【 2001年12月28日号 】

アキバの2001年10大ニュース投票結果発表
1位は「今年もやっぱりメモリ相場は大激動」

 読者に投票していただいた2001年10大ニュースの結果をここで発表しよう。

 投票受付期間:12月24日~12月28日
 総有効投票数:7,569票(1,774人)

メモリの価格が今年も乱高下

メモリ値上がりメモリ値下がり
【メモリ値上がり】【メモリ値下がり】

 2001年の第1位となったのは「今年もやっぱりメモリ相場は大激動、ピーク時は512MBの最安値が3,580円に」。得票数は692票で、2位との差が99票という僅差ではあるものの、昨年同様に乱高下を見せたメモリ相場は、個々の温度差はあろうが自作PCユーザーにとって毎週の関心事(市場関係者にとっては“毎日の”かもしれないが)となっていたことは事実だろう。

 特にニュースのタイトルにもなっているとおり、2001年初頭は6万円前後だったPC133/CL3対応SDRAMの512MBモジュールの最安値が、10月下旬にはその約20分の1となる3,000円台にまで下落するという劇的な推移を見せたことは記憶に新しい。

 今年は、第9位に「DDR SDRAMがメインストリームへと躍り出る、Intel/AMDとも主力チップセットはDDR SDRAM対応に」がランクインしているとおり、自作PCにおけるメモリのメインストリームがSDRAMからDDR SDRAMへと移行した年でもあったが、その“新規参入組”であるDDR SDRAMですら、PC2100/CL2.5対応256MBモジュールを例に挙げると最安値が4万円前後から3,000円を切るところまで下落(2001年1月上旬から11月上旬までの推移)するといった激しい値動きを見せた。

 しかし、低水準で推移し続ける昨今のメモリ相場を受けて、DRAMベンダー大手のHynixがMicronとの提携の検討を始めたことを発表したり、東芝が汎用DRAMの製造/販売から撤退するなど、DRAM業界の再編が進みつつあるのも事実で、それが影響してか右肩下がりが続いていたメモリ価格が年末には一転し、値上がりの傾向を見せている。この傾向が一時的なものか、あるいは長期的に続くのか判断が難しいが、どちらに傾くにせよメモリ相場が2002年も注目される事項となることは確実だろう。

CPUの動作クロックが一挙に2GHzまで到達

2ギガPentium 4 2GHz
【2ギガ】【Pentium 4 2GHz】

 99票という僅差で2位につけたのが「CPUクロックはついに2GHzに到達、クロックウォーズはPentium 4が制す」で、得票数は593票。2001年は“GHz”というCPUクロックの単位も当たり前のようになり、GHzクラスのCPUが初登場した2000年ほどのインパクトはなくなってしまったが、それでもPentium 4の2GHzモデルが初めて登場したときは、いくつかのショップが凝ったPOPを掲示して入荷をアピールするなど、ちょっとしたお祭り騒ぎで迎えられたほどだ。

 しかし、同一クロックのAthlonとPentium 4をベンチマークテストで比較した場合、テスト項目にもよるがおおむねAthlonのほうが高い数値を出すということで、Pentium 4に対して冷ややかな態度を示していた自作PCユーザーも当初は少なくなかった。Athlon XPも新たに導入したモデルナンバーでは論議を呼んだが、やはりコストパフォーマンス的にはPentium 4を上回るということでAthlonの人気自体は衰えていない。

 とはいえ、8月末に実施されたIntelによるPentium 4の大幅な値下げや、その後登場したSocket 478対応Pentium 4が、Pentium 4の自作PCユーザーへの普及を爆発的に加速させたのも事実だ。とくにSocket 478対応Pentium 4は、0.13μmプロセスで製造されるNorthwoodコアPentium 4とピン形状に互換性があるということで、Socket 478対応マザーボードと一緒に購入していくというユーザーが数多く見られた。そのNorthwoodコアPentium 4も年末にデビューを果たし、最終的には2.2GHzモデルも登場するなど、CPUクロック上昇の勢いは止まらずといったところだ。

 Athlon XPも2000+が年末になってデビューし、IntelもAMDもともに2GHz級に到達して2001年は終了となった。

謎多き秋葉原の再開発に関心高まる

駐車場廃止の告知今はなき駐車場
【駐車場廃止の告知】【今はなき駐車場】

 3位には「旧秋葉原駅前駐車場が廃止、跡地の利用構想には第2東京タワーやITセンターなどが上がる」が選ばれた。得票数は444票。

 500台という収容台数を誇っていた巨大駐車場が「埋蔵文化財センターの発掘調査のため(中略)廃止いたします」というアナウンスを突然出したときには誰もが驚いた。この時点ででは、このあとの代替駐車場はどうするのか?次は何になるのかがまったく不明で、その謎めいた動きに注目が集まった。

