自作PCユーザー向けレンタルスペースのAKIBA自作SPACE(ブロックD1-[e5])で、Pentium 4 3.20GHzを4GHzにオーバークロックして動作させるというnVENTIVのガス式CPU冷却システム「Mach II」が展示されている。同店で実施中のイベント「オーバークロックグランプリ2004 1st Stage」で使用されている機材で、参加者が使うこともできる。
「Mach II」は、空調などでも用いられている「R134a」というガスを冷媒にした冷却システムで、最大で約-50℃に達するという超低温のガスでCPUを冷却するというハイエンドな仕様がウリ。コンプレッサーやフリーザーなどを内蔵した外付けのユニット本体はミドルタワーケースの半分程度の大きさで、ユニット上に設置した専用PCケース(底面にチューブ用の穴が開いている)にチューブを通じてガスを送り、先端のヘッドで冷却する仕組みだ。ユニット前面の液晶パネルでは、温度や動作状態が確認できる。
同店のデモマシンは海連の露出型PCケース「Lubic」の未発売新モデル(ATX対応、5月中旬発売予定)を使ったもの。Pentium 4 3.20GHzを4GHzで動作させることが可能で、数分間程度なら4.2GHz程度での動作も確認したという。さらに、負荷をかけてもCPU温度は1℃程度にしかならないというから驚きだ。高い静粛性も特徴のひとつだが、これに関してはデモマシンの電源の動作音が大きかったため、実際に体感はできなかった。
PCの起動はユニットと連動しており、ガスの温度が-33℃まで下がらないとPCが起動しない設計になっている。そのため、起動にかなりの時間がかかる(2~3分程度)のが難点だ。
同店では、価格が決まりしだい受注販売を行なう予定で、早ければ5月末にも開始できるという。予価は10万円以上(US 898.41ドル)で、さらに送料2万円が必要。製品構成はユニット本体と冷却ヘッド(Socket 478用とAthlon 64/FX用を選択可能)で、要望があれば冷却ヘッド単品での販売も行なうとしている。
仕様、ルックス、価格のどれを取ってもマニアックな印象の強い「Mach II」だが、オーバークロックを極めたいコアなユーザーにとってはまさに最強といえるアイテム。同店の続報に注目だ。
□Mach II(nVENTIV)
http://www.nventiv.com/index.php?pageid=43
http://www.nventiv.com/index.php?pageid=15
□オーバークロックグランプリ2004 1st Stage(AKIBA自作SPACE)
http://www.akiba-jisaku.com/ocgp2004/top.html
| (nVENTIV Mach II) |
[撮影協力: AKIBA自作SPACE(ブロックD1-[e5])]