつか違いを見付けることができる。なかでも目に付くのは、CPU表面の上部にあるマーキングに見られる「PENTIUM III-S」の文字。Intelの技術資料によるとこの「-S」は、512KBの2次キャッシュを搭載したサーバー向けCPUという位置付けを表わしているという。同じく下部のマーキングには「1133/512/133/1.45」と、動作クロック、L2キャッシュ容量、FSBクロック、動作電圧を示す数字も見られる。また、CPU裏面のキャパシタの配置パターンが、これまでのPentium IIIとは明らかに違ったものになっている点も大きな特徴だ。

 Tualatinコアを採用したPentium IIIは、このあとに256KBキャッシュ搭載のデスクトップPC向けバージョンやモバイル向けのバージョンなども出てくると見られている。それぞれのCPUがどんな名称になるのかは今のところ不明だ。

Pentium-S対応のDualマザーも発売に

 今週は、このPentium III-Sに対応したDual Socket 370マザーボードとして、SUPERMICROの「P3TDL3」も発売になっている。

 「P3TDL3」はサーバー向けのマザーボードで、チップセットはServerSet III LEを搭載、Ultra160 SCSIコントローラーやLANコントローラーなどをオンボード搭載している。拡張スロットは64bit PCI×2,32bit PCI×3,32bit PCI/ISA×1、SDR SDRAM DIMM×4。ただしAGPスロットはなく、メモリはRegisteredタイプECC対応SDRAMを使う必要があるので要注意だ。実売価格は69,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。大容量2次キャッシュを搭載した最速Pentium IIIでDual構成サーバーを実現したいという人は、これと組み合わせるのが最適だろう。

 Tualatinが動作するマザーボードとしては、このほかにi815EPチップセットのBステップを搭載したGIGABYTEの「GA-6OXET」やABITの「ST6」、ASUSの「TUSL2-C」などがすでに販売中だ。なお、パソコンハウス東映ではST6を使ったデモが実施されているので、興味ある人は一度実際に動作しているところを見ておくといい。

 キャッシュ容量の増加によるパフォーマンスアップや、Tualatinコアのオーバークロック耐性など、パワーユーザーにとっては新CPUに対する期待は大きいはず。世界でもっとも早いTualatinユーザーとして、その性能を確認したいのなら、この機会を見逃す手はないだろう。

□Pentium III-S(Intel)
http://support.intel.com/support/processors/pentiumiii/pentium_III-s.htm
□P3TDL3(Supermicro)
http://www.supermicro.com/PRODUCT/MotherBoards/RCC_LE/p3tdl3.htm

 (Intel Pentium III)
 (SUPERMICRO P3TDL3)

[撮影協力:コムサテライト1号店コムサテライト3号店パソコンハウス東映]


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