家屋内に配置されている電灯線を利用して最大14Mbpsのネットワークが構築できるというユニークなLANブリッジ「FD1802-E」がSVECから登場した。店頭に並んだのは英語版の輸入品で、ぷらっとホームで販売が行なわれている。実売価格は19,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、国内の法的認可がないため実質的に国内では使用不可だという点に注意が必要だ。
「FD1802-E」は一般の電源コンセントに接続することで、電灯線を介してもう一方の「FD1802-E」との間でネットワーク通信が行えるというもの。通信規格はHomePlug 1.0準拠で、最高通信速度は有線タイプとしては低速の14Mbpsだが、見通しのきかない部屋同士にある各機器をネットワークで接続したい場合などには有効な規格といえるだろう。
本体は一見するとコンパクトサイズのハブのようで、前面に電源や通信の状況などを示すLEDとLANコネクタを1個、背面に電源コネクタを備えるのみという非常にシンプルなインターフェイスになっている。ドライバのインストールなどは不要で、各コネクタに電源ケーブル、LANケーブルを接続すればすぐに利用可能という。そのほか、56bit DESによる暗号化機能を装備するといったセキュリティ面への配慮もなされている。なお、前述のとおり通信速度は最大14Mbpsだが、LANインターフェイス自体は10Base-T/100Base-TXに対応している。
もっとも、電灯線を使ったネットワークの構築に関しては、いろいろ難点があることに注意が必要だ。今回の製品で言えば、ネットワーク構築に最低でも2台の「FD1802-E」が必要となるため、導入コストは最低約4万円とかなり高くなる。また、最大の難点は、HomePlug 1.0が使う4.5MHz~21MHzの周波数帯域を電力線上で使うことは、日本ではまだ認可されていないという点にある。無線LANが使えないようなケースなどではかなり便利な機器ではあるが、今は研究開発施設内などの限定的な用途でしか使えないというわけだ。
無線LANやモデムが当初そうであったように、こうした最新の有望な通信機器は常に海外が先に実用化されるといういい例ではある。誰もが使えるというわけではないものの、研究目的などの目的で最新の通信機器が入手できるのはアキバの強みだろう。
【追記】28日(月)時点で同店での販売は中止された。
□FD1802-E(SVEC Computer)
http://www.svec.com/PRODUCTS/powerline/FD1802-E.asp
□「電力線搬送通信設備に関する研究会」報告書の公表(総務省)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020809_4.html
| (SVEC FD1802-E) |
[撮影協力:ぷらっとホーム]