 直接PC用の製品などに関わるニュースではなかったが、JR秋葉原駅のすぐ近くに位置し、ランドマーク的存在でもあった駅前駐車場が廃止されたことは、自作PCユーザーにも少なからず衝撃を与えた。特に、古くからアキバには自家用車で通っていたという人にとっては、実用的にもショックを受けたニュースだったに違いない。なお、これに代わる駐車場として、旧駅前広場に収容台数が約250台の「秋葉原駅前第二駐車場」が8月にオープンしているのはご存知のとおり。

 そして、これをきっかけとして秋葉原の再開発計画が徐々に明らかとなり、駐車場跡地に“世界最大級の電波塔”の第2東京タワーができるという話やIT関連のビルを建設するといった話が持ち上がり、最終的にはつくばエクスプレスが開通した後の新秋葉原駅に関連してヨドバシカメラが進出することが明らかになるなど、次々と新しいアキバに関する話題が出て多くのアキバフリークを一喜一憂させることになった。

 このほか4位に、3位との得票数差が3票という僅差で「パソコン用のDVD-RW/+RWドライブが続々と、書き換え可能なDVDメディアがDIY市場に登場」がつけたのをはじめ、以下5位が「NVIDIAのGeForceシリーズの市場独占にATI RADEONが待ったをかける、ビデオチップは2強時代に突入」、6位が「AMDがAthlon XPでパフォーマンスレートを採用、DIYユーザのみならずPC業界が全体が騒然」などが入った。

 順位    ニュース/解説
1位
(692票)
今年もやっぱりメモリ相場は大激動、ピーク時は512MBの最安値が3,580円に
(何度か値上がりはあったものの基本的には値下がり傾向、1年前と比較すると20分の1になったものも)
2位
(593票)
CPUクロックはついに2GHzに到達、クロックウォーズはPentium 4が制す
(1GHzオーバーした昨年同様にクロック競争は激しさを増す一方)
3位
(444票)
旧秋葉原駅前駐車場が廃止、跡地の利用構想には第2東京タワーやITセンターなどが上がる
(収容台数は減ったものの駅前広場が臨時駐車場として転用された、ただし計画の告知が遅れたことで混乱も)
4位
(441票)
パソコン用のDVD-RW/+RWドライブが続々と、書き換え可能なDVDメディアがDIY市場に登場
(DVD-RAM以外の書き換え可能なDVDメディアの選択肢が広がったが、本格的な普及は来年へと持ち越し)
5位
(427票)
NVIDIAのGeForceシリーズの市場独占にATI RADEONが待ったをかける、ビデオチップは2強時代に突入
(ATIが方針を転換しサードパーティにチップ供給を開始、GeForce一辺倒だったビデオカード市場も様変わり)
6位
(422票)
AMDがAthlon XPでパフォーマンスレートを採用、DIYユーザのみならずPC業界が全体が騒然
(クロック競争でIntelに一歩譲ったAMDは、製品表記にK5以来となるパフォーマンスレートを導入)
7位
(399票)
アキハバラデパートが50年の歴史に幕を下ろす撤退宣言、ラジオ会館は「世界の秋葉原」と強烈にアピール
(アキハバラデパートは春から秋葉系SCとしてリニューアル、ラジオ会館のネオンは派手さと時代錯誤な文句が注目)
8位
(366票)
着々と進むHDDの大容量化、ついに1ドライブで100GBオーバーの時代が到来
(昨年の最大容量80GBから今年は2倍の160GBへと到達、IDEの限界137GBの壁を越える日が来た)
9位
(363票)
DDR SDRAMがメインストリームへと躍り出る、Intel/AMDとも主力チップセットはDDR SDRAM対応に
(1年前は価格、取扱量とも同じような状況だったDDR SDRAMとRDRAMだが、はっきりと明暗が別れた)
10位
(358票)
待望のAMDにDual Prossesor環境が登場、Athlon MPと760MPチップセットがデビュー
(AthlonによるDual環境がついに実現する、年末には改良版の760MPX搭載マザーも)

11位
(317票)
メーカー名不詳の謎のブランド「玄人指向」登場、BBSのみのサポートにもかかわらず一大勢力に
(サングラスを掛けた男性の顔が目印、同時に代理店による独自企画ブランド「アスクセレクト」も登場)
12位
(300票)
アキバ最大の衝撃か? 2005年に新秋葉原駅前に10階建てのヨドバシカメラが誕生
(昭和通り側の新秋葉原駅前となる一等地をヨドバシカメラが取得、既存の家電系大型店も対抗の動きが活発に)
13位
(255票)
続く不況の影響でPCパーツショップの生存競争が激化、有力店の撤退が相次ぐ
(ピーシーアドバンスド、PCiN秋葉原やWAVE EYE秋葉原店が閉店し、ギガパレスはアキバから撤退)
14位
(204票)
バリュークラスのCPUも1GHzもオーバーへ、CeleronとDuronの熾烈なクロック争いが続く
(Celeron /Duronともに最終的に1.2GHzに到達、価格は1GHzで1万円割れが当たり前に)
15位
(199票)
ブックサイズで高まった省スペースPC人気がキューブタイプの登場でブレイク
(CUBE-24の登場を皮切りに、星野金属からもPandoraやPoloが登場して人気に)
16位
(195票)
ついに到来したビデオキャプチャ元年、テレビ録画はパソコンでが当たり前!?
(各メーカーから趣向を凝らした製品が続々と登場し、ユーザーの要求も画質や使い勝手など高度化している)
17位
(184票)
電気→パソコン→オタクと来て次はエロの街? 秋葉原の表通りにアダルトグッズショップが進出
(JR秋葉原駅のすぐ目の前にアダルトグッズショップ、中央通りにはアダルトビデオ専門店が開店)
18位
(175票)
Windows XPで恒例の深夜販売が、パッケージ版とOEM版で初の2度開催
(Windows MeからOEM版とパッケージ版の発売日が分けられたが、2度とも深夜販売を行なったのはこれが初)
19位
(168票)
Pentium 4プラットフォームが大変動、ソケットは423から478へ、メモリも二転三転
(ソケットの移行は当初から予告されていたが、メモリは最終的には予定外のDDR SDRAMが標準となった)
20位
(164票)
ビデオチップの王者NVIDIAがチップセットへと参入、統合型チップセットに新時代到来
(最新のグラフィックスコアを擁するメーカーの参入で統合型でも性能に注目が集まる、2002年にはATIも登場か?)
21位
(162票)
2001年の裏トレンドはPCの静音化、ケースから電源やドライブまで「静か」が謳い文句に
(ケース用の吸音シート、電源用サイレンサー、HDDの性能アップも謳う制振ネジまで登場した)
22位
(149票)
Pentium 4への移行が進んだIntelプラットフォーム、Intelのなりふり構わぬ値下げ攻勢が成果を上げる
(ショップでもあれほど売れないと困っていたPentium 4も、下半期には主力製品となり一部製品の深刻な品不足が話題に)
23位
(140票)
マイクロソフトがOEM版Windowsの販売条件を緩和、「OSはメモリと一緒に買う」のが定番に
(CPUやHDD以外にCD-Rドライブやメモリとのバンドル販売も可能になり、OEM版Windowsが身近になった)
24位
(100票)
サポートもなければドライバも付属せず、トラブルだらけの中でUSB 2.0がついに船出
(最初の製品にはドライバが付属しない等のトラブルもあったがデバイスも揃い始め、あとはOSによる標準サポート待ちに)
25位
(72票)
トロとハローキティのハブからアロマポットにクリスマスツリーや扇風機まで、今年は何でもUSBに繋げる年
(有名キャラクタを採用したUSBハブや、USBコネクタから電源だけをとる製品が各種登場し話題となった)
26位
(67票)
VIAに買収されたCyrixはC3へと名称変更、低消費電力・低発熱なCPUとして評価を得る
(Cyrixはブランド名としても消滅、お菓子のような缶パッケージは人気で売り切れ続出)
27位
(59票)
カードは7千円台、ハブは2万円台に突入、Gigabit Ethernetの低価格化はメモリ並み?
(ここ数年でEthernetは100Base-TXの低価格化と普及が進んだが、Gigabit Ethernet製品はそれを上回る勢いで値下がり)
28位
(58票)
焼き肉バイキングにカニ専門店、中央通りには牛丼屋も開店し秋葉原の食事状況が改善
(食事処が少ないと言われ続けたアキバも最近は改善され、今年も多くの飲食店がオープンした)
29位
(54票)
Athlon XPから樹脂製のOPGAパッケージに変更、さらに茶色から緑色へと変化
(これまでセラミック製パッケージから樹脂製へと、さらに茶色からPentium III似の緑色に)
30位
(38票)
NeccaにYahoo! Cafe、Linux Cafeからカレー屋まで、アキバにブロードバンド体験スペースが続々誕生
(再びインターネットステーションに脚光が当たった、ちなみに喫茶東洋のブロードバンドカレーは390円)


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